6/02/2009

[&] Dreaming iPhone



Amazon.co.jp: ユメみるiPhone―クリエイターのためのiPhone SDKプログラミング: 徳井 直生: 本

@Apple Store Ginza
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iPhone デベロッパーが語る iPhone の未来
ユメみる iPhone 刊行記念トークセッション

徳井氏+笠谷氏+岡村氏+深津氏

ユメみる iPhone 刊行記念。
本を計画した時は NDA 云々がうるさかったとき。
iPhone の面白さをコードを書いて実感して欲しかった。
音を使うとか加速度センサーを使うとか、
ネットワークを使ってコンピュータと連携するなどを主に扱っている。

自己紹介

徳井(T):Qosmo 代表取締役。メタクリエイター、DJ, デザインエンジニア、コンサルタント
   面白い広告を展開するとか。Android も。
   http://www.sonasphere.com/

笠谷(K):twitter.com/shinya BONNET代表取締役
   Pocket Guitar エフェクタ付き!

岡村(O):Delaware 音楽をデザインするバンド。 Reords 主催
   http://www.delaware.gr.jp/
   小さい画面で音楽的なことをずっとやってきた。
   http://www.delaware.gr.jp/app/index.html
   画面でレコードが表示されていて、スクラッチできる。
   裏返すと B面になる。レコードの感覚をアプリに取り込む。
   プラットフォーム(レーベル)として考えていて、毎月リリースしている。
   6枚目。他のアーティストなど、展開を考えている。

深津(F):fladdict.net もともと tha で Flash デザイナー
   工業製品的な面白さを生かせないか?
   iPhone のカメラの性能が悪い? 
   iPhone のカメラを使ってレトロな写真が撮れる ToyCamera, QuadCamera
   QuadCamera タグで 5000枚くらい Flickr にあがっている。
   最近独立してフリーランスになった。

ユメみる iPhone の中の討論会があった。指名された3名。

■どのように勉強したのか?
→本の中に書いてある

■開発のこだわり
→本の中に書いてある

■最近の活動
O: 映像の仕事が多いので、chanel のファザードの映像などを作った。
 カタールのデザインカンファレンスでスピーチした。
   iPhone 関連では、 Records の 3.0 対応
   別のアプリも作っているけど、言えるくらいまでは作れていない。
   Records は音楽の配信だが、電子書籍の配信、グラフィック本の配信も考えている。
   ソフトウェアなのだが、手に持てるので、モノに近い。グッズ展開できそう!
 K: 元々は Server Side の仕事をしていた。
   以前会社で Fightstar のアルバムプロモーション用のアプリ:スピルトミルク
   Pocket Guiter を 3.0 用にバージョンアップしたい

■アイデアの源/ヒットを飛ばすコツ

 F:AppStore ぶっちゃけもうかる?
   iPhone が当たったから会社を止めたわけではない。
   これで長期的に食っていくつもりではない。生活のたしにはなっている。
  K:売り切りのモデルなので会社として継続的にもうけるのは難しい。
    ヒットを出し続けるのは難しい。
    無料アプリの広告モデルも考えられる。
    アプリ内課金にも期待している。
    ヒットは狙ってでるものではない。
   USトップレベルなら食っていけるかもしれない。

F:玉石混淆、登場が早くて、すぐに消えていく。
  役立つアプリが分かりにくい。
  定番のいいものを見つけるのが難しい。
  定番アプリをしっかり見つけられる仕組みがあるといい。

O: 音楽でも映画でもメディアがちゃんとないと
 市場として残らない感じがする。CD-ROM は評論されたり、
 文化として定着する感じがない。
 映画はちゃんと評論として語る人がいる。
 Iphone はある角度で語ってくれるメディアがあると、残っていく。
 アプリというよりも、メディアやプラットフォームとして成長させたい。
 今の時代の音楽配信を考えている。(曲+プレイヤー)
 自分でメディアはなかなか作れない。
 子供にいいアプリ。絵本を紹介するような感じで紹介するものが無い。
 恋人同士にいいアプリとか。

■狙ってヒットを飛ばすのは難しい?コツ?アイデアの源?

 K: 別にヒットを出そうというわけではなく、いままでにできなかったことをやりたかった。
  マルチタッチと音を出す。
  なんでヒットしたのかが分からない。
  USでヒットしているのは一発芸。人に見せると楽しいもの。
  簡単なゲーム。気軽に遊べるようなものが結構売れていると思っている。
  タイミングもある。一番最初に出すことも重要。
  イッパツネタはすぐに飽きられるので、ビジネスとしては難しい。
  ゲームよりも、PocketGuiter のようなものの方が他に比べる比較が無いから使われ続ける。
  訓練(習熟)しないといけないところもポイント。
  簡単にギターコードが弾けるアプリもある。練習しないと引けないところもポイント。
  楽器をがんばって弾くのと同じ感じ。楽器的な要素。

 O: なにか作りたいと考えたのがきっかけ。
  もともと色々なメディアで発表していた。CD,CD-ROM,書籍。
  自分たちで権利をもって、自分たちで全部ハンドリングできるものがいい。
  版元が無くなると自分たちの作品なのにコントロールできない。  
  AppStore ならレーベルオーナーになれる!
  プラットフォーム的なものが面白い。
  レコードの型値にしたのは、iPHone 上で古いレコードが動いているのが面白い。
  レコードを裏返すことができたから。
 音楽を配信できること。裏面になることが面白いから始めた。

アプリケーションというよりも、ものづくり。質感を大事にしている?
物に感じるような感じ、さわり心地が気持ちよくなるように実装。
スクラッチはどうしても実装したかった。
音楽アプリの情報が少ない。SystemSound, OpenAL, Audio Que, xxxxx
いくつも方法があって、正解を見つけるのが難しかった。
手のひらにあるレコードプレイヤー。
世界一小さいレーベル。

F:大学の時に工業デザインをやっていた。
 仕事としては、Flash。なんちゃって工業デザイナー
 自分で実践投入してみなかった。
 カメラアプリをマトリックス上にマッピングして、
 だれともかぶらないアプリを作った。
 最低限新しい楽しさを提供する。
 トイカメラなら制御できないことが楽しい。
 他のアプリが提案していないものを提供したい。
 かぶるなら没にする。
 コンセプトを明確にするのが大切。
 見た目もそうだし、機能の含めたデザイン。世界観。
 機能の数を競うのは意味がない。売り上げも分散してしまう。
 リスクをおって突撃するのが楽しい

 O: 何をするかではなく、何をやらないかを意識する。
 やろうと思えば、ビッチやミキサーやいくつでも思いつくが、
 レコードを回っているところだけを見せる。
 必要なものだけを残すとアプリの「強度」が増す。
 他にレコードをまわすアプリとくらべて機能が無いだけあって「強さ」がある。
 
K: 設定画面がある。設定が多すぎたと思って、公開している。
  やり過ぎ感がうけた?
  ギターが弾けない!
records で DJ はまだやったことがない。
 
昔ホルガを持っていたが、フィルム代が高すぎて、すぐに挫折した。
写真は試行錯誤してから楽しくなる。
実際のカメラだとフィルム/現像が大変。
データとしての良さ。
レコードのピクチャー版が簡単に作れる。
ピクチャーレコードが回っているのはおかしい。回っているのがいい。
データの良さ。モノ感のあるデータなのがいい。

マルチタッチに衝撃を受けて、ギターアプリを作った。
プラットフォームとしての App Store が面白い。

F:プロダクトデザイナーごっこがしたかった。
 Webのキャンペーンは数ヶ月で消えるが
 自分の作ったものをお客に届けたかった。
 椅子を作ろうと思うと個人では難しいが、
 App Store は個人で世界にモノの表現ができる。
 
K: 一個しかホームボタンが無いところがいいところ。
 ボタンがあると機能をつけたくなるけど、iphone はいろんな使い方ができる。

O: Apple は未来のインタフェースの実験場にしたい?
  マルチタッチのインタフェースは考え方が待ったく違う。
 いろんな人が実験して、一番いいものが残っていく実験場の意味。

■Android について
 
Android : 裏切りもの!
  ボタンがあるといろんなやり方で操作できてしまう。
  逆に操作しずらい時もある。

今 iPHone と Android 二股状態。家庭的な女性と美しい女性?

Android:
F; 個人でやるのは辛い。オープンなのがいいところ。いろんな人がデバイスを作れる。
 個人で作れる場合は、数百個の携帯電話に対応しないといけない?????
企業プロジェクトはいいが、個人でやるのは敷居が高すぎる。
Iphone だと全部動くことが保証される。
 

O: Java で開発できるのは携帯電話の延長線上で作れるだろうが、
 わくわくするような感じが見えない。あまり刺激されない。

K:まだそんなに CPUを活用するアプリを作りにくい。VM上なのでどうしても遅い。
 2.0 だとネイティブが作れる。いまはまだ ipHone が先をいっている。
 android はアナログシンセが作れない。sound API が整っていない。
 
■今後のリリース予定/3.0 に向けての取り組み

iPhone を流行らすには?
女性ウケするのはどうしたら?

■これから始める人にエール
 
K: いままでにないUI が楽しい。いろんなものを作れる。
 いままでにない UI を考えてほしい

O: 今までに生きてたなかで得た感覚を、iPHone で再現したい。
  色んな人が参加してくると楽しくなる。技術的なところが簡単になれば、
  どんだけいろんな経験をしたかをアプリに反映していってほしい。

F:女性に人気のでるアプリ。
 技術主体のアプリよりも、周りの人とコミュニケーションが起きるアプリ。会話が発生するアプリ。
 
T: 4月に企業。Cosmos という社名にしたかった。一つの単語なのに、花から宇宙までを表現する。
 Qosmo という名前にした。
 手のひらにはいるデバイスなのに、全地球をつつむような、想像力を刺激する
 どこでもドアのようなもの。
 アプリを作る技術的なアイデアを凝縮してまとめたのが「ユメみる iPhone」
暗く作るアプリではなく、アプリを使うことで想像力が広がっていくもの。
女性にもウケるし、世界が広がってくる。

■ Q&A お気に入りのアプリは?

F: コミュニケーションが生まれるもの、ひととのかかわり合いが生まれるもの。
 bab bab ; 子供用のアプリ。赤ちゃんのガラガラをアプリにしたもの。
 シンプルなもの。子供に持たせると夢中になる。ipHOne の本質。
 赤ちゃんと大人のコミュニケーションが生まれる。
K: Twitter クライアント Twittie がいい。UI が気持ちいい。
O: one dot enemy: 1dot の敵がやってくる。
T: 気に入っているケース。PASMOが入るケース。おさいふケータイに!

■ Q: OS 3.0 に向けてのとりくみ

K: アプリ内課金に期待している。
 音楽系アプリで曲を購入できる。
 外部のデバイスをアプリで使えるようになる。外部ボタンをつけることもできる。
 ゲームのコントローラー。アプリとセットにデバイスを販売することもある。
O: ユーザの itunes library に入っているものを使えるようになる。
 思ったよりも扱えなくて、エフェクタのようなことができない。
 3.0 用に新しい機能を入れようとしている。
F: 自分が作ったアプリの 3.0 対応のみ。新アプリをつくってはいない。
 市場を見てから、後だし。
 基本、皆がやらないことをやる。
T:bluetoothと phsh nortification を使ったもの。
 R25 のステーション。そこに行った人だけがもらえるアプリなど。
メディアの新しいプラットフォームとして

■Q: 工数。苦労したところ

F: iphone が出た次の日に本を買って勉強しはじめた。
 2週間くらい。会社が終わった後。
 いまだに本を見ないと配列のプログラムかけない。ActionScript でアプリを作ってから
 移植している。
O: Mac で Objective-Cには慣れている。
 iphone はオーディオ周りの資料が少なく、方法が多いので、作っては壊し、作っては壊し
 トータル一ヶ月くらい。
K: 一〜二ヶ月ぐらい。結構時間がかかるのはデザインの部分。UI の部分などの時間が長い。
T: それぞれ 3日とか、4日とか。もともと Objective-Cはやっていた。

何からスタートするのがいいか?

K:作りたいものを作るのが一番!
  サンプルでハローワールドを作ってもつまらない。
  最初サイン波が描かれて、指で触ったら変化するものを作った。

O:興味にあるところから中心にやっていくのがいい。
  ゲームとかアニメーションなどは OpenGL しかない。
  OpenGL は初心者には敷居。全部自分で作るしかない。cocos2d は結構速いのでいい。
  作るものによってどういう API を使うのか全く変わってくる。

F: 実装/プログラムはなんとでもなるので、
  オモチャをたくさんかってガンガン遊んで、思いついたら何か作る!

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