3/26/2015

[&] PLAYFUL - CMF(COLOR/MATERIAL/FINISH)



素材とデザインする 素材をデザインする - 玉井美由紀さん
http://www.design-lab.iis.u-tokyo.ac.jp/exhibition/proto2015/

玉井美由紀さん
(株式会社FEEL GOOD CREATION代表取締役/株式会社エムクロッシング代表取締役)

もともと、出身がテキスタイルデザイン、美術大学で学んでいました。
自動車メーカーで内装のファブリック、外装すべてを担当していました。
2005年に退職しましたが、内装にシボが金型だったのですが、
デジタルで彫刻する技術がでてきて、はじめて量産のシボ開発をしました。
人の手と金型でクラフト的にやっていたことを、デジタルで容易にできる。
寿命は短いですが、テストをしやすい。デジタルで今まで出来なかったことができるということがわかった。

CMFのデザイン事務所を 2007年に設立しました。
今も硬派な人だけで。
まだ CMF デザインはあまり知られていないのですが.....

CMFのデザインの事務所と、マテリアルコネクションという事務所、
世界中から素材を集めて、会員の人に情報を提供するというもの。
素材開発、用途開発をしています。

●CMF
COLOR/MATERIAL/FINISH
ここ 1-2年で言葉も比較的なじんできて、知っている人も多くなってきました。
表面を構成する三大要素です。

「感性価値」
高級感、や上質感を表現するもの。
性能、信頼、価格に続く、共感や感動といった価値観。
こういったCMFがどんな要因で人の心を動かすのか、
どういうところに影響を及ぼすのか?

スタイリングや機能で価値を想像できた時代から、
形が無くなり、CMFが新たな価値を創造する時代。
CMFで価値観を表現する。

嗜好品に製品を作り分けるところから、CMFで
世界観、気分やムードを創造することが大事。
薬効を感じる、香りを感じるなども、CMFで表現できる。

1.CMFでパーソナライズに応える。
CMFも金型が必要ないものもある。
金型を増やさずに個別の価値観に対応できる。

2. 価値を蘇らせる
CMF を変更するだけで定番商品が蘇らせることができる。

3. CMFであたらしい用途を作る。
例えば、マスキングテープが良い例。
インテリアの壁紙、スマートフォンケースにするとか、
いろんな用途に広がる。

●CMFデザインによる効果

FEEL GOOD CREATION での活用。
新しいCMFを生み出す。
サンプルからチョイスするのではなく、新しいサーフェスを作る。
新しい市場を生み出す
技術にCMFデザインを加え、新しい表現を提案。

日本には素晴らしいマテリアル、加工技術がありますが、
なかなかそれがうまく商品企画に伝えきれていないのを
デザインの力で市場を拡げることができるのではないか?

イメージして、素材サンプル、商品事例など。
CMFを使った、素材や技術のブランディング。
指名買いされるようなブランディング。
日本の物作りを活性化するきっかけを作りたい。

銀鏡塗装、一般的な技術。
モノの表面に薄い銀膜をつけて、鏡面加工するもの。
サンプルを使って、技術のPRをしている。
それだけ見ると、メッキや蒸着と違いがわからない。
普通はできない素材に銀鏡塗装する。大理石や木に塗装することで、
パチンコ台に使われていたものが、家具やインテリアで使えるように。

一つの技術に対していままでなかった市場に出すために、
サンプルを作り、幅をもたせて、いろいろな用途に使えるように。
いろいろな素材技術に対して、新しい発想で。
AO Fes という展示会で発表しています。昨年で 4回目。900名以上の方に来ていただき、
サンプルを販売し、多くの方に来て頂いております。

●去年、Digital Meets CMF という展示会を行いました。
新しいデザインの概念を伝えていく上で、
デジタルファブリケーションが増えてきて、
何か一緒にできないか?という発想から開催したものです。

もともとテキスタイルのデザインをやってきて、
感性的に生きてきた人間で、デジタルツールは使えません。
ただ、デジタルの世界はどんどん主流になってきますし、
いままで出来なかったことができるようになってくる。
それは凄く可能性を感じているので、
自分ができることと一緒に世界が拡げていけるのではないかと。
手探りだったので凄いことはできませんでしたが、
DMM.make とストラータシスと一緒に。

●FGCが考えるAM(3Dプリンティング)のCMF

デジタル時代の CMFデザインとは?
デジタルファブリケーションの時代に、デジタルのテクスチャーを作っていく。
面白いテクスチャーが山のようにできるのではないか?
ライノセラスのプラグインで Grasshopper は、
アルゴリズムで形状ができたので、サーフェイスデザインが作れるのではないか?

いろいろやっていくと、テクスチャ開発には向いていなかったのですが、
3Dパターンに向いていて、細かすぎるものはできないが、
微細なテクスチャ、シボと比較するような微細なものは難しかった。
特殊なソフトを使わないとなかなか難しい。

●3Dパターン
複雑な形状はAMによる出力。
AM出力品にCMF加工の検討。

金型がいらなくなって、いろんな出力品がでてきたときに、
いままでやってきた表面の加工や仕上げはどうなるのか?
と発想を変えていきました。

線が入り組んだようなごちゃごちゃなデータを作り、
金型では作れないし、AMの複雑形状だと思いますが、
仕上げをしようとなると、どうしたら良いか?
複雑な形状は、染色がやりやすい。
植物染料、クチナシの染料で、染色のトライアル(ポリアミド)
すごく綺麗に染まって、商品レベルでいうとムラがありますが、
塗装では作れないような表現ができた。

植物染色
ヤマモモ、
ラック+クチナシ 
細かすぎて染料が入っていかないものがある。
ひねり形状は、形状が重なっていて、濃く見えたりする。
比較的綺麗に染まる。
衣類を染められるものは、樹脂でも染まる。
化学染料でも染まる。

インクジェットでも。
高低差のある形状に、段差ごとに色を変えたり。

●商流に載せるにはどうしたら?
株式会社 Kabuku と一緒に新しい取り組みをしています。
rinkak をご存知な方は? (会場 1人)
クラウド上でオーダーを受けて提供することができる。
データがアップロードされて、コストがすぐに計算されて、
すぐに、サイト上で売れるようになります。
世界中の工場に対してオーダーが入ります。

現状、数色、
素材自体の色はありますが、表面加工のバリエーションが無い。

積層跡(除去、表面仕上げに影響、磨き、仕上げかこうによる平滑度向上が必要)
形状(超複雑形状の場合、全ての表面加工をするのは難しい)
素材(ABSとか染まらない素材の場合)

出力後の加工に対して課題が残る。
磨きの加工、サンドブラストだけだとピカピカにはあならない。
ポリアミドは染まりが良いが、メッキでは綺麗な表現はできない。
柄を入れようとした場合、インクジェットと水圧転写、一長一短あり。

塗装の場合、ABSあと下地ありと、下地無し、ともガタガタ。
ポリアミドだと、輝度感がでないので、金属調にならない。

日本の優れた技術を用いて、AMに向けた新たなサービス。
5月にサービススタート!

●Material ConneXion Tokyo
壁一面にいろんな素材があります。
データベースには 7000件。
青山のショールームには 1000件くらい。
会員になると、いつでも素材をみてもらい、データベースを見てもらうことができます。
ウッドが混じったようなファイバーや、
セラミック素材、カーボン素材、
いままで無かったようなもの。
金属も、蓄光素材、世界中からAM用の素材が揃ってきています。

レポートを販売します。
5月の予定。日本語版も。
NY Material ConneXion が発行しているものの日本語版。
AM先進国、アメリカの情報が満載。
英語版であれば、すぐに購入してもらえる。

http://jp.materialconnexion.com/