12/12/2008

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KUDAN making

Links DigiWorks 40人くらい。
40代のスタッフだけで作った。1980年代から CGに関わってきたメンバー。
深くCGのことを知っているからこそ、コンピュータの中に世界を構築できた。
CG技術をアピールするのではなく、クリエイティビティをアピール。

KUDAN とは何か?
日本のある地方に伝わる妖怪。からだが牛、頭が人間。飢饉などを予言する。
その予言は常に正しく、数日で死んでしまう、短命な妖怪。

映画のために作られたキャラクターとは違うリアリティがある。
どうやって未来を予言できたのかのアイデア。KUDAN は一種のタイムマシン。

テーマ:人間社会の構造を映像化しようと考えていた。
人間は巨大な生物の一細胞で、細胞同士は言葉でつながっているのではないだろうか?

ストーリー:あるとこそに会話をうまく持てない親子が居て、
そこに不思議な仮面が届くところから始まる。
その仮面をかぶると、KUDAN になってしまう。
偶然子供の危機を知り、救うことになり、会話が戻ってくる。

Grim Reaper というキャラクタ:根を切られた人は社会的に抹殺される。
KUDANは別世界をみるためのインタフェースとして機能する。

キャラクタやプロット:日本の伝統的なものからインスパイアされたもの。
KUDAN : Akabeko というおもちゃから。
父親の服のパターン:Tie-Dye Pattern カナコ絞りから。
こどもの服。こけしから。
Reaperの要素:Monk 日本の僧侶、虚無僧の傘から。
Matoi という火消しが使う道具から。
レンズゴブリン;おちょこからイメージしたもの。

架空の文字: KUDAN Font という架空のフォントをデザインした。
ディレクターの好きなものを盛り込んだもの。

技術的な話:3DCG のアドバンテージを使うことも重要であった。
少ない 2D コンポジション。トーンマッピング。GIレンダリング。
合成は極力使わない。モーションブラーもレンダリング時に処理
全編 GI, フォトンマッピングによるレンダリング.
3ds max , final render.
社交ボックスやレフ版で、実写のように光をコントールした。
トーンマッピング。ディテールをより見せることに成功。
カラーコレクションとグレインを加えて質感豊かにできた。

たくさんの人とたくさんの予算で作られているデザインが多い。
既存の二次元の絵作りを焼き直しているだけ。
三次元CGをそこならではのものを作る。
現実には存在しないものを作り上げようとした。
まだまだ面白いものを作る可能性は無限にある。
少ない人数で作業することにより、個性が凝縮して素晴らしいものになった。
難解になりがちなものを、わかりやすく。絶妙な組み合わせ!

仕事の合間をぬって、2年半の制作期間。 
KUDAN素晴らしいです。!!