3/17/2015

[&] Service Design Salon Vol.6



Service Design Salon Vol.6「サービスデザイン思考と学び」
--------------------------------------------------------------

去年、サービスデザイン成果発表を amu でやったのの今年版。
学生の研究をもとにサービスデザインについてディスカッションします。

■コンセント長谷川さん:今日は、最初サービスデザイン思考と学び というお題が
最近考えている日本型のサービスデザインの話しをしようとおもったのですが、
学びの話しをします。
学生さんの発表が出ている中なので、お二方は先生でもあるので、
私はコンセントの中でサービスデザイン思考、業務でやっているわけですが、
その中で学び、スキルの向上で感じていることを話題提供したいと思います。

サービスデザイン -> アクティビティデザイン -> インタラクションデザイン

バリュープロポジション策定
事業コンセプト立案
バリュー
エスノグラフィ調査
           文脈調査(Contextual Inquiry)
           カスタマージャーニー
           タッチポイント戦略
                      プロトタイプ
                      ユーザー評価
                      コンテンツ開発

これを各プロジェクトのスコープに落とし込んで実証するという
基本フレームワークでプロジェクト推進しています。
サービスデザインのチームが 10数名、生まれてからという人は居ないので、
グラフィックやっていたり、学生だったり、皆社内でもなにかしらスキルがあり、
ある程度遂行できる人と、ジュニアクラスの人が学んでいくと遂行できる OJT 的な。
カスタマージャーニーはテンプレートで作ってはいけないということになっていて、
情報設計など、基本の概念を使っていって、
ユーザビリティーが低いとかは、ここでの提供価値以前の問題であると考え、
基本レベルは、セーフティネットを作って、クオリティを保つ。
会社というところなので、一人一人の学びよりも、アウトプットが優れたものであることが優先される。

最初からサービスデザイナーである人は居ないので、
社内で生産的に学べるように、スキルを学べるように考えている。
そういった中で、獲得が難しいと思っているところを話題として提供します。

●全体視点の獲得、スコープ設定 (どの時間軸でどこまで達成するのか?)
 ●問題意識をビジネス化する能力

●プロセスの遂行
 ●プロセス内タスクと依存関係の理解(何と何をおさえないと次にいけないのか?)
 ●引き出し・語彙としての知識

UX的を体系的に学んだわけではない?
過去10年15年、積み重なって、今それが体系化しているので、
レクチャーできるようになっている。必要ないことも含めて
周辺知識とか、どういう時には何ができるのか?
タスクや、周りの事柄が増えていっていると思います。
そういうことがミニマムに知っているだけだと、
それだけだと、外側のことが解りにくくなるので、周辺の語彙をどれだけ持つのかが重要になってくる。

メンバーはプロジェクトをこなして、1,2年で、プロジェクトのリードをとるくらいに成長していますが、
プロジェクトの中の依存関係はエキスパートになっても悩むところ。
きちんとした知識として獲得するよりは、遂行できるようになることが重要と感じています。

サービスデザイン
調査に関しては、早い段階で、熟練、習熟していって、理解ができるようになるのですが、
最初に提供価値を見つけ出す。新しい提供価値を発見するには、
対象のものだけを見ていてもだめで、エコシステム、体系、ステークフォルダーを洗い出していくのですが、
やっちゃえば見えてくるのですが、やらないと視野が狭くなってしまう。
どこまでが勉強するところなのかを俯瞰してみることが必要。

●生態系全体の理解
 ステイクホルダーのあらいだし

●観察からの価値抽出
  KA法のおける、構造化視点
  ビジネス文脈でのインサイトの影響

どういう全体の体系として理解したらいいのか?
一連のインタビューから、1000の価値観があって、1000もあってもノイズみたいなものなので、
4-5個の雲のようなもの、どういう視点で切り出すのが価値観の理解になるのか?という
落とし込み方が、KJ法的なことをする。
グルーピングするだけではなく、意味を持たせる。
カードソーティングするだけでは、大やけどをしてしまう。
トライ&エラーで価値マップを生み出す。
ちゃんとやらないと定性調査をする意味が無い。
生データは面白いけど、構造化するところに重きを持ってやらないと。
はたして、トレーニングして上達するようなもの?
才能みたいなところもあって、向いている人、向いていない人、
手続きをやれば、一定のところまで生み出されるのか?

デザインリサーチを行うのは、ビジネス的な単純に新しい事実がわかったということだけではなく、
必要な問題を結びつけることも思考として必要。
正しいことは見えるが、何やっていのかみえない。
既存のビジネス的な課題に強引に結びつけすぎて、新しい発見が得られないとなってしまって、
適度な距離感をもった洞察がいかにいるのか? というのも難しい課題だと。

アクティビティ+インタラクション

●コンテンツ自体のデザイン
 枠のデザインから、内容のデザインへ
●プロトタイピング思考
 完成形の追求ではなく失敗も含めた課程のオープン化
 「デザイン課程」自体のパッケージ化

箱の中に収まる内容がどういう粒度でどういう形で、
どういう頻度でどう見えているのか?をもっと、そこに労力を割かないと、
ユーザー体験が良くならない。UXはコンテンツデザインじゃないのか?
そこをないがしろにして、
オススメはどういうものなのか?この文脈でオススメが出せるのか?出せないのか?
がインタラクションデザインでは必要。
その観点に踏み込んでいくのが視点がうつっていく。

プロトタイピング思考
新しいサービスを作っていく、やられたことが無いものが生まれているので、
誰も作ったことが無い、作って試して評価を改善していかなければいけない。
従来のデザインのプロセス、
デザインをしたものをアウトプットとして、これが出来上がりました。
こういったことを言っている余裕が無くて、
やっているプロセス時代を共有財産にして、
先に進んでいることをやらなければいけない。
課程は失敗をどういうログとして残すのか。

デザイナー自身のマインドセットとして、失敗もさらけださなければいけない。
Webサイトや、紙のデザイン、最終クオリティの品質がデザイナーの誇り、
こだわりが変わっていくという思考の変化が必要。
メンバーがビジネスの現場として感じていること。

-----------------------------
千葉工業大学:安藤先生:
サービスデザイン思考?

実は全然教育の話しでは無くて、
サービスデザインシンキングという本が
UX は企業と関わりが深くなって、
実際の製品、サービスと関われるようになって気付いたことが多くなりあした。
自分の中でモメて無いのですが。

■サービスの3つの計画対象
企画/構築/運用

企画だけでなく、構築しなければいけないし、運用しなければいけない。
多分一緒にグルグルやっていくのが望ましい。
いいサービスは、運用の人が本気になって、構築の人も良くなる。
どこか切り取ってデザイン計画を建てるのはサービスデザインでは無い。

大学の教育では全部ができるのではないので、
企画と構築を少しだけヤルとか。
UX をやるのであれば、人を見て、エクスペリエンス、インタラクションを
コアになるので、UX ということが重要になってくるのだなと。

■「やっぱり人を観ることがコア」
手法として KA法をやればわかるかというと、そうではなく、
人を見るのが不可欠。

■教育でアプローチしにくいところお
●企画/構築はまがりながりにできても、運用は....
●企画はできても本当に受け入れられる観客インタラクションは......

安藤研展を 3/1 にやりましたが、難しい。
企画が出せても本当のサービスになる、顧客インタラクションに結びつくところが難しい。

書籍「逃走」としてのサービス 顧客インタラクションの研究 山内裕
サービスデザインラウンドテープルの記録。
この内容は僕らが考えるべきサービスデザインは何なのか?という指摘。

■おもてなしという幻想
おもてなしというと、上げ膳据え膳というが、決してそうではない。
おもてなしはお茶から始まりました..... 茶道のおもてなしは人に厳しいインタフェース。
にじり口、刀を置いて入ると言われているが、いわゆる演出。
きびしいインタフェースになっている。

厳しさということにどうしても UX の型としてのアプローチを学んだ人は、
厳しさの話しを扱えないのがモヤモヤしていて、
日常生活はそういうもの。
ラーメン二郎。こういうのは地獄以外なにものでもない。
あえて、厳しい道を行く。
考えられなくて、行列しているじゃないですか。
それがたまらない?

高級な寿司を食わせてやる、客を試すという振る舞い、
その作法の中でやりとりすることが、
顧客とのせめぎあい。こうしたサービスをデザインするには、
脱人間中心設計でなければいけない。

人間中心でなければいけない、
本当は向かなきゃいけないことを抜いているがために、
指摘をうけてしまう。

顧客視点を見る目、
厳しいインタフェースより病み付きになったり、楽しくなることもある。
顧客視点を見る目として欠けているのは



ど M

サービス様式、役割
そこまで我々は考えられるだろうか?

役割のデザインと言っていますが、
どM というデザインもひとつの様式
サービスのふるまいが解るという。

ど M になる。
ど まじめ になる。

長谷川さんとの議論、
企業の人と話すとすごく真面目なんです。
新しい会議を考える。会議というのはこういうタイプがあって、すでに研究しているのですが....
もうその議論をする必要は無いし、そこで抜け落ちている大事なことは見えなくなる。

会議の中で気付かない人は、内職する人がいたりする。それが本質。
学生には早くやれといっているのに、自分たちが当日やる。

表面的なまじめさはいらない。
本当の事象を本当にまじめにみる。

どうしても型を描きたがる。
本当はもっと褒めてもらいたい気持ちがあるのに、きれいごとで片付けてしまう。
そういうインプットだと良い結果を導き出せない。

インサイトを見つけるのが、本当の僕の立ち位置。
このへんをサービスデザインの見る目として大事なこと。

どMになると、デザイナーにはなれませんね(笑

■千葉工大:山崎先生
サービスデザインということで、
デザインにかかわって、僕らが学んだ頃は、
先生が課題をいって、三ヶ月後に作品を作るというのが授業だった。
やり方を知るとアイデアが出るし、デザイナーじゃない人でも役に立つので、
手法を紹介しているうちに、サービスデザインを授業でもやっているのですが、
授業の結果を見ると、手法を上辺でやっている。

エクスペリエンスマップを作りました。とか。
そういう状況でサービスデザインを教えていていいのかな?という疑問。
たまたま去年、内田洋行のデザインチームが院生がプレゼンにいきました。
手法をやっているだけで、提案しているものに対して、良いと思っていないという状況に
危機意識をもって、

●バカになる

そいうことを一生懸命模索する。
まだ回答は出ていない。
2014の夏合宿。バカになるにはどうすれば良いのか?

恥ずかしかった体験、
グループのバカな体験
海外でバカなものを作ってみるとか。
妄想をしてみる。

お寿司のネタだけ食べたい。
踊りってバカになれるよね?よさこいの練習をして、お祭りを妄想して、お祭りにふさわしい踊りを妄想。

リフレーム。
自分の作品をもう一回見直す。

●バカになるステップを考える。

内田洋行の高山さんに来てもらって、話しをしてもらったり、
オープンラボ、
鹿沼へツアーに言ったり、
ヤマケンのクリスマス企画
鹿沼ツアー、木材の人達と一緒に。
ヤマケン展

その中で、産学のプロジェクトをやっていて、
産学の人達と向き合うことで、授業の演習の課題を作ればいいのではなく、
産学の場合、アウトプットを要求するので、その中で学ぶ、

いろいろわけあって、箱根のホテルを活性化するというプロジェクトがあって、
●「愛と勇気で」バカになる
やっぱり学生達、面白いことを考えるのですが、勇気が無いのです。
ずっと変なことをするのは、凄く怖い。そういう状況が見えてきて、
勇気が無いと、バカになれない。
勇気を持つためにには、愛が無いといけない。
この関係が大事じゃないかと最近は思っている。

学生が作ってくれたパンフレット。
アンパンマンのマーチの歌詞。凄く大事で、
なんで大事かというと、つまり友達が居ないということ。
勇気を出すのは一人でやらないといけない。

デザインの学びの課題。
すごく良かったのもいくつかあって、
インタビューを徹底的にする、いろんな従業員の方、厨房の方、女将、徹底的に。
全部で6グループ、合計 18回。すごい良かったです。

女将のインタビューがすごく良くて、去年入った人が全員辞めてしまった。
「女将さんは辞めたいと思ったことは?」「私も辞めたい」
正直に答えてくれて、良かったな〜と。

分析をしながら、僕的に大事なのは、
「箱根を愛する」ということが無いと何もできない。
分析をして、発想、アイデアを考える。
アイデアも、
普通なアイデアと、バカなアイデアも。
プロトタイプを作って、最終的に三日目の午前中に、ホテルの人全員に来てもらって、
すごい緊張したプレゼンでした。

とてもいいプレゼンの内容で、従業員の人達も喜んでもらいました。
ホテルの人達もアイデアをもっているのですが、それが実現しない。
インタビューで聞いてもらい、勇気を持って実行するようになる。
学生達がそういう気持ちに応えようと。
M2 のグループは駄目だしされてしまいました。
手法を知っているがために、テクニックに走ってしまう。

それ自身が教育の失敗、表面的にまとめることになっていまう。
それをどうやってやるのかを模索をしている段階。

一番良かったグループは、留学生が居て、
海外からどれだけ客が来てくれるのか?
ホテルの歴史を、英語にして紹介。
靴のまま上がれる、古いホテル。
もういちどホテルのブランディングを、海外にむけて。

模索している「バカになる」フレームワーク
本気でばかになる活動のプラットフォーム。
大学とはまた別に、活動のプラットフォームに皆を巻き込んで、バカな想いに皆をしてあげたい。