5/14/2009

[&] takram @ AXIS


takram design engineering

takram @AXIS 20090514
--------------------
Fu-Rin

建築家(伊東豊雄):自分が建築する時にクイを打つのが建築行為。
          自分は打った杭の後ろにできる渦の方に興味がある。

砂時計の砂、満員電車から出てくる人の動きは同じ。
鳥の群れが、障害物があって、分かれてもまた一つになる動き。
リーダーが無くても個々が整合性をもって動くもの。

周辺の個体と、並行と距離を保つだけ。それで群れになって動く。
自然界が持っているようなロジックを抽出して、人間がその世界に没入できる空間を作った。
ユニット一個一個は、他に関心の無い個体だが、全体で美しく見える。
ローカルルールで動いているものが、引いて見たときはクローバルな効果が得られる。
1/2 の確立で、情報を伝搬しない状況を作った。花火のような効果。

300個の個々で動作するユニットが、色んなモードが存在する。
300個のユニットがトラブル無く動作させる時には、シンプルな違ったエンジニアリングが必要。
量産を考えて、エンジニアリング目線で冷血に考えて作る。
考えたからにはきちんと動かす。
300個吊ってテストすることはできなかった。途中では手間のかかる作業を繰り返していた。

--------------------
i-Widget, i-concier

takram はどうやって生活している? →クライアントワークもしている!(笑
i-Widget : DOCOMO携帯の上で複数のアプリを動かすもの。
i-concier の UI の設計とで財を担当。
スケジューラもフルリニューアルした。

 (中略:後ほど追記します)

-------------
Gyao NEXT

デザイナーとエンジニアだと、書面でも想像がつくが、
企画者や経営者は話が通じない。モックを作って伝える。
話さないで、見て、触ってもらうことによって伝える。
原稿ではなく、体験で伝える。そのためのプロトタイプ。

----------
Overture

プロダクトそもので成立するものではなく、
人間とやり取りすることによって、モノ作りができる。
作り手が体験しながらモノ作りをし、体験の良さを追求していく。
周りの人に体験させながら作るのも大切なこと。

もともと東芝から話を頂いたときのミッションは?
2010 に白熱の電球を止める。環境性能の高い LED 照明に移っていく。
欧米に対しては、東芝の電球のイメージが無い。照明の業界で認知が無い。
欧米で大きな市場を作ろうと考えている時に、ヨーロッパに知ってもらう機会。

白熱:暑い、効率が悪い。
LED:軽い。薄くなる。消費電力が低い。効率がいい。
薄く作るとか〜になりがち。

東芝のデザインセンター(馬場)、建築家の松井よう、takram
空間としては電球がぶら下がっていて、すこしづつインタラクティブな仕組みがある。
電球とか、光とか人間とかの関係性を少しあったかい関係性を映像として作りたかった。

日本の明かり文化は、東芝が作ってきたという自負。食卓の上に暖かくついてきた光。
生活に密着する明かりを考えていくことによって、今の暖かい光がもたらされている。
生活の中でスペックには洗わせられない、文化的な遺伝子などを
意識して作らないとこぼれ落ちていってしまうもの。それをコンセプトとして三ヶ月ぐらい考えた。

今回は、あえて白熱灯風のガラスの容器を作って LED がともっている状態を作った。
今は白熱の電球がまだつくられていて、LEDライトも開発されている共存している時代。
工夫として加えたのは、電球を触るとその中で子猫ぐらいのサイズの弱々しい心音を
振動として伝わってくる設計になっている。人がこの電球を触ると、ゆっくり
色が変わったり、明るくなったり、明かりに触れるという光景を見られる展示空間を作った。

広い空間に思えるが 120平米くらい。それほど大きくはない。
アーチ型の鏡を壁に敷き詰めて、空間が無限につながっている効果をもたらしている。
床に砂がしいてあって、外なのか室内なのか分からない状況、異空間を作っている。
白熱から、LED への静かな移行が起こっていることを示している。

電球を触っている人達、わずかな振動なので、注意深くじっとさわっていないといけない。
振動に集中していると、人は動かない。
周りの行為を見ている人が何かが起こっていることに気づく。

2〜3分、ゆっくりした流れを体験しないと、わからない。滞在時間が長くなている。
それぞれ、鼓動にばらつきがある。一個一個さわっていく人が居た。
会場の中に存在している色は白/黒/透明。
その他に存在している色は人間の肌色だけであった。
その色が電球に写り込んで美しく見えた。象徴的に空間の中で展開することができた。

期間内で完成して、きれいに動かすのも、
海外展示でもあるので、チャレンジングなプロジェクトであった。

物作り的な話:鏡を建てたのは施行上の話。
壁を塗ると、施工に時間がかかるのを、レース状の布を張り巡らせて、
鏡を設置するだけで空間作りを完了。
床の施工よりも、砂を撒いた方が素早く施工できる。

モノ作りは東京で済ませて、ミラノに持ち込む。
いろいろな工夫があって、汎用のダクトレールを設置しておいてもらって、
ひねれば設置が終わるという簡単な構成にしておいた。ネジ無しの設置。

ガラスとシリンダー状のものも普通はネジだが、
磁石を使って、カチッと結合する仕組みを作った。

展示の中での面白い仕組み:人が結構入って、6000人/日
子供もおおかった。いたずらされた時は?
引っ張られるとダクトレースが歪んで、トラブルの元になる。

引くと滑車がついていて、ダクトレールが歪む前にトルクで下に下がる安全設計がされている。
光るモードを変えるのは、電球をノックすると変わるように。
短時間で設定できる数々の工夫を組み込んだ。

もともとコンセプトの中で、来場者に伝えたかったのは、
電球の型の中で LED の芽吹きを鼓動として感じられる、
世代交代のようなものを、生命体のメタファーで作った。
十分に伝わったと思う。

最初の設計にいくまでに、プロトタイプを 5世代分くらいつくった。
電球の中にメカが入っている。センサーや、LEDや鼓動のためのモータが入っている。

展示やセンサーをやっているエンジニア向けの話として....
触ると何かが起こるというのは意外と難しい。
ガラスは不導体なので、タッチセンサーにならない。
水の中に静電気をチャージして、人間の手が触るとガラスを介して
わずかに静電気が漏れていく。その漏れをワイヤーで検知してセンシング条件にした。

なんで水が入っているのか?水が入っていないと、人間の側に静電気を伝えることが
できなかった。
水のレンズ効果で光が美しくみえることと、
人が触ったことを知るためのインタフェースとしての水の役目。

デザインとエンジニアリングの重要性。
「美しい」という話と、無いと動かないというエンジニアリングの話。
うまく結びついたイイ例。
水が波紋を作って有機的な見栄えになる。
水がもっている象徴的なものを電球に込めることができた。

--------
21_21 design site
骨展

今までのような知的な感じのものと趣向を変えて、
高速で走る殺人ロボを作った(笑
試作機がオフィスの中をものすごい音をたてて走っている。
プロジェクト外の人には迷惑!

Q:デザインエンジニアリングに必要な人員、体制?

A: チームワークと分業の違いを考える。
 組織が大きくなると、分業の方がやりやすい。
 現代的な要素だと、ソフト、ハード、デザイン、エンジニアリング
 をまんべんなくできる人になりたい。
 自分が得意な所に閉じこもるという仕事はしたくない。
 分担して考える分業性はとらずに、チームワーク 2〜3人が重要。
 全てのスキルを埋めるのは難しい。4項目を全て埋めている人はいない。
 医学が進んで 160歳くらい? 70歳になったころに、全スキルを得ていればいい。
 全体的、万遍的に埋める。2つの分野で特化した専門性を持つ。
 逆 I の時のような集団になればいい。あと 40年くらいには実現。

Q: プロトタイプを中心とした方針は、間違ってしまうと逆効果になってしまう?
 提案するときに気をつけることは?

A: 毎回ジレンマとしてでてくること。
 プロトタイプを作っていく中で、コンセプトを作るプロトタイプと
 コンセプトを実証するためのプロトタイプは大きく違う。
 コンセプトメイクのときにはアイデアの発散が重要。
 発散させるためにたくさんのプロトタイプを作る。
 実現が難しいと思えることも含めて、色んなものを作ってみる。
 凄くシンプルなものから、凄く濃厚なものまで作ってみて、発散のための道具であること。
 
 実際に製品におとしこむには、作れる使えるものでないといけない。
 アイデアを収束させるためのプロトタイプを作る。
 細かい仕様も含めて作り込みが必要。
 プロトタイプを作って、物作りではない人のコメントを反映することができる。
 アイデアを集積していく時に強力な役目を果たす。
 机の上では A と B がいいアイデアに見えてもプロトタイプではそうでない時がある。
 アイデアの破綻を避けることができる。
 
 最終品は製品に近いものを作る必要がある。
 途中の段階では、ペーパーモックアップでも、単なるムービーでもいい。
 プロトタイプに慣れてない人がやると、最初に作ったものを最終物だと思って作ってしまう。
 実際にチームの中で避ける必要があり。

Q. 10年後は?

A. デザインとエンジニアリング両方をやること。
 ハードウェアもあって、ソフトウェアもある。iPHone は Android の登場。
 少人数でも作れて、流通させることができる。
 そういう時代の傾向が強くなってくる。
 個人個人が作りたいと思ったものが作れる。
 プロトタイプとして作っていたものが、プロダクトになって流通することができる。
 デザインとエンジニアリングを高速にやっていくことになる。
 物作りがどんどん個人に解放されている。
 その流れの中で takram も動いていくんではないかな。

Q. 物作りで絶対にしてはいけないこと。

A. 思い浮かばない。
 健康を崩さない。徹夜して健康を崩したりしている。
 それ意外だとない?
 この一瞬だけ物作りしたいのか、長い間物作りに携わりたいのか?
 いろんなことをやっていく。

Q. 将来デザインエンジニアリングを目指す学生へのメッセージ!

A. こういうデザインとエンジニアリングの両方をやりたい学生が多い(@会場)
 工学部で普通に勉強していて、エンジニアであれば何でも作れると思っていた。
 大学3年に S社のインターンで働いていた。
 入ってみると物作りの大半はデザイナーやプランナーがやっていた。
 エンジニアは、放熱設計専門だったり、管理者だったり。
 ショックを受けて、デザインを勉強し始めた。

 会社の中で両方やるのは無理と人事の人に言われた。
 デザインとエンジニアリングのどっちするのか悩んだ。
 両方やってしまうのは、本当は無いのかどうか? そう考えて今の仕事をしている。
 イギリスに留学して安心した。
 山中さんのところで、両方ができるような気がしてきた。
 takram を設立。
 不幸な若者が下の世代で生まれないようにすること!
 大きな会社が「デザインエンジニア」という職種で募集をかける時代になって欲しい。

 そういうプロセスが有効になるような実績を作っていく。今は実績づくり。
 どういうやったらそういう人になれるのか。教育の世界。
 今は第一フェーズにある。
 いま会場にいる人はちょっと早すぎた人。

 実感として抱いているのは、個で閉じて物作りをするのではなく、
 いろんな分野の職人やデザイナーとの仕事がすごく楽しくなる。
 志を曲げずに、がんばって欲しい。