[&] World Usability Day 2010 Japan
World Usability Day
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グローバルリサーチと モバイルコミュニケーション
東京ストーリーズ 市川 文子氏
www.tokyo-stories.com
ユーザビリティリサーチャとして。
少しさかのぼって、12年前からの業界の話をさせていただければ。
12年前日本の大学を卒業して、Nokia のリサーチセンサーに就職
9年間お世話になった。最初は ユーザビリティリサーチャとして。
一番最初にあったのは、ラボを使ってリサーチをした。
かなり典型的なユーザビリティテストが多かった。
機運がかわったのは 2001/2 くらい。
「中国をどうする?」
Nokia はフィンランドの会社。
アジアには大きな拠点は無かった。
今まではメニューを翻訳するだけで良かったが、
これからは本当に携帯電話でメッセージも扱うときにどうしよう?となった。
この当時まだまだ Nokia はモトローラなどとは差があった。
中国は出稼ぎが多い。
通話よりも遥かにコストが安いメールでのコミュニケーションが多いのではないか?
わりと早いうちに、プロダクトのコンセプトを考えてみよう?
タッチパッドで文字を扱えるかどうか、検証してみようとなった。
どう形にしていくのか?
このプロダクトは中国市場でしか展開していないが、長い間売れた。
「街へ出よ」
ラボではまかなえないと感じた。
欧米では市場が飽和してきている。
インドなど、アジアに展開しようと考えた。
商品ができてからのユーザビリティ評価では遅い。
今使っている人のニーズ、今使っていない人のニーズもとらえようと考えた。
そもそも、ラボがあって、端末を評価するという体制だった。
その移行がすぐうまくいったわけではなかった。
できるだけ、限りなく、人脈を使って、すこしづつ違う市場を模索する日々た続いた。
もちろんエージェンシーを使うこともあるが、
電話帳をよくするにはどうすれば良いのか?を考えると、
新しい機能では無いので予算は潤沢ではない。
デザイン学生や、留学生を捕まえて、お願いした。
社員からの情報収集も。
つとめていた場所は、3カ所だが、
リサーチ対象としたのは、数多く。
設計をしっかりして、プロトコルを作っていくと、どこでも通用する。
リモートでリサーチする経験をつんでいった。
街頭調査のサーベイ。10分くらいの調査。
11ヶ国で 2000人くらいのインタビューをとることができた。
ディープインタビューではないが、知らないことを知ることができた。
3-4年くらいから、ユーザエクスペリエンスだけではなく、デザインリサーチという波が。
ひとつ「デザイン・リサーチ」という背景は、携帯電話をラボの中でみるだけでは
足りなくなってきた。
どんどんさかのぼっていくと、開発以外で戦略的なことを考える。
ほかの部署の人も吸収できること。
インドのスラム街に入っていって、調査する。
最初に外観をみられる。文化にとけこんでいるかどうかをみられる?
ローカルスタッフが服装をチェックする。
コミュニケーションというテーマでは、自分もテストされていると感じる。
調査対象の多様性 → 対象者のコンテキスト
ユーザーの生活に根付いたところで調査を行う。
多様性と深さの両方が広がってきていると感じている。
「パズルからミステリーへ」
まったく違うコンテキストで言っていること。
私たちは情報はありすぎて、自分たちが思い込んだパズルの枠にあてはめていくのはもう無理。
枠は無い。そもそもフィールドに行かなければいけない。
実態を知らなすぎる。
「モバイル・コミュニケーション」
コミュニケーション:
人間が互いに意思・感情・思考を伝達しあうこと。
コミュニケーションズ:
人や場所同士をつなげる手段
コミュニケーションとは、手段へのアクセス
携帯電話はユーザの手に届くというものと、アクセスできるのか?というのも。
ウガンダで観察したこと。
村自体が最寄りの街から 30km 離れている。回線も無い。
そこに携帯電話がやってくる。ビジネスマインドがある人が1台買う。
携帯電話のアンテナを設置する。村に電話がやってくる。
「電話を受けられる」
電話をかけるだけではなく、電話を受けられるようになる。
コミュニケーションを受ける手段ができた。
電話がうけられることによって収入がアップした。
通話料に対して、通過が生まれる。お金を送金するシステムを思いついた。
通話料をお金として扱う。ユーザーのイニシアチブで始まった。
コミュニケーション手段とは何なのか?「自己証明」
ガーナで住所を聞くと、通りの名前までしか教えてくれない。
番地までの分け方の概念は無い。最寄りの郵便局で私書箱を使う。
自分を証明する手段。日本に居るといろいろある。
実はかならずしもあるものではない。
携帯電話がその人の ID として扱えるものとして出現した。
生活を豊かにする手段。
「モバイル・エッセンシャルズ」
必ずもっているものが、携帯電話とお金と鍵。
日本では電話料金を毎月支払うが、世界的にはプリペイドが主流。
使い切るとチャージしにいく。そこで新しいコミュニケーションが生じる。
サービスとの距離が近い。
数字が意味するところ。
ゾロ目の番号が高額取引されている。
カップルで利用する連番。
デュアル SIM
インフラが乏しいこともあって、一つの SIM に頼ることができない。
電波が無いときにかえてみるという行為。
「防衛本能」として使われる。
自分のプライベートな番号と、パブリックな番号を使い分けている。
2つのアイデンティ。多くのメーカーはわからなかった使われ方。
コピー携帯電話がいち早く デュアル SIM に対応した。
「待ち受け画面」
その人にとって、重要な価値観がわかる。
インドの人は自分。ブラジルはカップルで。
ガーナでは自分がリスペクトできるアーティスト。
自分の中で大切な人を携帯電話に反映している。
携帯電話は自分に近いところにある。
自己表現>自我>社会>安全の欲求>生理的欲求
自分との対峙>事故証明/投票の権利>家族や対人との対話>安全/効率的な送金>生業の確立
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コミュニケーションサービス Ameba におけるUX向上の取組み」
㈱サイバーエージェント 大塚 敏章氏
アメーバにおける UX 新規開発局 フロントクリエイティブ 大塚
アメーバというメディアにおいて、UX をどういうふうにとらえ、社内で活動しているのかを紹介。
Ameba について
楽しみをつくること
Usability → UX
Ameba について:
2004ブログサービス開始。2006リニューアル。2008グッドデザイン賞。2008ピグ。なう。
18,170,000,000 現在の月間 PV
11,660,000 会員数
8,282 芸能人/有名人ブログ
200 政治家ブログ
規模も大きくなり、社会性も大きくなっている。
なぜアメーバに人が集まるのか?
いつもそこで何かがおこっている。
芸能人/有名人ブログ、時節イベント、ユーザー間のイベント
集まって楽しめる詠歌家が多い。誰かいる。
楽しみをつくること。
UX ≠ Usability
素早く表示させて、心地よく閲覧してもらうのは必要だが、
効率よくクリックできることが全てではない
ワンボタンにバカげた演出を搭載してペタ
来訪お知らせっ機能。
馬鹿げている程演出の入ったボタンをおいている
多くのリンクを出すよりコミュニケーション感を優先している。
家族に話したり、ブログに書いたり、次のアクションにつながっている。
楽しいガイダンスのチュートリアル
http://content.ameba.jp/guide/
Ameba ピグ
コミュニケーションのところでちょっとしたギミックが用意されている。
コミュニケーションのイメージ
そこにお互いが存在しているという「手がかり」が大切
安心して利用できる Ameba
有人によるコメント監視
警察との連携や EMA の認定
カスタマーサポートでのお問い合わせの対応
Ameba の利用者が
「知って」「使って」「継続する」その間の体験かつが楽しくなければいけない。
コミュニケーションエンターテインメント
ウェブサービスのディズニーランド
Usability → UX
ameba の usability 暗黒時代
ブログリニューアル事件
リニュアル後、元に戻せ運動に発展
社内用語「ユーザーテスト」はユーザテストではなかった
テストは直前のみで、最終的には対応できていなかった
ユーザビリティテストの導入
ユーザーヒアリングの導入
プロジェクトチームによるスパイラル開発
プロトタイプ開発と段階的テスト
現在の開発プロジェクトでは、開発しながら社内外のユーザーテストを行うカルチャーが根付いてきている。
ユーザーコミュニケーション
アメばこ:Ameba 目安箱
運営開始から二年半近く、2万人の登録者、2日程度で 4000-5000のFBコメント
ユーザーの意見を聞くという姿勢がユザーサービスとしての不ランディング向上につながっている。
ペルソナ
断片化されたマーケティングデータを
開発時に想像しやすいようにストーリー化されて理解しやすい。
ペルソナとユーザーテスト
様々なユーザー情報 → 断片化された情報を集約 → ペルソナ
課題の優先度をペルソナから広げる
Agile + HCD
現場は Agile 開発が主流になってきてうr。
実際使えるもの
ペーパープロトタイプは AGile スタイルにあっている。
すぐにコーディングを初めるプロジェクトもあるが、
結果的に改善のスピードはペーパープロとの方が早い
導入上の障壁
Agile のタイトな開発の中で
ユーザーを招くタイミングとイテレーションのタイミングが難しい
ユーザーテストの制度や理解などたらない
テストのレポートの精度の問題や、プロジェクトチームによっては分析→背策に正しく落とし込めない
放課後 X と HCD 勉強会
http://ameblo.jp/caux
ケーススタディ。勉強会。
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「オフィスコミュニケーション支援ツールwiviaの開発
- 製品開発におけるユーザー中心設計の実践と課題 -」
㈱内田洋行 大丸 晃平氏
内田洋行:情報/教育/オフィス
次世代ソリューション開発センター 2001年発足
ユビキタスプレイスの実現を目指し活動
wivia 2008/8 発売
無線LAN 経由で、プロジェクタに映像を投影する装置。
http://www.uchida.co.jp/wivia/index.html
PPA パーフェクトプロジェクションアダプタ
サーバーが必要。あまり数が出なかった。
wivia のユーザー中心設計 2008/4 〜
ユーザーを知る。
現状の製品のユーザビリティ
普段のミーティングの様子
社員にお願いする。失敗しても社員がいっぱいいるので大丈夫。
#テスト中の写真をちゃんと撮ろうと思った。
分析
IT に対している印象により「無線での投影や機器を用いたコミュニケーション」に対する印象が大きく変わる
「ITへのあこがれ度」
4タイプ
IT がもたらす効果への期待が強い
ITに対して抵抗感を持っている
ITを活用している
ITに触れる機会が少ない。
ペルソナを設定。学校とオフィス向け。
一人は学校の先生。営業担当を意識。
GUI コンセプト
Quick Guide
製品のアプローチ(USB接続、インストールなどから投影まで)をつまづくことなくできるようにする
User Control
最低限の機能にダイレクトにたどりつける。
すぐに使えそう。簡単そうに見える(複雑な印象を与えない)
ワイヤーフレーム作成
目指したところは、ボタンを押せばとにかく映る。
難しいところは、隠しておく。
ユーザーテスト・インタビュー
少しでもできたら、開発版を送ってもらってユーザーテストした。
どんどん直していく。
完成版の GUI
クイックマニュアル、パッケージ。
B2B の場合、箱はユーザーには届かない。自社営業向けの箱。
追跡調査(2009/11-12) 3企業 3学校
実際にミーティングしているところを見せてもらうのは難しい。
複数台並べるのに適していないことなどがわかった。
分析:
方向性が見えてくる。
「作業・会議を活性化したい」
「場所に制約されずに投影したい」というニーズ
いまだ潜在的だが、顕在化が進む可能性があり、市場を作っていける。
ウチダの UCD(リニューアル中。リニューアル前にチェックするのが良いそう)
http://www.uchida.co.jp/company/ucd/
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4.「グループウエア Cybozu による組織内のコミュニケーション支援
- 地方自治体への導入事例から -」
サイボウズ㈱ 青田 智徳氏
サイボウズ:Webブラウザで利用するグループウェア
自治体ITシステム満足度 No.1 を取得
導入事例:愛媛県庁、大田区役所、岡山県庁、横須賀市役所など
アーリーマジョリテイ、レイトマジョリティがおおい。
ラガード(偉い人)は、印刷機能重要。本人が使わない場合も多い。
ただ、導入権を持つ。
導入検討時によくでる話題
使ってもらえるか?
そもそもログインが障壁
使いこなせるか?
たくさんのアイコンやリンクがあると、どこをみるべきなのかわからない
一般職員からの問い合わせが大量発生しないか?
大田区役所の事例
職員カード (ID) +汎用端末+Web型グループウェア
ポータルは4種類
全員が利用できる「職員ポータル」
「共通行鵜」「電子決定(承認システム)」
使用する機能のアイコンのみ表示
お客様自身がパーツを作成
コメント:ガルーンは、ユーザーマニュアルが無くてもそれなりに使える。
紙のマニュアルは作ったけれど、見なくても広がった。
http://cybozu.co.jp/casestudy/example/ota/
野暮ったいとか、古くさいとも言われている。
Google と比較されることが多い。
更新ペースをあげてしまうと、使い方についてこれない層がいるので、
バランスをとるのに苦労している。
強引な置き換えは「従来の手段の方が良かった」という変化に対する拒否反応になって表れる。
たとえできることが増えたとしても、
「使ってもらう」ための工夫が必要となる。
学習コストがなるべく発生しない形で。
使いやすいの解釈は?
操作ステップの簡略化など様々な回答が考えられる
使ってもらいやすい?
とりあえず●○を見ろ」的な案内をシステム管理者がエンドユーザーに
伝いやすいと良さそう。
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害増のメッセージに、メンバーのコメントがたまっている
予定の調整は予定の詳細画面で。などなど。
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5. パネルディスカッション
「日本におけるコミュニケーションを支援する製品・サービスの現在・未来」
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