2/14/2016

[&] FITC 2016 - Michael Peng







FITC Tokyo 2016 Day2
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将来ビジョンを伝えるストーリーテリング
with Michael Peng
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本日、デザインとストーリティングを交差させることで、
どんな未来が描けるのかを紹介していきます。

IDEOがどういう会社なのか?
シリコンバレーでプロダクトデザインの会社として始めました。
Apple の始めてのマウスをデザインしました。
物のデザインが他の課題にも適応できるとわかりました。
そこからデザインシンキングという考えが始まったのです。

このデザインシンキングは、人を中心にイノベーション、
技術的に可能のなのか?人の要求は何なのか?ビジネスとして成立するのか?
さらに重要なのは、それをどうやって実現するのか?ということです。

デザインシンキングを実現するのに重要なのは、
一つの分野だけでなく、さまざまな人が協力して進めるということです。
私自身は、脳神経外科のバックグラウンドで、
どう人が考えていくのかを追い求めながら、考えていきます。

デザインのカルチャーの中で仕事してくのが重要です。
世界中に10ほどオフィフがあります。
大きなスタジアムの隣りにあります。
非常にオープンな環境で、食べ物を中心にして、
クリエイティブな考えをだしていきます。

その What と How を踏まえた上で、
デザインをとおして、世界をよりよい世界にしていくのが
私たちのミッションです。

よく声をかけていただく時、将来を描く手伝いをして欲しいと言われます。
特に日本ですと 2020年にオリンピックが行われ
世界中に注目をあびます。
その時、どうするのか多くの企業が考え始めています。
その時、未来を考えるだけではいけません。

BTTF2で描いた未来は去年のことでした。
2015年、こうなるだろうと考えていたことが描かれており、
ここでのメッセージは想像しているだけではダメで、
デザインしていかなければ行けないということです。

ビジョンを皆と共有しながら、ストーリーテリングしていかなければいけません。
マイクロソフト、コーニングが考える将来のビジョンです。

「動画」

じゃあ、実現するのか?ではなく、
ビジョンを掲げて、そのビジョンに向かって開発を、
実現するために作業しているのです。

将来をデザインする上で、おさえておくべき3つのポイントがあります。

1.人の振る舞いをちゃんと理解する
今だけでなく、将来的にどういう振る舞い、どういう望みがあるのかを
踏まえて理解しないければいけません。

2. デザインして反復して、またデザインしていく。

3. 他の人の頭のなかでも理解してもらうようにしていく。

3つのツールを紹介していきます。
一つ目、観察する、よく見極めるということです。
まずは、人を中心に観察していかなければいけません。
今だけでなく、将来のニーズも考えていかなければいけません。

将来の薬局ってどうなるの?という課題がありました。
薬局が将来的ではなく、薬を飲む人がどういう振る舞いをするのか
考えていくのが需要です。
まずは観察するということです。

皆さんは若いので、薬を飲む必要は無いかもしれませんが、
飲む量を振り分けていき、それを何週間も続けなければいけません。
そこで、もう一回薬の服用の仕方、直感的、
人の振る舞いを考えたものにできないかどうか考えました。

https://www.ideo.com/work/disrupting-the-drugstore

Pill Pack という会社と組んでやった方法です。
そこで中心的な考え方は、薬を振り分けるのではなく、
飲む人にわかりやすい方法で分けられていたらどうか?と
考えました。朝の7時にのむ分と、パッケージに書かれています。
人が薬とやりとりする方法をどうシンプルにするのか?

2. プロトタイピングです。
できるだけ成果物を作ってしまって、なんどもやり直せるように。

将来的なキッチンとは?
キッチンの将来がポイントではなく、将来どう食べ物と関係して、
食べていくのか?を考えていくのです。

http://www.conceptkitchen2025.com/

IKEAと組んだプロジェクトです。
ミラノエキスポでコンセプトキッチン 2025 を発表しました。
そこまでの課程がすごく面白かったのです。
このプロジェクトで中心にきたのはキッチンテーブルです。

わざわざ料理をするテーブルと食事をするテーブルを分けなくても
いいのではないか?という考えが生まれました。
このように料理をしたり、準備をしたり、食べることが融合すると
どうなるのだろう?と考えました。

「動画」

キッチンの将来を考えましたが、いろいろなインタラクションが可能になります。
コンセプト作りとプロトタイプ作りはまた別なものです。
ミラノでは、インタラクションがどう実現できるのかを見せて
いきました。

3. ストーリテリング
観測をして、プロトを作って、次はストーリーテリングです。
人が何を求めているのか考えた上で、試作品を作り、
皆と共有するのです。

なぜストーリーテリングが大切なのか?
ストーリーを一度聞くと、何年も頭から離れないと
思います。聞く側、話す側どちらにとっても、話題を共有することになります。
ストーリーを聞くと感情が揺さぶられ、気持ちがうごきます。

実は、こういった側面を科学的にも裏付けすることができます。
ストーリーを一度聞くとなかなか忘れないということの裏付けです。
何度もこういったことは実験されていますが、事実を受けると、
脳の2つの部位が刺激を受けます。
ここで素晴らしいのは情報をストーリーにすると、脳の他の部位も
刺激を受けるのです。
様々な感覚、知覚でストーリーを聞くと忘れられなくなるのです。

皆の繋がりが強くなるのの裏付けです。
ニューラルカップリング
聞く側、話す側で、脳の中でマッピングされていきます。
特定の脳の部位が刺激を受け、聞く側も同じ場所が刺激されます。
これの凄いところは、6秒たつと、全く同じ部位が刺激を受けるのです。

さらに凄い研究結果は、ストーリーからパワフルだと思ったところ、
刺激をうけた部位が重複しているのです。

ニューラルカップリング、ミラーリングなどが起こると、
神経伝達物がでてきます。
話し、ストーリーを聞くと、ドーパミンがいっぱい出てきます。
普通はご褒美ですが、ストーリーを聞いた人は忘れられなく
なっていくのです。

いまで薬局とキッチンの将来を紹介しました。
「高齢化」という分野について考えました。
特に日本は興味を持っているでしょう。

https://www.ideo.com/work/designs-on

Designs On というデジタル版と紙版を出しています。
一人で解決が難しい事柄について取り上げています。

バーバラさんからコンタクトがありました。
典型的なデザイナーとは言えないかもしれないが、
もうすぐ 90歳になりますが、何かデザインするのであれば、
貢献できる!というお手紙が届きました。
バーバラが高齢者向けのアイデアを考え、
変革をもたらすアイデアも、楽しいアイデアもあります。

ミュンヘンのデザイナーが水に浮かべる高齢者向けの水着を作りました。
年をとると、なかなか泳ぐのがおっくうになってきます。
これはとても楽しい実験になり、浮き輪のような水着を実験しました。

http://automobility.ideo.com/

今度はクルマというトピック見ていきましょう。
今は、いろんな会社がいろんな視点をもっていて、
クルマだけじゃなく移動手段として考えていくことになります。

本当に運転手無しになれば、移動の間、何をしているんだろう?
というのがコンセプトです。
通勤、どうなるのだろう?それがまず絞ったテーマです。
通勤時間をどう使うのだろう?

配達物はどうなるのだろう?と考えたのが2つ目です。
人間がわざわざオフィスまで通わなければいけない?
オフィスが移動してきてもいいじゃないと考えました。

必ずしもこれが答えというわけではないが、
将来に向けてデザインをしていけば、
そこから会話が生まれていく。

しっかりと人の振る舞いを理解する。
プロトタイプを作り、反復し、アイデアを磨きこんでいく。
ストーリテリングで、ビジョンを共有していく。
それが他の人との連携にもなっていく。