10/22/2010

[&] HCD-Net ( "Sensitive" and HCD)

HCD-Net : 感性とHCD
http://www.hcdnet.org/event/hcd-net-salon/hcd-nethcd_1.php

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平田智彦(ziba tokyo) Autentic Experiences
http://www.ziba-tokyo.com/

過去2回がアカデミックに行なわれているのを聞いて、ビビッてます。
大学卒業してキヤノンに卒業して、US ziba, AXIS にプロダクトデザインを経て
ziba tokyo を立ち上げました。ziba tokyo は外苑前にあります。

感性:感情や衝動・欲望をも含む、感覚によって呼び起こされる体験内容

これをどう解釈するかをデザインで解釈すると

よい ≒ すき

いつも比較するのですが、良いと好きの違いを考えていくと、
様々な内容がおもい浮かばれます。
日本の会社は良いところがあります。
日本の会社で好きな会社、好きな製品に何があるのか考えると.... Apple とか?
地方の物産、わざわざ食べにいったいするし、そこには好きなものがある。
好きになるにはどうする?企業のテーマにもなりうる。

好き ≒ 僕の主観

どこか余地を残しているのが好き
自然からの派生?! アジア人の DNA?

日本の宗教は「教え?」良いと好きのベースになってくるものが違う。
何か、人工的に作られているものと、自然に作られているもので、
感性に影響していくる。

#なんとなくアウェイな感じがするんですけど....

主観 = 対象の認識をする自我
 1. 過去の経験
 2. 先験的な期待

エクスペリエンスは感情に大きく左右される。
ziba も experience に注目し、様々な output 出している。
過去の経験、未来の期待を " Autentic Experiences" ふさわし経験は?
ブランド、会社、顧客、テクノロジー、コンペティターを意識しながら....
これが日本の会社だと分断されているが、
時代の流行を取り入れながら変化していかなければならない。

80% のプロダクトには問題があるかもしれないが、20%のプロダクトにはソウルがある。

ziba (ペルシャ語の美しい)1984 portland でスタート。
どのような経験を望んでいて、どうデザインに反映するのか?
1983 台北ができたときに、コミュニケーションデザインも追加された。
strategic design 解決のデザインを。
銀行の顧客の経験をデザインし、売り上げを2倍にしたり。
ziba 全体では 163名デザイナー/エンジニア/モデルメーカがいる。
リサーチの心臓部には心理学者や人類学者もいる。
顧客のためのデザインを展開している。
19人種。全世界のプロファイリングができる。
東大の i.school のワークショップの展開なども日本で展開している。

クライアントは Nike, DOCOMO HP, SAMSUNG, INtel, Nestle, FUJITSU、IBM, などなど。

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ケーススタディ: UMPQUA BANK コミュニケーションデザインの例。
オレゴン州の農協みたいな銀行。
売り上げが伸びないので「ロゴでも変えてみようか?」という話になった。
顧客の感情にヒットするようなポイントをおさえて、デザインに反映した。

入り口には、銀色のペットの水飲みがある。
新しいロゴは、銀行のロゴっぽくない。
地元意識が強いので、地元に密着したもの。
長靴をはいた顧客が来るような銀行。衰退縮小傾向にあった銀行だったのだが、
ファサードが変わるだけで、大きく変化した。
カウンターが奥にしかない。
工業デザインは全部新しくした。
映画の鑑賞会、音楽会などもできるように、行員自身が壁パネルを変化させられる。
銀行に入るとコーヒーの香りがする。
家に帰ってもコーヒーの香りがすると、銀行のことを思い出す。
銀行で10分でも待たされるとイライラする。
顧客の楽しいポイント、感情にふれるポイントを調べていった。
ブティックホテルのような、デザイナーズホテルのような感覚。
そこで本を読んだりする体験を再現。ここは休みにくるところ。
自分の気に入った時間に行員とコンタクトしてくださいという作り。

入るとすぐにネットサーフィンできるコンピュータがある。
無意味な値引きをする必要が無い。何を比較して、調べてもらってもかまわない。
アメリカの銀行みたいに鉄格子もない。
カウンターの高さも低い。
行員のおばちゃんも研修を受けるとコンシェルジェになって戻ってくる。
コンシェルジェのステージを作ってあげた。
その人達がずっとそのステージに載ったままで居られるか?
長靴をはいたお客さん達が、対応が変わってくる。ポジティブなシナジーがまわってくる。
関係無いと思っていた人達が銀行に関係してくる。
そういう場をつくった。
65行全部改変した。
紙袋などのアプリケーション類。紙を地面に埋めると植物が育つ。
口コミで宣伝してくれる。
文盲の人達が 40% いるが、屈辱的な体験が無いように、
グッズには 1ワードしかいれないようにした。

売り上げが1年で2倍になった。
1億ドルの宣伝効果があった。
我々のイトーキも、営業ツールとして展開していた。お会いした時に感激して頂いた。

Harley-Davidson's Escape
モノとユーザーとの感情的な繋がりは、愛着という価値経験を生む。
がっ.... 感性は、情動・気分・情操など心的過程で変化する。

常に愛着のスイッチが入るとは限らない。
これが今後の商品開発やデザインに投入するのが必要。
朝の自分と、仕事が終わった時の自分は違う。
ベースの自分と、バイオリズムとシンクロさせる
そういう商品はまだない。今後のキーポイントである。

課題『情緒のスイッチをONにする工夫』

豊島園の来場者 ≒ 東京ディズニーランド(ゲストと呼ぶ)積極的に関わらせる工夫

掃除をしている人を見る。TDLは自分たちをキャストと呼ぶ。
人と人のベクトルがつながってくる。

ゲスト >>> 今までのスイッチ
キャスト >> 新しい感性のスイッチ。キャストにはステージが不可欠 = 新しい ziba のテーマ

ドイツでは 10年間からあった ダイアログインザダーク 暗闇での体験。
入って15分もしないうちに、違う感覚を使っていることを良くわかった。
最後の15分間でそこから出ていきたくなくなった。
人間はもともといろいろな能力を持っていて、視覚を除くと、他の感覚が研ぎすまされていく。
この感覚を商品開発に活かしたいと思っている。
末期がん患者のセラピーや、企業の新人研修でも使っている。

経験の要素

         経験に吸収されている
受動的参加 ---------------+---------------------積極的参加
         経験に投入されている

Entertainment / Education
Esthetic / Escape
どういう比率なのかで、ブランドの立ち位置がわかる。

顧客との約束 ---------- 緊張/興奮
顧客との約束 ---------- 驚き
顧客との約束 ---------- 分かりやすさ
顧客との約束 ---------- 満足

顧客と約束した「経験」が顧客の経験を超えた瞬間
感性のスイッチが ON される。
Proposal における、感性スイッチの事例。

ビデオ:softbank がオーダーしているメーカーのデザインディレクターをやってください。
7社コンペ。最後の2社に残ったが。
犬のお父さんのCM。白戸家ケータイ。ShiratoPhone というのを考えた。
お兄さんのケータイ。世界時計をテーマにしたGUI
私のケータイ。フェルトで作った。秘密のある年頃。チャックを作った。ドンキで宝探しをするような。
お母さんのケータイ。白いケータイ。無印の透けたような引き出しをいっぱい並べたような。
お父さんのケータイ。骨の粉末を使ったノベルティ。
クライアントのスイッチを入れるためにあえてムービーにした。
 これのおかげでスタッフが倒れるくらいUIの仕事が来た。

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プロダクトのサンプル。お茶用のコーヒーメーカーを作った。
作法や所作にもてなしの気持を導入することができる。
1つ余分な操作をさせるが、それがおもてなしに繋がらないのか?とうUXを作った。
外国のお客様からかなりの反響を頂いた。

Nike Japan のデザイン室ができたとき、パーティーで営業部長と知り合って、
何か提案をしてくださいと言われて、提案をした。
面白いので、デザインのトップに提案してくださいと言われた。
Nike のマークの位置。Nike ランドセル。走れる感じがする。子供達の経験価値が作れる。
Nike は法務にスポーツにフォーカスしろと言われていて、レンドセルは作れなかった。
今はいつのまにか普通にNikeのランドセルが出てきて、凄く残念。

感性に対してアプローチする時は、場のスイッチを入れてあげるのが確実に必要。
その場のスイッチが入れられるようなサービスや商品をもっともっと考えていかないといけない。

Q: 銀行の話の中で、オレゴン州の銀行の例。どのようにリサーチしたのか?
A: 全体のコンシューマではなく、顧客のリサーチをした 360度、全部みる。
 休日も仕事の日も、時間帯によっても違うものを全部見て、
 ユーザー一人ではなく、職業差もあるし、年齢差もある、全部みる。
 360度、全部見るというメソッドを使う。
 定性リサーチ。テーマを引き出す。文化人類学/心理学専門家と組み合わせデザイナーがベース。

Q: 最終的には物や場所のデザインに落とし込む。その人達が調査も行なう?
A: そう。それぞれのプロジェクトによって、ziba のメソッドに沿ったツールを作る。
  ziba USAの考え方。グループのパワーを凝縮していこうという考え。

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須田冨士子(プロジェクト工房)場と感性
http://projectkobo.com/jp.html

デザイナーでは無いので、こういう場でレクチャーするのは緊張しています。
ziba はデザイン全般の話であったが、
私の話は、デザインに入る前にどう感性を作るのかといった話。
LinkedIn で探してみてください。

社会科学、自然科学を基本としたデザイン調査、
マルチメディアマーケティング、コンサルティング、ワークプレイスコンサルティング
英語コミュニケーション教育 などを手がける。
10年以上やっていて、これらのことができるようになってきた。
2006年設立。バーチャルカンパニー
スチールケース社で得たワークプレイス理論(IDEOのベース)
もともと発端は通訳であった。母親が米国人と結婚したため、アメリカ式に育った。
夫婦喧嘩の時に、子供として通訳していた。

人が想像しながら、元気になり、学び、ひらめく、しくみ創りがした。
言葉が分かるだけで、なんでいろんなことが解決するんだろうと思った。
ずっとそれを再現し続けている。

デザイナーが持っている才能を最大限に活かし人の毎日を豊かにする
モノ、空間、サービスを創るサポートをしたい。

研究し、学び、革新し、変わり続ける。

コンサルティングをやっているが、形を創るところまでしか携われない。
そういう意味でワークプレイスコンサルタントはやっていられないと悟った。
デヴィッド トング (David Tonge) 氏が日本で何かやるときに手伝っている。

場:何かが行なわれる場所
リサーチをするときには、場を選ぶことが9割方。
誰をどの場でみるのかで全然違う。

感性:五感、第六感

場 : 点、線、バウンダリーの中と外
人 = 心+体+魂
人 : いつも何らかの場の中にいる

感性 = バウンダリーの中、外を認知すること

様々なリサーチをしているが、経験をしていない人だと
物そのものしか見ない。物がどう使われるのか、どこで使われるのかが大切。
白い部分が見えるのかどうか。
習字が上手くなるには、字を見るのではなく、紙の白い部分が見えるとうまくなる。
周りの環境が見えるのかどうか?白い部分がどれだけ広いのかどうか?

白い部分がみえますか?
異なる角度から場が、人が見えますか?
異なる距離から場が、人が見えますか?

白い部分は
経験によって見えるようになる。
感性は経験によって磨かれる。

ちょっと体験
#ここで一人一枚、葉っぱが配られました。
どこから来たのか、考えてみてください。
それが分かった時点で、自分にとって何を思い出させるか?
この葉っぱに名前をつけてください。

これで何が言いたかったかというと、どういう場所、どういうものとひもづいているのか?
どういう気持なのか、全体を見るのが大切。

目薬の調査をすると、ボトルだけではなく、どういう所で売られているのか?
誰が使うのかといった広い観点でとらえないと1つの物だけを見るのではダメ。
人は話が創れる。人は嘘を言える。
フォーカスグループの中に入って、形や色を聞いても、
自分がいつも居ない環境の中でしゃべると、しゃれたことをしゃべってしまう。
凄く大切なのは、どこの場所で質問するのか?質問の仕方、質問しないで観察する。
質問に応えた時に、言っていない「白い部分」を見る。
自宅訪問が効果的? そこに無いものを見えるようになると、だんだんと今までに無いものに
気づける。イノベーティブなものが浮かんでくる。

とっさにストーリーを創る。とっさの時には本音が出る。
いろんなインタビューをしてはじめて身に付いてくること。

グルインや観察ルームなどの非日常では分からないことがある。
大きな発見、イノベーションの種はユーザーの生活の中にある。

日本の調査をしたい時、場所を選んで、人を選ぶ。
自分が大好きなこと、タダでもやりたいことの数をこなすと、価値がでる。

プロジェクト紹介:http://www.flickr.com/photos/projectkobo/

Sheng-yuan-Huang-Architects-Field-Office のやり方が面白い。
建築設計、だいたい CADで描いてしまうが、
絵を描く前に、いきなり模型を作ってしまう。

Sheng-yuan-Huang-Architects-Field-Office-visit (51)

コンサルティング、学問は「まとめる」ことが成果
モノ、サービス作りは「反応を作る」ことが成果。
売れるものを作る人とコンサルタントを見分ける。

まとめたレポートで何かを作っても面白いものは出来ない。
まとめることによって「白い部分」を排除してしまう。