2/26/2015

[&] France movie style


(photo (CC) by jeanmichelpignol)

昨日 #uxnama というUX系のイベントに参加していました。
参加者から「フランス映画のようなUXをデザインすることは可能ですか? 」
という質問がTwitter経由でありました。
パネルセッションの流れとは関係なかったせいか、スルーされてしまって、
質問として取り上げられず、その場では解答はありせんでした。
けれども、僕自身、ハッとして、とても考えさせられるきっかけになりました。

単にフランス人でも使いやすいとか、グローバル化されていて万人ウケするとか、
ペルソナがフランス人とかいうことではない、
ブランディングとしての「フランス映画風」とは何か?ということです。
フランソワ・トリュフォー風? リュックベッソン風? はてさて?

少し考えると、アプリとしての世界観を作ることが重要なことは明白です。
色合いとか、フォントとかである程度、「フランス映画風」を醸し出すことはできますが、
それは「風」な見栄えなだけであって「フランス映画のようなUX」とは異なります。

そこで、フランス映画のようなUXとは何だろうと、考えはじめました。
「フランス映画」というキーワードから自分が勝手に想像するのは、
こんな感じです。

●時間がゆったりと流れる、けだるい雰囲気
●起承転結があいまいで、明確なオチが無い物語
●独特のボケ感や、空気感、色使い
●ハリウッドの有名俳優ではない、知らない、個性的なフランス人俳優
●しゃれたセリフの言い回し
●背景がパリ、エッフェル塔などの風景
●その時代の最先端のファッション

ではこれを、実際のアプリとして具現化するにはどうしたら良いのか、考えました。

●アニメーションはスムーズだが、止まるまでに少し猶予が長い。
●明確な目標達成画面!とかは無くて、ナラティブな始まりも終わりも無いような画面フロー
●色使い(基本色、さし色)がフランス風のものをチョイス。いっそグレースケールに、さし色だけ。
iOS8 のような背景が、すりガラス風になるエフェクトを使う
●アプリのキャラクタなどを作らず、有名メジャーアプリ風にはしない。
それぞれのプラットフォームで一般的に使われている操作アイコンを使わず、
ちょっと崩した独自アイコンを使う。線を細くするとか、カーブを増やすとかが有効
●vやf,r,s などを使った小文字だけのアプリ名。L'e とか、e' とか混じるとそれっぽい。
男性名詞と女性名詞があるので、アプリそのものの人格も決めておき、
女性が使う男性人格のアプリなのか、女性が使う女性人格のアプリなのか考える。
フォントも手書き風とか、巻き装飾のある文字とかをピンポイントでまぜる。
●背景画像、背景色は、日常を排除したもので。
●現在流行の色ではなく、来年計画されている流行色を取り入れる。
(パントーンのレポートや、ファッションカラー誌とかでわかる)

なんだか、だんだん面白くなってきた。
アプリのブランディングだけを集中して考えるのもいいな。
この調子で「村上春樹風UXのアプリ」も作ってみたい。

●完璧な完了など存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。
●エラー「馬鹿みたい。見ればわかるじゃない」
●エラー「それはそれ、これはこれ、冷たいようだけど」