7/31/2008

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Innovation in Digital
Tetsuya Mizuguchi
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18年前、2Dのゲーム時代。
今は仕事の形態が変わってきている。
音楽のプロデュースやイベントのプロデュースが増えてきている。

エンターテインメントを作る。
デジタルのプロセスで作る。それを世界中に配信/配給する。
常に技術のイノベーションが新しい表現を生み出す。

1972年、Atari PONG / Erik Klooster
世界で初めての家庭用ゲーム。ドットで描かれ、ビープ音。
Atari 社はまだ存在する。アメリカを中心にヒット。その後アタリショック。
ソフトを乱発しすぎた? 日本の囲碁の「アタリ」から。ロゴは富士山。

メディア美学を学んでいた。

space channel 5 に出演していたマイケルジャクソンはノーギャラ。
通話視聴率。
MTV Awards の CM に出演。
ゲームから出たキャラクタが他に展開。
MTV News に出る予定だったが、アクターズギルドからの反対

Rez
作るのにはとても時間がかかった。
気持ちの良いという要素を実装するのが難しかった。
気分が高揚している時の状態を解読してプログラムのコード化。
分解していく作業。メロディや音色などの分解。
人間の体の中で何が反応するのか、理由を考えるようになった。
面白くないものにも必ず理由がある。
商業的な成功はおさめられなかったが、賞はたくさんもらった。
リマスター版をリリース。
時間が経っても強烈な体験を得たものは古くならない。
ゲームを遊んでいるとばらばらだった効果音が音楽になっていく。

Lumines
PSP/DS のためにインタラクティブウォークマン的なゲームを。
PSPで発売。アメリカを中心に売れた。
Lumines 2 では 20アーティストにミュージックビデオとともに参加
既存の音楽がゲームにはいってくる。
音楽そのものがゲームに直結するのはこれまで無かった。
rockband というゲーム。何千万本と売れている。
音楽ゲームが米国とヨーロッパでは主要ジャンル

N3
XBox 360
「戦争のゲームは作らない」というポリシー。
それを逆手にとった。
黒澤明の羅生門。911テロ
人間対、非人間。
逆の立場で物事を見られる。
映画の構造上の問題として、一本の立場でしかない。
ゲームだと、敵だと思っていた視点で Flip して見ることができる。
CNN の視点、とアフガニスタンからの視点。
羅生門。証言が物語を作っていく。
立場や視点によって表現が全く違う。
人の感覚はいろいろなものに左右されてしまう。
実現することができた、一番の力は「解像度」
ドラマとして感情移入させることがゲームとして可能になった。

Lumines 2
背後に流れているのは BECK のミュージックビデオ。
音楽と同化しながらゲームができる。

2006 Genki Rockets
どうしてもみつからない音楽と映像があった。
見るだけ、聞くだけでハッピーになれる音楽と映像が無かった。
自分たちで作ってしまった。
ゲーム用の映像を世界中のみんなに見せてしまった。YouTube に飛び火。
音楽として一人歩きしている。
YouTube から不思議なことがおこりはじめた。
シスコのバイヤーから、レコードを出したいといわれ、
2000枚が完売。クラブでかかりはじめた。
J-wave でもかかり始めた。
一番熱意があったのが AVEX.
ライブアースという地球規模でのコンサート。
Al Gore 地球温暖化防止のため世界中のアーティストが 24h コンサートをリレーしていく。
2007/7/7 に行なわれた。「何かできないか?」
設定は 30年後の 17歳。名前は LUMI ちゃん。
宇宙ステーションで出産する人が出てくると思った。
人類史上初めて、宇宙で生まれた女の子。
20歳まで地上におりることができなかった。
いろんな地上のニュースを聞きながら育っていく。
青空を見上げる経験は無い。情報として知っているが、経験は無い。
それに体するあこがれを、歌詞にこめてみた。
地球に体するラブソング。
ホログラムでライブを。Al Gore をホログラムで説明。
YouTube に載せてから、コンサートまで、たったの十ヶ月
ドラスティックに物事が動いてきたが、これほど動きが早かったことは無かった。
ステージ上にホロ用の特殊なフィルムをはって利用。
20歳のときに地上におりてくる儀式を行なう予定。
グローバルであること、世界中のオーディエンスに聞いてもらう。
各国後のカバーを予定。
YouTube の登場で世界中にスピーディーに見てもらえるようになった。
地球規模で人々に影響を与えられるようになった。
その時、メッセージは何で、何がしたいのか?
昔に比べると出来ないことが無くなってきた。
歌い手は何人か、一人の人格に置き換えている。
発想はアナログだけれども、実現はデジタル。
デジタルのおかげでクリエイティブになってきている。
クリエーターとしては楽しい時代。
凄くリアルなゲームは作れるけど、それで何を作るか。
いかにプラスに転じるか。

ブレーキを踏むことばかり広げるのはクリエイティブでは無い。
ポジティブな方向に問題をクリアしていくのがクリエイティブの力。