3/08/2015

[&] How to integrate copywriting in your startup’s design process (Japanese translation)



Googleベンチャーズが教える、デザイン課程における文字(コピーライティング)の大切さ。

(原文:How to integrate copywriting in your startup’s design process / John Zeratsky
http://www.gv.com/lib/how-to-integrate-copywriting-in-your-startups-design-process )

コピーライティングの効果を最大化するための5つの原則という記事を掲載してから、数多くのお問い合わせをいただきました。特に、起業家やデザイナー、製品開発責任者から、もっとコピーライティングについて知りたい、という声が多く寄せられました。

もっとも多かった質問は、デザインの過程では、どのようなライティングをするべきか、というものでした。具体的には、どんな時にライティングに焦点を当てればよいのか。スケッチの段階ではどのようにライティングをすべきか。どのようにコピーライティングをテストし、修正を繰り返すのか。といった質問です。

その時には、どの質問に対しても、ひと言で答えることはできませんでした。ですが、私たちは日頃、スタートアップ企業のデザイン活動に携わっていますので、それから半年以上の時間をかけて、どのようなライティングがデザインにおいて適切なのかを、調査してきました。Google ベンチャーズの支援企業とデザインスプリントを行う時には必ず、コピーライティングに着目し、効果的なパターンやアプローチを探りました。ここでは、私が発見したことを紹介します。

1. スケッチ: 名詞、動詞、見出し

始めにスケッチするテキストは、実際の内容を含むべきです -- 「ほげほげ(意味の無い仮の文言、ダミーテキスト)」ですとか「ここに文字が入る」と示した波線ではいけません。時間をかけて、スケッチには実際の文字を書き入れましょう。なぜなら、スケッチしている内容の75%は、テキストのはずだからです。私の経験上、有効なスケッチとは、レイアウトやビジュアルの段階と同じくらい、文字に時間をかけているものです。

こういったスケッチをよく目にします(悪い例):



しかし、こちらの方がはるかに有用です(良い例):



こう思う方もいらっしゃるでしょう。「ちょっと待って!どんな文字を書けばいいかなんて、まだ分からないじゃないか!」
それは素晴らしいご指摘です。それでは早速、そのことについて説明していきましょう。

まず、ライティング自体が、デザインの過程の一部であることを認識することが大切です。また、ライティングによって、あなたのチームはビジュアルと平行してテキストコンテンツを「デザイン」することができるようになるのです。

実際のテキストをスケッチしておくことで、あなたのチームは、さまざまな対案を作成し、テストすることもできます。--- 対案とは、異ったさまざまな文言などです。代替案の検討をしないまま、1つのレイアウトに落ち着くべきではありません。ですから、最善の方針を決定するために、必ずいくつかのテキストを試すようにしましょう。

とはいえ、言うまでもなく、会社の歴史や FAQ(よくある質問とその回答集)のページ全体を、スケッチの段階で書くのは実践的とは言えません。では、スケッチの段階で取り組むべきは、どのようなコピーライティングなのでしょうか。

■名詞と動詞

まずは、名詞や動詞に取り組みましょう。システムの目的と、それを達成するための行動を確認しましょう。一般的な原則として、名詞と動詞の数は最小限に留めるべきです。しかし、1つの言葉に必要以上の意味を持たせてはいけません。例えば、Eメールのアプリをデザインしている場合、メッセージのことを「メール」と呼びながら、それと同時に、メッセージの送信の意味でも「メール」という言葉を使うべきではありません。

社名や商品名を、アプリ内の名詞や動詞にかけて用いることは、魅力的なアイデアのように思われますが、きわどい方法でもあります。というのも、社名は、その会社を認識させるという大きな役割を担っていますが、その社名に余計な意味を持たせてしまうと、かえって混乱を招くおそれがあるのです。いかなる場合においても、巧妙であることより、明快であることの方が効果的です。それを肝に銘じておきましょう。(訳注:例えば検索のことを「ググる」と言うなど)

見出し

マーケティングサイト(何かの紹介を目的としたサイト)に取り組んでいる場合、まず始めにヘッドラインを作成しましょう。製品や会社を説明するための、主要な要素を考えてみましょう。原則として、力強く簡潔なヘッドラインが理想です。しかし、いざスケッチを始めてみれば分かりますが、1つの単語では足りないかもしれません。(一方、20単語の長過ぎる見出しは、小さな文字で見ると大丈夫に思えても、ホームページのトップでは長過ぎることも分かるでしょう)



2. 評価: 何をプロトタイプするか決める

いくつかスケッチを書いたら、どれ(もしくはどの部分)をプロトタイプするか決めましょう。Googleベンチャーズでは、よくドット投票を用いて、最善と思われる包括的概念や構成要素を判別しています。
(訳注:ドット投票とは一人が複数票を投じて順位を決めるもの。偉い人の意見に左右されすぎずに皆の意見を集約する投票方法)

評価に際しては、蛍光マーカーで印を付けたり、気に入った文言の断片にシールを貼ったりしてみましょう。気に入ったテキストが3、4枚のスケッチに散らばっていたとしても、後に1つにまとめることは可能です。(例えば、あるスケッチからは見出し、要点のリストは別のスケッチから、など)



気に入った構成要素(テキストやビジュアル)が、1つの概念にまとまらない場合、それらが食い違う部分を書き出しておきましょう。2つかそれ以上、強力でありながらも食い違うアプローチがある場合、複数のプロトタイプを作成し、後にまとめて比較してみる価値はあります。

3. プロトタイプ: 詳細に、実際のテキストを

完成形に近いプロトタイプは、作成中のものに関する重要な要素を理解する手がかりとなるでしょう。コピーライティングに関して「受け手は理解できるだろうか」「受け手の望む行動につながるだろうか」といった疑問は、誰もが抱くものです。

この疑問に答えるためには、詳しく、完全なテキストが書かれたプロトタイプを用意する必要があります。--- 「ほげほげ(意味の無い仮の文言、ダミーテキスト)」とは決別しましょう。--- そうすれば、プロトタイプを、実際の製品やウェブサイトであるかのように評価できます。スケッチからプロトタイプを作成する段階で、文言をさらに詳細な内容に発展させましょう。プロトタイプの作成において心がけるべき点は、以下のとおりです:

●スケッチにおける効果的なコピーライティングの要素を組み合わせ、全てに意味があるようにすること
●スケッチ内の波線や「ここにテキストが入る」といった内容を、実際のテキストに置き換えること。100%完成形でなくとも、実際の形に近づけること。
●名前やタイトルなどを、実際のものに似せておくこと。例えば、顧客による推薦文を掲載するホームページのプロトタイプでは、推薦文の全てを 「名無し」によるものにはしないこと。

可能であれば、ページレイアウトの文脈の中に文言を書くようにしましょう。そうすれば、テキストの長さに関する印象が直ちに得られるため、コンテンツを支えるビジュアルの構成や、階層の作成に着手することができるからです。

私は普段 Keynote でプロトタイプを作るため、Keynote で文言の検討に取り組む時間はかなりのものになるでしょう。私の場合、文言は必ず同じドキュメントの中に書くようにしています。ただし、テンプレート化された文言を大量に作成する必要がある場合(例:チームメンバーの各経歴)や、複数のテキストを修正する場合は例外です。

また、忘れてはならないことは、コピーライティングを含むプロトタイプは、実際の形に近づけておく必要があることです。そうすることで、それを顧客に見せ、反応をうかがうことができます(この手順を省かないように!)。コピーライティング自体も重要ですが、ビジュアルが詳細化されたプロトタイプは、生産的なユーザーテストに欠かせないものなのです。



4. ユーザー調査: 何が効果的なのか

ユーザー調査は、プロトタイプを顧客に披露し、実際の反応をうかがう機会です。調査の参加者は、あなたが書いた文言を読み、反応します(プロトタイプは実際に近い形であること!)。どのアイデアが最善か、判断する手がかりになるでしょう。

調査においては、ユーザーの行動だけでなく、発言も知りたいところでしょう。調査の参加者が、自分たちが行ったり見たりしたことを表現するのに、記載した文言のフレーズを取り上げて使い始めれば、それは良い徴候と言えます。

先日、私たちは Cluster社とデザインスプリントを行いました。Cluster社は、スタートアップ企業で、友人や家族とのプライベートなネット上のスペースを用意し、そこでグループごとに写真やビデオ、メッセージを共有できるというサービスを提供しています。私たちは、2つのプロトタイプを作成しました。それぞれ、製品がどのように機能するかについてのアイデアが盛り込まれていますが、その組み合わせ方が異なります。一方のプロトタイプは UI がより効果的でしたが、コピーライティングに関してはもう一方のプロトタイプが優れていることは明らかでした。--- インタビューを受けたユーザーが、アプリの説明をするのに、後者のプロトタイプにあるキャッチコピーや用語を使っていたからです。

次のデザインスプリントのために、私たちは効果的だった UI を、「もっとも効果的だった」もう1つのプロトタイプにおけるコピーライティングと結び付けました。その結果、素晴らしい調査結果を残すことができました。



それぞれのインタビューから、考えたことや分析したことを書き出す段階で、効果的だったコピーライティングやそうでなかったものを、必ず把握して書き出すようにしましょう。その際、ホワイトボードに、該当するコピーライティングをそのままの形で書き出すとよいでしょう。さらに、効果的だったものとそうでなかったものは、赤や緑などで色分けすると見やすくなります。



研究の結果、どういったものが効果的であるか、皆さんそれぞれにさまざまな見解があるでしょう。最後に、重要なコピーライティング(見出し、ボタンの文言など)が、その基準を満たしているかを確認しましょう。矛盾を解決し、2つの対立する案を選択するチャンスです。

もちろん、この反復では効果的なコピーライティングがはっきりしない可能性もあります。--- それでも大丈夫です。少なくとも、明らかになったことはあるはずです。次の反復で、学んだことを活かし、実際に試せる新しいアイデアを考えてみましょう。

全てを1つに

詳細に関わらず、デザインの過程においてコピーライティングを必要不可欠な存在として認識することが重要です。最後まで放置するようなことがないように。逆に、前もって全て済ませるべきでもありません。また、デザインに関与していない、隔離された個人やチームに責任を押し付けてもいけません。

ソフトウェア製品は、ここ数年でますます視覚的になってきました。とはいえ、まだまだ大部分は文字が中心です。画面上の言葉は、ユーザーのために不可欠な要素です。それによってユーザーは、製品を理解したり、探しているものを見つけたり、実際に、目的通りに製品を利用したりできるのです。このことは、特に、画面が小さい場合に顕著に言えることです!

スタートアップ企業との仕事において私たちが発見したことは、コピーライティングをデザインのあらゆる段階に盛り込むことが、いかに効果的であるかです。ぜひあなたのチームでもこれを試して、その結果を教えてください!
@GVDesignTeam か @jazer にツイートしてください。

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