12/01/2011

[&] Book Advent Calendar (day1) The Graphic Eye of Tamotsu Yagi



欧米では12月になると Advent Calendar というのがあります。
12月1日から24日の間、待ち遠しいクリスマスに向かって、
いわゆる、日めくりカレンダーを楽しむ風習があるそう。
それにちなんで、一日ひとつ Tips やノウハウを紹介していくのが
流行りつつあります。
由来は良くわからないのだけど 2000年ころから初めている
Perl コミュニティが Advent Calendar の先駆けのよう?

そこで、しばらくの間ポツポツとしか記事を更新していなかった
「安藤日記」もアドベントカレンダー的に何か書こうと思いました。
最近読んだりした本で、特に良かったもの、お薦めのものを合計24冊
紹介しようと思います。 まだ1日目ですが。

「松岡正剛の千夜千冊」級のアーカイブにするには 3年くらい
書き続けないと! まあともかく今月だけでもなんとか。




まずは「八木保の選択眼―The Graphic Eye of Tamotsu Yagi 」から。

八木保氏、一般的にはあまり知られていませんが、
スティーブ・ジョブズのたっての希望により、
Apple Store の構築に貢献した
グラフィックデザイナー/アートディレクター。

[ APPLE STOREFRONTS ]
という世界の Apple Store の写真を見ると、
どの店舗もそれぞれの個性を持った均質ではない独特の美しさに
ため息をつくほど。
最初のAppleStoreを作る時に、巨大な倉庫の中に原寸大の模型を構築して、
店舗の動線や、雰囲気を確認したそうだが、
この本「八木保の選択眼」ではその過程における
生々しいデッサンや木造のフルスケールモデルの様子がみてとれる。




[ Store Planograms ]
を見ると分かるように、Apple Store の商品の配置は、
キーボードひとつにいたるまで綿密に規定されている。
人々が一番自然に触りたくなる距離、邪魔だと思わない感覚などが
こと細かに配慮されてることがわかる。

八木保氏が、ジョブズに声をかけられたきっかけは、
ファッションブランド ESPRIT の店舗の仕事の素晴らしさが
認められたことだそう。その重要な役目を果たしたのが
ESPRIT の本。ESPRIT のオーナー Douglas Tompkins らとの著作。
この本を読むと、なんだか Apple Store の源泉のようなものが感じられる。


[ ESPRIT―The Comprehensive Design Principle ]



あと、しばらく前の本になりますが、
コンセプトの組み立て方などを丁寧に解説した
[ 八木保の仕事と周辺 (Director and Designer SCAN) ]
も示唆に富んだ本です。
残念ながら絶版で、Amazonでもプレミアついてます。



そんなこんなで 八木保の選択眼―The Graphic Eye of Tamotsu Yagi

数々の写真が素晴らしく、資料性も高い本です。
本文も日英並記であり、多くの人に読んでもらいたい。
Amazonではまだ予約となっていますが、
青山ブックセンターや表参道の SUPER A MARKET では購入できます。

この1ページ1ページに込められた想いや考えを
隅々まで吸収したくなるような本です。