3/21/2010

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nins09 DigitalDomain
坂口亮氏の講演。
http://www.kuba.co.jp/nins09/program.html

ハリウッド VFX と科学研究

ハリウッドの映像製作がいかに科学研究とコラボレーションしているか。

VFX とは? VFX の概要。
Digital Domain がどのようなことをやっているのか。
SIGGRAPH の VFX と科学をつなぐ役割。
VFX の研究開発に携わる人々のスペクトラム
SIGGRAPH の研究テーマと VFX
映画ごとの研究開発 (R&D)
day after tomorrow と 2012

■VFX とは? Visual Effects 視覚効果
 FX と Effects の発音がほぼ同じ。
 映画や CM において監督の求める映像を作り上げる。

「ジェットコースターの様に、ゴードンは小さな飛行機で。。。。」
 という一行の脚本から、絵コンテ、を経て、スクリーン映像にする。

■デジタルドメイン
ジェームズキャメロンによって設立された LA の VFX 現在はオーナーが代わっている。
アカデミー賞視覚効果賞など。

■SIGGRAPH
CG の学会。大学、研究機関が論文を発表。
大学のみでなく、VFXスタジオや、ゲーム会社、が情報を共有し、
クリエイティブと科学が近づく場である。
数年後に市販されている CGソフトウェアに新技術が反映。
大型の VFXスタジオは SIGGRAPH の論文を落ち帰り、
取り組んでいる映画のために自社ソフトを開発する。

■VFX 研究開発に関わるひと

アート 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 科学

スーパーバイザー、リード , VFXアーティスト、テクニカルディレクター、ソフトウェアエンジニア、CG研究家、科学研究者

クリエイティブとサイエンスの両方をつなぐ役目の人々がいる。
テーマ
 ライティング、レンダリング
 キャラクター、解剖学、モーションキャプチャ、頭髪、衣服シミュレーションなど
 コンピュータビジョン(ロボット工学、トラッキング、イメージベーストモデリング、オプティカルフロー)
 ボリューメトリックス(科学技術可視化、空気や雲
 流体シミュレーション
 剛体シミュレーション

■映画ごとの研究開発

監督の求める映像が今まで業界に誰も作ったことのない映像で
ある場合前例が無いため、業界にツールやノウハウが全くない。
このような仕事をうけるとシーグラフの論文発表等を仕事に取りいれ
映画とごとの研究開発を行なう。

day after tomorrow
高さ 30m 速度 100キロの波がニューヨークを飲み込む。
ミニチュアに伊豆を流すか、CGでつくるか?
ミニチュアと水のスケースの問題。水は縮小できて 1/5 ぐらいまでしか表現できない。
水しぶきのサイズは代わらない。ミニチュアだと不自然に感じてしまう。
「大きさは凄く大事、ミニチュアに水を流すような映像は作ってほしくない」監督

CGの水を作る場合、2002年の時点で既存のツールは?
監督の求めていた水は?
 過去の映画よりもリアルな動き
 手付けのアニメーションでは兄エーションに限界がある。
 ミニチュアの水しぶきでは無いもの

映画 Antz の中で使われていた。
 エメリッヒ監督のもとめていたリアルな水の表現に書かせない滑らかな水の表現は苦手

2002 SIGGRAPH level Set という流体シミュレーションの論文を取り入れた。
滑らかでリアルな水の表面の表現ができた。
大学の研究の域を出なかった。
使うためには自社開発するしかなかった。
Incompressible Naver-Stokes
水面の表面感の距離が三次元で保存されている。
流体の動きは昔から研究されていた。
Antz は流体の動きを計算した際、速度群でしかない。
プロダクションでは点で表現し、メタボール化して水っぽく見せるしかなかった。

level set を使った水の表現、数値群を流すので、表面がリアルに表現できる。
2002年の SIGGRAPH の論文を自社に持ち帰って、自社で開発を始めた。

リアルな水の動きが表現できた段階では VFXにおいてはスタートライン
必要なのは科学的なリアルさを用いつつ、監督の頭の中にあるイメージを作り上げなくてはいけない。

■デジタルドメインの流体シミュレーションシステムfsim
ソルバー周りのツールを様々開発した。これが fsim

物理に基づいたツール
Drag 抵抗、Friction の調整、水の動きを調整する。
表面張力のパラメータを調整

VFX 特有のツール開発。
近いところから水を流しても実際の複雑さが得られない。
監督の求めることにたいして、いかに素早く結果を出すのか?
water recording という技術を開発した。
水の動きを記録する箱を容易、その箱を他の所に持っていき、
一度行なった複雑なシミュレーションの結果を活用して、再活用することができる。
一度長い道に流したしミューレションを記録し、何度もシミュレーションする必要が無くなる。
普通にしミューションする以上に試して、素早く結果が蹴られる。

●エメリッヒカーブ
もっと極端な話。監督が直々に手書きで「水の動きをこうしろ!」と描いた。
リアルな動きのために科学の動きを作るが、
最後は監督のむちゃくちゃな注文に応えなければいけない。

アーティストの仕事、シミュレーション結果から、単純な形と、複雑な形に分離する。
アーティストが大間かな形状に変更し、その上に複雑な形状を再現する。
映画に耐えうるリアルな動きを抽出しつつ、監督の求める映像にする。
水しぶきの表現も、物理よりも映画用の映像。

■2012 の研究開発
コンセプト画が初めにあった。LAダウンタウンが全て破壊される映像。
絵コンテを見た第一印象「こんね映像つくれるか!」
破壊はモデルの形状が変わるため、CGでは渦香椎。
以前壊したCGを作ったことがあるが、一部、限定されたもの。

previsualization (検証、予算獲得のための映像)←この時点ですでにやる気がなくなった(笑)
とても怖いホラー映画をみた時に出るような、どうしようもない奇妙な笑いが起こる。
映画全体で一番手間とヒマのかかる映像を「マネーショット」と呼ぶが、2012の場合は全てがマネーショット。
通常 500カットよりも、難しい 50カット分がはるかに難しい。
崖ひとつを崩すにも大変なので、剛体ツールを作ることにした。

bulletphysics.com を使ってみたもの。
拘束条件を決めてアニメーションする。拘束条件を調整するツール。
どこが早く壊れるか、アーティストが調整できるようになった。