[&] Listen First!
リッスン・ファースト! ソーシャルリスニングの教科書
Listen First! の著者、Stephen Rappaport の講演ログ。
食品業界と、車業界とでは、ソーシャルメディアの中でブランド名がつぶやかれる量が違うこと。
食品ブランドは5%. 車ブランドは50%
そして購買前につぶやかれるのか、購買後につぶやかれるのかもジャンルによって大きく
違うことを認識すべき。大変示唆に富んだ講演であった!
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Listening's Role in Marketing 2012/5/10
Stephen Rappaport
http://listenfirst.buildcapacity.com/about-2/
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NYのARF広告協会で仕事をしている。
73年たつ協会。目標は広告、メディアリサーチの業務を改善していく。
業務をより良くするため。メンバーのビジネスをさらに向上していくのが目的。
400を超える企業が参加しています。
グループ、広告、リサーチ企業、クリエイティブ、メディア
dentsu が唯一日本の団体で参加している。
Listen First の出版ができたのもそのおかげ。
Research Initiatives
非常に最先端をいく分野。
ニューロマーケティング
ソーシャルとモバイル
ソーシャルとモバイルからの所見
テレビと広告
オンライン調査
6月にカンファレンスを準備している。
AUDIENCE MEASUREMENT 7.0
Brands are Listing
ソーシャルコミュニケーションはグローバルである。
ソーシャル人口は 12億。インターネット利用者の成長率の倍。
常に変化し続けている予想がつかない世界。
そういう世界の中で常に察知し、対応していかなければいけない。
オンデマンドの世界。
Signal Advantage
信号があったら、捕まえて処理していく。
ビジネスの観点からそれを理解する。
ビジネス上の利点に変えていく。
なぜ聞くことが重要なのか?
それで企業が戦略を立てることができる。
お客様の経験に基づいて、住んでいる環境変化に対応できる。
人が何を言っているのか?
聞くということが、人の行動をも聞くことになる。
行動や感情に耳を傾ける。
バズマーケティングとリスニングは異なります。
バズ分析は、言うことに耳を傾ける方法。
ブランドというものに特に集中しているもの。
リスニングがなぜ違うのかというと、
人を十分に理解すること。
Masashi Hagiwara's word
コラボレーション
企業とお客様との壁が崩壊しようとしている。
お客様の感情にもっと注目する
そういう現象があるが故に、日本のマーケティングリサーチが再定義されている。
50くらいのケーススタディを作りました。
評判の管理
お客様へのケア
....
多くの企業が毎年実現したいと思っている事柄。
今書いているとすると、さらに項目が見つかると考えている。
どのようなリサーチに対してリスニングが役立つのか?
リスニングをすることが有効なリサーチ。
コンセプトのテストなど。
ルーチン化しているリサーチが実際はリスニングが使えるタイプ。
基本的なタイプ
検索
ソーシャルメディアのモニタリング 90%
ソーシャルリサーチ:深く理解できる
これらはバリューとコストが反比例している。
人は聞かれることをどう思うのか?
企業が声を聞こうとしていることを認識しているのか?
企業がどう組織だっておこなっているのか?
DELLコマンドセンターを作った。全て内部で実施している。
CocaCola: Insightのメンバー。リスニング自体は外部。
IBM: シェアードセンターを作り専門家が企業内にいて、社内向けの対応
重要なのは企業に適切な体制を取ること。
SetUp -> Operations -> Analyze/Report -> Evaluate & Iterate
人が購買する時に、どういうソーシャルモニタリングをするのか?
ブランドの名前がどれくらい呼ばれるののか?商品の種類によって大きく違う。
食べ物だと、会話の5%以下にしか、ブランド名はでてこない。
車の場合は 50% ほどブランド名が会話にでてくる。
カテゴリーの会話を認識して欲しい。
ブランドではなく、そのカテゴリーの話はしている。
カテゴリーの会話について学ぶことが重要。
コメントや投稿するのは何時なのか?
購買後に書かれた会話がほとんど。
購買前に書かれることはあまりない。
人はいつも書きまくっているわけではない。
自分が書こうとしているカテゴリによる。
車の場合、ほとんどは購買する前に書かれる。
車の場合、購買された後に書かれるのは39%と他のカテゴリに比べ、少ない。
他のカテゴリは情報の収集や、評価が主になっている。
聞くことだけでは物語の全体が分からない場合が多い。
感情の部分:
どういう感情になっているのかを分類してみた。
その感情がどのような形で変わっていくのか?
最初から買おうというところから、買うところまで。
パターンが見て取れる。購買への期待。情報を調べている時が一番興味をもち、期待が高い。
購買した後は、喜びの感情が多い。満足度の度合いによって、様々な感情が出てくる。
リサーチの結果があっても、何をどうすれば良いのか分からない時がある。
何を見つけたのかがわからない。学びを企業の中に取り込んで使っていく。
課題してよくあがっているのは、中間管理職の人がリサーチしようと考えても、
上司に価値を見いだしてもらえない。ゴール/KPI/Metricsが無いから。
枠組みの中に入れて、理解できるように提示すれば、リスニングの価値があがる。
RedBull の例:ソーシャルメディアリサーチ用のダッシュボード
企業の中で、アイデアを創出するアドバイザリーボードとして使っている。
マネージャーがどういう質問をしてくるか?
新しい顧客はどこで見つけられるのか?
SUZUKI がバイクで学んだこと。行動に目を配る。
スピードやレーサーモデルに全ての人が興味を持つわけではない。
HipHopな人、自分のアイデンティティーを確立するためのものであった。
自分たちのお客では無いと考えるのか? 新しいお客と考えるのか?
Social Listening
Industory Statistics
Primary Research
Ethnographic Obsevational Research
Trend/Secondary Data Analysis
全く新しいキャンペーンを実行しました。
HipHopな人たちを対象としたキャンペーン。
とても良い結果であった。
最終的にはマイケルジョーダンをも巻き込む形になった。
SUZUKIの経験
自分たちが思っていたお客様のイメージそのものを変えた。
「見方を変える」
YAMAHAの例:
YAMAHA自体、お客様がどのように使っているのかを観ることによって、
自分たちのやり方を変えていった。自分たちのモデルを変える。
変えることでビジネスに貢献度があがる。
どうやったらもっと効率の良いものにしていけるのか?
エンターテインメント企業 Harrah's ラスベガスにホテルを持っている。
どうやったら多くの人に来てもらえるのか?
レイティングやレビューのサイト、トリップアドバイザーのサイト。
エージェンシーチームを作って、トリップアドバイザートップ50の調査。
重要性に基づいて順位付けした。簡単なことから学びがあった。
泊まった人の評価:景色が良いこと。アメニティが整っていること。
それを受けて、サイトやマーケティング用のマテリアルも変更した。
予約倍増。いい結果となった。
リスニングから得られた結果を広範囲に展開した。
コンテンツの部分;どういうコンテンツを重要と思っているのかを知ることが重要。
サイトに来てもらうという目的もある。
もっと重要なのは、最終的には収益の増加につながるように。
アメリカの雑誌社 Meredith の場合。
レシピサイトを作ろうと考えた。プライベートコミュニティにヒアリングした。
そこから学んだことは、ただレシピが手に入ればいいというわけではない。
場合ごとに、適切なレシピを求めている。
休日用。子供のおやつ等々。
女性はレシピの公開に興味を持っている。ソーシャルメディアの機能も必要。
サイトから広告収益が得られるかも重要であった。
様々な食品の会社からスポンサーを入れたらどうかというのも聞いてみた。
サイトから収益を得られるようになり、成功につながった。
ジレットカミソリの例:
実際にカミソリは替え刃を売ることで収益を得ている。
カミソリ製品は良く売れるのだが、替え刃が売れないので理由を知りたかった。
ジレットのカミソリを使わなくなった理由が知りたかった。
アンケート調査と、リスニング調査を実施した。
他のカミソリでも同じくらい使えること。価格が高すぎると思われていることがわかった。
かなり似たフュージョンというブランドがあった。模倣品的なもの。
模倣品があったがために、価格的に圧迫されていた。
商品は良いが、値段には見合わないという洞察であった。
マーケティングを変え、広告のメッセージを変えた。
替え刃のビジネスが回復する傾向になった。
ブランドと競合を比べてどうなのか?
競合の強み、弱みを知る。
ブランドのポジショニング、メッセージに影響があるので重要。
AT&T, T-Mobile, Sprint, Verizon の比較。
ネットワークの質、料金プラン、電話自体、カスタマーサービス。
それぞれの特色によって、比較できる。
Verison はネットワークの質が秀でている。。。など。
良い点をのばす戦略を行った。
MINI の例:
MINIがアメリカ市場に投入されたのは6-7年。はじめはとても良い結果が得られた。
2年目、新車も、新機能もなく、急に売れなくなった。
新しいニュースの中でどう販売を増やしていくのかが課題であった。
お客様のことを知ろうと考えた。
分かったことは、MINIのオーナーは競合社のオーナーとは違うことがわかった。
オーナーコミュニティに帰属したいという興味が強い。
他の車のオーナーは、車そのものの性能への興味が強い。
MINIのオーナーはペットのように車をかわいがります。
それに応じて、広告キャンペーンを実施した。
1. まずコミュニティを作る。コミュニティ参加のDMを送付して広めた。
2. 様々な土地でイベントを開催して、他のオーナーに会ってもらう機会をつくった
3. MINIはBluetooth対応なので、デジタルメッセージを送るようにした。
オンラインプロモータースコアというもの。
広告キャンペーンごとに、プロモータースコアがあがっていく。
その結果30日たって、売り上げがあがることがわかった。
コマンドセンターの例;
Gatorade が一番最初。音楽サンプルのダウンロード数を調べたり、顧客の体験を計っている。
運動選手のスポンサーになっているので、その選手と顧客がつながるように考えている。
このタイプのコマンドセンターは人気がでている。ビジネススクールの中でもコースがあるくらい。
コマンドセンターはソーシャルメディアの価値がわかったから、設置された。
Clemson University:コマンドセンターの概念が商業以外にも広がっている。
American Red Cross:赤十字。危機的状況が起こったときに、その危機にどう協力するのか、
どう対応するのかという分野で利用し、サービスの質をあげていく。
学び:
戦略的に耳を傾ける。
ビジネスのどの部分にインパクトを与えられるのか決めましょう。
リスニングをどう使うのか、クリエイティブに考えること。
お客様サービスや、評判を管理するだけのものではないこと。
組織の部分も重要。ご自身の企業には何が一番いいのかを考える。
どのようなインパクトを望んでいるのかを考える。
お客さんだけではなく、パートナー、ステークフォルダー、企業内の関係者もふくめ、
全員の声を聞くようにする。
どうやって企業がビジネスをしていくのか、対応していくのか、
皆が様々な意見をもっている。今もっているメンタルモデルを認識すること。
モデル自体に制限があるかどうか考える。モデルに制限があるのであれば、チャレンジしてください。
その代替となるようなものを開発し、それで最も最適な戦略を開発することができます。
リスニングは人間的な行為です。モノを売るだけではありません。
さいごに:
非常に重要な考え。もし聞かなかったら、お客様から仕事を得られることはありません。
ただ、聞くだけでは、ビジネスになりません。
聞くということを考えた時に、どれがうまくいくのか、何がうまくいかないのかを考えること。
ビジネス的な利点は自動的に発生するものではありません。
自身の作業が必要です。聞いて、リスニングするだけでは何も起こりません。
総括的に人と話してください。
ストーリーを語るということです。
体験やモチベーションのことについて、話し/聞き、人を生かすことができます。
常に様々な変化の世の中に住んでいます。
マーケティングや広告に対して従来持っていることは更新する必要があります。
情報を流せば良い時代は終わりました。
ソーシャルメディアの中に情報が流れ、人々が影響を及ぼしています。
企業自体もソーシャルになっていく必要があります。
人間の経験としての、新しい体験なのだと思う。