2/08/2015

[&] FITCTokyo 2015 - Cod.Act



#FITCTokyo 2015 Cod.Act
動きとサウンドの関係を研究 with Cod.Act
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みなさまこんにちは FITC tokyo に来ることができて、
プレゼンテーションの機会を与えて頂き、ありがとうございます。

私どものコラボレーションについて話します。
Code.Act を設立したのは 17年前です。
私の弟のミッシェルが建築家、私は音楽家です。
音響インスタレーション、音響彫刻を考えています。

私たちは、さまざまなリサーチを活かして、メカニック、
マシンを作り、音響と合体させるのです。
インスタレーションには二種類あって、インタラクティブなもの、
参加者が調節できるものと、私たちが調整して見て頂くものがあります。

私たちはリサーチにリサーチを重ね、何についてのリサーチか?
メカニックの改良、それと響き合う音響の開発です。
今日は皆様に最近の2つのインスタレーションをおみせします。

音響彫刻 サイクロイドEです。
こちらは、日本で4年前のメディア芸術祭に展示し大賞を頂いたものです。
どのように動くかみて頂きます。



それでは、サイクロイドに関してメカニックな部分から紹介させて頂きます。
私は先ほど言いましたように、メカニカルな動きと音楽との連合性について調べています。
サウンドとメカニックというのはある意味比較できると思います。
両方とも波長によって変化することです。
それを連結したり、離したりすることができます。

探したのは振動する物体です。
まずは振り子です。
それで振動するような振り子を考えて、振り子一つではつまらないので、
それを連結させ、そして波状の動きを作るようにしました。
動きはランダムでカオスです。

振り子の動きを見るとわかりますが、調和のとれた動きをしています。
ランダムではありますが、ハーモニーがあります。
私たちのテーマであるハーモニーに到達し、
サウンドの面でもハーモニーが検証できるのではないかと考えました。

このような形で振り子というのは垂直になっていますが、
それを水平に置くことを考えました。
重力で振り子が動きますが、モーターによって、水平に動く振り子の原理を作りました。

様々な予測しない方法で、空間を早く動くのがポイントです。
それに響き合う音楽を考えました。
それぞれにスピーカーがついています。
信号をセンサーでとらえ、モーターに伝え、モーターが動きを制御します。
これがパーツを書いた設計図です。
ここまでがメカニックに関する部分です。

私がサウンドを担当したわけですが、音ではなく、ミュージックだと思っています。
第一にメカニカルな素材と連携して、動きと連携して増幅したり、奏でたりします。
まず、先ほどありましたように、振り子の振動を利用し、
波動を生み出す時にハーモニーが生まれるので、
サウンドの方でもハーモニーを重要視しています。

ですから重要なことはマシンのハーモニーを表すような
サウンドハーモニーのシステムを創り出すことです。
それで、連結した部分が早くなればなるほど、ハーモニーが増幅し、
輝きが増すというシステムを作りました。

メカニックの方のエネルギーがサウンドを膨らませリッチなものにしていきます。
クリエイトしたものはハーモニーのスペクトルを重ね合わせるということでした。
音の断片を重ね合わせてハーモニーを作り、その上にまた断片を重ねるというものでした。
まず、ピアノの演奏、バイオリン、人間の声、などを録音することでした。
そして、それぞれのハーモニーの周波数を導き出し、それをマシーンに落とし込んでいきました。

メカニックの方では、それぞれのチューブにスピーカーとセンサーが取り付けられています。
40の振動計と、振動を増幅させるものをメカに設置することで、
機械の動きで振動が増幅し、音楽も増幅するようにしました。
先ほど見て頂いたように、メカがゆっくり動いている時は
エレクトロニクスのような音で、低い音調です。

早くなればなるほど、様々な音程が加わり録音されたものがハーモニーを増していきます。
早くなればオーケストラのようになります。
これはクラリネット、クラリネットがハーモニーを増していくのを検証しました。
垂直方向が周波です。

この音の分析をお目にかけますが、ハーモニーが連続して入っていることがわかります。
波動系なもので、それぞれが響くようになっています。
リアルタイムで音楽を作って、皆さんに向かって投げかけているのです。



ナイロイドについてお話しします。
サイクロイドから発展して作ったものです。
現在メディア芸術祭に展示しています。

重要な点は動きがランダムですが、動きが無機的ではなく、
生き物が動いているような印象を受けることです。
なぜ作ったかというと、複雑だったメカをシンプルにしたいと考えたからです。
まず、動きを表現するのに、チューブではなく、違う素材を使おうと考えました。

どうプロトタイプを作り
動きはすでに予想できない動きをしていますが、いかんせん固い動きです。
同じシステムですが、先ほどよりもオーガニック、有機的な動きになっていると思います。
次に、チューブがケーブルに変わりました。
私が探した素材は、エネルギーを溜め込むことができる素材で、それを放出するような動きをするものです。
ケーブルがたわんだり、ねじれてしまうような動きができました。
神経組織のような動きをしたかったので、ケーブルの使い方に改良に改良を加えました。

ケーブルは均質な動きをすることが解ったので、使うのを止めました。
ケーブルの性質を考え、さまざまケーブルを試し、
これが最初のものです。
土台を三脚にしました。三カ所から軸を出し、
3つにしたのは安定性をもたらすためです。

ケーブルの様々な素材を調査しました。
エネルギーを貯めて、デフォルメでき、ある一瞬そのエネルギーを放出して元の形に戻るというものでした。
メカニックとしては、ナイロンの熱可塑性の素材を見つけたことでした。
ポリアミッドというナイロンです。
下に3つモーターがついていて、それによって、ケーブルがたわんだり伸びたりします。
下の3つのモーターにセンサーがついていて、ヘッドの部分にもセンサーが着いています。
加速度センサーです。

サイクロイドと同じように、一方で方向を制御し、センサーでキャッチし、それを音楽に反映させました。
ヘッドにスピーカーがついていて音がでるようになっています。

どのように音楽を作っていったのを説明します。
サウンドの方でもサイクロイドを発展させた形で作りました。
サイクロイドでも少し無機的なところがありましたが、
有機的な音がでるようにしました。

ナイロイドで目指したのは、たわんだ時にどのような音を出すのか、
メカの動きから、どう音を変えるかに悩みました。
色々音をとって重ねましたが、結局のところ人の声が一番ふさわしいことがわかりました。
ひとの声がすると、他の物音がしたときよりも、耳を傾けます。
人の声は人の注意をひくのです。
音の幅としても、かなりの幅があります。
考えたのは人間の声よりももっと幅がある音にしようと考えました。
シンセで音を拡げ、重ねることで一つの音を作り上げました。

すべての動きを音響に反映しています。
音響の方は動きによって変化します。
動きでも自己表現しますが、音によっても自己表現します。
ただ単にシンセでロボットなような音ではなく、
自然な音をすべりこませ、自然な音を動きによって再生させようとしました。

人工的なシステムを、人の声から発展させたものですが、
シンセを使って発展させるのは面白い。
人間の声には限界がありますた、シンセで限界を超えるような声を作ることができました。
私は音楽家なので、音が音楽でなければいけないと考えています。

様々な音、音節に区切ったものを重ねることでハーモニーが生まれると考えています。
ナイロイドが動きとき、どういう音の表現をするのか?
うめいているように見える時に、うめいているような音を出すとか。
分析して、どの音を出すか、構築された音節を探しにいきます。

探しにいった音節を一つのフレーズにし、それをどう音楽として昇華させていくか。
センサーからの動きを得ると、このように動きます。
機械の動きをうけて、音を選択しているところです。
パラメータがそれぞれ動き、音の中から選択したものを組み合わせて音楽を奏でます。

いったん、止まってしまい、どうしようもなくなったところです。
見ていらっしゃる方は離れてみてもらいます。危険な場合もあります。
国立新美術館に展示されています。

http://www.codact.ch/