4/01/2014

[&] takram academy @s1kun



takram academy @s1kun
「モノづくりと企業づくり」高宮 慎一(グロービス・キャピタル・パートナーズ)
------------------------------------------------------------------------------------
田:takram 田川さん
高:グロービス 高宮さん

田:
高宮さんは、グロービスという会社で投資をされているのですが、
センサーネットワークの専門家や、社会のデザインの話しをしてもらったり、
いろいろなひとの声を聞いていったら、ビジネスの話しをしてもらいたい、
どなたがいいのかな?と思った時に、一番最初に高宮さんがあがりました。

いくつか理由があるのですが、8年くらい前、2007年、当時、
東大経済学部、コンサルティング会社で6年半くらい、
渡米され、ハーバードでMBAを取得されている時に知り合いました。
なんかいか食事しました。まだ takram が2人の時でした。
大学にいきながら、デザインコンティニューでインターンをされていました。
奥様がお花のデザイン系、作る仕事をされています。

僕らの人の繋がりのなかで、クリエイティブとビジネスの両方の話し
をされるのは珍しいのですが、高宮さんにお話ししてもらいます。
両方の視野をいかんなく発揮されていて、カヤック、ゲーム会社、
クリエイティブ系の投資も、日本の中では珍しいですよね。

ランサーズ、メルカリの投資にも入っていらっしゃいます。
モノづくりというのを入れてもらったと思うのですが、
これまで仕事で考えていらっしゃることを教えてもらおうと、
今日は UStream はないので、オフレコのはなしも聞きましょう。
一方的ではなく、質問とかコメントとか出来たらな〜と
僕はここに居て、みなさんとインタラクティブにやりましょう。

今日の皆さんは、クリエイティブデザイン系の方、
takram の皆さん、ビジネス系?の方、
ベンチャーやってますという方。アカデミー系、
僕らが愛すべき方々がオーディエンスで揃っているので、
皆さんから、活発なコメントを交換できれば良いかな〜と思っています。

高:
ご紹介いただいたように、グロービスというところでベンチャー投資をやっています。
イノベーションをどう企業にというコンサルをやっていて、
その家庭で、経営者をどう、その先にデザインが、
学生の頃から、クラブイベントやっていたりしたり、

そんな感じなので、自分の軸としは、
アントレプレナー、76世代ど真ん中なので、mixi, gree みたいな
起業と投資をどうつなげるか。というキャリアを歩んできました。

デザインファームを日本に持ってくるために、
エンジェルを探していて、Design Continuum Japan を作ってしまえ!
ところが 2007年ころからサブプライムローン、リーマンショックで..
デザインファームは一番大企業にとっては、切りやすい部分で、先が見えなくなりました。
セカンドベッドでVCかな〜と思っていて、
クリエイティブマネジメントはないと思っていたのに、
コンシューマー向けの 0〜1 ビジネスの場合、
稀少リソースの天才をどうマネジメントするかが、会社の使命だったりします。
やりたいことをしていったら、6年くらい経ってしまいした。
VCはものづくりやクリエイティブとつながらないと思っていましたが、
ベンチャーでも大企業でも必要となります。

いかに使われるものを作ってユーザーに支持されるか?
100年企業、持続的成長
その間に事業づくり、
良いものを作る、事業価値をつくる、100年企業を作る
3つのレイヤーがある。目線が違ってくる。
一見コンフリクトするところをどう調整するか。

戦略
もの作り、
いかに企業側、事業側から、クリエイティブを込めながらユーザーのニーズにこたえるか。

事業でいうと、収益最大かするのか?
自社的合成、競争環境、市場性

自分たちのビジョンに対してものすごく忠実であるベキかな。と、
主観に基づく。どっちを選ぶ?

特にネット系で面白いイノベーションが起きていると思います。
広告収入か、ユーザーからお金をもらうか。

ビッグデータがホットになっていて、あるユーザーが前に何を買っていたのか?
そのユーザーにあった広告をぶつけていく。
広告枠を広告枠と入札しているクライアントをオープンな市場でマッッチングさせて、
一番お互いとって効果のある、アルゴリズムトレーディングがなされていて、
ビッグデータを分析して効果が高い方になっている。
付加価値が高い広告が回せるようになっているのかな。

都度課金、アプリのダウンロード時課金、
パッケージ課金が、今、非常に下火になってきている。
それに対して起こってきている、

都度課金
サブスクリプション
アイテム課金
機能課金

サブルクシプリョン、死蔵アカウント、使われないまま積上っていく。
本質的なところは、毎月払ってくださいねという「縛る」という対価は何なのか?
サブスクロプションコマース
Shoe Dazzle, Manpacks, Birchbox など
利き酒や、有名なスタイリストの選んだ服、キュレーション、物じゃないサービスの価値を載せてくる。

アイテム課金、社会問題化されましたが、これは結構大きなイノベーションなのかなと思っていて、
基本プレーは無料。時間がない人は、アイテムを都度買って、時間を省く。
射幸心、社会問題化、ユーザーが幾らはらってもいい?
1to1 で値段を決めていった。
ソーシャルゲームだと、100万人、5%の課金、2-3000円払うと、月10億円稼いでしまう。
射幸心をあおって焼き畑をするのではなく、事業としてライフライムを延ばせる

機能課金
クックパッドが良い例。
無料で見れる、レシピを見たいという根源的なニーズは無料、
ランキングごとにソートするにはプレミナム会員でなければいけない。
直接的な価値ではなく、制約を解除するところに課金するモデル。

アイテム課金
10万はらうひともいれば、ただの人も居るし、
Willingness to Pay (支払い意思額)
ミクロでもマクロでも最大の売り上げを上げられるようになっている。

トレンドとして、高いものはいいよねと思い込まされていましたが、
逆に根付けの意思決定をユーザーにゆだねて
ユーザーの感じた価値にいくら払うのか? 

提供価値を考えたとき、提供する方法、
クックパッドでいうと、コアバリューは無料、
提供方法にわざと制限を設ける。
普通に考えると、ユーザーのとってわざと使いにくくしているようなものですが、
ネットの世界でいうと、夢中にさせる。
楽しませておいて、お金を払うようしむける。

Spotify も同じようなサービスかな。
Spotify が面白いなとおもっていたのがあって、
コアバリューは無料で、提供方法に制限をもうけてそこに課金するのは同じ、
PCだと無料、広告は出ますが、
モバイルになると急にプレイリスト作れなかったり、ダウンロードできなかったり、
実感するコアバリューは、コンテキストによって変わってきます。
モバイルにダウンロードして聞けるようにするのは、大きなストレスにならない、
課金メニューに対して、日本でやるとしたら、キラーサービスに課金。
Spotify は北欧から始まっていて、主要先進国にはいっているサービスですが、
国によって、プレミアムサービスで出来ることが変わっている。

Q. あえてフリクションを作るのは難しい、
ユーザーが離れていってしまう。

ものをつくる時、コアバリューは何と考える?
そのものに影響を与えるフリクションは大きすぎる。
Spotify でどこでも聞ける、
曲を探すディスカバリの時に一回 100円とかすると、
そもそも無料版も使ってもらえない。
PC版で気持ち良さを知ってもらって、
コアバリューのところにフリクションを設けてはいけない。

Q. フリクションの設定ポイントは無限にある?地域ごとに違うのはどうやって見いだす?

ネット世界だと、セグメントわけて A/B テストしたり、
実験してみればいい。ラピッドプロトタイピングを高速に回している。
最先端のテストは、ハードの世界にも染出てくる気がしている。

Q. パッケージとアイテム課金の比較で、
払わない人は全然払わなくて、中間層が居ないと思う。

カーブはとても急。2:8 どころか、上位 10%ぐらい、
ゲームのジャンルが成熟してくると、重課金
無料ユーザーに体する優越感、尊敬される、社会的報酬があることで、
課金設定になっている。
課金的には上位の人たちだけで良いように思えるが、賑やかしも絶対いる。
運営者側の意図コントロールできて、
重課金ユーザーに課金しすぎて疲弊されてしまうとダメ、
運営は暗黙値なのですが、ノウハウは提携化できるところ、

サービスは、ローンチした後の運用が大事だと言われるとともに、
ゲームそのもののポテンシャルは、ゲームシステムのデザインだったりするので、
0〜1 の天才の領域もまだ残っている。
全部分析で、実体を引き上げることはできるが、
最初のポテンシャルを上に上げることはできない。

クリエイティブのマネジメントが大事。

Q. 時間軸の話し、ライフタイムバリュー、
学生の立場からすると、
19歳は無料、学生限定で無料とか、Amazon スチューデント、
学生でなくなったとたんに、即入会とか。
それに気づいていても、抜けられない状態。
そういうセグメント分けで、バリューを一時的に体験させて上げるとか。

それも実は、ビジネスの取れる人から取れという理論。
ソーシャルゲームでも女子にもてたいから、アイテムを買ってもてたいオッサンがいて、
30台以上、可処分所得が高い層が、いちばん重課金ユーザーになりやすい。
女子にちやほやされないといけないから、無料ユーザーはF1, F2 が居ないとだめ、
どうユーザーの成熟のパスを辿っていかなければいけないのか考えている。

時間軸を長くしても、いつかは事業が終わるので、次の授業に生まれ変わって
いけないといけないので、
強みを活かしていくのか、次の授業を活かしていくのか、
ネットだと競争が早く変わっているので、
ガラケーのゲームが死んでいって、より広くとらえると、
ネットサービスは、EC の競合や Yahoo 楽天、Amazon
ほんとうの競合はリアルなスーパー、
どこからシェアをとりにいくのか、
そもそも狙っているのはどこですか?
大きな市場で延びているところにのれば1位になれなくて、
伸びていったり。

前者としては、どこで事業するのかが
一番戦略の要素としておおきい。
何をやるのかがビジョンからきている。
思いがある仲間と価値をとどけていきたいなら規模を追わなくてもいいし、
どこでたたかうのか?
モバゲーの会社は、オークションだったのに、モバゲーの先に、
漫画ボックスというアプリや、ショールームというニコ生みたいなアイドルサービスを
作ってきたり、
インターネットをより良くしようということであれば、進化を遂げられるし、
どこで戦うのかは大事かな?と

gree は当初ゲームにこだわっていたので、
DeNAほど、ゲーム事業がさちっていった時に、
ゲームでこだわったときだけに、当たった時の確変は、すごい
何に思いがあるのかで変わっていくのかな〜と

成し遂げないこと
「できることを増やす」nanapi ハウトゥーを積み重ねて
世の中から出来ないことをなくす。毎月 10万記事、

定量的な目標も大事。
1超円企業、1000億円企業か?
世界一になるのか、国内独占をめざすのか、

美学的
クリエイティブ嗜好、数字指向
数字を追うのか、仲良くやっていれば良いのか。
結果指向、プロセス指向、
経営判断、物作りの判断をしていくのは大事。
バラバラになるとちぐはぐになって、世の中的には売れるものを作っても
モチベーションがわかないし、魂がこもったものにならない。

オペレーション上でも
PDCA を回していくのはどこでも同じですが、
事業がヒモづかないものをきりわけると、

Quality / Cost / Delivery
オーバスペックにならず、市場のニーズにあわせてだしていく。

単年度での予算、事業計画
KPIをマネジメントしないといけない。

全社、企業となると、
事業構成、リソースの調達、分配
どんだけ事業にリソースをとうにゅうするのか。

ミートしていないなら、ユーザーにもう一度ぶつけるとか、
全社および事業てきに考えると、
有限なリソースを突っ込んでいるのであれば、

売り上げをあげていく、いちどキャッシュフローが凹んで
そのあと立ち上がっていく。そういう予算や計画を描いていくのですが、
うまくいかなければ?
売り上げはどういう方程式で成り立っていくのか、
何を延ばすのが良いのか?コントロールしやすい指標は?
課金率は、動線を改善すれば良いが、1% が 2% になるだけでも....
PDCA を回していく。

企業というと、企業が目指していくもので、
成長しなければ儲からない事業はやめてしまう。
成長しないけど儲かっている事業もある。
外部から、ヒトカネモノを調達して、どこに配分するか、
目標値を縦長ら推移を見守っていく。

あるプロダクトが縦軸にあります、それぞれにアサインされていて、
職種ごとにプールがあります。
事業のステージによって、アサインされています。

最初はリソースが少なくて、儲かれば人が入っていく。
まずモノづくりにおいては、
割と開発の初期の段階でいろんな視点が入っていること、
ユーザーの視点が入っているのは大事じゃないかな。
売りが経っていない段階でもディレクターがしっかり追うべき KPIの
責任をとりきるのが大事。
売上利益の責任の所在地はどこに?リソースを担保した上に
人事権、誰、権限をもらわないとそれは達成できない。
責任と権限をセットで持たせる。

強みの拡大は重要、
縦割りの中にバラバラにいると、横の職種間の交流はないので、横串で。

縦軸の QCD 責任
自分の縦にいるエンジニアが勉強会で抜けるとか、
短期的なバランスと、長期的なバランス、
今そもそもキャッシュがいいから、長期的な
今はリストラで厳しいので、縦の権限を強化しようとか、
その時々の戦略で変わってくる。
組織の箱を作って人を当てはめていくのではなく。

最後に、コメント

そもそも、一番思うのは、ユーザーに受け入れられるものを作る、
そのもので事業価値が高まるわけではなく、
企業はずっと続かなければいけないので、一事業で焼き畑して事業価値があがるのではなく、
バランシングして、短期的にはコンフリクトしても長期的に考える。

3つのレイヤーをつなぐ共通のビジョン、
どこに向かうか、迷ったらビジョンに立ち返る。

課金のところの話し、コアバリューは実感させて、夢中にさせる。
ネット系では
課金モデルはビジネスモデル、
リアル系のビジネスのヒントにもなる。
3つのレイヤー、視点は違うのですが、
お家芸の、継続的な改善、高速に。
イネーブラーとしての IT, ネットを使うと
リアルタイムで解析できるのでオペレーションのイノベーションが起こる価値。

組織は How である。
箱ありきにしないで、一番合理的に戦略を達成する組織にする。