2/12/2015

[&] Affective Engineering



千葉工業大学/山崎和彦研究室勉強会「感性の基本とUX」
感性とUXの接点から見えてくるもの
椎塚久雄

私は山崎先生と思い起こせば、IBM時代、新宿に居た頃、
研究室にも来ていただいて、あの頃とはだいぶ雰囲気が変わっていますが。
千葉工大に来られて、しばらくお会いしていなかったのですが、
ここ最近接点がありました。

今日、何を話そうかと...

感性は、はっきりいってファッションみたいなものでフワフワしていて、
私は警鐘をならしている方です。
日本感性学会、非常にユニークな学会です。
今、千人以上いるのですが、京都で春季大会があり、
本大会は秋に9月に700人くらいきます。
感性は多くの人が関心を抱いています。

今、議論、最近注目されていますが、昔は無かったのか?
いつ思うには、このへんの人たちを考える。

●時代はなぜ感性を必要としているのか?
デカルト
アリストテレス
パスカル
ライプニッツ
ニュートン

デカルトは主観的なものを排除する人、
パルカルは主観的なものを重要視する。
時代は、デカルトを選択し、心の問題は議論されたのは遅かった。
デカルトの心身二原論

●感性高額の意義と重要性
感性工学は、人間の感性に着目し、それを物作りに応用することによって、
製品やサービスに「特別な価値」を付与する新しい工学である。

価値とは?感性工学を理解するための大きなキーワードである。
そこに気付かずに研究をやっていても、さだまらない研究になってしまう。
「かわいい」というのも感性価値。
キュートと同じでは無い。
フランスゴのミニオンズでも無い。
特別な感性価値が付与されている。
社会に役立つのを目的としている学問

●感性工学の目的
感性工学は、感性という価値の発見と活用によって、
社会に質する事を目的とする学問

感性は、外界からの刺激に対する表層であり、
主観的であり論理的に説明しにくい行動

論理だけでは説明しにくい「心のフィット感」に注目

●感性工学・感性科学への扉

人の持つ「感性」へ工学的にアプローチする研究には
いろいろな側面が考えられるが、主として人の感性が
物理的、または工学的にどのように表されるか?

●問題は何か?
21世紀になって解決すべき問題は、従来の枠組みでは
とらえられない問題が山積しており、明らかに解くべき
科学技術の問題が変わりつつある

単に技術だけで多くの問題を解決するのは不可能である
時代にきている

その中でもっとも重要視されなけれならないのは「感性」に
着目した研究の中に見いだすことが期待されています。

●みんなtにとって有用・快適な技術は存在しない
人間中心設計、UX といろいろありますが、
基本的に、皆に有用な技術は存在しない。
ある特定な人には有用でも、そうでない人もいる。

従来、工学の分野では
感性より知識、主観よりも客観が優先されてきた。

●感性工学の重要性
日本で「感性」は伝わるが、外国にいって「感性とは?」
Affective Engineering と呼んでいる。
Kansei を使うと反発もある。
感性に対する注目は強まってきている。

●感性工学の重要性
少子高齢化を迎え、快適な福祉機器や介護サービスのためには
感性工学的なアプローチが必要である。
やるべき課題は沢山ある。

●工学の側が感性を必要している

●パラダイムシフトのために工学は感性に歩み寄ることが必要
機能重視とか物作りとか、それを維持したままで、
人の役に立つのは難しい。
いくら性能がよくて、信頼性が良くてもモノを買ってもらえない。
パラダイムシフトのために工学は感性に歩み寄ることが必要。

●歴史的な経緯



感性工学の役割にどう対応していったら良いのか?

●論理の合理性
科学・義ジュルは論理の合理性を基盤として、人間の物質的な側面を裕福にしてきた。
この論理の合理性は主として欧米のルネッサンス・宗教革命・産業革命・市民革命などを
とおしてつちかわれたもの

●真理とは
すべての現業はひとつの絶対的な論理によって記述される。それが真理である。

●好き嫌いは論理で説明できるか?
●感動を説明する論理は存在するか?
最近「感動」を研究している人が居て、うまい英単語が無い。
move では一致しない。kando を使っている人もいる。

●どの車がいいですか?と言われても、そこには論理も何も無い。
そこで意識が決定をくだす。ファッションもそう。
感性と密接に結びついて、衣服はものすごいビジネス。

●なぜ日本のブランドはダメなのか。生地は最高な物なのに。
海外ブランドがなぜ売れるのか?
日本の技術は凄い技術を持っている。

●「情緒的」と「客観的」な側面。
両名を持っているので、それをいかにサイエンスにするか?
もともとは一緒だった、哲学とか宗教学であった。

●感性テスト:3分間でバイオリンを描いてください

●感性は記憶と関連性が深い
感性はデータ処理能力
 バイオリンは漠然とは書けるが正確には書けない
感性の本質は脳の中の(質的)データ処理
脳波を計っただけでは感性は解らない。

●感性を高めるテクニック

「なぜ」と考えながらインプットする
なぜという視点でじっくりとみてみる。
何気なく使っていたら、気がつかないことも多いが「なぜ」
という視点で意識的に見て行くと新しい発見がいろいろ出てくる。
そうすると有用なデータがインプットされる。

●感性を磨くトレーニング
 どうしてこの腕時計をつけているのか?
 自分の時計を良く見よう
 数多くの時計を見る
 時計屋さんにいく

●気になるキーワード
デザイン思考、感性表現、UXD、感性マーケティング、ブランド価値。

感性工学ハンドブック。6年ぐらいかかりました。
その分野の人を呼んで議論しましたが、話しがまとまりませんでした。
そこに流れる源流をどう捉えていけばいいのか。

感覚は欺かない、判断が欺くのだ(ゲーテ)
感性を学ぶのは本質論。

●思考の優位性が感覚を殺してしまう
トヨタの自動車を購入した人は、日産の素晴らしいニュースを聞いても過小評価する

この世の中に事実は何も無い、あるのは解釈だけ(ニーチェ)

●感性研究の本質
日頃からささいななんでも無いものに眼を向けるのが必要
そこにデザインイノベーションの本質がある。
一見無意味に見えるような小さな出来事のひとつに言葉が与えられている。
(ニーチェ 人生の塩)
あたりまえのことに疑問を持つのが一歩、意識を変える必要がある。
文化や歴史を越えて、人間らしく生きるために必要なものに出会うことで人生が豊かになる。

●感性はシステム的な発想から。
感性は何かをいいなと思う気持ち。
何かの指摘をうけていいなと思う気持ち
刺激物としてのインプットがあって、いいなと思う。

●感性の現代的なとらえ方
感性というものを心理学的にとらえても意味が無い。
ヒトが事象について情報を受け取り、
理屈に限らない「意味」や「価値」を見いだすプロセス

入ってきた情報と元々持っている情報とを比較して、行動している。
必ずしも理屈ではない、意味や価値を見いだす。
これが体験。体験が無ければ感性はいかなるものであっても判断は得られない。

どう説明したらいいか?
●プロダクションシステム
短期記憶 。。。。。 長期記憶(知識ベース)
条件が一致すると、行動する。

●2値論理
デカルトは何事も分析的
パスカルはそのアンチテーゼ、質的、精神的、心情的
パスカルは確立論の創始者。
時代はデカルトの近代合理主義を選んだ

●無意識的な心の動きと身体動作
潜在的メンタルプロセス
顕在的メンタルプロセス
 
暗黙値は、感情的情報処理

●感性価値
感動/共感を得ること
五感情報を組み合わせ、感動をもたらす品質作りへ
潜在化している価値がでてくる。

モノの充実、物作り → こころの充実、ものがたり
感性に訴える、感性に共感する

●第四の価値観
性能
信頼性
価格
感性:価値基準のパラダイムシフト

●価値想像は開いての問題ではない
美しいと感じる人の感性
送り手と受けてのマッチング問題に帰着される
準方向推論と逆方向推論
デザイナーは逆方向推論をやっている
感性も逆方向推論

●間静的対話に必要なもの、自然感性と人工感性

計測(知覚)............. 表現(生成/表出/行動)
人の気持ち、考えの理解の知覚、認知
           自分の気持ち、考えの表現

個人個人とそのときの状況にあわせて違った対応のできるシステム

感性認識論    感性表現論
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認知科学     モデリング

感性認識論:スマートエージェント

●感性の価値はいかにして生まれるか?

いかに共鳴するか?
ストーリーテリングもの語り性
親しみやすく感ずるためのキーワードがストーリーテリング

CSR から CSV へ
CSV = 共有価値の創出 CKV 感性価値の創出

●ストーリーを語れる力

●感性からみたUX
UXに近い概念は以前からあったが、UXが明確に意識され始めたのはここ数年の間
子供達はなぜマニュアルが無いものを使えるのか?

UX は主観的な感じ方で、人によって違う

 ●UX白書
 ●UXハニカム構造(ジェームズギャレット adaptive path)

感性ハニカム構造

はぐくむ
はかる
いかす
つたえる
ふれる
つくる
たもつ





●魅力のあるユーザー体験の創出
ユーザーの状況・意図を理解する
ユーザとともに成長する
ユーザーに能動的に働きかける