12/04/2014

[&] Adaptation to UX metrics - Bill Albert



■ UXメトリクスの応用

組織の中で、どのようにUXを導入していくかをご紹介します。

UXの展望、環境
組織を前進させる方法、人材や予算取り
UXメトリクスを実践する方法、
組織の中の障壁、直面する問題点
成功の鍵は?

●UXは成長分野
成長分野です。
ITだけでなく、あらゆる分野でです。
ベントレー大学でも人材を探している人から連絡をうけています。
UXは過去、長い間「贅沢品」と言われていました。
この4-5年で状況が代わり、必需品だと言われています。
競争が厳しくなってきているのと、ユーザーの期待値が上がっています。

●UXの年間費用
どれぐらいお金が投じられているのか?
回答者の半分が伸びる、そこそこ伸びると言っています。
ですがまだ実際にはそれほどの金額は使われていません。

半分以上の回答者が、UXの固定的な予算は無いと回答しました。

●UXの人員配置
専門のチームがるのは、企業の半分。
チームの中の人数も 5人以下がほとんど。

●背景
バックグラウンドを見ると、幅広い専門分野から来ていることがわかります。
学歴、修士号、博士も多く、幅広い分野の人が集まっています。
多様なバックグラウンド、英文学やコミュニケーションの人もいます。

●経験年数
UXPA の調査では、経験年数は、分野が新しいこともあり、
ほぼ半分が 7年未満。10年以上の人は 19% にとどまる。

●UXにおける役割
VISUAL デザイナー
イフォメーションアーキテクト
ユーザーリサーチ
ユーザビリティーアナリスト
UXデザイナー
インタラクションデザイナー

●全体像
- UX分野は急成長
- テストにかける予算は少ないが、確実に増えている
- 専属チームは無いか、もしあっても人数は少ない
- 多様な経歴/役割、かつ充分な教育を受けている
- この分野での経験は限られている

●UX成熟モデル
もっとも気に入っている UX 成熟モデルの紹介
実際あなたの会社がどこにあるのか考えてみてください。

[画像]

第1段階. UXを認識していない:UXは重要じゃないとまだ思っている
第2段階. UXに関心がある:重要だと思っているがまだ予算がかけられない
第3段階. UXに投資している:とても重要、社内でプロジェクトが動いている
第4段階. UXに全力で取り組んでいる:必須と考えており、役員も積極的に参加している。複数のチーム。経営に活かしている
第5段階. UXに没頭している:企業戦略のコアとなり、信条のひとつとなっている。会社の文化、DNAになっている。誰もが。
第6段階. UXが根付いている:組織構成に含まれており、分けて話すことができないほどに。組み込まれている。事業目標。

5,6 の違いは難しいですが、上級役員の戦略などで明らかに異なるもの。

●UXメトリクスの成熟度

Unaware : 限られたUXリサーチ。UXメトリクスの価値を知らず、どうやって始めたら良いかわからない
Starters : 使い始めたり、たまに使うが、ゴールやデザインの決定には結びついていない
Regulars : 標準的なUXメトリクスを頻繁に使ったり、デザインの決定を特徴づける補助として活用
Leaders : UXメトリクスが戦略的な決定を支えたり、ビジネスゴールに結びつく。新しいUXメトリクスの創出も。

●成熟度の段階を上がる

会社をどのように高いレベルに持ち上げていくのか?
会社として、組織的にサポートすること、
会社の文化に結びつけること、
チームを作り、使う機会をつくる
最後には、価値をもたらすように。

●組織的サポート

会社のサポートをとりつけるには?
上級役員に、UX活動にコミットしてくれる人、味方につけること。
他の理解のない役員を説得してもらうのを助けてもらう。
戦略的計画に含める。
チームは事業単位を横断したコーディネーションを行う。
資金調達は重要。予算を確保する。人材確保、専門家に発注する予算、固定的な予算を確保することが重要。

●UX文化の醸成

UXとしての企業文化を確立すること、
コミットメントを求め、ビジョンを共有することが必要。共感して活動にコミットするのが重要。
一つの指針は、短期的な事業目標に勝たなければ行けないということです。UXの方が優先されないといけません。
Google のシンプルさは、勇気をもってそれを進めています。
UXが充分でなければ、必要があれば、プロダクトのローンチを遅らせる判断をするような UX文化がなければいけません。
全てのプロジェクトが必ず UX の判断を経由してから世の中にでるという判断をするのです。

●UXチーム
多様な経歴の人を集めるのが重要(デザイン/リサーチ)
定質的/定量的手法の経験、両方の経験を持っていることが重要
チームメンバーのお互いから、また、チームの外からも学ぶ方法が大切
中立的な立場が重要で、製品チームや、マーケティングから切り離されていて独立したチームであること。
UXの考えがマーケと競合したり、批判しなければいけない時もあるので。

●機会

適切なリサーチをするために予算を獲得しなければいけません。どこから獲得できるか考える。
理想的には社内でも注目されるプロジェクトで、UXを使う機会をもうけるのが大事。
あと、必要な時間も重要。数日でデータが集められると変な期待を持つ人もいるので、充分な時間、タイミングが重要
聞く耳を持つ人たちでないといけない。報告書がゴミ箱に捨てられないように。

●価値を与える
マネジメントに価値を実証してみせないといけない。
何が良かったのか、情報共有することが重要。
行動可能な結論、結果を示さないといけない。
単に良かった悪かったではなく、解決策、改良策を示さないといけない。
重要な点は、UXに着目した結果、どれだけの結果、成果がえられたか、
測定できる機会があると良い。
Before & After みたいに、あきらかな結果を示せることが重要。

●UXメトリクスを実施する
会社のなかでどのように実践していけるか?

プロジェクト定義

計画

データ収集

データ分析

結果

影響測定

●プロジェクト定義
プロジェクトゴールと KPI を定義する
役割と責任を決める
キーとなる関係者を特定する
予算および他の制約を決める

●計画
プロジェクトのスケジュールを確認する
最適な手法とメトリクスを決める
データ収集戦略を決める
考えられるリスクと障壁を特定する

●プロジェクトスケジュール
中には1日で行えるような調査もあります。500人程度の調査し、素早い意思決定ができます。

●手法
発見ステージ
エスノグラフィック調査、日記調査、
フォーカスグループ、ユーザビリティーテスト、カードソーティング
コンテクスチャルインクワイアリー、デプスインタビュー、データマイニング
コースの修正が重要。どの方向性に向かっていけば良いか?

デザイン/評価ステージ
問題を発見すること、できるかぎりデザインを良くしていく。

検証ステージ
プロダクトの形が出来てきて、スケジュールの後ろの方で起こってくるプロセス

●データ収集
被験者をリクルーティングする。インセンティブが重要
サンプルサイズ
データの妥当性と信頼性
データモニタリング

●データ分析
データを洗浄する。はずれ値を除く
全体像を見ること。データが何を語っているのか?ストーリーやテーマを読み取る
詳細に踏み込む。
セグメンテーション、ユーザーグループ分けして考える
そこから興味深いトレンドやパターンを見つけ出すことが重要。

●データ説明
キーとなる関係者に知らせる
重要な事項にフォーカスする
行動/対策できる提案をすること
次のステップでどうしたら良いのか詳しく提示する

●影響を測定する
ローンチの後、プロジェクトの KPI に役立つデータを収集、分析する
偉い人、マネジメント層と結果を共有する
評価と改善のプロセスを繰り返す
UXの活動で学んだ教訓を他の製品でも活用できるノウハウを伝えるのが重要。

●UXが組織に浸透しない10のいいわけ
1. 時間のプレッシャー。時間が無い、時間がとれない。数時間でもできるのに!
2. お金がかかる!少ない予算! 無料のツールもあるよ!
3. 製品のデザインには役立たないと言われる。そんなことない!
4. メトリクスだけに頼れない - ノイズ情報が多すぎる。ノイズを取り除く手法があるのに!
5. 何が起こっているのか、本当のところは教えてくれない。それは間違ってると思う!
6. 特に新しく学ぶことがない。全て知っているのだから。そんなはずはない!
7. 経験とトレーニングが不足している。Webや書籍からも学べる!
8. メトリクスが自分たちの製品やビジネス関係無いと思っている。そんなことは無い!
9. メトリクスがマーケティング部門か分析専門部門に属している。全員でやること!
10. 変化への抵抗。それは危険。変化しないと生き残れない。

●UXを組織を浸透させるための10の鍵
1. データを活かす。データにストーリを語らせる。データは探偵のようなもの。
2. 測定を頼まれるのを待たない。自ら動く。
3. 測定は考えているほど費用がかからない。基本的なものであれば、簡単にできる。
4. 早めに計画する。急に焦ってしない。
5. 製品をベンチマークする。時間とともに改良されているのか?競合と比較できるように。
6. データをよく調べる。洞察を得る。異なる視点で分析する。
7. ビジネスの言葉を話す。ビジネス視点を持つこと。
8. 自信を示す。データの信頼性を確認して、自信をもって提示すること。
9. メトリクスを誤用しない。データが語っていること以上のことを示さない。
10. 結果の提示はシンプルに。偉い人にはシンプルに示すこと。