2/14/2016

[&] FITC 2016 - Jessica Rosenkrantz



FITC Tokyo 2016 Day2
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Dress/Code
with Jessica Rosenkrantz
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皆さんこんにちは、ナーバスシステムの一員です。
私達がこのスタジオを始めたのは 2007年で、
学生だった頃です。
クリエイティブなスタジオを作って、横断的なことができないかと、
実験や研究をしたいとおもったところから始まっています。

私自身は、生物学と建築を勉強しました。
相棒のジェシーは、数学とコンピュータサイエンスを専攻しました。
私たちがやりたかっのは、
シームレスでいろいろな手法をいろいろな分野から
もってきたかったのです。

大きく3つの分野、
科学と自然、ここではどういった形で、
形状やパターンが生成されるのか、
生物学、化学、地質学などすべてを包括したかったのです。

二つ目はデジタルファブリケーションです。
つまり、コンピュータによってコントロールされる
製造プロセス、3Dプリンタやレーザーなど、
どういったオポチュニティが生まれるのか知りたいと思いました。
新しい技術によって、どう表現が変わるのか
考えてみたいと思いました。

そして、3つ目は、共同で作るということ、
これまでの二つを加味したうえで、もっと民主的なかたちで、
物を作っていくにはどうしたら?ということを考えました。

通常、自然からのインスピレーションからスタートします。
2005のハイフィーという葉脈からインスピレーションを得ました。
これを今度はアルゴリズムへと変換していきます。
新しいタイプの構造がどう作られるのか、探索する意味で
作りました。
2Dのものを3Dの成長システムに作り替えました。
単純に自然のパターンをコピーするということを念頭には
置いていませんでした。
これらをどう適応すると、新しいデザインロジックに当てはめられるのか?
考えました。
Hyphase Lamps 2011
ナイロンで作られている、ランプです。
http://n-e-r-v-o-u-s.com/shop/generativeProduct.php?code=99

大量生産で作れられるものとは違って、ひとつひとつ形が違います。
デジタルの製造方法で、世界で一つだけのものを生み出す
ことを考えました。

コンピュータでコントロールする製造の手法、
レーザカッターなどといった手法は、
まったく新しい方法でモノを作らせてくれます。
複雑なものを簡単に作れるようになりました。
ほぼほぼ大量生産と同じくらいのコストで、
世界に一つだけのカスタマイズされたものを作ることも可能になっています。

ものを作るという障壁が下がってきています。
こういった製造方法がでてくることで、
専門家だけでなく、自宅や図書館で、作れるようになりました。
沢山の人が製造という行程に関われるようになりました。

じゃあ現実に作れるかというと、まだまだです。
方程式の一番重要な部分が欠けています。
それはソフトウェアの部分です。
作りたいと思っているものを、どうデザインすれば良いのか?
デザイン用のソフトウェアはまだまだ高価で複雑です。

我々の遊び心のデザイン体験をもたらすために、
誰にでも物が作ることを可能にすることを考えました。

http://n-e-r-v-o-u-s.com/shop/line.php?code=5

CELL CYCLE 2010 年に JavaScript と WebGL を使って作ったものです。
非常に複雑な 3Dのモデリングができるようになりました。
より親しみをもって使ってもらえるようになっています。

ソフトウェアをダウンロードすることなく、ジュエリーや
アクセサリーをデザインしていけます。
3Dプリンタを使って、金属などで成形、生成することができます。

ここで使っているのは、バネのメッシュを使って、
分割したり、よりカスタマイズしたメッシュを生成しています。

そして、またこれらのデザインは共有し、保存し、
自分がおこなっているデザインが、どう制作価格が変わっていくのかも
リアルタイムで見ることができます。

このツールで従来型では難しかった、複雑なオブジェクトが
どなたにでも作れるようになります。

実際、自然界にある、複雑な形状は、
ダイナミックなプロセスの上で作られてきたものです。
自分たちが自然に適応するようにできてきた形は、
どういう経緯を経てきてきたかという証明にもなっています。

それらは人間の制作アプローチとは異なるものです。
通常デザインする時は、直接精密に計測し、
形状や角度をはかってオブジェクトを決めていきます。
一番最初に最終形状を作るところから始めています。

コンピュータは新しい作り方を提供してくれましたが、
コンピュータ以前の手法を、そのまま再現しようとしているだけです。
つまり、ペイントブラシや、ペンを模倣したり、
モデルを作るのも、昔と同じ方法でやっているだけです。

ソフトウェアというのは、物理的な材料を使って、
金属、粘土など、非常に奇妙なデジタルアナログな手法でしかありません。

我々の作業は、これらとは別の方法を提案しています。
自然界、プロセスが中心になってデザインが決まっていくことに着目し、
できるだけ親しみを持ってもらうものを考えて、

静的なものではなく、動的なもの、
描くのではなく、成長させていく、育てていくものを考えているです。

差の成長、さまざまな形状が生物界ではどう発展していくのかを扱った
プロジェクトです。
どういう形で、単一の細胞から、より複雑な形状に進化していくのでしょうか?
もし、単一の細胞が、みんな同じ形で成長した場合には、
塊にすぎません。

しかしながら、実際には、非常に注意深く、分割、調和をとったかたちで、
分割、分化していき、特定の形状、特定の機能をもったものに
成長していきます。

これは、ディファレンシャルグロース、
特定の領域よりも、早く成長する部分があり、それによって形が生まれるのです。
例えば植物の動きはシンプルで、
些事成長、より沢山伸びる、光に向かって伸びることで
曲線が生まれています。

ハーバード大学のマハデバン先生の論文を読んだことから始まりでした。
Mahadevan PNAS 2009
ひだがある形状は、実際、植物の成長が端ほど速いため、
ひだのある形状ができるというモデルでした。
ひだのある形状を非常に単純な手順で作り上げたモデルでした。

実際、身の回りの自然界をみてもらうと、
これはあらゆるところで起きています。
花びら、キャベツ、レタスの葉っぱなど、あらゆるところで観られます。
そして、決して植物だけでなく、あらゆる生命体、
クラゲ、珊瑚礁、生物でも同じことがみられます。

実際、非常に自然界の中でも変異を起こしている、
こちら、実際には同じ種であっても、通常な成長と、
途中で枝葉にわかれたような形と、
場合によっては一カ所だけで成長していくような、成長の形も
あります。

非常にこれが面白いとおもったのは、
同じ成長プロセスなのに、異なる形状が生まれているからです。

http://n-e-r-v-o-u-s.com/shop/line.php?code=18
floraform
花開くというのをデジタルで探究してみたいと考えました。
どうデザインに活かしていけばいいのか考えました。
成長の分布をどう形状につなげればいいのか?

同じ表面から始めます。
最初に、一点から成長がはりまります。線形で伸びて、
ひだのような飾りになっていきます。
二つ目は、ポイントで、分割しています。枝になって、このような形状に。
3つ目は、よりハシの部分の成長が早く、違った形状になっています。

この次にやったこととしては、素材の属性を、
まわりの環境に会わせていくのか、考えます。
物理学にもとづいたシミュレーションをしています。
基本的には、三角形の形状になっていて、ハジの部分に
力をかけることで、別の形状になっています。
そして、細かいところを仕上げていきます。

成長の速度を色で表しています。赤は早く成長します。
衝突検知システムも使われています。
こういったダイナミックなシステムを作り、
どう扱っていくのか?ということです。

デジタルでの庭作りです。
ですが、実際には、植物を育てるわけではなく、
アルゴリズムを育てているのです。
究極的には、内在的な振る舞いに、たいして、
何らかの操作を加えていきたいのです。

開発するにあたって、いろいろつくりました。
それらをコントロールすることができるようにしました。
手頃な価格で購入できるようなオブジェクトになるように
考え、ジュエリーコレクションをさらに大きなものにしました。

デジタルオブジェクトをデジタルだけじゃなく、物理的な
オブジェクトにしました。
我々としては、科学技術は、学術に収めるのではなく、
どう、日々の生活や、物にして具現化していくのかを考えました。

http://n-e-r-v-o-u-s.com/shop/line.php?code=15

もう一つ、デジタルファブリケーション、コクリエイションについて、
Kinematics はファッションと3Dプリンタを融合した
プロジェクトです。
3Dプリンタをつかってどう新しいテキスタイルを作れるのか?
というのがプロジェクトでした。

テキスタイルは人間が作り上げたものです。
原材料はありますが、それを変換することで
材料とはまったく違うもので、空間にどう存在させるのかといった、
原料とは違う、配置の仕方が記事の動きにおおきく影響を与えます。

織られているのか、編まれているのかで、
生地の動きに大きな変化をもたらします。
3Dプリンタの登場で、演算でこれらを求められる、
属性が変わることを実現できるようになりました。

ヒンジがある構造を考え、それらを一気にプリントできる方法を
考えました。
ソフトな素材、ハードな素材を組み合わせ、
集合体であることで、柔軟性をもたらします。
最初はネックレスという小さなものから始めています。
これはプリンタが一度に作れるものです。

大きなもの、ドレスみたいなものが作ってみたい、
どう動くのかに興味が動きました。
柔軟性があることが、活用できないかと考えました。
体積を減らすことでプリントできないか考えました。
印刷した後で、折り畳んだ状態で印刷し、それを広げるわけです。
もし、こういった完全に3Dで衣装がつくれれれば、
完全に衣装デザインの考え方がかわります。

通常衣服はフラットな布から作られています。
この手法によって、完全に体に合わせた衣装を作ることができます。
何かを組み合わせたり、変形させたりする必要はありません。

どういった素材、どれぐらいの矯正をいれるのか、
非常に複雑な形状をどう作るのか?
沢山のピースをどうするのか?
そして、完全に3Dの体型をどうスキャンするのか、
体に合わせるために、どうしたら良いのか?

シミュレーションを通じて、どうやって
小さい部品として作れるのか?
まずは産業の考えから始まりました。
まずは 3Dプリント可能なヒンジから研究を始めました。
ちゃんとピースが崩れてしまわないように考えました。

そしてプロトタイピングも、ベルト、シャツといった形を
作ってみました。

誰にでも短時間で使ってもらいたいと主言い。kinematics cloth
を作り、どんなシルエットになるのかをカスタマイズできるようになりました。

さらには、3Dスキャナにも対応していく必要がありました。
キネクトではすでに実現しています。
そうはいっても、まだまだ欠陥もおおく、
スキャンできても、どこが首の部分なのか知る必要があります。

ボディラボという会社と協業し、
機械学習からモデル化しています。
このソフトウェアを使うことで、精密でクリア、フィット感のある
体の形状を再現することができました。

これによってあらゆる人の体をマッピングすることができるようになりました。
シミュレーションが大事で、3Dプリントできるぐらいの
大きさに収めるか?というのが課題になってきます。

そこで、リジットボディソルバーを作りました。
85%以上体積がへって、小さなものとしてプリントでき、
印刷前にどんな挙動、振る舞いなのかをシミュレーションできるように。

初めて作ったのは NY シェイプウェイと協力して作りました。
NY近代美術館のキュレーターが興味をもってくれ、
パーマネントコレクションに入れたいということでした。
それまで一度もドレスの形で作ったことはありませんでした。

もっともワクワクした瞬間でした。
最終的に出来上がったものはすぐに身につけられるものでした。

2200ピース、300ヒンジ、
全体がカスタマイズ可能です。どういうフィット感なのか、
パターンにするのか、全てカスタマイズ可能です。
より大きなプロジェクトの第一歩でした。
どう複雑なものをデジタル素材でつくるのか?という
第一歩でした。

テクノロジーがデザインにどう影響を与えるのか?
現在ニューバランスとの共同プロジェクトを進めています。
負荷製造という手法を使っています。
よりパフォーマンス、フィット感のある靴を作るにはどうすれば良いのか?
これまでのところ、3Dプリントでミッドソールの
TP素材を使っています。

実際にランナーの圧力のデータをあつめています。
靴の中にセンサーを入れ、どこに力がかかっているのか
トラッキングし、圧力のデータを3Dプリントできる形状に
変換するということを行っています。
なかじきが、優れたデザインになっていることを両方を
兼ね備えたなかじきを作りたいと思っています。

骨や木材の構造から考えはじめました。
専用のツールを作り、圧力データから、どういう形状なのか
作れるソフトウェアになっています。

人によって圧力のかけかた違いことを考えたうえで
かかとや、その他に加重がかかっている人、人によって違います。
4月に発売予定です。

テクノロジーを駆使することで、どう機能的にすぐれた製品になるのかに
興味を持っています。