11/30/2016

[&] KOKUYO DESIGN AWARD 2016



KOKUYO DESIGN AWARD 2016
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How to Live というテーマは「どう生きるか」
物が溢れている現代において、本当に必要な物は何なのか?
暮らし方とか、生き方と対峙することになり、
クリエイターがモノを生み出す時にも対峙することになり、
単なる便利なものではなく、生き方とか暮らし方を提案するものを求めている。

1307作品の応募。ノミネート作品10作品

グランプリ●素材としての文房具 / AATISMO
棒状の素材としての文房具。文房具がもともと持っていた自ら手を加えていく一対一の文房具

優秀賞●どうぐのきねんび / Yasunari Abe
余り使わない道具、思い入れのある道具、物と道具を見つめ直す日付スタンプ

優秀賞●マンガムテープ / Kazuhiro Minami
マンガのコマやフキダシが描かれたテープ。贈り物に言葉とマンガで気持ちを添えることができる。

優秀賞●ぴったりカット / Kujira
親指にはめて、ツメの延長上にあるカッターとして利用できる。

●タブレットペイント/インク / Hideo Asahina
一人一人の絵の具ではなく、教室全体で共有する小さなインク

●FOGGY BOOK / Yasunari Abe
本棚の本は、存在感があってうるさいので、静かな風景にかえるブックカバー

●大切な10着のためのハンバー / DQS
1-10の番号で、優先順位をつけ、大切なものを選ぶ生活を生み出す

●カタチをなくしたぬりえ / Naoto Ichikawa + Yoshihiro Kono
境界を無くした、あいまいな塗り絵。

●紙敷き / Salut
光の当たり方で、見え方が変わる紙の下敷き。見方によって表情が変わります。

●窓のあるノート / Daigo Fukawa & Ayano Kokubun
付箋がノートから飛び出すとグシャグシャになるが、そうならないよう、綺麗にデザインの一部に。

http://www.kokuyo.co.jp/award/news/2016/1011.html




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(敬称略)

司会:川島蓉子
佐藤 可士和/Kashiwa Sato
鈴木 康広/Yasuhiro Suzuki
田川 欣哉/Kinya Tagawa
植原 亮輔/Ryosuke Uehara
渡邉 良重/Yoshie Watanabe
社長:黒田英邦

●グランプリのプレゼンテーション
木材などの、具材として、900mm そのままで使うよりも、使いたい長さで切って使う。
HOW TO LIVE について、人と道具の関係について考えてみました。

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鈴木 康広:
素材としての文房具?素材としての文房具というテーマを投げかけたのが斬新。
鉛筆定規、消しゴム、丸三角四角という基本をおさえ、
その先は予想できないという問いかけになっているのが素晴らしい。

完璧に近い。
製品化を前提にしたアワードなので、
ですがグランプリは飛び抜けたメッセージを発信するので、
製品化をしなくても見方を変えてしまうような作品。

佐藤 可士和:
これはコンセプトが考え方が凄いシャープに出来ていて、
ほんとカッコいいなと思いました。
今、例えば建築とかいろんなプロダクトのデザインとか、
何ていうか、こういう考え方というのもあると思うのですが、
そういうのがうまくプロダクトにも落ちているし、
非常にコンセプチャルですし、枝で土に文字を描くところも。

これはこれでいいと思うのですが、
審査中でも質問がでてきたのですが、アルミの三角形をどうやって切るのか?
現実的にどう生産するのか?
アワードの対象としてはすばらしい。
物余りの社会とか、いろいろメッセージがこめられているので完成度が高い。

渡邉 良重:
こう来たんだ!という驚きが一番あって、
これ欲しいな!という思うものは他にはあるのですが、
発想、視点の持っていきかたが、飛び抜けていて、
どうやって切ったらいいの?という疑問が
商品になった時に思われると思うのですが、
そこを超えていて、グランプリに相応しい。

これに関しては、
どうやって作るのか?

社長:
いや、どうやって作るんでしょうね?
今回 How to Live というテーマに決めて、
メーカーなのに物が溢れる世の中に、
難しいテーマに決めた。1307 件、昨年より減っているのですが、
その問いかけに対して、ずばっと回答を出してきたんだなと思います。
商品化できるかどうかは、これからなのですが、
一緒に取り組む中でも僕たちがもっと気づきや学びが
もらえそうな、作品だなと、思っています。

田川:
審査員の票が満票でした。
なんでかな?
作品の完成度、もう一つあるかなと思ったのは、
ものすごくデザイン的だななと思った
how to live というテーマ、商品名として付けうる作品があるとすれば、
これだと思う。
他の優秀賞は、他の作品のほうが商品化の可能性があるくらい。
how to live がぴったり当てはまるのは、この作品。
これは、デザイン的と言うと分かりにくいのですが、
アワードがやっている側からすると、
テーマをクリエーターに投げかけているわけじゃないですか。
それに対する解決や、ソリューションを提案しているものが多かった。
この作品は、どちらかと言うと、How to live というのを
使う側に、さらに投げかけるという、プレゼンが象徴的で、
最後のページに、「あなたはこれをどう使いますか?」
ユーザーに対して、シャープにして、考え易くして、
再度投げかけているので、
アワードに1対一で回答を出すのではなく、
一万通りの、拡声、拡散するので、
メディアっぽいし、波及能力が一番高いと重い、
そこが良かった。

もうちょっとは、実際に商品になるか?
消しゴムは、けっこう作れそう。
アルミも作れそう。
鉛筆がたぶん一番難しくて、
ただ、この3つの中で、鉛筆が一番主力なので、
鉛筆をどう実現するのか、
提案した以上は、作りきるのをアワードの持っている性質からして。

植原 亮輔:
すべて言われてしまいました。
ほんとに、皆さんが言ったように、
完成度が高い。いろんな意味で完成度が高い。

違う角度でいうと、プレゼンテーションも上手だった。
ノミネートの時点でも、画像もわかりやすい。
やっぱり落ちてしまう人達のプレゼンテーションのシートは
見づらかったり、そういう意味でも素晴らしい。

なかもり:
コメントありがとうございました。
やっぱり僕たちが書いていった中で、
そこまで意図していなくて、いろいろ気付いたこともあって、
例えば、最後の問いかけているところの意味。How to Live を聞き返していることになっている。

えびづか:
こんな褒められることは無いので、非常にうれしく思います。
伝わったし、プロジェクトとしては、手前にある。
素材なので、そっから先は、知らない。
真摯に受け止めて頂いたのはありがたい。

司会:
こんなに絶賛されたものは無かったのではないか。

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●ぴったりカット

わたなべよしえ:
これも発想があたらしくて、普通は切る時に、
テープに金属がついていたり、テープカッターを使うのですが、
手に付けて切るのは、便利そうですし、
実際に切ってみたのですが、切り易くて、
多少指のサイズとか、ツメが長いと使い方にも工夫がいるかと思ったのですが、
審査の時に、
テープの問題はもうひとつあって、どこが剥がし口がわからない。
セットで、見つけ易くなるものがあれば、最強。

あとは、審査の時にもでてきたのですが、マスキングテープが流行っていて、
手軽に楽しめそう。そういう風に思いました。

田川:
正直、一次審査の時にあんまり良さがわかっていませんでした。
実際に指にはめてつかってみたら、感動してしまいまいsた。
「これは買う」と思いました。
なんていうんだろう?自分の体だけでは切れない。
ハサミで切るとかとちょっと違っていて、
自分の指先が、テープが切れるものに進化したみたい、
親指にクリスピーな感覚が伝わってくる、
身体拡張フェチみたいな感覚。そこにぐっときてしまいました。

なんで、これは多分あんまり製造上の問題はなく、
サイズ展開などの細かい話しとか、
使ってみて初めて良さがわかる。ネーミングがどれぐらい価値が言えているのか?
プロダクトデザインで、ぐっと来るかんじで、スタイリングに
もう少しブラッシュアップの余地があり、良い製品になる。
コクヨのメンバーで磨き上げて、商品に持っていく。

社長:
はい。がんばります。
歯が、コクヨのテープカッター「カルカット」を使っている。
重力だけで消える。力を入れなくてもピリピリ切れる。
テープカッターなので、それを指にはめた時の気持ち良さ。
完全にコクヨの回し者みたいな提案になっていますが(笑)
こういう感覚は面白い。
テープカッターだと一個だが、
これだと、いろんなテープを使いたくなるような、
テープの使い方を考えさせるような提案

カシワ:
これは一次審査から注目していた。
いっけんどうでもいいようなものが凄い好きなのですが、
僕がいいなと思ったのは
これだけ装着するもの。
他はモノをデザインしているが、ちょっと違う。
装着するという行為が、この作品だけ違う。
プロダクトの可能性を広げている。
おもったほど、こういうアイデアがない。
装着するものはそう多くない。腕時計、眼鏡くらい。
これからもっといろんな例えばロボティクスとか、IoTとか
もっといろんなことが起きると思うのですが、人間と融合していくと思うのです。
チップが体に入るかどうかわかりませんが。
これはもっとアナログなものなのですが、そういうことを示唆していて、
簡単でアナログなのだが、新しい方向性を提示しているところがいい。
形はもっとブラッシュアップするところはあるのだが、これでもイイじゃん。
もちろんコクヨの刃が良かったのですが。
ネーミングが良かったら、グランプリだったかもしれない。
もっといい名前があったかな。
なんかちょっと違うかな。

鈴木:
自分のからだとピッタリということ。
いいプレゼンをしてくださったのですが、ほとんど聞いてなくて、
試してみたので、
この作品だけはあまり話しを聞かずに、切れ味とか確認しているのです。
僕だけが逆さまに使って、逆向きにはめているのです。
その方がいいと思ってしまったのです。
あいまい、遊びみたいなのがあって、
これからポイントになっていくのは、始めから便利で完全というより、
工夫していくと、素晴らしくなっていくもの。
反対向きにつかっていても、

道具として自立していない強さ、
人間と一緒になって使う、
人間がどこまでロボットに預けていくのか、どこから人間がやるのかという境界線が見えてくる。
哲学的か、人類に道具の歴史の中で、
自立させて、環境側に奥か、自分に身につけるのか、線引きをする作品。

えびはら:
僕はそういう意味でいうと、身につける道具
この考え方で、あと2つあったら、グランプリ、
三点セット。三点あれば、指輪のなんとかとか。
でも素晴らしい作品だったと思います。

よしだ:
ご指摘ありがとうございます。
グランプリがすごくて自信を失いかけていたのですが、
ツメが長い人や、子供、もっともっと可能性を広げたり、
課題がみつかったので、良い経験、発展途上の作品だったと実感しています。

まえだ:
僕も身につける道具は文房具に無くて、すごく不安だったので、
道具として自立していないので、便利だと思っていたのですが、
使うのか?文房具として意味があるのかといろいろ考えていて。
今日お話しをきいて、意外とそこを評価してくれたので、うれしく思っています。

●マンガムテープ

えびはら:
試作があがってきたときに、ちょっとうれしかったんですよ。
個人的にはマンガを書きこむよりも、ひとこと書くだけでも、
僕は埋める自信がなかったので、どう使うのかな?と思ったのですが。
最終的にはいいものになったと思います。

わたなべ:
欲しいなーて思いました。
そこに何を書こうかなと、考える気持ちが、コミュニケーションになる。
プレゼンテーションがじんわりくる。
実際に使ってみて、両親に送ってみるとか、どういう反応があったのか、
そういうことを見せてくれるプレゼンテーションだったので、
気持ちがあって、来るので、
普通なら手紙とか書く
離れていても気持ちが通じることとか、愛情の交換とか、
できるきっかけになって楽しいのかなと思いました。

カシワ:
ガムテープのデザインなのだが、気持ちをデザインしている。
ここで受賞しているのは、モノのデザインではなく、
行為や、物の先にあることをデザインできているものが評価されている。
必ずしも売れているものが全てそうかというとそうでは無いが、
デザインアワードと言いつつもデザインしているものではない。
これなんて、ガムテームに書いているだけだしさ(笑)
いまそういう時代、余計なことやらないでいいよという時代。
これでイイじゃん。
ちゃんと視点があると、商品になる。
そういう感じのもの。
さっきのテープカッターもそうだし、
そういう意味では、すごいいいなと思ったのですが、
俺も書かないな。。。
美大生だとすごい書くかもしれない。
ターゲットを選んだりする。
そんなに一言書いてあっても、これで送られてくると楽しい。
試作が良かった。

鈴木:
僕は一次審査の時から票を入れていました。
プレゼンテーションが、今も写真が出ただけで見え方が変わったと思う。
家から野菜が送られてきました。
実はこの中に眼に見えないものが入っています。といって、何だろう?
票を入れていない人に質問するとか、
製品の良さをどう伝えたら良いのか、
アイデアという情報しか入ってこないことから、
その場面を想像できるのか、喜んでいるヒトの姿をみたら
カシワさんもやってみようと思いませんか?忙しいですか?(笑)
空白で送るのも。
どこまでブラッシュアップするのかを手抜きできない。
手塚治虫がどういうふうに描くのか、
デザインしなくていいという話しがあったのだが、
デザイナーはいろいろあって、
アイデアだけではダメ、
漫画家だけしか描けないコマをつくるのが勝負かなと。

田川:ヤマト運輸とか、物流をやっているヒトとコクヨと組んでノベルティ
ヒトを選ぶ。ハマるヒトが居ると思った。
いつも送ってくれるヒトに、ノベルティであげるとか、
これに書いてある段ボールが、全部の中に混ざっていると、
運んでいるヒトもうれしい。
段ボールはすごい増えている。
ショッピングがオンラインになってきて、
めちゃくちゃこれから段ボールは増える、今の10倍ぐらいに増える。
そうなる時に、大きい市場があるかもしれなくて、
無味乾燥ではなく、ちょっとした
マンガが載っているアマゾンのパッケージとか、
どんどんおこっているんのだが、ユーザーが入っていくことはないので、
コクヨ+ヤマト+スポンサー
ちょっとロゴが入っていたり。物と物流にひっかけるのが、
意外と起こせるのかな?と思っていました。
B2C で売るのではなく、運ぶとかに関わっているヒトに、
うれしがる、ちょっと期待できるかなと思っています。

社長:
はい。是非、引き続き考えていきます。
個人的にもこういうの大好きです。
どうしても段ボールで荷物をおくって、
家にためておいて、ボロボロな段ボールで、あまりこだわれない。
ガムテープも消耗品で、使えればなんでもいいというところから、
新しい切り口、提案なので、すごく面白そうだなと思いました。

みなみ:
貴重なコメントありがとうございました。
書かないんじゃないかなという意見を頂きまして、反省点として考えました。
鈴木サンのお褒めの言葉を感謝しております。

また自分の中でもブラッシュアップできればと。

●どうぐのきねんび

カシワ:
これもやっぱり行為をちゃんとデザインできているというか、
その物に思い出、昔の写真は日付がはいっていて、
それは意外と今みるといい。
そこもすごく共感できて、
そのものにも、道具になった瞬間に記念日を与えるといい
という発想がすごくいいと思いました。
使い始める日?何かの記念日?
ぼくはこれは押さないなと思った。
鈴木君は押すと思います。

鈴木:
iPhone カバーに押しました。
僕は写真に印字されている日付が入っていて、
これでこの日付がみると、ぐっとくる。より懐かしさとか、
数字に入っていける。
写真は押さない頃の自分なので、
道具は古くなっていくので、消えていく。
日付を入れたので、「あの日文化祭で使ったよな」とか、
写真とは全然違う。
写真とは違うものとの関わり方、ものとの関係性を示しているいみでは、
奥深い。使い捨てとは別な、扱い。
印字が消えるかもしれない。インクの実験。
だんだん当たり前になって、気にしなくなるかもしれない。
体験しないと、この良さはわからない。
この iPhone カバーはいつまで使うかわからない。
消えないには、いれずみ? 30年消えないインク?
審査で評価したのですが、どんな効果があるのかがわからなないのが、
一番面白いところ。

うえはら:
僕も iPHone ケースに押したんです。
Apple のマークよりも強い。存在感があるなと思いました。
このiPhone 7 を買ったのですが、しょうがなくて、透明ケースを買ったのですが、
ちょっと愛着が沸いて来て。押すことで愛着がわいてきた。ちょっといいんです。
オリジナリティというか、所有感というか、
さっきも話ししていたのですが、
いろんなデザインがあってもいい。ヒトによっては英語でもいいし。
バリエーションが欲しい。

社長:
僕も押したのですが、iPad に押したのですが、
一次審査から目立ったもので、テーマを考えながら審査していき、
最終プレゼーテーションでなるほどと思ったこともあって、
一次審査から訴えかけてきて、2つも受賞しているので、
深く考えてくださっているのかなと思います。

よしえ:
押してないんですけど、押すものを探したのですが、みつからなくて。
古い写真、私も昔の年月日が入っているのが、いいなと、最近思っていたので、
その時は、なんでそんなのが入っているんだろうと思っているのだが、
時がたつと、ついているのが良いと思ったので、
そのことが活かして、こういう道具にしたのはなるほどとおもいました。
その時は、分からなくても10年、20年、
好きな服が10年20年着るのですが、服に日付がはいっていたら、うれしいのかな。
時代が超えるというか、素敵な道具だと思いました。

このデザインで押せるものと、押した方がかっこいいデザインがあってもいい。

田川:スライドで瓶に押してある。ベルトの裏、ホッチキスに押してある。
何枚かの絵が表示されているスライドがあるのですが。
すごい確かに一次審査のころから人気で、
実物みて、グランプリなのか?
自分が使う側になって、感じるかなと思ったのは、
道具の記念日、スタンプの上に「どうぐの」下に「きねんび」が書いてあって、
違う商品、ブランドイメージがあるのだが、
これを押すことで、全部が「どうぐのきねんび」というブランドに
巻き取られてしまって。
本当に大事にするようなものには押せない。
上書きしてしまう気がして。
引き算どこまでするのか難しいと思ったのですが、
写真の例え、引き算していけば、日付だけあればトリガーになるので。
「どうぐのきねんび」デザイナーとしての表現が濃厚に載りすぎた感じがして、
日付だけだと作品にならないので、ファイナリストにならない可能性があるのだが、
インクが薄くて、反射の具合で見えるとか、おさえた表現だと
もうちょっと上にいったのかもしれない。
まさに焼き印みたいな感じ、道具の記念日というブランドを押すんが、
ちょっと混濁があったのかもしれない。
好きなんですけれど、もうちょっと良かったらな。
道具の記念日を持ちたいわけではなく、道具を愛したいということ。

あべ:
たくさんのコメントありがとうございます。
How to Live にどう応えられるか?
消費、ユーザーの視点にたったときに、使えるのか?売れるのか?
という点をもう少し考えられると良かった。

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カシワ;
ここで受賞しているものはいいんじゃないですかね。
全体としては、難しい。結構難しいテーマなのかなという印象でした。
ここで受賞しているのは、モノの先をデザインしている、考えているものばかりだから。
how to live という答えになっている。
一次審査で見ていると、モノをデザインしていると、その先にいけない。

鈴木:
そもそもモノでは無いのかなと。
モノでは無くて、
道具の記念日。田川さんがたくさん文句を言っていれば、
カシワさんにデザインを発注すれば!
まだまだ未知数。
問題を解決することができるかもしれない。
そこからいわゆるデザインの仕事が始まる。
一歩手前を使っているので、デザインしていない。
一歩手前しかデザインしていない。
このテーマはものすごく難しい。
その問いをどうみつけていけばわからない。
まじめにデザインしているヒトこそ難しい。
身近なひととかに眼を向けられたヒトがいい作品をつくれた。

田川;
昨年が「美しい暮らし」もう一歩「暮らし」を突き詰めたい。
「美しい」でもそうとう高尚。
how to live は禅問答のよう。「あなたは誰」みたいな。
応募するヒト苦労するだろうなと思ったけれど、
深堀してみたかった。
グランプリが醸し出している雰囲気、ここ数年と傾向が違う。
今回このテーマを設定することで得られるものがあって、
応募総数は減ったけれど、やってみようと思ったヒトの数は変わらなかったが、
エントリーまで至らなかったヒトが数百人いて、
それが数に反映してしまった。
テーマに取り組んでくれたヒトは同じ数だと思います。
そこにアイデアを考えてくれたヒトは濃厚だったかもしれません。
それは良かったのかなと思います。

うえはら:
難しかったんでしょうね。
でもなんか僕はデザインはカテゴリからではなく
想いがあって、じゃあどうしたい?
コクヨはしっかりカテゴリがしっかりしているので、
それをだからアワードの皆さんも考えるだろうし、コクヨも考えるだろうし、
なのでこのテーマに。
やっぱり理解されていないで、出されている方が結構いて、
審査は苦労しました。
最終的に残ったものは良かったと思います。

わたなべ:
予選の時、紙の上で見た時に、ああ、ちょっと難しかったんだなと思って、
みんなでテーマを決めたのですが、難しすぎて、ちょっと責任を感じました。
プロトタイプを見た時に、思ったよりも、全体のレベルが良くて、
よかったんだと思って、さらに賞に選ばれたものは、
本当はどれもレベルが高いなと思ったし、例えば
去年のテーマでは出てこないものが選ばれてきたので、このテーマは良かったんだと
胸を撫で下ろしました。
去年はでてこなかった答えがでてきました。

社長:
そうですね、やちゃったな〜という感じがありました。
失敗という意味じゃなくて、How to Live 、最初に言ったのはうえはらさん、
難しいテーマに向き合って、難しいこと、新しいこと、
やって良かったね。応募総数少なく、一次審査の時に微妙な空気がただよって、
皆さんいいご提案していただいて、主催者として、「次どうすんねん」という。
これはアワードですから、もちろんビジネスの一貫ではあるのですが、
社内でも応募してくれたヒトがいるので、やっちゃって良かったです。

司会:
そもそも難しいテーマで、
「これからの時代にむけて、生き方とか、暮らし方を前提に」
新しい生き方暮らし方で、こんなことが大事じゃない?ということを聞いてみたいのですか。

カシワ:
デザインのことを通して言うと、
支持されたものは、余白がある。スマートフォンは最たるもので、
インターネットも、わりとそういうことが今世の中で支持されていて、
すごくビジネスをやる時も、余白をどうつくる。
今日選ばれたのはそういうところを満たしているものがちゃんと選ばれている。
そういう視点が、
モノの作り方が変わってきていて、だいたいコンシューマ、現場に
クリエイションの場がおりてきて、
iPHone 6 で撮影」という広告。カメラマンはいらないんじゃないの?
カメラマンのスキルよりも、その場に居たことが重要。
それがすごく象徴的なこと、それがたくさんおきてくる。
プロフェッショナルもどんどん変わってきて、
フレームを提示しているところが強い。
余白を作っていくところに How to live が繋がっている。

鈴木:
ぜんぜん思いつかないです。
カシワさんと同感です。
なんでしたっけ質問は?
とてもじゃないけど、言葉にできない感じです。
今日印象的だったのは、ぴったりカットの前田さん、初めて応募して、
受賞できて良かったです。
how to live そのものみたくなった。
今回の試み、アワードに参加したことが how to live そのもになった。
僕たちの生き方をかえる体験。
頭や言葉じゃなく、そういう体験ができたことが意味がある。

プロフェッショナルの意味がかわってきた。
僕自身がプロとはおもっていなく、アマチュアでもなく、
ちゅうぶらりん。
フレームみたいなものだけで生きているかもしれない。
その後アイデアを思いついたら、それを高める練習を始める。
そこから始めることをやっている。
その先にデザインがあるという。

田川:
生き方もあるのですが、物を作る人間として、どう社会とかかわっているくのか
考えているのですが、
自分の中で最近すきな言葉が empowerment
イキイキしちゃうとか、うまくいくとか、そういう語感の言葉。
ヒトをエンパワーするものが、デザイナーはどう作れるのか?
ユーザーが余白を埋められるもの。
その人がやりたいことと、物との関係、アウトプットがいろいろ。

デザイナーがどこまで入って、どこまで?という感覚。
今からデザイナーが考えないといけないもの。
主観的に、主観の動物だと思うので、
そのヒトのテイスト、客観とも違う。何感というのかわからないのだが、
ユーザーに届いて、ユーザーが使うことで、充実とか、充足とか、
自己実現とか、そこにデザインがどう取り組んでいくのか。

ソフトウェアの話しも層だし、
という感じがしていて、
結局、4作品つながってきている。
そこを自分でも深堀してみらいと思っています。

うえはら:
プロダクトを生み出している人間としてはいつも考えていけない。
デザインしたけど、意外と売れないじゃんとか。
ストーリーを作るとか、考えないと売れない時代になってきいる。
今後、ロボットや、AIが発達してくると、物がいらない時代になって、
どう生きるの?とそろそろ考えてきてもいい。

わたなべ:
ええと、ほんとうに、情報が増えていて、今わたしもそんなにFacebookとか
見る方ではないのだけれど、電車の移動の時にちょっとみると、
面白動画とかがあふれていて、
だけど、人間の時間は生きる時間は限られていて、何を自分で選択して、
何を見て何を見ないとか、全部やろうと思ってもできるわけがないので、
自分の大事な時間をどう選択していきていくのか。
自分が好きなものを感じながら生きていかないと、
ただ情報に流されてしまうので、
ちゃんと選択して、自分の好きなものを見つけていき、
楽しいことなので、そうやってそういうものを見つけながら、
生きていかないと、本当に溺れそうに、
そういう風な人達が増えていくのではないかと思います。

社長:
そうですね、本当に今回も私個人も、社員もいろんな気づきと
学び、いろんな経験をすることができて、良かったと思いました。
応募総数が減らないようにしなければいけないのですが、
how to live agein ?
もっと皆さんと新しいこととか、将来のために考えられることとか、
発表できるものをこのデザインアワードで発表できるものを作りたいので、
ぜひご参加ください。