10/30/2013

[&] timeless racer * Daniel Simon



timeless racer * Daniel Simon
http://danielsimon.com/



ようこそ、おいでいただきありがとうございました。
今日はとても大切な日です。timeless racer を初めて見る日です。
僕のお母さんもまだ見ていません。

今日の90分のプレゼンテーションですが、3つのパートになります。
最初は、本に書かれているわけでは無いのですが、映画オブリビオンの
仕事を紹介します。
その次は timeless racer の歴史、最後にメイキングをご紹介します。
この5年ほど、映画の仕事をしてきました。
TRONレガシー、キャプテンアメリカ、
トロンは未来、キャプテンアメリカは過去をデザインしなければいけませんでした。
古いものをデザインするというのはエキサイティングなことで、
それまで古いものをデザインするという考えはありませんでした。
第二次世界大戦において、未来であり、かつ古いものを
デザインすることになったからです。

最初に timeless racer について紹介します。
テレビアニメ番組の TRON の仕事もしました。
基本的に同じストーリーなのですが、予算の関係で、
話の展開を早くしなければならないなど、色々と映画と違いました。

その後、ドリームワークスの仕事、オブリビオンの仕事をしました。
ドリームワークスは一年半、オブリビオンはトータル一ヶ月半?くらいでした。
画面に大きく映るので、挑戦的な仕事でした。

オブリビオンの話を主にしたいと思います。
まずはトレイラーをご覧いただきましょう。



見て頂ければわかりますが、凄い映画です。
これは、非常に多くの人が仕事をしたわけですが、
これは、私を含めたアートデパートメントのメンバーです。
ディレクター、プロダクションディレクター、アートディレクター、私です。
この監督ですが、デザインの決定も全て監督が行っていました。
このアートディレクターは具体的な仕事、スケジュールを担当しました。

2009年、映画ができる何年も前に作ったスケッチです。
デザイナーとしておもしろいのは、監督のアイデアということです。
監督のツールとして仕事をしました。
この映画ができたのは、別の人のアイデアなのです。
監督が何を考えているのかを考えてスケッチを書きました。

最初にスケッチしたのはトンボ風のヘリコプターです。
実際に作らなければいけないので、経済的な観点からも考えなければいけませんでした。
アニメーションであれば、ヒーローの都合で何でもできるのですが、
今回は実写で作らなければいけなかったので、困難を極めました。
俳優が実際に中に入って、操作で手が届かなければいけませんし、
そもそも中にはいれなければいけません。
トムクルーズはとても巨大なシートベルトを付けていました。

その一方、スタジオの人を納得させるために、
毎週毎週、フォトレンダーしたCG画像を見せなければいけませんでした。
学校の作品であれば、最終作品を作れればいいですが、
映画の場合は、毎週毎週作らなければいけなかったのです。
3Dレンダリングの作業を改善する方法があります。

スケッチ、これが作業机です。
狭い場所で、コンピュータがあり、
小さな模型のスケールモデルと、カルフォルニアの光を避けるサングラスが必須です。
映画製作でおもしろいことの一つは、他のアートの仕事をする人、
ストーリーボードを作る部門の人の仕事を見ることができることです。

最初にテスト用のモデルを作りました。
とても安価なフォームで作ったものですが、
そこで多くのことを学びました。
最も重要なことは、トムクルーズがこれをどう感じるかということでした。
彼と一緒の写真を撮るために、とっても近づきましたよ!(笑

なぜかというと、一日 8時間、撮影で座り座り続けなければいけないので、
コントローラなど全て、彼のためにデザインしました。
例えば、ジョイスティックも、彼の手にフィットするようにデザインしています。
いかに正確でエレガントなのかが解ります。
70年代のモノを作るのが好きなのですが、ここではそうしていません。

もうひとつ、問題がおこりました。
撮影のため、アイスランドに持っていかなければいけなくなり、
航空機でどれくらいの大きさのモノが運べるのか、航空会社に電話して尋ねました。
運ぶために、切断して運ばなければならず、デザインをそのために変更しました。
困難はどこから来るのかわかりませんね。
でも、それがプロフェッショナルの仕事です。

次の問題は、シップの内部に細かい部分を作り込まなければいけなかったことです。
こうしなければいえなかったことの一つは、
絶対に俳優が頭をぶつけないようにすることです。
Autodesk Alias を使ってモデルを何度も作りました。
作ったモデルをロスのファクトリーに送りました。
まさにおもしろい部分はここから始まります。

時間が短かったので、その中で造り上げるのはチャレンジングなことでした。
非常に効果な部品や装置を作り込むのもチームワークでした。
ドアですが、3Dモデルの時は大丈夫だったろころも、模型だといろいろ問題がありました。
全ての細部でも、作り込みが必要でした。
IMAX シアターでは非常に大きく映るので、精密に作らなければいけませんでした。
アイスライドに送る、5時間前に完成しました。
通常は仲が良い仲間なのですが、とても険悪な雰囲気でした。

話をするというのがデザインの大きな部分なのです。
このシップを作ったチーム全員です。
コンピュータで作ったモデルと、制作した実物大モデルと非常に近いものでした。
唯一違うのは、シートベルトだけです。

敵のドローンです。
非常に大きな問題は、突起のある球をつくらなければいけなかったことです。
球はおもちゃのような可愛らしいもので、兵器には見えません。
球はキティちゃんのように、顔を描くことで、違うキャラクタに見えることにりました。
最終的は、iPhone のカメラに見えるようなものになりましたけど。
現地で、フォークリフトで運ぶのが凄く楽しかったです。
ビルドにかかる前の 3Dモデルは、同じように見えました。

[キャプテンアメリカの車]

キャプテンアメリカを作った時が、timeless racer を考える重要な転機になりました。
1940年代の車を参考にしました。
NVIDIA GFORCE 上の非常に速いレンダラーを使ったのですが、
一ヶ月以上かかりました。

■THE TIELESS RACER

オブリビオンの 1日後にはじめました。
ストーリーを考えるのに 1年かかりました。
フェラーリみたいな車を作るのですが、過去ではなく何十年にわたるストーリーを
作ろうと考えました。
未来のツタヤに行って、非常に分厚いホンダやトヨタの本を買うことを考えてみてください。
1916年から 2615 年までのストーリーを考えることにしました。
666年分にすることも考えて、
Facebook にそのアイデアをポストしたんですが、あんまりウケませんでした。
今後も本をだしますが、この時代のどこかに位置します。
今回の本は 2027年です。
スムーズに入っていけるように、近未来をテーマにしました。

いつも同じドライバーを使いたかったのですが、タイムトラベルすることにしました。
1916に仕事を始め、1986の車です。
そのドライバーには息子が居て、彼がヒーローです。
彼の夢は、父のようなドライバーになることです。
彼が 20代に成ったときに、ある意味(仮想の)タイムトラブルが可能になりました。
そして、これから出して行く何冊かの本で、タイムトラベル先でいくつかの車に載るシーンを描きます。
必ずしも車の話だけではありません。
これから 2年ごとに本をだしていく予定です。買い続けてね!

この本を書き始めた時、それほど沢山のドロースケッチは書きませんでした。
教科書ではなく、ストーリーブックを作りたかったからです。
ストーリーに集中しました。
あとで、実際に変えるかもしれませんが、現状はマスーチの話です。
彼は私の妻のおじいさんです。これはファミリービジネスです(笑
彼は誇り高きエンジニアでした。
実写と、CGをミックスしました。
リアルタイムレンダリングは非常におもしろいものです。
スタジオでリアルタイムレンダリングするのは非常に簡単です。
実際は特殊なものです。
本物のレーシングカーをスタジオに持ってくるのは特別のこのです。
実際のレーシングカーを撮影するのは簡単なことです。
しかし、それをコンピュータでレンダリングするのは困難なことです。
その平行線が非常におもしろいものでした。

車体を押さえつけるファンがついているのですが、
80年代に実際にそういう車体がありましたが、現在は禁止されています。
そのため、レーズの直前にウィングを付けなければならず、
運転が非常に難しく、ドライバーは死んでしまいました。

父親と同じ、13番のナンバーをつけています。
彼の父親レーサーはいつもレースに遅れてくるため、
残った番号である不幸の番号、13番しか残っていなかったのです。
逆にそれが彼のラッキーナンバーとなり、息子も同じ番号を使うようになります。

車にたくさん説明書きを書くのを楽しみにしています。
可愛い女の子(レースクイーン)もね。

仮想の、石油会社も作りました。
コピーライトの問題があって、現実の会社名は使えないので。
実際は、スーパーの裏で撮った写真なんですけどね〜
ちょうどその時、スーパーのオーナーが通りがかって、
「出て行け!」と言われました....

全ての車は作るのに何ヶ月もかかります。
「フランス」と言えばなんでも、かっこ良く聞こえます(笑)
これがヒーローが打ち負かせなければいけなかたtフランスのチャンピオンです。
これは僕の友達で、彼がブロンドの女の子(女優)が欲しいといったので...

本国版が出る前に日本語版が出てしまったのですよ。
日本語版用にレイアウトを変えなければいけませんでした。

なんで一人の人間が 48時間レースを出来るのか?
それは本に書いてあります。
話は次に続きます。次の本の冒頭に続きます。
本のスポンサーが全てここに書かれています。
ストーリーの輪が閉じる瞬間です。最初のレースと、未来のレースとの輪が閉じる瞬間。

次回をお楽しみください.....

■メイキングについて

これが最初の車の3Dモデルです。単純な形なので一日でできました。
これのポテンシャルが解りました。
最初の日に、本の全てのページのレイアウトをしました。
見たところ、白い何も無いページがいっぱいあって、怖いものです。
車のデータだけの本が非常につまらないものです。
腰を押し付けて、歴史を描くことにしました。
それは非常におもしろいものになりました。
実際の人々に質問し、会う必要がありました。
2回ルマンを走ったレーサーに会うために富士スピードウェイに忍び込みました。
実際のストーリーで本はおもしろくなるからです。

実際の、小さな本を作って、流れを把握しました。
これは豆本は私の最初の本です。フローを把握するための本です。
Autodesk Alias を使って、作りました。
単純なモデルですが、単純なので、ずっと修正し続けられるのです。
毎日修正しづけました。品質は重要ではなく、修正し続けることです。
寝る前に修正する箇所を書いて、直しつづけました。
前のモデルと比較して修正しづづけます。
最終的な 3Dモデルです。非常に詳細部分も作り込んでいます。
SolidWorks を組み合わせて使っています。
SolidWorks のオペレータを雇って一緒に仕事しました。
彼は、全てのネジをモデリングして、本物っぽく見えるように作り込みました。
私はクリーンな車が好きなのですが、汚れた感じも必要でした。
未来の車は常に綺麗な、汚れがはがれ落ちてしまうようなコーティングがあるかもしれないからです。
例えばスターウォーズでも汚れを付けるのは楽しい作業ですが、
未来の車も時には汚れがついています。
汚れにはバンクスピードを使いました。
多数のシェーダー、テクスチャマップを使いました。

グラフィックデザイン、車ではなくそのほかのものです。
ロゴは会社の誇りです。
ロゴにもストーリーを入れました。
我々だけの秘密です。
MASUCCI はとても早く、夜明け前に仕事に来ます。
北イタリアで、窓から外を見ると、コーヒーを飲むことに
朝日が登ります。その時に雪がつもった二つの山と、朝焼け、
そして、MASSUCI の M を表現しています。
テストのために、おっさんが2人映ってます。

キッチンからベンチを持ってきて、レーススーツを来て撮影しました。
影と光を気にすることで、昔ながらのやり方ですが、うまく素材が作れます。
CGと同じように、色の照り返しを表現するために、色の紙を置いて撮影しました。
車への映り込みのために、いろいろな方向から写真を撮っておいて、素材にしました。

LAでは路上で酒を飲むのは禁止されています。
その中で3台のカメラで優勝シーンを撮りましたが、10秒後に警察がきました。
一日中撮影しましたが、最終的に使ったのは5枚だけでした。

出版社でページを選びました。

最後に色の話です。
映画と一緒です。本の場合、表紙から全てを見るのです。
これが最終版、車を横にしたかったのですが、
車が動いている感じがしないので、最終版は車を横に映しました。
本の中には非常に沢山の技術情報が書き込まれています。
前の本では気にしませんでしたが、今回の本では現実的にいくことにしました。
レースコースもデザインしました。日本のコースが最初に書いてあります。
(ブラジルでプレゼンするときは、この順番を入れ替えます(笑))

来週 1113 冊限定の特別版を出版します。
313 冊限定の、メタルプレート付きの超特別バージョンも作ります。
古いエンジンのように名前が刻印されます。
もしもしあなたの名前が長い時は、この本を買ってはいけません(笑

限定版は、design studio press 経由で注文してください!

Q. なぜ車のデザイナーから映画の仕事をするようになりましたか?
A. ハリウッドは全てお金です。まだカーデザイナーですが、
デザイナーは常に新しいもの、まだ見た事がないものをやりたいというのです。
実際の車のデザインをするたびに「見た事あるよ!」となります。
未来の車やスペースシップをデザインするたびに、
感情を押し進める力が沸いてきて、デザイナーにとって重要な事なのです。
良いくるまのデザイナーは非常に多いので、私が新しいことをもたらすのは難しいと
思っています。けれど、車会社の人がいたら、ぜひ声かけてください。

Q. どの年代でどのような仕事をしてきましたか?
A. おおきな会社の仕事をするのは需要だと思います。
未来のあなたの顧客になります。
この本を書いている時も、昔の上司のことを思い出します。
その上司は非常に厳格な人でした。
何歳になっても、ステージに立つたびにクールな振りをして、
バランスを保つようにしています。

Q. どうやってアイデアを新鮮にたもっているのですか?
A. 野菜を食べています(笑
インターネットの発展で独自の発想は難しくなってきていると思います。
たった 10分コンピュータを付けるだけで、1年間考えていらようなことが
あっという間に手に入ってしまいます。
実際、正直なところ、20年前の車をデザインしているわけですが、
ただ、トリックというかコツは、既存のものを全く違うコンテストの中に置くということです。
スチームパンクがその一つの例です。蒸気機関をまったく違う時代に置いてみるのです。
これは、このからの本で書くつもりですが、クールなレースの時代を
まったく違うコンテキストに置く予定です。

Q. コンセプトデザイナーとして困難なことは?
A. いつも困っています。
車のデザイナーだとしましょう。今年の車の仕事をしているとします。
2年後の仕事をしているとします。非常にクール。
新しい車に非常驚くべきです、みんな新しい車だと驚くかもしれませんが、
しかし、コンセプトデザイナーは未来の6本足のクモ型ロボットを考えます。
ところがこれ、足が8本じゃないから、クモ型ロボットじゃないといい始めます。
コンセプトデザイナーは常に何かと比較される運命にあります。
その何かと違ったものを作るために非常に違いを作らないと行けません。
ユニークであるために、背景に詳細なストーリーを造り上げておいて、考えます。
どっちかというと、酒のみながらの話ですね〜