1/31/2015

[&] 1000 books #46 - Marketing Lessons from the Grateful Dead




「安藤日記の千冊紹介」46冊目は『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』

今で言うフリーミアムな考えを古くから取り入れて、成功したバンドの戦略と、
それらと同じマーケティング戦略を取り入れている現代の企業事例を紹介した本。

グレイトフルデッドが意識してそういうマーケティング戦略をしたかというと、
多分そういうことではなくって、本当に音楽が好きで、ファンを大切にしただけな気もする。

本の中には小さなヒントがいっぱいあり、
これなら自分でも出来そう、自分のプロジェクトのあそこにも当てはまりそうと
思える事柄がたくさん載っている。
なにも数億円分のテレビCMを投下しないと勝負できない!とかだけがマーケティングでは無いのだから。
勇気とヒントをもらえる本です。


[&] ZEP NIGHT - ITASAKA SATOSHI



ZEP NIGHT
建築家:板坂諭 × UX / UI:鳥越康平
~ 建築家としての板坂さんが考える 「残るデザイン」とは? ~

-------------
鳥越さん:

少しだけお話しさせてください。今回なぜ板坂さんをお呼びしたのか。
建築とUI, UXは全然違う業界だと思われるかもしれませんが、
デザインという軸で考えると、建築の思考が一番広いところからデザインを考えています。

建築は、一個の建築だけで成り立つのではなく、環境があり、都市があり、
マクロな中で一個な存在するのが建築。そういう発想でデザインしています。

UI,UXも建築の考えをつかうのは同じで、細部は違うかもしれないが、
UX業界がどう、建築がどうではなく、デザインの中にいろいろな要素がある。

建築家の方と話しをするのはデザインの勉強になるし、とても参考になる。
板坂さんは謙虚に見えますが、凄い方です。

建築物はパッと見でも凄いですが、どういう風に作っているのか?
ざっくばらんに聞ければ。自由に質問してくださってかまいません。

Google Glass のような最初のテレパシーというプロダクトを作ろうとした時、
板坂さんがデザインしました。



板坂さん:
デザインで何ができるのか?アメリカを旅したり、
その時、鳥越さんがいったい何やっているのか、教えてくれませんでした。

鳥:
その後も、ウェアラブルデバイスのプロジェクトでご一緒させて頂きました。
Zepperin も将来建築分野に進出したいと思っています。

板:
デザインラボという会社を運営していて、
プロダクト関係、小さいものから、コンセプチャルなもの、
海外のメーカーとも仕事していますし、プロダクト、空間のデザインもやっています。
去年、表参道のアパレルや、ISSEY MIYAKE の展示会のデザインも担当しました。



建築の中も住宅が得意で、住宅にもいろいろあって、
設計事務所はたくさんあるので、強みは富裕層向けの住宅が得意。
プライバシーとかセキュリティなど特殊で、経験が無いとその要求にこたえられない。
たまたまそういう師匠についていたので、それが得意です。

いままでやってきたものは、ルパン三世の漫画に出てくるような、
書斎をあけたら部屋があるような家や、
家の中で野球したいという人など、変わった人が多く、
22メートル高さ6メートルの部屋を作ったり。

ある程度経験が無いと作れないので、
建築をやっていく上で大事にしているのは「残る」ということ。
日本は 27年が平均寿命。放っておいたらもっと残りそうだが、
27年たつと、壊されている。
27年しか建っていない現状を残念だと思う。

そこで「残るデザイン」とは?
建築のことはあまり、誰も教えてくれません。
建築に囲まれた都市のはずなのに、建築を仕事にしていない人は、
実は建築のことをあまり知らないんじゃないかなと思って。

残るという話しにからむと、
聖路加は、古くていい住宅が残っています。先日気に入っている古民家が解体されてしまった。
材料も贅沢で、その当時はあたりまえだったかもしれないが。
銀座から歩いているところに残っているのはとても贅沢。
残っていることが贅沢。
一般の人は、それを壊してしまうのだというのが衝撃。
できればリノベーションして、海外のゲストを迎えたりできれば良かったのですが、
あっさり解体されてしまった。
建築知識が浸透していないから、壊されてしまう。

では、残るデザインにどう興味を持ったのか?

小学校くらいに建築をやりたいと思っていて、
小さいころ泣き虫で、夜中に布団の中で泣いていて、
父親、母親が居なくなったら、死んだらどうなる?とか考えていた。

小さいながらも、なぜかそういくことに関心があって、
そうしていたら、テレビで、スペインのサグラダファミリア教会が紹介されていて、
ガウディーが亡くなってからも建築が続いていて、
建築っていいな〜と思って。
そこで残るのが重要で、それで建築が大事だと思って今に至っている。
建築する時にどうしたら残るか?

鳥:
この中で家もっているという人は?
ほとんど居ませんね。東京だから?

板:
仕事している時に、残るデザインが重要だと思っている時に、
鳥越さんからお話ししませんか?と、
「美しいデザイン」とは何ですか?
どれぐらい喋ればいいですか? 1時間くらい。
プロジェクタで映像を見せながらであれば.....
いや、使わないで.... と言われて.....

鳥:
僕は使いましたけどね(笑)

板:
軽井沢、平屋は贅沢ですよね。日本的なものになってしまいます。
ぱっと見で日本っぽく見えます。
狙っているわけでは無いのですが。
こういう物が、27年しかもたないものと違うデザイン。
こういうプロダクトに関しては、残るという質を変えていて、
定番として残って欲しいものと、
プロダクトはコレクションとして残って欲しい。



SF MOMA の永久所蔵になったライト Mushroom Lamp.
皆さんの質問の中に「進化と残るとどちらが良いですか?」
コレクションは残る方で、それはそれで好き、
「進化」で残る方が好きです。
昔はサルだけど今は人間、進化するから残っている。
建築は進化する。出来たら終わりではなく、
鉄は伸びて、硝子はちじんで、新陳代謝させていくことが必要。
去年まで和室だったが、今年からは寝室にとか。

ブランドでやっているのですが、
何をしたいかというと、勝手くださる、使ってくださる方とのコミュニケーションがしたい。
一個一個に私のメッセージを載せています。
コミュニケーションするために作っていて、
その結果として時代性、処世だったりが付加されることで、
コレクションとして残る。
残るデザインを狙っているわけではないが残っていって、
それを整理しながら、そういうやり方で仕事をしている。

鳥:
震災の前に作ったライト。その時にタイミングとしては震災前なのですが、
原発について考えてはいなかったのですが、そこに意識を向けた。
そのプロダクトを作られて、震災が起こってしまった。
その時に、なんで原発が日常に無ければいけないのか?
それを象徴的な形で作ってみた。するとコンセプチャルなので残してみたい。
すごく。
建築とは違うスタンスでやっているのをお伝えしたかった。

// オフレコ start


// オフレコ end

4月以降は発表できます。
東京にお店があります。

そういうトップブランドとお話しをさせていただいて、
中枢まで行くと、とんでもない価格で物を売っているのに、わけがわかるのです。
1000円で鞄が買えるのに、300万円の鞄を買うのです。
中枢に入っていって、いままでやってきたこと、フィロソフィーを知るとなるほどと思うのです。
ブランドは、精神が込められていると、その価値があがる。
精神を注入するのが重要。
デザインする時に、形をかっこ良くするとか、生産性を上げるとか、
そこを絞ってしまうと、徹底的に精神を注入するということを主目的をおくとおのずと着いてくる。
それをフランスのメーカーもやっている。

おもてなし。使う人にとって、おもてなし、デザイン、精神を注入するのを
使う人のことを最大限想像する。それが UXかもしれない。
プロダクトは欠けていて、座り心地がいい、適切な価格のイス。
座ってみたときに気付くクッション性、座る人に対するおもてなしが沢山込められていると、
精神の一つを感じ取られたらいい。

建築の特徴は、住んでから発見があって欲しいと思っていて。
床と壁の間にある幅木、幅木無しでストンと壁と床をぶつけてしまうと痛みやすくなる。
下の方が 5cm くらい幅木があるのですが、
2cm , 3cm だと人間の感覚が変わる。
いまこの部屋は天井が高いので 5cm は妥当なのですが、
普通の住宅だと、5cm だと空間が狭く感じる。

ある日、旅館に行った時に、気付いたり、
人は感受性が強いので、実は気付いている。

家の中に海外から買ってきたテーブルを置くと狭く感じますが、
テーブルの高さが日本のものと、海外のものとの違いで感じる狭さ。
数年たって、ようやく気付くもの。
建築には説明しないけど、説明できるものをいろいろ入れている。

杉の板を張っている、何もしなけれ木目が流れていかない。
視線を外にでるように正目を並べています。
何も言わなくても優秀な棟梁はやっているかもしれませんが。
視線を流すのです。
言わなければわからないけど、気づきが生れればやりがいがあったな
という考え方でやっている。
UI, UX でも同じかもしれません。

鳥:
この前お客様がいらっしゃって、大企業がサービスを出していて、
うまくいかない、伝わっていない。
ユーザーが使っている時を想像できないとおっしゃる。
椅子に座って、最初に体のどこが当たる、その瞬間を想像する。
何分ぐらい座っていられる?
全然想像されずに作られていると、長く使えるものになっていない。
長く残る....につながる要素として、
木目の流れを揃えるとかはあるが、他にもあると思うのです。
まずは建築でどういうところを意識していますか?

板:
残る質が、僕の中では違う。
住宅は残る。デザインをシステムだと考える。
伊勢神宮20年に一回神社を建物を造りたくてやっているのではなく、
思想を残そうとしている、そういうシステムに興味がある。
サグラダファミリア教会は、技術的な思想を残したくてやっている。
システムによって、まだ残っていることに興味をもつ。

今は、たまたま建築ですが、プロダクト、システムで残すところに、興味を持っている。

鳥:
僕らはシステムの話しをソフトウェアと言っていて、
スティーブジョブズが iPhone はソフトウェアだと言っている、
姿形はあるけれど、ソフトウェア。音楽を視聴する体験のソフトウェアが iPod 形がそうなだけ。

Mushroom Lamp も思想が凄い。気付かなくなってしまっていることに、気付くきっかけを与える。
伊勢神宮もソフトウェアかもしれない。
周りにいる人々や、歴史が続くように。

質問
1000年残る、100年残る建築の違いは?

美しいと思うもの、自然、自然現象、夕日、虹、子供の仕草、そういうものにはかなわない。
100年残る方は人間ががんばって真似た自然のデザイン、
ザハハディドは 100年残る。
1000年残るのは思いやり。
伊勢神宮は神様への思いやりのデザイン。
システムの方は 1000年残る。

質問:
進化と残るとどちらが幸せなんでしょう?

進化の方が好き。
残る、コレクション。残っているから進化する、
進化も残る一つのジャンル。
もちろん残るのも好きだが、
どちらかというと、進化する、伊勢神宮的進化の方。
人の体も変わっていっているし、進化する方がいい。
永久に残るのは進化の方。
FRP樹脂は 100年残らない.....

ランプの製作の時に
3Dデータの図面を職人に送ったら、
どんな技術で立体になっているか行ったら、壁じゅうに図面を貼って、
なんと粘土で作っていたんですよ!
それで出来たので良かったんですが。

鳥:
図面通りに作るのが良かったのか、経験値を入れるのが良かった、
感覚を入れるのが良かったのかんじゃないですかね。

質問:
訪れたい建築は?



明日からフランスに行くのですが。
フランクゲーリーの新しい美術館。
ぱっと見で理解できない。
見る角度で全然違う。
あんまり好きでは無いのですが。
絵に出来ない。いろんな要素があって。



鳥:
プロダクトだと、いろんな線は書けない。
工業製品なので。
建築だと出来てしまう。

板:
最近出来るようになった。
なんでできるのか?航空機の設計技術が建築に入ってきて。
線が自由。XYZで育ってきた自分としては理解できない。
ザハもそうですね。
飽きないとか、そういうのが好き。
新国立競技場の今皆さんが見ているのは元のデザインとは違いますが....
予算とか建築基準法とか....

質問:
ゴシック建築、ずっと残っている。
それは民をたたえている、そういう精神が入っているから残っている。
建築を作る時に、どういう精神を入れているのか?

目黒の庭園美術館。新しくなったのですが、
作り手の思いやりがすごく緻密にやっていることにつながっていて。
お金があれば、できるということではなく。
使う人がハッピーになって欲しい、それが答え。

質問:
新国立競技場、予算と現実?

できる範囲内でやるしかない。
無理と思わない。いくら厳しい条件を突きつけられても、自分が出来るものと思ってやっている。
鍛錬しかない。建築だけやってもいいけど、そうじゃないのは、
クライアントから難しい要求がきたときに、
無理な要求を自分に課す。無理とは言わない。
出来てないこともいっぱいあるが、出来る範囲で努力するしか無い。

質問:
プロダクト作品の中で、いろんなジャンルを作られていますが、
インスピレーションの源は?

メディアがどうしても強い。いろんな情報を与えてくれる。
そこに自分も載らないと、どうメディアにとりあげてもらうか?と考える。
建築をやっているなか、総合技術だと思っていて、
こういうものを欲しいと言われたら、世の中になければ作ってみようと。
常にアンテナを張っているのがインスピレーションになるかもしれない。

質問:
自分から手をあげても作ってみたいもの。

自分で作っているのが現状ですが....
美術館を作りたい。
建築をやっている人は誰もが作ってみたい。
建築の教科書、だいたい美術館は華々しく載っている。
あそこより良いもの?
みんな、建築家がみな終着点としてやっている。

質問:
日本メーカー、イノベーションを起こせていない。
ベンチャーの時にはおもてなしが込められているのに....

アップルの成功、日本のメーカー元気無いですよね.....
サムソンも今、元気無くなってきていますが....

鳥:
いろんなところを見ているので同じ症状なのですが、
組織、部署が分かれている、離れているだけ。
日本企業の中は、優秀な方ばかり。
組織が分かれているだけでコミュニケーションが無い。
話せばいいものができるのですが。
Google は組織ではなく、人で成り立っている。

質問:
サンプルで、白い建物のシミュレーションがありましたが....

鳥:
一言でいうと、移動式茶室。
一カ所に置いておかない。
同時想定していたのは、東京とか、庭を巡っていこうという。

板:
おもてなしをしようという、なんでも答えてくれるサービスを考えている時に、
それが空間なら面白いのじゃないか?と渡したのがこのデザイン。
おもてなしと考えると、お茶、お茶が感じられれう空間であれば、
世界中をめぐっても、解ってもらえる。

鳥:
テレパシーの時もそうなのですが、板坂さんは仕事が速いんですよ。

板:
夢中になって気付いたら朝6時間ぐらいで。2,3分後に井口さんから「採用!」って

鳥;
家を動かすという発想。
坪単価で77万。それっておかしいのかな?と思っていて、
もっと気楽に家が建てられて、地面に設置されていなくて、固定されていなければ、
安くできるのでは無いかと。

---end

1/30/2015

[&] 1000 books #45 - Cryptonomicon



「安藤日記の千冊紹介」45冊目は『クリプトノミコン』

昨日、新年会?でビットコイン関係のスタートアップ企業の方とお会いしました。
ビットコインはなにもお金の代わりになろうということじゃなくて、
本来お金が持っている「信頼の代替」という仕組みをデジタル化したものだと言う事。
そういわれて、今まで立ちこめていたモヤモヤ感が急に鮮明になった。

僕がネット上の通貨に関して、概念を認識したのはクリプトノミコンが最初かもしれない。
日本では2002年、原作は 1999年。暗号通貨である bitcoin は 2009年。
現在の 2015年を予見しているというか、まだ現実は小説の中の世界を実際には超えられていない。

クリプトノミコンの中で、クライアントとのミーティングの日に、
体にピッタリとあったスーツ一式が家に届いて、それを着て仕事に行くというシーンがあって、
未来はこうなっているのか!?!?! と納得したような納得しなかったような......


1/29/2015

[&] 1000 books #44 - HENSHU DESIGN




「安藤日記の千冊紹介」44冊目は『これからのメディアをつくる編集デザイン』

編集というと、雑誌の編集とか、動画編集とかを思い浮かべるが、
もしかしたら、たくさんの物の中から、順序だてて適切に紹介する全ての事柄が「編集」なのかもしれないと思った本。

「編集」を専門職としない人が、あらゆる自分の仕事に編集的要素を活かすことができる。
そんな編集術を発見することのできる本です。

●ラフデザインをしながら考える
●異質なものをつなぐ
●創造的な対話をデザインする
●自分の思いの底をさぐる
●中心コンセプトをシェアする
●執筆を支援する編集デザイン
●校正は間違い探し以上のもの
●見落としと見えにくい問題点
●伝えるためのデザインと考えるためのデザイン
●機能、佇まいのバランスを考える
●色が心に働きかける理由
●映像アーカイブを面白くさせる基準

文章を書く人、編集する人だけでなく、ありとあらゆるコンテンツ制作者にとって気づきのある本だと思います。

本書は、ご恵贈いただきました。


1/28/2015

[&] 1000 books #43 - LEGO Architecture Studio






「安藤日記の千冊紹介」43冊目は『LEGO Architecture Studio』
なんといっても付録本の内容が素晴らしい。300ページ弱のガイドブックには、
レゴでプロレベルの建築模型の代替をする方法、既存の建築物をレゴで模倣する手法、考え方。
プロトタイピングツールとして、レゴを建築物の発想に活かす方法などなど。

正確に言うと、商品としての本では無いけれど、これこそ物理的な「本」として価値のある本だと思う。
一連の LEGO Architecture を包括した形で、大量の白い部品だけが入った LEGO Architecture Studio。
やっと日本でも一般販売開始されました。肝心の解説本は英語ですけど、一見の価値あり。


全ての建築レゴファンと、建築模型を本業とする人にも見て欲しい本です。
どのページもあまりにムフムフすぎて、まだ何か作るところまで辿りついていません.....
(写真は、一足早く手に入れた並行輸入品です)




1/27/2015

[&] 1000 books #42 - the Sketchnote Handbook




「安藤日記の千冊紹介」42冊目は『the Sketchnote Handbook』

先日のワークショップで、セミナーなどの内容を絵と文字でスケッチしながら記録する、グラフィックレコーディングをして頂き、とてもうれしかったです。似顔絵もそっくり!最近は海外カンファレンスでもスケッチしている人を見かけます。

そんな、スケッチ技術を体系的にレクチャーしてくれる本。
オンライン動画での解説もあり。その時の長時間の内容が1枚の画像に的確にまとめられているのが素晴らしいです。
人工知能や、機械学習がどんなに進化しても、しばらくは人間にしか出来ないスケッチ技術だろうな〜




[&] 1000 books #41 - elebest



「安藤日記の千冊紹介」41冊目は『エレベスト―日本初のエレベーター鑑賞ガイド』

ちまたでは最近出版された BADUI 本が話題で、
そういえば、エレベーターのボタンで BADUI 多いよな〜と思い出したのがこの本。
エレベーターのボタンや、天井など、普段気にしないところまで、鑑賞するのがこの本。
某所にある手動式の古いエレベータが紹介されています。たぶん俺、乗ったことある!
何時の日か、映画ブレードランナーに出てくるエレベーターにも乗ってみたいな。


1/25/2015

[&] 1000 books #40 - Vystava jana a evy svankmajerovych film a jeho okoli




「安藤日記の千冊紹介」40冊目は『ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展』映画とその周辺

ラフォーレ原宿で 2011年に開催された「ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展」の時の図録。
書籍としても販売されている。200作ぐらい展示されていて、圧巻だった。
独特のおどろおどろしさをもつ作品に囲まれると、現実世界までもがコラージュされたような感覚になる。
最近のアニメ作品の中にもシュヴァンクマイエル一瞬出てくるらしい。どの映像だろう?


1/24/2015

[&] 1000 books #39 - New Made in Japan



「安藤日記の千冊紹介」39冊目は『New Made in Japan』日本発・美しく・思考する・デザイン

建築家・プロダクトデザイナーの板坂諭氏の作品集。
h220430 というブランド名で展開する作品の紹介。
ANY EXHIBITION の赤い風船と椅子の作品が記憶に新しい。
日本語の本ですが、英語も並記されています。

1/22/2015

[&] 1000 books #38 - Velocity: The Seven New Laws for a World Gone Digital




「安藤日記の千冊紹介」38冊目は『ベロシティ思考〜最高の成果を上げるためのクリエイティブ術』
デジタルエージェンシー AKQA のアジャズ・アーメッド氏、ステファン・オランダー氏の著作。
日本版特別寄稿として、レイ・イナモト氏の「広告の未来は広告ではない」が載っています。

新しいことはチャンスであって、脅威では無いこと、
手軽ということは、正しいということの敵であること、
商品や広告の向こうに居るのは、単なる顧客ではなく「人」であること、
ブランドのストーリテリングだけでなく、ブランドの行動で示すこと、
360度全方位だけでなく、365日、毎日が大切。

といった、広告業界に関わる人だけでなく、働く人全てのヒントになるような本です。

「月並みというキャンディに気をつけろ。一度なめると、一生なめ続けることになる」

[&] Creativity on Organization ( Tom Kelley / IDEO )



Creativity on Organization ( Tom Kelley / IDEO )

クリエイティビティは企業にとって重要です。
いままでは付加的なものでしたが、現在は中心的なものです。
過去 30年以上 IDEOで蓄積して来たクリエイティビティを紹介します。
最先端に居続けるには、学び続けなければいけません。

スティーブジョブズの考え方、ビジョンを学ぶのも重要です。
IDEO ではグローバルなコンサルタンシーを提供しています。
さまざまな企業文化、政府とも強力しながら、醸成しています。
東京のミッションは自分たちのクリエイティブをもう一度試すことができるようにというのをミッションとしています。
日本がクリエイティビティを最大限に活かすことが、大事だと思っています。

最近、安倍首相の念頭スピーチを聞きました。
長い間押さえ込まれていた大企業のダイナミズムを解き放つべきだと話していました。
毎日クリエイティブコンフィデンスという言葉を使っています。
本来人間が持っているクリエイティビティです。
日本が実は最もクリエイティブな国、東京こそがもっともクリエイティブな国だと言われていますが、
日本人自身はそう思っていません。
全員が体の中にクリエイティビティを持っています。
それを人に教える必要はありません。解き放つだけで良いのです。
本来のクリエイティビティコンフィデンスの半分です。

本来のクリエイティビティと、それを解きはなつ、ジャンプする勇気が必要です。
クリエイティブマインドセットです。
会社の中の若い人たち、彼らが直面する問題は、
アイデアを思いついて、それがクリエイティビティなアイデアだったとしても、
それを躊躇してしまうのです。
意見を言ってしまうと、批判を受けたり、人と違うと思われてしまうかもしれない。
こういったマインドセットが素晴らしいアイデアが出ないままになってしまいます。
アイデアを聞かないと良い者か悪いものかもわかりません。

組織の上の人が判断すること、アイデアを付加することができます。
組織で二つのキーとなるエレメントは、
テクノロジーをヒューマニティのバランスをとることです。
非常にクールなテクノロジーを持っていても、何をしたら良いのだろう?
共感こそがデザインシンキングの中核です。
デザイナーが何十年にもわたってものを作るときのマインドセットです。
これをもっと世界の問題に適応したらどうなるだろう?
デザイナーのように考え、様々な課題に適応したらどうだろう?

デザイナーは共感から始まります。
人間は何を必要としているのか?
実験(試作)
ストーリーテリングが大切です。

共感について話します。
Doug Dietz (GE Healthcare)
医療用のスキャナーを開発しています。
非常に複雑で非常に高価な製品です。
実際に使われているとこを観たい。
新製品がでて、自身満々でした。
スキャナー検査室に行きました。
沢山の質問をしました。

今日、ほんとうに恥ずかしかった。
質問というのは、あたらしい機能を使ってましたか?この機械というのは...
自分の自慢ばっかりしていました。
終わった、帰ろうという時に、
その部屋から出ようとした時に、小さい女の子に出会いました。
検査をしようとしていて、泣いていました。
両親も泣いていました。
いいかい、勇気をもってやるんだよ と言っていました。

Doug は何が起こっているのか理解できませんでした。
テクノロジーだけを考えて、人間性を考えていませんでした。
何が起こっているのか?問題のある子供なのか?
お客が悪いのではないかと考えがちです。
これは問題のある患者なのか?

しかし、検査官は「え?」という話しをしました。
そういう質問はしませんでしたよね?
検査機は子供達を怖がらせるものです。
こどもの 80% は麻酔をかけないと使えない。
それは大変なことでした。
仕事を変えなえればいけないということかも。
ヘルスケア分野に居るのに、子供達を怖がらせていた。

そこで、Doug 上司にお願いしました。
一週間のスタンフォード大学の d.school に送ってくれました。
デザインシンキングのコースで 1週間学ぶことができました。
人材、テクノロジー、財務部、いろんな人が来ていました。
学んだのは「共感」から始めるということです。
人間性とうまくくみあわせなければいけないのです。

上司に言いました
「このアイデアは凄い。凄いアイデアを思いついた」
Doug がこれを作ったあと、アイデアを完成させたあと、
予算が与えられたのです。それは「0ドル」です。
日本もアメリカと同じだと思います。
アイデアのサポートが得られませんでした。
doug は必要なら、会社を辞めようと思いました。
そこで、ボランティアを集めました。
このスキャナーの外側のグラフィックスを変えたのです。



経験そのものを変えようと考えました。
そのテクノロジーを触ったとたんに、審査に 2年かかってしまいます。
経験を変えるための外見だけを変えて、
ディズニーランドのライドのように変えました。
「今日は海賊の船に乗るんだよ。じっとしていないといけないんだよ」
と言うと、検査の間じっとしているのです。
麻酔をかける率が 80% から 10% に低下しました。

ほんとは 0% にしたいんだよ。
10% 以下になったので素晴らしいと感じている。
全員が数字を見ていて、
マーケットシェアとか、様々なマトリックスを持っている。
この人たちの数を増やすことができました。
患者の量も増えました。
テクノロジーを使う時は「共感」から始めなければいけない。

ある日、アロマセロピーのことを考えました。
検査室に「ピニャコラーダ」の香りをさせること。
熱帯の楽しむカクテルです。
本気でそんなことを?
子供はピニャコラーダを飲んだことは無いだろう?
いや、これは親用なんだ。
親が緊張しているのが、子供に移って緊張している。
親がリラックスすれば、子供のリラックスするようになる。
女の子が「明日もここに来ていい!」と言っていました。

多くの子供達が怖がるところから、変わったのです。
テクノロジーを変えたのではなく、人に関わる部分を変えたのです。
人間性とテクノロジーをうまくバランスをとれば良いのです。
テクノロジーはシンプルなものでよく、「共感」人から始めるのです。
人を見て観察するのが大切です。
会社で仕事している時、100万人を相手にしているかもしれませんが、
数人を見るだけでも良いのです。数人を見ることから始めます。

東京の交通はとても混雑しています。
全体で見ると、人間がぼやけて見えてしまいます。
地下鉄のプラットフォームで、じっくりと一人の人を見てみました。



その時の女の子
ちょっと普通と違うものを見た時にはチャンスが生まれているかもしれない。
3分間観察し、
この女の子は、同じくつを2つ持っている。友達と交換した?
ショップが1足として売ったのかもしれない。

世界中でこれを見たときに、一瞬立ち止まって考えることが必要です。
私の靴下見てください。
左右違う。今日は偶然にも一致しているのですが(笑)
左右が違うことで、大ブレイクした靴下を販売し、大成功しました。
楽しい靴下をはくことができる。
これを顧客が気に入るのであれば、逆算してビジネスをすれば良いのです。



もとのスタートは逆にむかってエンジニアリングを働かせることです。
人のニーズを考え、共感を生むことです。

二つ目は、実験です。
実験すると失敗はつきものです。
その際には、新しい文化を作らなければいけません。
たいしたことない失敗は問題ではありません。心配しなくて良いのです。
妻は札幌出身です。スキーのジャンプ場では、
まず転ぶ練習をします。もともと下手だとう状況を通らないと、ジャンプできないのです。
実験して失敗しないと、高みには到達できません。

ダイソンをご存知ですか?
彼らはいつも実験を行っています。
世界で最初のダイソンの実験ストアをオープンしました。
まだ開店していませんが、まもなく開店します。
実験的な取り組みです。
ダイソンはまさに実験で創り出された企業です。

Dyson の本をご覧ください。
サイクロン式の掃除機を最初に日本で販売しました。
それまでに5128のプロトタイプがありました。
予算を出してくれるか?
なぜこんなに数を数えたのか?
常いつもずっとやっていた?
私であれば、1000を超えたら数えるのを辞めてしまいます。
その時、奥さんが居たのか? しんぼう強い奥さんでないとやってられない?

最終的には英国で一番の大金持ちになっています。
たくさん失敗してその上で新しいものを作っていったのです。
将来に向かって学習する企業を作りたかった。

いろいろな企業と手を組んで、プロトタイプを沢山作っています。
なるべく早く、なるべく安くプロトタイプを作らなければいけない。
実験はなるべくはやく、予算をかけずにやらなければいけません。

Elmo's Monster Maker というアプリを作りました。
こちらで、鼻を触ると踊りだすアプリを作りたい。
市場シェアを考えないと行けませんでした。
セサミストリート社は「どうかな〜」と説得されませんでした。
「将来はこうなる」と説得できるようなものを見せる。
あなたが可が得手いることを相手は想像しきれない。
私たちは、会議で、何かしらのプロトタイプを作らないと説得できないと思いました。
あと 1時間しかありませんでした。
あっと驚くプロトタイプを作らないといけない。
相手は NYで私たちは CA で、物理的なものではありあせん。

そこで ToyLab で働く Adam さんに強力してもらいました。
Adam さんの鼻を触ると、踊り出す映像をつくり、送りました。
そうすると「いいですよ!」と言ってもらいました。
実はこれはアプリでも無いのです。



このプロトタイプは相手に YES といってもらうための
一番早くて、一番安い方法です。
このように、その場限りの装置を作ることでプロトタイプを作り
説得することができました。
自分たちの考えを相手に刷りこんでいくことが重要です。
勇気を持って行動し、トライすることが重要です。

テクノロジーと人間を組み合わせていく。
その際は「共感」からスタートし、テクノロジーを用い、
人生、生活を実験の一部として位置づけ、
実験ですから失敗もあります。
人間性を考えテクノロジーを考えると素晴らしいものが作れます。


1/20/2015

[&] 1000 books #37 - melts design





「安藤日記の千冊紹介」37冊目は『融けるデザイン』ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論

渡邊恵太先生の書き下ろし。ギブソンの知覚研究から始まり、最新の持論まで。
出版社のBNNさんから、ご恵贈いただきました。これはじっくりと読まねば。

1-1 文系と理系
1-2 人間にとってコンピュータとは何か
1-3 見立てのプロフェッショナルは誰か
1-4 メタメディア性の発揮とメタファの限界
1-5 メタファのないデザイン
1-6 体験を軸にした設計へ
1-7 体験をデザインする視点
2-1 透明性へのアプローチ1:道具の透明性
2-2 透明性へのアプローチ2:環境の透明性
2-3 インターフェイスデザインの役割 -「可能」のデザイン
3-1 道具の透明性
3-2 Visual Haptics
3-3 投げたボールはどこまで身体か?
3-4 マルチダミーカーソル実験
3-5 認知的非対称性 - わたしがあなたではない理由
3-6 カーソルは身体の延長 - 動きの連動が身体を延長する
3-7 自己帰属感 - 新しい道具設計のキーワード
3-8 iPhoneのGUIはなぜ気持ち良いのか
3-9 自己帰属感と感触 - モッサリ、サクサク
3-10 自己帰属・透明性・道具性・サクサク感・他人
3-11 新しいUXの基礎
4-1 実世界へ直接働きかけるインターフェイスへ
4-2 インターネットのインターフェイス/インタラクション
4-3 情報の道具化の事例
4-4 ネット前提の設計
4-5 暗黙性とインターフェイス
5-1 コンピュータ利用の文脈の変化
5-2 行為・活動に融け込ませるデザイン
5-3 パソコンの前から、動きの中で情報と接する世界
5-4 シングルインタラクションからパラレルインタラクションへ
5-5 制約が生み出す非拘束性
6-1 現象レイヤのデザイン論
6-2 視覚世界は肌理でできている
6-3 リアリティから体験へ - 主観と客観
6-4 ものとサービスの現象
6-5 デザインの現象学をする - 世界はひとつのOSである
7-1 情報と物質を分けないデザイン
7-2 メタメディアのデザイナーたち

1/19/2015

[&] 1000 books #36 - Skunk Works




「安藤日記の千冊紹介」36冊目は『ステルス戦闘機:スカンク・ワークスの秘密』

スカンクワークスとは、航空機開発を行うロッキードマーチンで、先進的開発を行う精鋭部隊のこと。
U-2偵察機、SR-71超音速偵察機、F-117Aステルス戦闘機を創り出す。
名前の由来は、機密保持のために適当な場所が無く、隣りがプラスチック工場で悪臭が漂ってきたかららしい。
読めば読むほど、なんでこんなこと出来たんだと思う一方、数々の困難を乗り越えていく様にワクワクするのだ。

■スカンクワークス 14の基本原則

1. スカンクワークスのプログラム・マネージャーは、そのプログラムを代表し、あらゆる事項を掌握するとともに、技術、予算、生産の諸問題に関して即決の権限を有する。
2. 管理機能は軍、民ともに強力で小さなものとする。
3. プロジェクトに関与する人員をできるだけ少なくし、有能な人材をあてる。
4. 図面管理は変更が容易な単純で融通のきくシステムとし、失敗した際の回復がすばやく行えるようにする。
5. 報告書の数は最小限とするが、主要な結果は必ず記録に残す。
6. 実際に使った費用のみならず、プロジェクト終了までの見込み額も毎月見なおす。この整理の遅れによる費用超過で、いきなり顧客を驚かすことのないように。
7. 下請けやベンダー(部品供給業者)は、われわれが自由に選択できる。
8. 目下、空・海軍に認められているスカンクワークスの検査システムは、軍の企画に合致し、新しいプロジェクトにも適応される。なるべく下請けやベンダーに検査をまかせ、二重の検査は避ける。
9. われわれに最終製品の飛行試験を行なう責任があり、かつ最初にこれを行なう。
10. 部品に適応される基準は、すべて事前に合意されたものとする。
11. 政府の予算執行は時機にかなっていること。この遅れのため、われわれが銀行に走らなければならないなどということのないように。
12. われわれと軍の計画担当者は深い信頼関係を保ち、誤解や不要な文章のやり取りを極力抑えるため、日々の連絡調整を緊密に行なう。
13. 外部からの干渉を排除する。
14. 少数精鋭でいくためには、評価は、部下の数ではなく、成果で行なう。


[&] Big Data and Internet of Things Application (Analytics for Enginnered Systems)



parc (A Xerox Company)
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Big Data and Internet of Things Application (Analytics for Enginnered Systems)
Dr. Johan de Kleer (Qualitative Reasoning and Model-Based Diagnosis)

このプレゼンテーションにお越しいただき、ありがとうございます。
一緒に資料を作ったガングリア氏も来ています。

この話しをどうやってすすめていくか、概念的な話しをして、
具体的な例をあげます。商用化に向かっている例です。
技術の話し、機能している話しをします。
まず IoT、センサーやアクチュエーターによって、
ビッグデータ、モデルデータ、これまでに無い機会が生まれています。

parc であつかっている、コンディションベースメンテナンスを説明します。
最初にセンシングが関わっている、モデリングがあり、
障害の発見、障害の診断、全ての段階で parc が関わっています。

診断の後、診断を行った後、問題を検出したり、特定した後で、
予測という段階があり、いつ故障するのかを予想し、それに基づいて交換することで、
サービス寿命を伸ばすことができます。

予測の後の段階は、診断に応じて、最適な対応ができることができ、
ダウンタイムや故障を減らすことができ、それらの全ての段階にたいして parc が技術を持っています。

Machine Learning
Constraint Language
Knowledge Representaion and Reasoning
Statistics
Modeling Language
Optimization
Operations Researh
Control Theory
FDIR
Reliability
System Engineering

30人の研究者が居る。
様々なクライアントとプロジェクトを進めていましたが、
そのばそのばの場当たり的なものではなく、基盤となるものを提供する。
そのやり方としては、一つ目、データが中心となり、シグナル、データを元にするもの。
出て来たデータから、どこがおかしくなるのかを診断します。
動作が中心になっている、モデルベースのアプローチもあります。
システムのモデルを構築することで診断をやっていくものです。
モデルから推論していくものです。

Modeling Process (mutiphysics models)
https://www.modelica.org/
モデリングのプロセス、車のモデルの例、MODELICA という言語でモデリングしています。
既存のライブラリがあって、コンポーネントが無い場合は、自分で式を書くこともできます。
パワートレインの場合、1万もの要素が関わってくるものになります。
こういったアプローチは比較的新しいものです。
モデリング言語が使えるようになったのは最近で、コンピュータ解析できるようになったのも最近です。

使い方は、物理的モデルがあり、物理的モデルに対して現実と比較し、予測と実際のシステムとの比較をし、
現実の物とモデルとの差分が生じます。その場合どこか違うわけです。
その情報をもとに、どこが違うのかを特定していきます。

モデルベースの診断は、parc で開発したもの、アルゴリズムもベストなものを持っていますし、
巨大なモデルにも当てはめることができます。

もう一つの、データからのアプローチを紹介します。
データが中心になったアプローチは、
まず診断、予測、異常の検出です。
このデータが中心になったもの、オフラインとオンラインのものを使います。
まずオフラインは、障害シグナルを取得します。
そして、トレーニングセットの学習が完了しましたら、オンラインデータと比較します。
オンラインデータとして、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン SVM などを使った学習です。
予測の段階では、時系列の解析ツール、ARMA など。
異常検出の場合、オンラインのデータのみ、蓄積していって、何が正常であるのかを学習し、
その学習の場合、Density ベースのメソッドを活用

データドリブンの方法と、モデルベース、
データが沢山とれる場合もとれない場合、モデルにあった場合、合わない場合がある。
モデルベースの場合データそのものの量が沢山必要なわけでは無い。

設計、デザインに関する知識、データ中心の場合は特に関係無いが、
モデルベースの場合、設計知識が重要になる。
必要な労力は、データ主導の場合は、測定に応じて労力が比例する。
モデルベースの場合は、システムの複雑度に対して労力がかかっていく。

その次が、融通性です。他のものへの再利用は、
データ中心の場合は、他には再利用できない。
モデルベースの場合、エンジンのモデルを作れば、他のエンジンにも応用が可能になる。

特徴量の抽出、データ主導の場合たくさん必要、
モデルベースの場合はそれほど必要では無くなる。
アプローチを構築するのがどれだけ大変か?データ主導の場合、非常に労力がかかる。
モデルベースの場合は、特に選択を気にすることなくできる。

さらにどういうところを目指しているか?自己適応していくような機械を目指している。
データ主導の場合に比べて、モデルベースの場合は自己認識マシンにつながっていく。

これを発見するには、非常な大変な想いと経験から導き出したもの。
データも無いし、モデルも無い中で、調べながらここまできました。

例:これまで取り組んできたもの、
軍用車、製造現場、列車のシステム、バッテリー、赤色LED、電力システム
プリンタ、製造現場のフロアレイアウト、車の状態をコントロールするものなど。

リチウムイオン電池のケース
ハードウェア、ソフトウェアの両方が関わっている、
バッテリーに設置するセンサー、光の回折が計れるセンサーが入っていて、
電池内部の歪みと温度を計測することができるもの。
このようなセンサーの利点は、センサーが安価であること、
最高の状態で精度が 5%???, さらに充電速度を早くすることも求められている。

充電状態と、バッテリーの劣化状態を確認したい。
どのようなアプローチを取るかは、電池のモデルは存在せず、
メーカーから情報を提供してもらえなかったので、
データを中心とした解析をすることにした。
データを測定、バッテリーの温度と内部歪みの測定データをラベリングしていきます。
動的時間伸縮法を使っていて、
時間を横軸に、波長のシフトを縦軸に、トレーニングデータ、実際のテストデータを取る、
意味のあるデータが導出されるようになる。
この Dynamic Time Warping は、とれるデータが少ない時に役立つ。

実際の充電状態と、エラーの相関、1.4% で、想定していたものよりも遥かに低い。
ハードウェアと、データによる取り組みを組み合わせたもの。

軍用車両は、ドアがよく壊れるので、ドアに関する解析。
産業用アクチュエーターの診断データにかける。
トレーニングデータとして提供されたものは、シグナル、どれがどの障害にあたるのか。
ここではモデルベースを使うこともできたのですが。
このような処理を行うアルゴリズムを作り、納入した。

アルゴリズムのためのデータ、
どういう障害があるのか、どのような状態なのか?
特徴量の作成について。
データ主導のアプローチの場合、必要になる作業。
時間軸でみると、特徴量を定義していきます。
最初に上がったのは、最初に落ちたのは、それをみていくつかのステートに分けていきます。
それぞれのステートに関してまとめを作っていて、
最少、最大、意味、標準偏差、継続時間など
信号を変換し、機械学習を適応していき、
この信号であれば、この状態であるということが特定してくことができます。

機械学習で多くのデータを解析することで、データの中のどのサブセットが故障にかかわっているのかが解ります。
コンド行列に関して、コンディションにおいては欠かせないもの。
理想的であれば、とられたデータをアルゴリズムのより分類が合致する、実際は 90数パーセント
どれだけの場合、正しかったか、間違ったのかをみると、分類精度がわかります。

ライフサイクルコストがどこに関わってくるか?
非常に早い、上流の段階で関わります。
多くのお客様にとって、信頼性が大きなコストに関わってきます。保証など。
これは、国防総省の案件で、信頼性が組み込まれた形で物が出来上がってこなければいけない。
このシステムをまず最初に開発し、それを商用化するために簡略化して開発しました。

はやい段階でモデル作成を行い、障害を組み込んだモデルを考えていきます。
障害がある設計のシミュレーションを行い、
最終的な結果は、障害が発生するリスクを受け入れるためには、どれぐらいの頻度でメンテナンスすれば良いのか?
実際に Web サイトで使えるもののあので、

FAME System Requirement Assessment Tool
http://fame-deploy.parc.com:2040/

エンジンのトランスミッションの例
システムの構成、システム、ミッションを何回、要件、要件の確立を設定。
自動的に成功率を出すための回数がでてきます。
こういったものがあると、設計者に役にたつ。
どのコンポーネントの障害が、全体のパフォーマンスに対して致命的なのか、
どれぐらい使ったらどうなるのか?
そのシステム構成がもっとも信頼性があるのか?どのようなメンテナンス戦略があるのかが判断できる。

もうひとつ良い点は、エンジニアリングをやり過ぎにならなくてすむ。
信頼性が必要だということで、必要以上に頑丈に作る必要が無くなる。

パワートレインの例、3877のコンポーネントがあり、
全ての障害の解析を行うには 17時間かかる。

parc で目指しているもの、
何かが壊れてから対応する。
予防保全。
コンディションベースのメンテナンス
自己対応型、障害が起こった時に、システム自体が自己対応するもの。
ある一つの車両に起こった問題対策があれば、他の車両にも対応できるというもの。

Contact: aki _at_ parc.com

1/18/2015

[&] 1000 books #35 - Cinemania 100



「安藤日記の千冊紹介」35冊目は『シネマニア100 未来に遺したいSF映画100本』

SF映画未来年表とか、SF名監督25人とか。資料性の高い一冊。
100本のリストは、納得の一覧。たぶん全部観てる.....
渋くてマイナーな良い作品もちゃんと入ってます。
2001年宇宙の旅とか、バック・トゥ・ザ・フューチャーとか、とっくに現代が追いついているのに、
なんだか全然古びない不思議。


1/17/2015

[&] 1000 books #34 - Create like a god, command like a king, work like a slave




「安藤日記の千冊紹介」34冊目は『神のごとく創造し、奴隷のごとく働け!』ガイ・カワサキのビジネス革命ルール

アップル社のチーフエバンジェリストであった、ガイ・カワサキ氏の著書。
最近であれば、スタートアップ界隈の指南書は多いけど、1999年のこの本は、
まだピンとこなかった事柄も今なら納得できる。

日本語のタイトルは短く省略されていますが、本来は
"Create like a god, command like a king, work like a slave" と、
「王のごとく指揮を執り」という言葉もある。
もともとは、彫刻家のイサムノグチの師匠でもあるコンスタンティン・ブランクーシの言葉。

1/16/2015

[&] 1000 books #33 - The Art of PIXAR




「安藤日記の千冊紹介」33冊目は『The Art of PIXAR』
The Complete Colorscripts and Select Art from 25 Years of Animation

ピクサーの25年の歴史の作品の中から、カラースクリプトだけを載せた本。
カラースクリプトは、ストーリ全体の感情の起伏、各シーンの雰囲気を色で表現した設計図のようなもので、
アニメで言うところの色彩設計とはまたちょっと違う。

一番のお気に入りはインクレディブルかな。
完成版の映像と比べると、ほど遠いくらいラフな画像なんだけど、
なんだか全てを物語っているような気がするのだ。


1/15/2015

[&] 1000 books #32 - SFX Cinematic Illusion





「安藤日記の千冊紹介」32冊目は『SFX映画の世界』

コンピュータグラフィックスの特殊効果で何でもできます!みたいな時代の前の話し。
フィルムによる合成や、ミニチュアによる特殊効果など。
CGのアルゴリズムや、今でも使われているテクニックなど、この時代に工夫して構築されたものが多いと思う。
少し前のCGで、凄く古びて見えるものもあれば、数十年前の特殊効果が、全然自然に見える時もある。
考えれば確かにそうなんだけど、いったいその現実感の違いは何からくるのだろう。
精巧なミニチュアだから解らないという物でもなく、カメラアングルやフォーカスなど、撮影技術と密接に関係してくる。
いったい動画像から、大きさを把握する目の仕組みは何なんだろう?と考えると探求は尽きない。