12/06/2012

[&] tonerico @ AXIS

tonerico @ AXIS



AXIS (アクシス) 2012年 12月号 [雑誌]

(写真は後ほど追加します)

http://www.tonerico-inc.com/top.html

Y:米谷ひろし:
前段というか、話をしてくださいということになりましたが、何からはなそうかな?
AXISさんに取材をしていたくこと自体がわれわれにとって名誉なことで光栄だったなと。
いまでも AXISビル、雑誌アクシスがデザイン界の最新情報でもあり、体験する場所であり、
表紙がデザイナーであるという長年続く雑誌なので、表紙をかざりながら、
インタビューを受けるという、20年前を考えると、素晴らしい出来事でした。
取材の中で、
インテリアデザイナーとしてやっていく中で、
「インテリアデザインの深さについて」
最近インテリアデザインを最近取り上げていないんじゃないの?と言っていた
先輩のデザイナーがいらっしゃって、「最近インテリアデザイン面白く無いよね?」と
いっておられましたが、自分としては、インテリアデザインはずっと面白いと思っている。
挑戦するのにふさわしい業界だと、今でも思っています。
取材対象になって、若い人、現役の学生さん達に、
僕らがイイものだと、世間一般に言われるよりも面白いものだと言っていかないといけないと、
一般論だけではなく、トネリコの経験からくるインテリアデザイナーの深さを題材に話していこうかと!

写真にも公開された4物件の中から、
LOFT さんの物件は外しますが、
他の物件を紹介します。
自分たちで設計した自宅があるのですが、AXISの取材で、リビングの話など。
一時間半くらい、残りは質問コーナーにとっておきます。

「深さ = 密度」

インテリアデザインの深さというのが、一言で言うなれば、密度なのかな。
自分たちの目で見えた
密度 = 抽象

圧倒して行くような、いろんな要素を抽象化して
抽象化されたものだからこそ、密度がある。
抽象化は単純化みたいなもので、抽象化したことで密度が上がると考えている。

抽象化 = 単純 = 見えないカタチ

空間で表現される見えないカタチ。
見えない要素、メッセージのようなものを付加していきます。
プロダクトでも空間でも深さに対して、簡単に説明すると、こういうこと。
普段文字で、説明することは無いので、わかりやすくまとめています。

「空間」

われわれた取り扱う「空間」なんですけれども、
空間 = しきみ
これは未だに大事にしている空間感です。
しきみ = あいまいな境界線

ここから向こうに入らないでくださいねというちょっとした結界があります。
身近なところだと敷居、敷居が物理的に高いのではなく、
意識で線引きしているような、日本の伝統的な空間感。
西洋の人はそういう文化が無いので、日本的な感覚。
あいまいな境界、強固にしきられていなくても、証明が明るい/暗いでも
日本人は境界線を感じる。
空間の境界を仕切っていく。法規的なことは生々しくありますが、
強固に仕切るという、どういうボリュームで空間を仕切るのかを可gなえる。

インテリア・ワークス(作品集)

[写真]
左の何も無いところから、少し床らしきものが立ち上がっています。
一本の柱が立ちます。ぐるっと囲まれた空間があります。
柱が4本立つと、空間がわかれています。
背の高い板状のものが2枚入ると、空間が複雑に文節されます。
これがインテリアデザインの原型です。
どんな物件でもこういうことなんじゃないかと。

インテリアデザインとはいまだに強く影響を受けている考え方。
装飾的よりも、空間をどう、意識の領域を切っていくのかが大事で、
色とか、形とか、なにか様式的なことは二の次です。

MILANO SALONE 2005

K:君塚賢:
冒頭に説明して頂いた、3年目の作品です。
これはものとしては、家具の展覧会なので、
3年目の時に一番なにが変わったのかというと、
見本市の場だとしても、全体の空間を、空間としてとらえた時に、
どう相手につたえようかということに、集中することにした。
照明器具は空間を作る為のオブジェクト。
照明が着いたり消えたりし、影も着いたり消えたりする。
空間の変化、純粋に綺麗だねと、心を動かせるような何かをやりたくて
発表した作品です。結果うまくつたわり、アワードを獲得しました。
周りの人からの反応が圧倒的に綺麗ですねという単純な喜びとして伝わった。
いまだに自分たちの中では財産になっています。

Y:
この4m角の 3m という話がありましたが、
スモールブースとして決められた大きさで、SML と選べるが、
僕らは、この空間を生かした空間インスタレーションをしようと考え、
3m の 罰点の抜きを入れてとか、逆算で、このオブジェクトを設計しています。
この空間の原理原則というか、
これに集約しようと考えたのは、
空間は「内と外」や、「外部と内部」といった空間のしきりのような、
1面解放されていて、3方壁の限られた空間ではなく、グルグルとずっと回り続けられるという中心。
永遠にシームレスにつながる空間をあたえられると思った。
小さいけれど、永遠とつながるような一つの強い空間を作ろうと。
シリンダー状になっているもの1200φ 光が外に広がりながら、影が広がりながら、
中の光を消すと、周りの光を受けた外側が浮かび上がってくる。
消えるとともに、影が吸い寄せられるような感覚。
空間の本当に、空間にとって一番大事な要素で表現した。
数字を選んだ理由、原理原則とともに、数字の○が一個ならゼロで、
○が二つなら八で、デザインの形に意味があるとすれば、
装飾的なものであれば関係ない、世界共通な記号。
無意味と意味のはざまをどう使おうかという挑戦でもあった。
最初に数字がいいと言い出したのはマスコなのですが

M:増子由美:
7年前ですよね。これを考えていたころ、1年目2年目、いい評価が得られず、
だそうか、だすまいかという話をしていたとき、
たまたまその時、お世話になっていたグラフィックデザイナーのところに、間借りしていたころ。
2人はいつもどうりの仕事をしていて、雑誌をぱらぱらみていて、
広告のページに写真の広告のページに、モノクロの写真のページに、大きめの数字がはいっているページがあった
コムサデギャルソン? いくつか数字を切り取っているうちに、
数字はだれでもわかるものでありながら、弾かれるもの

 [ 写真]

はじめは他の二人の反応は悪かったのですが、
細々としたインテリアを出していたので、ひとつ一つに説明が必要だったのですが、
説明の必要の無いインパクトのあるものを出すことができました。

Y:
両極の話をしているのですが、空間の話と、装飾の話と、
メッセージとして、すごく意図的に使っていながら、3と6は、当時発表した時、36歳だったのですが、
自分の歳だと同じだと感じたり、深いところまで感情が動くな〜と
デザインを追求していくと、そぎ落ちしていって分かりにくくなるのもイヤだし、
「やっていることが全く伝わっていないんじゃないか?」伝わらないほど、痛いことは無い。
それをストレートに伝える、究極の形はなんなのか?
空間の仕切り方とはまた室が違うので。
ただ、これをやらないと先に進めないという切羽詰まった感じもあった。

[写真]
ギャラリールベイン
奥に一枚の壁と、手間にL型の壁。
サローネの空間と同じです。空間ボリュームをとるにはこれがうまくいった。
これをメッセージの格として出しています。
空間デザインとしては、白い2つの壁を立てるというのが最も重要な壁です。
ショップデザインだとその壁の重要性がわかってもらえにくい。
「寂しいので絵を飾ってくれないか」とか。

K:
空間作るときの壁の素材や色は、気をつかっているのか?という質問をされることが
多いのですが、木であれ、赤い壁であるのかというより、
なぜそこにその壁をたてているのかという方がおおきい。
ただの白い、粗の空間がいかに美しいのかということの方が重要。
素材とか、乱暴な言い方をすれば、味付けという感覚。

Y:
空間という感じそのものが「空」ということを意味しますが、
その「間(ま)」をとりますか?というのが空間デザインの原型。
人間同士でも、間の悪いヤツとか、近すぎるとか、ありますよね?
数字では洗わせないのですが、間のとりかた、間の良さ、
商品の置き方とか、いろんな「間」が大事なものです。

展覧会は、誰から頼まれたわけではないのですが「間」のとりかたを
見てもらうようになっている。
ミラノサローネは家具の展覧会なので、逆に空間を見てもらえた。

2008 パリの日本文化会館、竣工10周年で、デザイン展の空間構成の仕事です。
右上がエントランスで、導入部分があって、「WA展」
日本のプロダクトを 4人のキュレーターの方が担当しました。
導入部は伝統と現代。奥の方はカワイイ/木目細かいの木目をテーマとしたもの。
導入のアプローチ空間は、外の世界、パリの世界から、展覧会場に入るまでのもの
茶室に入るまでの路地のようなもの。

気持ちをどう切り替えるのか?というのが大事。
空間的に長くとれる場合もあり、短い場合もあり。
500mm ピッチで区切られていて、上から紙が釣られていて、周りはブラックアウト。
展示物何百という数。人は覗き込んでみるというもの。2200ぐらいの数。
高い天井なので、使い切った方がいいんじゃないかというのを逆手にとって
日本的な空間を感じてもらおうと考えた。
展示物に照明を当てるために、ペーパーの中に鈴なりに照明があるのだが、
紙に反射して間接照明にもなっている。

これも、パリの人にはいっさい日本的な空間とか、畳とか瓦とか、
紙もパリで調達したものなのですが、「非常に日本的な空間ですね」と言われ、
「伝わったな!」と思った。日本の空間構成が伝わった。
僕らも取材を受けるたびに、「日本的な感じがしますね」と言われますね。
そうした時にいつも困るのですが、なんといいます?

K:
実際そういうことを言われることはおおいのですが、
意識してやっているわけでは無いんですよね。
和食屋ばかりデザインしているわけではないのですが。
日本に生まれている以上、日本的なので、海外の人から見れば日本的なのかな〜くらいな感覚。

Y:
この会場に実際に足を運んでくださった方は?
逆氏名して話を聞きたい。

森田:プライベートで行っていた時に、おじゃましたのですが、
なかなかエントランスとか、会場にたどり着くまでに、2F, 3F の上について、
やっといい空間に身を置けたなと、安心しました。
通過儀礼のようなアプローチを通りながら、Black & White の空間で安心しました。
ここで見ているのは、ケースの高さを調整した上で見せていましたが、
体感コーナーも、大人気で、日本の様式美をひとつひとつ確認しながら見ている人たちがおおかった。
ミュージアムショップに置いてあるものがあまりにもかけ離れている、お土産物屋さんだったので、
まだまだこういったものも広くこういう、空間構成とモノを体験できる場所がいいなと思いながら.....

展示ケースはガラスなのですが、最初のアイデアとして床に置こうかと考えていましたが、
床は住むにも何にしても大事なものなので、
床に裸で直に置くという話にしたのですが、ケースにしないと盗まれてしまうということに。
事細かに寸法を計って、展示デザインも、幕の内弁当方式で、綺麗に並べていくのも、
日本的な几帳面さを見てもらうことができた。
空間デザイナーとしては、空間の中に置かれる家具も空間の一部としてデザインされている。
間の取り方とか十分注意しました。
こういう商業デザイン、空間デザイン、全部できる人って少ないんですよね。
いわゆるインテリアデザイナー以上のことはやってみたいなーと思っています。
ショップのデザインとは違った喜びです。

[写真]

TAKEO AOYAMA-MIHONCHO
ちょっと特殊な経緯。
師匠の内田さんが松田真さんと、ベストスリーくらいに好きな仕事、
移転およびリニューアルの依頼が飛び込んできまして、去年やりまして。
非常にありがたい、思い出深い仕事です。
その経緯であったり、何かあれば............

TAKEOの方:
出勤してきて、来店される間に準備していると、たくさんの日の光が入ってきて、
ライトをつけなくても、清々しい気持ちで一日がスタートできる空間で、
複雑に見えますが、シンプルな構造になっていて、6800種の紙の中から提案
する、色を扱う仕事、触っていただいてみていただく、体感して頂く空間なので、
余計なものが無いというまっさらな状態で見ていただける。
棚の前になって、紙を引き出すという作業で、棚の前にまっすぐ立たないと、
引き出しがでてこない、姿勢を正して紙と向き合える空間です。

K:
事前に頂いていた質問の中で、クライアントとどれくらいの打ち合わせをするのですか?
という質問がありましたがが、TAKEOさんの場合は、週に一回、半年ぐらいでつめていった仕事で、
打ち合わせの一回一回の精度というか、コミュニケーションというのが
抜群に取れた、思い出深い仕事です。
やっぱり、デザイナーはクライアントがいて初めて成立して、
特に空間の仕事はそうですが、
提案が丸呑みにされることはなく、どう折り合いをつけるのかが難しさなのですが、
リスペクトしてくれつつ、ショールームとしての押し引きというので、
すごく気持ちのイイ仕事ができました。

Y:
1574杯の引き出し。これの深さとか、取り扱う紙の量によって、指がどう
穴にひっかけて、紙を持ち上げて数えるかといった、
使いやすさを熟知していて、聞いた上で、いかに完結に形にするか、明瞭な要望でした。
物件自体も、空間が分かりやすい空間で、
仕切り方で、どうしようかな?と思ったのは、
建築自体が壁構造で、右と左で建築的な構造が分割されていて、
ものすごい壁を感じてしまう。はなから空間がコの字で強い構造があるので、
一体に見せるのか?外周のガタガタとした階段をうまくつかいながら、
左右の連続性を相当意識して、一番大事な決断は、
壁構造の、柱、梁、
家具も照明も全て天井の梁より下に下げたことと、
引き出し1個1個のミリ単位の調整をして、引き出しの間に指を入れて取り出すのですが、
指のスリットの寸法は、ここのお店の場合は15mm にしました。
場合によっては 20mm のところもある。自分の家は 12mm にしています。
紙の量をなるべく入れることを考え、15mm にしました。
モックアップを作って OK を得ました。

「デザイン」

自宅の話。
もう一回デザインというものに対して、日常身の回りのもの、言い聞かせているのですが、
日常というものがなければ、脱日常空間というものはない
商業空間というのは、日常空間があって、
海外のホテルとか、日常を離れていく空間。
「自宅のようなくつろげる空間」とか、飲食空間でも日常空間と混同しはじめる。
自分にとっての日常は何なのか?をふまえたうえで、非日常をやろうとしているのかは?大事なこと。

「住宅 = 日常」
知り合いから「良くこんなところに住んでいるね!」と言われるが
僕らにとってはこれが日常 

Y-House
60何平米という渋谷のど真ん中にある 14階建ての12階のマンション。
いわゆる 2LDK 玄関ホールが少し広い。
設計する時にやる手なんですが、CADでスケッチを起こさないで、
イエローペーパーをかけて、平面のあたりをつけるようなことをします。
[写真]
[写真]
[写真] 天井高を考えたデザイン
[写真」基本図
冷蔵庫は見えるのがいやなので、普段から隠れる場所に置くのをセオリーにしています。
もともと、セントラルヒーティングがあったのですが、設備のパイプを整理。
 [写真] 展開図
住宅というのは自分にとって「収納」をデザインするもの。
収納ありきで設計しているのですが、引っ越してくる前は
古い住宅をリノベーションして、事務所にいる最後のころに設計したのですが、
その頃の持ち物を徹底して整理されていたので、意見を擦り合わせながら、
収納の移植手術ぐらのことでした。
CGで展開しつつ、天井高、照明などを検証。
長いソファーが要望。収納が壁側にあって、ぶつかったあたりが変なのを検証。
木目の仕上げの質感の検証なども。
なるべく間接照明だけで暮らせればいいなと。

K:
普段、日常の仕事をするとき、コミュニケーションをとりつつ、仕事をしているのですが、
自邸ということもあるので、ノータッチということもあるので、
相当普段珍しいことなので、解体する前と、後しか見ないようにしたら、
新鮮に見ることができる現場です。
収納の扉の手がけスリットの寸法、形状をどうするのか?隙間は 12mm, 13mm にするのか?
このへんのところどうなるのか? 究極の寸法に踏み込んでいたので、
住宅としては限られた人しか住めないんじゃないかと(笑

M:
受託を施工してくださった方がいらっしゃて:イケメン竹内さんがいらっしゃったからです。
12mm で進めていたのですが手を入れたところ、ネイルがはげるので、
角を丸くするだけでも、違うので。
「引き手しゃくり」って何ですか? 壁面収納の大事なひとつ。
タッチラッチも試してみたが、使いづらさのギリギリのところで。
床も同じ 12m で、幅木も含めて、全部 12mm でそろえました。
今回も徹底して、11mm だと使えないとクレームしたり。

竹内さん:
ヨネヤさんの自宅ということで、気合いを入れていたのですが、
やはり、見えない領域を作るということで、気配を図面からどう読み取っていくかということで、
どういう風にラインを通すとか、メジを通すということか。
わずかなサイズの違いも気をつけて仕事をしました。

タイル目地ひとつとっても、職人はちゃんとやってくれるのですが、
職人的なデザイナーで有り続けるという、どこまで突き詰めるかという.....

M:
床を全部セラミックタイルにしていています。
緊張するくらいのぴりっとしたクールな空間にしたかったので、
石かタイルにしようと決めていました。グレーのセラミック。

Y:
天井は単なる塗装なんですが、グレーに塗っていて、僕にとっては「雲」です。
内には仏壇があるのですが上に人が住んでいたりすると「雲」と書いてある紙を置くだけでもいい。
天井を雲みたいにペイントしようと、エッジをぼかしたグレーの食う空間。
照明によって、グレーに塗られていることに気づきません。
なんとも意味がありそうで、あることは、やりたくなってしまうところがあって、
気づかれなくてもやりました。
だいたいひとしき写真家にとって頂いた後に、写真家も天井の色には気づきませんでした。
大きなミラーで玄関をふさいでいます。

自分の家だからできたけど、細かいことをつきつめて、
実験住宅というほどではないけれど、自然とそうなりました。
設備と構造を追いかけるというのはトラウマのようになっています。

最後に
K:
Y邸の感想からいうと、リノベーションした家に住んでいて、
そろそろリフォームしなければいけな時期になっているのですが、
相当なプレッシャーです。
今手がけている建物、群馬県のオフィスです。

Y:
社員が100人くらい。群馬の場合、会議が有る場合、100台くらい車がとめられる敷地があって、
思い切って、のばして、全室に自然光が届く空間になりました。
最初 25m 角も考えていたのですが、50m x 12.5 での中身は変わらないだろう〜 ということで。

Q&A
Q: 3人の役割分担は? 3人でやっていることの良いこと悪いこと
A: K: 役割としては、空間の仕事がメインとなってくるので、それに関しては YとK, M はコーディネート、
 しつらえをどうしていくとか、家具や、プロダクトであったりそういうデザインを主に。
 物件ごとに、どっちが主になるのか特に決めているわけではなく。
 場を作って定期的に打ち合わせしているわけではなく、ベランダでタバコを吸っているようなところでパッと決まっていく。

Q: 建築とインテリアデザインとの境界というのは? インテリアデザインは誰にでもできる?
A: Y: どうなんですかね? 困っちゃいますよね? だれにでも出来るというのは、ある意味、なんというのか、
 アマチュアなのか、プロなのか、というのは自己申告的なのかと思いますが、
 グラフィックデザイナーは、20年前は、にわかグラフィックデザイナーさえも居なかったのだが、
 今は年賀状デザインさえ一般にできるようになった。
 空間デザインも、自分はどういうデザイナーなのか自覚、自己申告、プロ意識、
 「インテリアーデザイナーの内田です」とつけて名乗っていた。
 僕らは「インテリアデザイナー」と自己申告的なことを言いながら、他のこともやります。と。
 建築家の方の店舗設計をしていたり、いいことでもあり、時代の特徴かなと思います。

Q: 発想とかアイデアはどんなところから来るのでしょうか?
A: Y: なんですかね〜 やっぱり好きにやってくださいと言われるのが一番難しい。
  要望を細かく聞けば聞くほど良くできる。その聞いたことを逆手にとるか、そのまま使うか、
  まっすぐ来たものを返す時もあるし、受け流したような不足するのじゃないかと思った時は、
  真逆のことを考える時もあります。要望が不足している時は聞かなければいけない。
  アシスタント時代のクセかもしれません。
  K: 普段の仕事は、相手あってのことなので、なにしろ一番は、相手とのコミュニケーションだと思うんです。
   相手が話していることをどこまで聞いていけるのか、どこまで表現してあげられるのか?
   100人居れば100の攻防戦があるのだが、それをどうヒモ解いて仕事していくのかということ。
  M: 私は、大学では陶芸を学んでおりましたし、本の装丁をしたり、なんとなくお仕事をさせていただいて
    現在に至るので、空間というよりも、モノよりのデザインなんですが、
    煮詰まった時はどうしますか?ということの回答は、
   発想の仕方は、普段暮らしていて、何気なく、心にひっかかること、ある時はメモをとったり、写真を撮ることが好きで
   なにか記憶にとどめておくと、仕事の発想だったり、必ず何かに結び着くんです。
  朝起きて、目が覚めた時に、床に糸くずがあって、羽ばたく鳥のような形をしていて、
  それが翌年の装丁の絵柄になったりして、心にひっかかったことは、外に出すまでの自分の中の引き出しに貯めておいて、
  経験が無駄にならなと、そういう風に発想しています。