8/07/2014

[&] Pinterest Design Night Tokyo (Fireside Chat)




#pinterestjp Pinterest Design Night Tokyo (Fireside Chat)
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Evan Sharp (Chief Creative Officer)
http://jp.pinterest.com/sharp/
Everett Katigbak (Design Manager)
http://jp.pinterest.com/everett/
長谷川敦士(コンセント/インフォメーションアーキテクト)

単純に自己紹介してもつまらないので、Pinterest のプロファイルを見ながら紹介します。
どれぐらいの頻度で使っています。

会場:そんなに変わった使い方をしていませんが、インテリアが好きなので、インテリアの写真、
おしゃれな写真が多いので、プライベートで使うことが。

定国:いろいろなカテゴリーで使えるので、
良く勘違いされるのは、インスピレーションを受けるためにどんどん貯めていく、
結構いろんな人と話していると、写真共有サービスと言われることが多いのですが、
一言だけ説明させてもらうと、Pinterest としては全然違うものだと思っています。
いわゆるソーシャルグラフではなく、インタレストグラフだと思っています。
SNS は過去に何かおきたことを振り返って、友達に知らせるのが主な機能です。
過去と友達が主な機能です。
Pinterest は過去はどうでもよくって、未来のためのものです。
デザイン素材のボードを作っている人も、料理の話しや、結婚式の雰囲気のインスピレーションを
作られていたり。最終的に出来上がったものは自分のもの。
Pinterest のインタレストグラフは、未来の自分のため。
そういう違いがあります。
人となりが表れてしまうんですね。

今年の抱負、できていることとできていないこと。

Evan Sharp (Chief Creative Officer)
http://jp.pinterest.com/sharp/
スターウォーズのデススターのボード、
デススターのように見えるものは世の中に沢山あります。
どんどん多くなって、パターンが見えてきたのです。
ほとんどはデザインと写真です。
My Heroes が一番好きなボードかもしれません。
なんで作ったのか分かりませんが、よく人にメンターは誰?と言われるから。
ボードを作る課程で、いろいろなことを学びました。

Atsushi Hasegawa
http://www.pinterest.com/ahaseg/
コンセント、Webデザイン、コミュニケーションデザイン、情報の建築家、物が分かりやすくなるにはどうしたら?
このボードは海外に言ったときに、自分が撮影したものをコレクションしています。
あまり見ないサインなどをコレクションしています。
もともと web のインタラクションも全部、どうやったら、ものを分かりやすくする分野、IA はそういう考え方なので、
Pinterest はビジュアルなインタフェースで、新しいブラウジングを考えるために
僕自身も刺激的にインスピレーションを得たりしています。

Everett Katigbak (Design Manager)
http://jp.pinterest.com/everett/

Pinterest のブランドマネージャーです。
黒板のサインとか、今日来る時にささっと書いてくれました。自信作じゃないらしいですけど。
多くの方は、私が文字オタクだと知っていることでしょう。
文字を作ったポスターとかを作っています。

多くの人が知らないこと、知っている人は又同じ話しか....
今、ビンテージのスクーターにハマっています。東京に来てまずベスパのショップにいきました!笑

Toru Watanabe
http://www.pinterest.com/toruwatanabe/
コンセントでデザイナー、エディトリアルデザイナーをやっていて、Web なども。
僕の使い方は、資料、デザイン作業で使うものが雑多にあります。
Pinterest を結婚式のイメージを決める時、共同で集めたりもしています。
最近はまっているのがコスプレです。
Pinterest はクオリティーが高いです。奇妙な感じのものを集めています。
タンブラーも使っていますが、Pinterest は選んだものを Pin して使っています。
見たまんまの雑多な人間です。

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Fireside chat (炉辺談話)

定国:いわゆるストレージサービス?総務省のデータによると、一人の人間が持てる情報量が 630倍になっているそう。
それを全部テキストで受けるおは無理で、益々ビジュアルコミュニケーションは増していき、
これから益々増えてくる。そのようなコンテキストがある中で、
ブラウズする感覚、ビジュアルを吸収していく。皆さんにブラウジングに何が起きてきて、
今後何が起こるのか?

長谷川:
スマホの時代になって難しくなっている。
図書館や本屋さんのような、目的が無くても出会えるということ。
情報を探すのは効率化されているのですが、発見する、期待していないものと
たまたま出会ってしまうということがどんどん減っていって、
Google のレコメンドや、Amazon のレコメンドのような、
IA の世界では、レコメンドが限られた画面の中で、ブラウジングに変わる新しい方法。
それにしても裏のアルゴリズムに依存してしまうので、
これといった回答は無いのですが、ブラウジングの問題は
技術を応用していく分野になっていく。
Pinterest がグリッドのデザイン、
単純なアイデアではあるのですが、グリッドのモノ達が効果的に機能するのは
すごく難しい。こういった全部並べるデザインというのは、
UIとして実装するのですが、ちょっと作っただけでは
効果的にできなくって、考えなければいけない事が一杯ある。
Flipboard で何種類もテンプレートを作っておいて、効率的に作るという話しがありましたが、
どうブラウジングさせるのかが難しく、
最後は人の手でチューニングしていって今に至る。
目的に応じて考えていくのが難しい。逆に人の手に戻っていくのではないのかなと思います。

Evan:
英語でブラウズという言葉がありますが、日本語ではもっと深い意味があるように思えます。
英語では、いろいろなものがあるところにいって、近づいて、そのものに対して行動を起こすという意味あいがあります。
例えば、草食動物であれば、草のあるところに言って食べるのもブラウズです。
お店にいって服を探して買うのもブラウズです。
テキストはブラウズは難しいのです。
ブラウザを使ってサーフィンしますが、沢山の情報を一度に見せるのに長けているのかというと
そうではありません。
多くの意味で、Pinterest というのは、物理的なエクスペリエンスをデジタル化した
形態にすぎないと思います。
グリッドレイアウトによって、今の Pinterest の開発が可能になりました。
ただ、逆に、あれは個人的には、制約的な要因にもなっているという気がしています。
会社として成長して、じょじょに発見という言葉を使うようになってきて、
そうすると、いろいろと、今のグリッドとちょっと違ったもので作りたいと思ってきています。

質問:グリッドをこれからも進化する?

エバレット:
グリッドというのは、物理的な表質のようなもの。
インターネットというのはデータをパースして、アクセスするための道具として知られています。
でも、人はインターネットというと、それが物理的に深さも奥行きもある環境だとは考えていません。
店にいって、ブラウズするのがまさにグリッドだと思います。
物理的な経験をしているのですが、必ずしも、そういった体験にあった方法では無いのかもしれません。
私たちは、直感的に物事を空間的にとらえられているのだと思います。
グリッドデザインは専門家でなくてもブラウズするための方法として提供している。

長谷川:物理的な考えが凄い。ネットはもともとは物理的なものではなく、
サーチのキーワードを入れて、検索結果を見て、リストを見てということをやっていたのが、
Pinterest は、どんどん見て行くだけ、物理的な体験だけに限定させてしまうという
割り切ってしまう。どの部分が物理的な体験だけで成り立っていて、
ボードという単位、トピックごとに分けるという采配、味付けがうまく機能しているのが
Piterest がうまく機能している。メタファーを導入しているところ。
建築というバックグラウンドがあるかもしれないが、ネットの物理性を獲得しているのが素晴らしい。

Evan:
するどいご指摘だなと思いました。アメリカ人にとって、ボードにピンでとめるのは良くやることです。
それは、インタフェースとして、すごくなじみのあるものを元からしっているもの、
それを使うことで、物理的な Pin でなくとも、Pin として自然に使えるのです。

質問:ピンはオブジェクト?

Evan:
実はちょっとエバレットが言ったことが面白い。
インターネットをブラウズするのが楽。
ほとんどは Web ページや、アプリケーションの View である。
ほとんどの検索エンジンは、他のWeb ページに導く。
Web のコードの関係で、Webを見ていてこれがオブジェクトだと理解するのは難しい。
Pinterest にして言えるのは、人間がインデックスを作っている巨大なマシンみたいなもの。
数百万人が手作業で、オブジェクトを整理しているわけです。
というのは Pin は単なる画像イメージだけではなく、リンクがついたものなので、
ソースなど、いろいろな追加的なデータを取り込むことができます。

わたなべ:
この文脈難しいなと思いながら聞いていましたが、
情報量が増えてきて、全天球動画をあつかっていますが、
そういうものはまだ誰も触れたことのない情報量を持っていて、
物理的なフィジカルな体験にともなって情報を体験できるのかなと思っていて、
インターネット情報がそこら中にあるとなったときに、
体感を伴って体験していくのが、そういう風なことを思っていて、
物理的な体験とリンクしているのが面白く、
フィジカルな情報を向き合うのが面白いと考えています。

質問:最近、ウェアラブルとかすごく聞くじゃないですが、
スマートフォンは益々増える。PCが中心だったのが、プラットフォームがどんどん
変わってきています。タブレットかもれないし、ウェアラブルかもしれないし、
革新的に変わった場合、ブラウジングはどう変わっていく?

エバレット:
この質問はすごく面白い。私は身につけるのが大嫌いなんです。
腕時計やネックレスさえもつけないのです。
実は手首につけるのも、しばらくつけていたのですが、イヤになってとりました。

オブジェクトがネットワーク化され、互いに対話を始めると、
フィジカルなものとデジタルなものがつながるのは面白いこと。
GPS の技術やセンサーが進んでいって、感知され、デバイスもスマート化され、
デバイス間で情報交換していけば、苦難じゃないのかなと思います。

人間が理解できる言語で対話しあうことで、自分が物理的な興味深いものがあった場合、
通知してくれるとかが出てくるのかと思います。
すごく長い答えになってしまいましたが、
物理的なオブジェクトが互いにブラウズする日がきたら、デバイスをつけなくても
全てがインテリジェント化して自然にできるようになるのではないかと思います。

長谷川:
けっこう難しい問題。スマートフォンも、だんだん身につけて持ち歩けることにともなって、
ブラウズをするとか、探すとか、日常の行為の垣根がなくなってくる。
昔はパソコンの前にいかないとネットにつなげないのが、
今は会話しながら、分からない言葉をWikipedia で調べながら、
ウェアラブルデバイスを身につけていますが、つけながらもっと走れを言ってくるのです。
ウェアらぶるという概念も生活にとけこんできて、
目的に応じて、ブラウズという機能をデバイスがやって、
目的に応じて、そのためのブラウズがより開発/研究されていくのではないかなと
思っています。
昔はパソコンだけだったのですが、実生活上の文脈に寄り添った形で
考えないといけないんだな〜と。

Evan:
ソフトウェアデザイナーとして、私がやっているような作業は数年後は無くなるかもしれないと
考えています。
日本でウィスキー用の丸い氷があります。こういった素晴らしい製品を思いついて作ったのに、
無くなってしまったり。
私たちが使っているスクリーンのようなインタフェースが将来は無くなるのかもしれない。
ブラウジングするとか発見するとか、あるいはナビゲートするのはプロセスであって、
プロセスは将来も変わらない。
グーグルが持っているのはスタートレックのコンピュータにはかなわない。
質問したら、すぐに正しい答えが返ってくる。
でも、同じコンピュータに対して、部屋の内装どうする?と聞いたら、いくつかのパターンから選ばないといけない。

会場:新しいメッセージシステムは、今回 Pinterest にどう影響あると思いますか?

Evan : あれ?ビデオに出演している人ですよね?
会社として、興味深いテクノロジーを開発してきたと思いますが、
どんなに素晴らしいコンピュータサイエンス、テクノロジーがあったとしても
例えば発見したり、見つけたいと思ったときに、
オンライン上のどんなものよりも、いいアイデアを出してくれる人間が居ると思います。
もちろん Pinterest だけが提供できている会社とは限りませんが、
面白いものを発見して、楽しいと思ってくれると思う人に送れるのは楽しい体験だと思います。
Cool なものを見つけ、それを友達に伝えられるのは嬉しいことだと思います。

会場:デザインの名前がついているのにかかわらず、ビジネスのヒントになると思って来ています。
こういったツールをどうビジネスで使って行けば良いのか?Webマーケッターとして。
個人としては全然違う使い方を考えているところで、Pinterest 上で、検索をするとき、
例えば、cup cake と検索する、for men なのか 子供ようなのか、そういのは、
どういうセグメントで出しているのですか?Twitter ならハッシュタグ?
どういう風に人が求めているキーワードを出しているのか?

Evan:
ハッシュタグは無いのですが、100回ぐらい他の人に repin されている場合、
ボードタイトルが 100種類あるわけです。ですから、どのボードに Pin されているのかから
特徴が分かります。その情報と、pin のディスクリプションと、Pin の元となるWebサイトの情報
などを使って解析しています。

どんなやり方がベストなのか、はっきりした答えは無いのですが、
沢山のものを Pin として、記述がついているのであれば、良い線にいっているのではないかと思います。
例えばWebサイトに PInit のボタンをつけると、Pin をしよう!という動機になり、
トラフィックも増えると思います。

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それぞれ、伝えたいメッセージをひとことづつ。

わたなべ:
僕がいま一番気になっているところというと、新しいビジュアル言語、
新しい技術がでてきたときに、圧倒的にデザインが足りないと思っていて、
新しいテクノロジーが、なんというか、積極的に飛び込んでいって、
飛び込んでいくと見えていくものがあって、そこにはデザインが必要で、
もっともっと職種関係なく新しいことをしていければと思います。

Pinterest のバリューに、デザイナーとエンジニアと、その他の職種の人も、
協力しあいましょう.....

長谷川:
うちの会社で持っている a.m.u (編む)まさにニッティングという、
デザインエージェンしですが、自分たちが物を考えるエンジンとして、
物理的に場所を作って、自分たちがやっていることをプロセス化していて、
私たちもニッティングは大事だと思っていて、
これから事業をやっていく時に、最初にビジネスが決まってデザインではなく、
デザイナーもビジネス、皆が編まれてビジネスを作っていかなければいけない。
Pinterest というツールが解放されると、デザイナーと普通の人との
垣根も無くなってくる。仕事としてのデザイナーはあるが、
Pinterest に自分のコレクションをやっている。
それ自身は誰でもできる。デザイナーでない人も、デザインに近づいて
生活の中にデザインが編み込まれている。
PInterest が会社として編まれていくのが大事なこと。

Evan:
一つメッセージがあるとすれば、デザインとうのはそれほど長い歴史があるわけではありません。
この 50年間はデザイン、職種がビジネス、政府などの活動をつうじて重要性、
生活との関連性が高まる時代でした。
私が Pinterest を創業した時、最初から大きな会社にしようと思ったわけではなく、
当時、面白いと思ったことをやっただけなのです。
日本に来て、皆さんと話していることは、当時は想像もつかないことでした。
この 10年間で、一人か2人がデザインしたプロダクトが世界中に広がることができるのは
ここ 10年くらいのことだと思います。頭ではまだ理解できません。
大きな変革が起こっているので、ぜひ素晴らしいものを作ってください。

エバレット:
どうやったらもっと良いデザイナーになれるのか?聞かれます。
グラフィックデザイナーになりたいのであったら、フィルムメーカーになれ。
フィルムメーカーになりたい人は、グラフィックデザイナーになれと言います。
ファッションデザイナーになりたいのであれば、グラフィックデザイナーになれ。
ファッションの MIYAKE ISSAY も元はグラフィックデザイナーでした。
ですから、決まった方程式は無い、何かを勉強しなければいけない、
勉強してはいけないというのはありません。
異業種感、専門分野を超えた勉強を薦めています。
一つのデザインが他の業種で成功することが凄くあると思うので。
私はグラフィックデザイナーとして訓練しましたが、
他のデザイナーがどうやっていたのかは興味はなく、
他の業種でどうやっているのか、他の分野からインスピレーションを得るようにしています。
ですから、新しいものに挑戦してどんどんやってみてください。
居心地が悪いという状況に自分を置くことで、学ぶこと、発見があると思います。

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前半の Evan のプレゼンテーションはこちらからどうぞ。
Pinterest Design Night Tokyo (Evan Sharp / Chief Creative Officer)