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2/26/2014

[&] schoo - Q&A (UX)

schoo で頂いたご質問への回答です。

■お勧めのUIの入門書籍はありますか?

入門としては、たくさんのアプリを見て、真似てみるのがおすすめですが、
網羅的に全体像をつかみつつ学ぶには、本はとても良い教材です。

まずは無料で読む事のできる iOS ヒューマンインタフェースガイドラインが、
iPhone アプリにも、Android アプリの開発者にも役立つ内容です。
https://developer.apple.com/jp/devcenter/ios/library/documentation/MobileHIG.pdf

UI 専門の書籍としては以下のものが概念的な事柄を知るにはおすすめです。
ただし、短期的にスキルがのびるという感じのものではありません。

●スマートフォンのためのUIデザイン ユーザー体験に大切なルールとパターン
●インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針
●フラットデザインの基本ルール
●インタフェースデザインの実戦教室
●Smashing Android UI レスポンシブUIとデザインパターン

短期的な成果を求める場合、
また、ごくごく入門からということであれば、Photoshop など、ツールの使い方、
目的別のチュートリアル本などを見ながら学ぶと、作業の手順が想定できるようになるので、
基礎力を鍛えるのがおすすめです。そうすれば、他のアプリを一瞬見ただけで、
どうやって部品を組みあせて、どういう手順で UI部品を作れば良いのか解るようになります。

あとか、UIの部品集などを公開しているサイトから、部品ファイルをダウンロードし、
どういう構造で、どういう配慮をしながら作っているのか、細かく見て行くのも良い手です。

■よいUI/UXを考えるのには、最新技術や流行ネタなどは一旦横に置いておいたほうがいいものでしょうか?

その「最新技術、流行ネタ」が、サービスの主要要素であるならば、主軸に考えて、
横に置いておかずに、最大限力を入れて活用し、採用しましょう。

ただし、その「最新技術、流行ネタ」が一過性のものでしかなく、
これから作ろうとしているサービスの根幹では無い場合は、
まずはそのサービスの本質に力を入れ、流行ネタなどは
あとから味付けとして加えるくらいで良いかもしれません。

最新技術は、物珍しいですが、物珍しいのは最初の一回だけで、
多くのユーザーに受け入れられるまでに時間がかかる場合がおおく、配慮が必要です。
まずは、少数の先進的なユーザーに試用してもらい、意見を伺い導入を決めても遅くは無いでしょう。

また、流行ネタは、流行でなくなるのも早いことを忘れずに。
次々に流行ネタを繰り出していかなければ、いつかは飽きられたり、古くさいものになってしまいます。
キャンペーンで単発、短期間で終わるものでしたら、充分採用の余地はありますが、
長く使い続けてもらいたいものであれば、一時期の流行には流されず、
今現在と、少し過去の標準的なものに学び、少し先の未来を見据えた上で考えていくと良いと思います。

■アプリ作製する時にイメージとか何処からヒントやアイディアをみつけていますか?

日常の何か、ネットやデジタルでは無いことがらにヒントやアイデアがたくさん隠れていると思っています。
特にスマートフォンやアプリ開発(デザイン)は、歴史の浅い世界なので、
歴史の長い業種や事柄、商品などに学ぶと、いろいろなことがアプリ製作に生かせる事項が多いと感じています。
例えばアップルのスティーブジョブズが傾倒していた「禅」の持つ世界観や、心構え、
昔からある人によるサービスや、絵画や写真、雑誌など紙のグラフィックデザインのノウハウなど。
あとは、ネットや本で、画像を沢山みる。
その分野の本や雑誌を読む。人を観察するといったことでしょうか。

「その分野の本」というのは、スポーツ関連アプリの仕事であれば、スポーツ関連の本、
スポーツ好きの人のための雑誌というような意味です。

■UXとUIの違いを教えてください。

UX は、ユーザーエクスペリエンス、つまり使う人の体験のことです。
UI は、ユーザーインタフェース、(今回の場合は)デジタルデバイスを操作するための操作方法(ボタンや画面)です。

乱暴に例えると、木片に穴をあけたいという目的があった時に、
道具である「ドリル」が UI
「穴を開ける」という体験が UX
と考えると解るかもしれません。

またもう少し掘り下げて解説すると、
UI は、デザイナーや開発者が作って、使う人(ユーザー)に提供するものですが、
UX は、UXデザイナーやいろいろ考えて作り上げて提供したとしても、
使う人(ユーザー)は思ったとおりの行動をしてくれなかったり、
ユーザーがどのような体験をして、どのような印象を受けるかは、ユーザー次第となります。
UXデザイナーはUXをデザインするというわけではなく、より良いユーザー体験のために
UIを含め様々な体験が得られるよう配慮し、行動する人というのが使命だと思います。

■UXデザインを考える際、よく使われるフレームワークはありますか?

●SWOT 分析

SWOT 分析という手法を良く使います。4象限に分けた図に、
「強み、弱み、機会、脅威」を分析していきます。
真剣に作ると意外と気づかなかった強みや弱みが見えてきて、
どこに集中して素早く行動しなければいけないのかが解ってきます。
あとは普通にペルソナ設定、ジャーニーマップを作りますね。
このあたりはまた機会があれば、schoo で授業したいと思います。

以上です。その他、質問があればお知らせください!