10/30/2013

[&] timeless racer * Daniel Simon



timeless racer * Daniel Simon
http://danielsimon.com/



ようこそ、おいでいただきありがとうございました。
今日はとても大切な日です。timeless racer を初めて見る日です。
僕のお母さんもまだ見ていません。

今日の90分のプレゼンテーションですが、3つのパートになります。
最初は、本に書かれているわけでは無いのですが、映画オブリビオンの
仕事を紹介します。
その次は timeless racer の歴史、最後にメイキングをご紹介します。
この5年ほど、映画の仕事をしてきました。
TRONレガシー、キャプテンアメリカ、
トロンは未来、キャプテンアメリカは過去をデザインしなければいけませんでした。
古いものをデザインするというのはエキサイティングなことで、
それまで古いものをデザインするという考えはありませんでした。
第二次世界大戦において、未来であり、かつ古いものを
デザインすることになったからです。

最初に timeless racer について紹介します。
テレビアニメ番組の TRON の仕事もしました。
基本的に同じストーリーなのですが、予算の関係で、
話の展開を早くしなければならないなど、色々と映画と違いました。

その後、ドリームワークスの仕事、オブリビオンの仕事をしました。
ドリームワークスは一年半、オブリビオンはトータル一ヶ月半?くらいでした。
画面に大きく映るので、挑戦的な仕事でした。

オブリビオンの話を主にしたいと思います。
まずはトレイラーをご覧いただきましょう。



見て頂ければわかりますが、凄い映画です。
これは、非常に多くの人が仕事をしたわけですが、
これは、私を含めたアートデパートメントのメンバーです。
ディレクター、プロダクションディレクター、アートディレクター、私です。
この監督ですが、デザインの決定も全て監督が行っていました。
このアートディレクターは具体的な仕事、スケジュールを担当しました。

2009年、映画ができる何年も前に作ったスケッチです。
デザイナーとしておもしろいのは、監督のアイデアということです。
監督のツールとして仕事をしました。
この映画ができたのは、別の人のアイデアなのです。
監督が何を考えているのかを考えてスケッチを書きました。

最初にスケッチしたのはトンボ風のヘリコプターです。
実際に作らなければいけないので、経済的な観点からも考えなければいけませんでした。
アニメーションであれば、ヒーローの都合で何でもできるのですが、
今回は実写で作らなければいけなかったので、困難を極めました。
俳優が実際に中に入って、操作で手が届かなければいけませんし、
そもそも中にはいれなければいけません。
トムクルーズはとても巨大なシートベルトを付けていました。

その一方、スタジオの人を納得させるために、
毎週毎週、フォトレンダーしたCG画像を見せなければいけませんでした。
学校の作品であれば、最終作品を作れればいいですが、
映画の場合は、毎週毎週作らなければいけなかったのです。
3Dレンダリングの作業を改善する方法があります。

スケッチ、これが作業机です。
狭い場所で、コンピュータがあり、
小さな模型のスケールモデルと、カルフォルニアの光を避けるサングラスが必須です。
映画製作でおもしろいことの一つは、他のアートの仕事をする人、
ストーリーボードを作る部門の人の仕事を見ることができることです。

最初にテスト用のモデルを作りました。
とても安価なフォームで作ったものですが、
そこで多くのことを学びました。
最も重要なことは、トムクルーズがこれをどう感じるかということでした。
彼と一緒の写真を撮るために、とっても近づきましたよ!(笑

なぜかというと、一日 8時間、撮影で座り座り続けなければいけないので、
コントローラなど全て、彼のためにデザインしました。
例えば、ジョイスティックも、彼の手にフィットするようにデザインしています。
いかに正確でエレガントなのかが解ります。
70年代のモノを作るのが好きなのですが、ここではそうしていません。

もうひとつ、問題がおこりました。
撮影のため、アイスランドに持っていかなければいけなくなり、
航空機でどれくらいの大きさのモノが運べるのか、航空会社に電話して尋ねました。
運ぶために、切断して運ばなければならず、デザインをそのために変更しました。
困難はどこから来るのかわかりませんね。
でも、それがプロフェッショナルの仕事です。

次の問題は、シップの内部に細かい部分を作り込まなければいけなかったことです。
こうしなければいえなかったことの一つは、
絶対に俳優が頭をぶつけないようにすることです。
Autodesk Alias を使ってモデルを何度も作りました。
作ったモデルをロスのファクトリーに送りました。
まさにおもしろい部分はここから始まります。

時間が短かったので、その中で造り上げるのはチャレンジングなことでした。
非常に効果な部品や装置を作り込むのもチームワークでした。
ドアですが、3Dモデルの時は大丈夫だったろころも、模型だといろいろ問題がありました。
全ての細部でも、作り込みが必要でした。
IMAX シアターでは非常に大きく映るので、精密に作らなければいけませんでした。
アイスライドに送る、5時間前に完成しました。
通常は仲が良い仲間なのですが、とても険悪な雰囲気でした。

話をするというのがデザインの大きな部分なのです。
このシップを作ったチーム全員です。
コンピュータで作ったモデルと、制作した実物大モデルと非常に近いものでした。
唯一違うのは、シートベルトだけです。

敵のドローンです。
非常に大きな問題は、突起のある球をつくらなければいけなかったことです。
球はおもちゃのような可愛らしいもので、兵器には見えません。
球はキティちゃんのように、顔を描くことで、違うキャラクタに見えることにりました。
最終的は、iPhone のカメラに見えるようなものになりましたけど。
現地で、フォークリフトで運ぶのが凄く楽しかったです。
ビルドにかかる前の 3Dモデルは、同じように見えました。

[キャプテンアメリカの車]

キャプテンアメリカを作った時が、timeless racer を考える重要な転機になりました。
1940年代の車を参考にしました。
NVIDIA GFORCE 上の非常に速いレンダラーを使ったのですが、
一ヶ月以上かかりました。

■THE TIELESS RACER

オブリビオンの 1日後にはじめました。
ストーリーを考えるのに 1年かかりました。
フェラーリみたいな車を作るのですが、過去ではなく何十年にわたるストーリーを
作ろうと考えました。
未来のツタヤに行って、非常に分厚いホンダやトヨタの本を買うことを考えてみてください。
1916年から 2615 年までのストーリーを考えることにしました。
666年分にすることも考えて、
Facebook にそのアイデアをポストしたんですが、あんまりウケませんでした。
今後も本をだしますが、この時代のどこかに位置します。
今回の本は 2027年です。
スムーズに入っていけるように、近未来をテーマにしました。

いつも同じドライバーを使いたかったのですが、タイムトラベルすることにしました。
1916に仕事を始め、1986の車です。
そのドライバーには息子が居て、彼がヒーローです。
彼の夢は、父のようなドライバーになることです。
彼が 20代に成ったときに、ある意味(仮想の)タイムトラブルが可能になりました。
そして、これから出して行く何冊かの本で、タイムトラベル先でいくつかの車に載るシーンを描きます。
必ずしも車の話だけではありません。
これから 2年ごとに本をだしていく予定です。買い続けてね!

この本を書き始めた時、それほど沢山のドロースケッチは書きませんでした。
教科書ではなく、ストーリーブックを作りたかったからです。
ストーリーに集中しました。
あとで、実際に変えるかもしれませんが、現状はマスーチの話です。
彼は私の妻のおじいさんです。これはファミリービジネスです(笑
彼は誇り高きエンジニアでした。
実写と、CGをミックスしました。
リアルタイムレンダリングは非常におもしろいものです。
スタジオでリアルタイムレンダリングするのは非常に簡単です。
実際は特殊なものです。
本物のレーシングカーをスタジオに持ってくるのは特別のこのです。
実際のレーシングカーを撮影するのは簡単なことです。
しかし、それをコンピュータでレンダリングするのは困難なことです。
その平行線が非常におもしろいものでした。

車体を押さえつけるファンがついているのですが、
80年代に実際にそういう車体がありましたが、現在は禁止されています。
そのため、レーズの直前にウィングを付けなければならず、
運転が非常に難しく、ドライバーは死んでしまいました。

父親と同じ、13番のナンバーをつけています。
彼の父親レーサーはいつもレースに遅れてくるため、
残った番号である不幸の番号、13番しか残っていなかったのです。
逆にそれが彼のラッキーナンバーとなり、息子も同じ番号を使うようになります。

車にたくさん説明書きを書くのを楽しみにしています。
可愛い女の子(レースクイーン)もね。

仮想の、石油会社も作りました。
コピーライトの問題があって、現実の会社名は使えないので。
実際は、スーパーの裏で撮った写真なんですけどね〜
ちょうどその時、スーパーのオーナーが通りがかって、
「出て行け!」と言われました....

全ての車は作るのに何ヶ月もかかります。
「フランス」と言えばなんでも、かっこ良く聞こえます(笑)
これがヒーローが打ち負かせなければいけなかたtフランスのチャンピオンです。
これは僕の友達で、彼がブロンドの女の子(女優)が欲しいといったので...

本国版が出る前に日本語版が出てしまったのですよ。
日本語版用にレイアウトを変えなければいけませんでした。

なんで一人の人間が 48時間レースを出来るのか?
それは本に書いてあります。
話は次に続きます。次の本の冒頭に続きます。
本のスポンサーが全てここに書かれています。
ストーリーの輪が閉じる瞬間です。最初のレースと、未来のレースとの輪が閉じる瞬間。

次回をお楽しみください.....

■メイキングについて

これが最初の車の3Dモデルです。単純な形なので一日でできました。
これのポテンシャルが解りました。
最初の日に、本の全てのページのレイアウトをしました。
見たところ、白い何も無いページがいっぱいあって、怖いものです。
車のデータだけの本が非常につまらないものです。
腰を押し付けて、歴史を描くことにしました。
それは非常におもしろいものになりました。
実際の人々に質問し、会う必要がありました。
2回ルマンを走ったレーサーに会うために富士スピードウェイに忍び込みました。
実際のストーリーで本はおもしろくなるからです。

実際の、小さな本を作って、流れを把握しました。
これは豆本は私の最初の本です。フローを把握するための本です。
Autodesk Alias を使って、作りました。
単純なモデルですが、単純なので、ずっと修正し続けられるのです。
毎日修正しづけました。品質は重要ではなく、修正し続けることです。
寝る前に修正する箇所を書いて、直しつづけました。
前のモデルと比較して修正しづづけます。
最終的な 3Dモデルです。非常に詳細部分も作り込んでいます。
SolidWorks を組み合わせて使っています。
SolidWorks のオペレータを雇って一緒に仕事しました。
彼は、全てのネジをモデリングして、本物っぽく見えるように作り込みました。
私はクリーンな車が好きなのですが、汚れた感じも必要でした。
未来の車は常に綺麗な、汚れがはがれ落ちてしまうようなコーティングがあるかもしれないからです。
例えばスターウォーズでも汚れを付けるのは楽しい作業ですが、
未来の車も時には汚れがついています。
汚れにはバンクスピードを使いました。
多数のシェーダー、テクスチャマップを使いました。

グラフィックデザイン、車ではなくそのほかのものです。
ロゴは会社の誇りです。
ロゴにもストーリーを入れました。
我々だけの秘密です。
MASUCCI はとても早く、夜明け前に仕事に来ます。
北イタリアで、窓から外を見ると、コーヒーを飲むことに
朝日が登ります。その時に雪がつもった二つの山と、朝焼け、
そして、MASSUCI の M を表現しています。
テストのために、おっさんが2人映ってます。

キッチンからベンチを持ってきて、レーススーツを来て撮影しました。
影と光を気にすることで、昔ながらのやり方ですが、うまく素材が作れます。
CGと同じように、色の照り返しを表現するために、色の紙を置いて撮影しました。
車への映り込みのために、いろいろな方向から写真を撮っておいて、素材にしました。

LAでは路上で酒を飲むのは禁止されています。
その中で3台のカメラで優勝シーンを撮りましたが、10秒後に警察がきました。
一日中撮影しましたが、最終的に使ったのは5枚だけでした。

出版社でページを選びました。

最後に色の話です。
映画と一緒です。本の場合、表紙から全てを見るのです。
これが最終版、車を横にしたかったのですが、
車が動いている感じがしないので、最終版は車を横に映しました。
本の中には非常に沢山の技術情報が書き込まれています。
前の本では気にしませんでしたが、今回の本では現実的にいくことにしました。
レースコースもデザインしました。日本のコースが最初に書いてあります。
(ブラジルでプレゼンするときは、この順番を入れ替えます(笑))

来週 1113 冊限定の特別版を出版します。
313 冊限定の、メタルプレート付きの超特別バージョンも作ります。
古いエンジンのように名前が刻印されます。
もしもしあなたの名前が長い時は、この本を買ってはいけません(笑

限定版は、design studio press 経由で注文してください!

Q. なぜ車のデザイナーから映画の仕事をするようになりましたか?
A. ハリウッドは全てお金です。まだカーデザイナーですが、
デザイナーは常に新しいもの、まだ見た事がないものをやりたいというのです。
実際の車のデザインをするたびに「見た事あるよ!」となります。
未来の車やスペースシップをデザインするたびに、
感情を押し進める力が沸いてきて、デザイナーにとって重要な事なのです。
良いくるまのデザイナーは非常に多いので、私が新しいことをもたらすのは難しいと
思っています。けれど、車会社の人がいたら、ぜひ声かけてください。

Q. どの年代でどのような仕事をしてきましたか?
A. おおきな会社の仕事をするのは需要だと思います。
未来のあなたの顧客になります。
この本を書いている時も、昔の上司のことを思い出します。
その上司は非常に厳格な人でした。
何歳になっても、ステージに立つたびにクールな振りをして、
バランスを保つようにしています。

Q. どうやってアイデアを新鮮にたもっているのですか?
A. 野菜を食べています(笑
インターネットの発展で独自の発想は難しくなってきていると思います。
たった 10分コンピュータを付けるだけで、1年間考えていらようなことが
あっという間に手に入ってしまいます。
実際、正直なところ、20年前の車をデザインしているわけですが、
ただ、トリックというかコツは、既存のものを全く違うコンテストの中に置くということです。
スチームパンクがその一つの例です。蒸気機関をまったく違う時代に置いてみるのです。
これは、このからの本で書くつもりですが、クールなレースの時代を
まったく違うコンテキストに置く予定です。

Q. コンセプトデザイナーとして困難なことは?
A. いつも困っています。
車のデザイナーだとしましょう。今年の車の仕事をしているとします。
2年後の仕事をしているとします。非常にクール。
新しい車に非常驚くべきです、みんな新しい車だと驚くかもしれませんが、
しかし、コンセプトデザイナーは未来の6本足のクモ型ロボットを考えます。
ところがこれ、足が8本じゃないから、クモ型ロボットじゃないといい始めます。
コンセプトデザイナーは常に何かと比較される運命にあります。
その何かと違ったものを作るために非常に違いを作らないと行けません。
ユニークであるために、背景に詳細なストーリーを造り上げておいて、考えます。
どっちかというと、酒のみながらの話ですね〜



10/28/2013

[&] Sprite Animation Studios * motosakakibara


( via. www.spriteanimation.com )

BAクリエイターズサロン
「Mission:Impossible オリジナル作品をピッチせよ!」
榊原 幹典氏 Sprite Animation Studios @motosakakibara
http://www.spriteanimation.com/

自分の仕事の性格上、アートの話にかたよってしまうかもしれませんが、
話せることを一時間話したいと思います。
自己紹介すると '87 に JCGL という日本最初のCGプロダクションに入りまして、
一年でつぶれてしまいましたが、ナムコ、CGを未来のゲームに活かしたいということで、
ナムコで数年間働いたあとで、HD-CG NYという会社が立ち上がって、
JCGL 時代の先輩がそこで働いていて、呼ばれていきました。
その頃は CG アーティストという、最近ではモデラーとか分業されていますが、
その頃は始めから最後までやります。けっこう馬力があったので、

SIGGRAPH にも '83 頃から参加していました。
JCGL に入ったころに最初に見た Juxo Jr. は衝撃で、
アートとテクノロジーの融合の象徴でした。
その頃から、アメリカに目が向いていて、一流のアートと、
一流のテクノロジーの中で仕事したいと思っていました。

NY で 2-3 年やっていた頃に、
日本で声がかかり、スクエアに入りました。
調度 PlayStation 、ゲームに CGが取り入れられる時代の変わり目でした。
常に新しいムーブメントが起こる時に、チャンスが回ってきました。
飛びついてやりました。
FF7 という作品と、FF8 の 2本です。
その流れのなかで、ハワイでフルCGの映画を作るという話になって、
その当時、フルCGは珍しかったのです。

ハワイに行った後、映画が公開されたら、プロダクションはクローズされました。
多くの人は。LA に帰っていった人も居ました。選択肢があったんですが、
キャリアとして 15年くらいやっていて、
自分のやりたい仕事がやりたいと思って、やりたい仕事の場所が無いと思って、
自分で仕事を作ろうと思って、会社を作りました。
それが 2002年です。

今日の話は「ピッチ」オリジナル作品を作ろうという話です。
2002 年に立ち上げた会社が SPRITEスタジオという会社です。
ハワイなんですが、CGのスタジオと同じように、真っ暗で寒い環境です。
朝早く会社に来て、暗い中で仕事して、夜遅くに帰るので、どこに居るのかわかりません。
ファイナルファンタジーを一緒にやっていた仲間と立ち上げました。
日本でオリジナル作品を作るよりも、アメリカでやった方がやりやすいのではないかと思いました。
日本だと、まずマンガ?小説?と凄く難しい環境だった。

ハワイだと、アーティストを集めるのが難しく、LA に行くことになります。
LA に行ってから、オリジナルのコンテンツ作りと売り込み。
最初のミッションはオリジナルコンテンツの開発(北米における)。
FFの映画をやっていましたが、もっとカートゥーンぽいルックの
作品を作ろうと思いました。
CGの受注だけではなく、ストーリーやキャラクタも造り上げる仕事です。
ディズニー等に、オリジナルの作品をスタジオにピッチするのと、
スタジオの方から開発を依頼されることもあります。
北米でのノウハウや実績を作ってきました。

[ デモリール ]

自分たちで勝手に作って、勝手に売り込む作品です。
三本、作品を見てもらって、観客の人に、Sprite がやったんだな〜と
気づいてもらえるようなスタイルを目指しています。
なるべくブランド、オリジナルのルックを持って、
極端にそこかは外れるものは、やらないという。

スプライトらしさというのは、まずメジャースタジオの予算をターゲットにしない。
CGで言うと、10億、40億、100億というランクがあって、
30-40億を狙うものもあるのですが、
大きな予算をターゲットとしないというコンセプトで、やっています。
CG的にヘビーな毛や服の表現をしないで、
出来ないのではなく、やらないというデザインでやっています。
作品に引き込んでしまえば、髪の毛がフサフサしていなくても気になりません。
2002年は 100億円かけた作品なんですけどね〜
そこで使った体力や苦労が経験になっています。

ディズニーから開発の依頼をうけてピッチしました。
なんどか通ううちに、プロデューサーに気に入ってもらって、
君たちのスタイルを気に入っているので、君たちのスタイルでやってくれ!という
循環です。

シンプルなものがベストだと考えていて、
他の国の人と比べて得意な分野で、足していくのではなく、引いていくデザインをしています。
やり方を間違えるとチープになってしまうので、
カーブの使い方や、面の切り替わりで、すごく気をつかっています。

自分たちでデザインを始めた場合もあれば、
デザイン画をもらって、スプライト風のキャラクタの依頼がある場合もあります。
実際にやりとりしていくなかで、ディレクションしてもらう例もあります。

自分たちのオリジナルもあれば、
依頼があってやる場合もあります。
LAですと、時差無しで、作業できます。

アフリカを舞台にした動物ものの企画ですが、
毛の表現を避けようとなり、ただ無くすと、出来てないと思われないように、
木彫りのようなカービングのモチーフを使いました。

■オリジナル企画の売り込み
LA に引っ越してから、本格的に。
まったく知らないところから、はじまりました。
自分はクリエイターなので、スプライトが何ものであるのか?
最初に名刺代わりのようなプロモビデオを作りました。
最初に考えたのは、アジアの文化から来ているということを活かして行こうと。
西遊記というのを題材に、アメリカのセンス、
自分が考えるアメリカのセンスとミックスして作品を作りました。
スタジオの人に見せたり、フィルムフェスティバルに出したりして始めました。

LAに居ると、誰もがひとネタもっています。
おもしろいおもしろく無いは関係なく、すぐにひとネタでてきます。
会社としてやっているので、1アニメーターがプロデューサーが話すのと、
会社が話すのは、違いが無いので、
目立たないとだめなので、デモリールを作って、
感性が会う人を探していって、会うひとを探すということをしていきました。
ビデオがリトマス試験紙でした。
まったく感じてもらえない人も居るので。
映像をみて、アプローチしてくれる人もいました。

2005年、Monster Samurai という作品です。
6分の作品を作り、ビデオをみたら全部わかるという作品にしました。
カートゥーンネットワークに、プロデューサーに見てもらいましたが、
その当時、サムライものをやっているのでイラナイと言われました。
最初の足切りみたいのがあります。
あーそうなんだと思って、ビデオを置いてきたのですが、
会った人ではなく、他のエグゼクティブが、ぜひやりたいと、
ダメだと言われた次の日に、やりたいと言われました。(当時サムライジャックが放映中)

■オプション契約

スタジオが気に入ったら、一定期間開発する権利を得ることです。
いいところは、開発の予算が全てスタジオから出ることです。
シナリオライターにお願いしやすくなるとか、
自動的に放映が決まるとか。
悪い点は、通常2年、1年、ロックされているのが何点。
他にオファーがあっても受けられない。
競争が激しくて、年間20本開発しているらしく、
年20本の企画のなか、7本くらいが作品になって、
最終的に 2本くらいが制作にこぎ着けるということになっている。
オプション契約になる前に 100本くらい持ち込まれている。
担当者の意見を取り入れて行く試練が待っています。
そのせいで黄色いキャラクタが、マッチョな紫のキャラクターになりました。
コメディ色の強いのんきなサムライを作りたかったのですが、
アクションものを強調していきたい、おもちゃも売れる作品にしたいということで、
なじみのない紫色のキャラクターになってしまいました。
黄色はスポンジボブの色だから辞めてくれ..... という話でした。

だんだん最初にやろうとコンセプトからずれてきました。
はじめてアメリカのスタジオとの制作でした。
企画した時の、ナマズのボスキャラ、コミカルなものです。
これがカートゥーンネットワークでは、こんな風に、
シンプルなものではなく、もっとディテールを出してくれと言われていきました。

■承認の階層
承認される階層というのがあります。組織図もわからなかったのですが、
最初偉い人なんだな〜と思っていた人の上にも、何個もレイヤーがあって、
LAスタジオと、アトランタの本社があり、番組編成とかはアトランタで全部やっていて、
さらに先にプレジデントが居て、何段階もある中をくぐり抜けていかなければいけません。
アジアやヨーロッパに部署があると、海外の人にも意見を聞き始めます。
無数の意見を聞いてくることになります。
例えば、アジアならこういうのはウケ無いとか、ヨーロッパだと受けないとか。
だいたいコンセプトが強いと、角が取れて、丸くなって、老衰のように消えてなくなります。

モンスターサムライの結末。
開発は順調に進んで、2年かかるところが10ヶ月ぐらいでできあがり、
2006年クリスマス頃、いけるね〜という話をしていたのですが、
数週間で雲行きがあやしくなってきて、会社のトップマネジメントが入れ替わってしまって、
上の役員が変わると、全部捨てられてしまって、
結局は、開発を勉強させてもらった.... という結末になってしまいました。

次はゲーム感覚でいこうかと、6分のデモにもお金がかかってしまっていたので、
今回1枚の絵でピッチしようかと。
ディズニーに持ち込みました。
ゾンビの世界でのワイルドなカーレースというコンセプト、その中に普通の少年が
紛れ込んで.... というストーリーです。
語学力が無いので、インパクトのある絵を見せて、キーワードを話すと、
言葉を言わなくても、妄想を膨らましてくれます。
これも、ラッキーなことに、持ち込んですぐに気に入ってもらって
ピックアップされました。
いくら持ち込んだ先が、エライ人に見えても、その人にも上司が居て、
上司に向かって説明しないといけないのだが、説明が難しい作品はそこで終わってしまう。
そういう意味でいうと、誰がピッチしてもおもしろい、シンプルで強い作品。
語り継がれて生き残っていく作品が強いです。
これも途中で、開発のトップが変わって..... 2-3年の周期で変わっています。
企画の周期が1-2年だと思うと、エグゼクティブが変わらないうちにやらないといけない。
開発の途中で、これをスポンジボブみたいにならないか.... と言われて、
そのまま開発続けることもできなくも無いのですが、
まあ、作品を円満にオプション契約を破棄して、権利を戻してもらいました。

次は、スタジオに持ち込んでピッチするシリーズなのですが、
業界のカンファレンス、フィルムフェスティバル、世界中から放送局や配給会社が来ていて、
共同制作の道を考えていきました。
いかに日本が不利かという話がわかりました。
イイ話をしているのは、フランスやカナダ、税制メリットがある国が強いです。
助成金があるので、2-30% の労務費が戻ってくるとか、
全体予算の 50% は割と簡単に集まってしまう。
国内で作った作品をピックアップしようとするので、フランスのプロダクションや、
カナダのプロダクションは、50%くらい資金が集まっていて、
いいな〜といつも思っています。
日本の場合は、そういう税制優遇は無いですし、日本は高いというイメージがあって、
韓国に頼んだり、インドに頼んだり、
日本がイイヨ!と言えないのが難しいところです。
世界のマーケットで売ろうとすると、レギュレーションが厳しく、
イギリスだと刃物が出てくる瞬間にアウトとか。
代替案として、光り物の魚にしようかと、話をしますが、
最初に刃物を見てしまうと、あぶない作品だと思われてしまう。
いろんな人の意見が聞かされるので、
自分でもなんだかわからなくなってきます。全然違うことを言う人がいます。
プロデューサーと、作る人とをちゃんと分けるといいのかな〜と思います。
カンファレンスに来ている人は、購入担当や、話を聞いている人は、
別にアニメが好きな人ばかりじゃなく、そういう人に作品のことを話していくのが
むなしくなったり、テレビもっていない人もいたりして....
日本だと情熱で動くときもありますが、かなりビジネスライクだな〜と思いました。

OWLY という、おもしろいなーと思ってアーティストに電話して、
作品制作しないかと持ちかけました。
まったくオリジナルだと手が出せないということもあって、
世の中に出ているものだとやりやすいというサラリーマン的考えもありました。

Toy の露出から始めようかという
2010コミコン、トイナミという会社に協力してもらって、
限定発売 1000個反販売しました。
少しでも、世の中に出ていると進みやすい例です。

自分で思っている、やってて良かったな〜と思うのは、
モンスターサムライも、まだ声がかかっていて、
ジムヘンソンから声がかかったり、映画化の案があったり、
WILD Bone に関しては、ディズニーから契約を取り戻し、ヒットエンターテインメント
とやりましたが、マテルに買われて....
一喜一憂しても仕方が無いので、どこかに周期にあたってミートして行けばいいのかな〜と

あまり最初に建てた企画を変えるわけではなく、
どこかでマッチすれば良いのかなと。
2005年に作ったものが 2013年に声がかかるということで、
賞味期限が短いわけではないので、ポートフォリオにしていくのが大事だなと。
一本世の中にでたら、皆が振り向くチャンスがあります。
ポートフォリオを作ってコツコツとやっています。

オリジナルの企画を作っている理由の一つは、
上流からかかわっていると、プロダクションにもメリットがあります。
毛の表現は辞めましょうと、作っていくと、手間が減って利益として帰ってきます。
手を抜いているわけではないので、クライアント側も満足してくれます。
日本とアメリカの両方で成立する作品は作れないのか?と言われますが、
特にコメディは全く違い、
例えばパックマンは編集のスタイルやスピードもテンポも全く違いますし、
セリフのギャグも違ってわからなかったり。

スタジオに持っていくピッチのパターンと、
カンファレンスのパターンと話しましたが、
ネットの広がりで、Amazon Studio が出来て、
Amazon がアニメーションを作ろうという取り組みが始まっています。
Netflix のように月極で配信していくことが始まっています。
ユーザーからの評価が高かった作品を次のステップに進んでいきます。
フィードバックによってコトを進めていっています。
Amazon のサイトに行くと、アニマティックスというビデオコンテを見せています。

最近は実写も取り入れた作品をやっています。
ポートフォリオの一貫として、実写畑の人もわかるもの、
ルックが飽きてきたので、新しいものをやってみました。

映画の企画として持ち込まれた作品で、
プロデューサーと予告編を作りました。Blazing Samurai
スプライトのやっているシンプルな作品が映画っぽくなるとどうなるのかという作品です。
プロデューサーからの要望として、ワザとダサい感じにしています。

9年へこたれずにやっているのですが、
パックマンのテレビシリーズ化を担当することになりました。
フルCGで、立体視です。
ハンナバーバラで作品化され、人気のキャラクターです。
スパイダーマンのプロデューサーで、6月から Disney XD で上映されていて、
6歳から11歳のカテゴリーで 1位になっていて、
1位になると、上映回数が多くて、一日に7時間ぐらい延々と再放送を繰り返していきます。
放映のスタイルからして、北米と、日本と違い、
北米スタイルだと、何回見てもおもしろいというものにしなければいけない。
見た事があっても、もういっかいそのギャグを見たいとか、
途中から見始めても、人の興味をつなぎ止めるものでないと難しい。

バンバイナムコゲームチームと、トイチームと組んで、
スプライトのテレビチームがトイが取り入れる形になっています。
膨大なアセットを無償でバンダイナムコのゲーム用に渡しています。
すごいコストダウンになるのではないか、
テレビと同じ形のキャラクターがゲームでも見られるのがうれしい。

日本語でしたけど、実際は英語で作られていて、
日本語のボイスもとって、ポスプロでは日本語版と英語版を同時に作っています。
テレビシリーズとしては、かなり手がかかった作品ではないかと思っていて、
最初のデモリールから、10年たってますが、
名刺代わりのピースから、一貫したものがあるのではないかと思っています。
スプライトで造り上げたルックを試すことができて、評価されたのが、
すごくうれしいことでした。

日本
BANDAI NAMCO GAMES
OLM Digital

北米
ARAD Productions
SPRITE Animations Studio

日本と北米の時差を活かして、24時間うまく回っています。
Skype の呼び出し音はほんとにイライラします(笑

北米からの受注作品、プリプロから関わっているのが大きな違いで、
北米のスタジオと日本のスタジオが直接やるスタイルよりも、
スプライトが途中経由することで、スムーズに進むのですが、
以外とそういうことが大事なのではないかと思います。

10年間を支えてきている間、会社かなりのお金を失ってきていると思うのですが、
なかなかつぶれなくて、助けてくれる会社や人が居て、続いてきています。
ポリシーを貫いて一貫してやっているのかなと思います。

Q. お金が無くなると会社が存在しなくなると思うのですが、
 オリジナル作品作りの時間と、仕事の時間と、どう時間を工面していますか?
A. お金と人が大事で、2005年のコアメンバーは未だに同じです。
 スタッフの力量が 2倍三倍のポテンシャルの強者で、
 短い時間でクオリティの高い作品が作れます。
 単純に仕事が無かったので、オリジナル作品を作ってました。
 変な作品を作っていると、スタッフがザワザワします。
 ハワイからLAまで来て、手ぶらでは帰れない、無言のプレッシャーがあります。
 ミッションとして、捻出しているというよりは、やるんだ!という

Q. 独立する前と、独立した後で、人を驚かせるために一番こだわっているところは?
A. デモリールを作る前、いろいろやっていたのですが、自分たちがいと思わないものは、
 人に評価されたとしてもうれしくない。
 コマーシャルにしても何にしても、やりたくないものでも腕がいいので良いものができても、
 あまりうれしくない。自分たちが気持ちよいものを作り、
 結果的に見た人が良いと思ってもらえるのが良い。
 多用な人が見て、マッチングすれば良いのかなと思います。

Q. 日本だとオリジナル作品を作るのは難しかった?
A. 日本の作品がマンガ原作や、小説原作のものばかりで、裸で企画を持っていっても
 怖くて投資するだけの度胸が無い。あまりにも日本が現作ものが多くて、
 アメリカは原作ものが無い。アメリカは根っこから全部の権利が欲しい。
 日本はあったまっている作品をもってきて、映画だけ当たればいいという風潮がある。 
 ビジネスの規模が大きいこともある。
 日本は逆に情熱的なプロデューサーが居るけれど。

Q. 学生なのですが、3DCGに必要な能力はありますか?
 キャラクターデザイナーは募集していますか?
A. 3Dの作り方とかはあえて研究していなくて、
 クリエイティブなアーティストになりたければ、映画とか音楽とか、
 自分が何が好きなのか発見できれば強いと思います。
 コアメンバーが10名、他はプロジェクトベースで求人しているので、
 パックマンの時もストーリーボードアーティスト他 15名。
 ちょっと募集すると、ぱっと 100名くらい応募してきます。
 でもあまりイイ人は、なかなかいないので、光るものを持っていれば採用します。
 日本からもリモートで何とかなります。

Q. 日本のアニメは2D作品が多く、3Dは受け入れられていなのですが、そういうところは?
A. それは、そうですね。ドリームワークスや、Ice Age も、みな北米のプロデューサーに聞くと、
 世界中でウケていても、なんで日本で受けないのかというミステリアスな国だと思われている。
 漫画もアニメもいっぱいあって、受けての感性もだいぶ違うのかな。
 ミニオンみたいな、その時間笑えればいいという考えなのですが、
 日本だと何か持って帰りたい、元気になりたいとかあります。
 なんとか日本のマーケットでも受け入れられるものが作りたいと思っています。

Q. プロダクションと、スタジオとの関係で一番難しいのは?
A. すごくやりやすいプロデューサーだったのは、最初 150% の作品を作っておいて、
 コイツに任せればいいや!としておいて、
 とんでもない注文も来るのですが、注文に対応してあげていると、
 そのうち注文も無く、信頼してもらえ、関係性が築けていきます。

Q. 市場の大きさから、アニメが好きで無い人も仕事していて、差があるという話でしたが、
 アニメが好きじゃない人と仕事していく上で、モチベーションをどう維持しているのか?
A. スタッフが日本、ハワイ、LAまでついてきて、10年間変わらずにやってきて、
 これはなんとかやってて良かったと思ってもらいたいというのがあります。
 メゲないでやっていく。今これを辞めてもやりたい仕事が無いので、
 誰かがサポートしてくれている間は、自分の使命かな... ということで。
 やる気が無くなる瞬間は 10年に一回も無いです。

Q. 外国に販売するとか、今後考えていますか?
A. オリジナルの作品は常に海外と共同制作する先を探しています。
 コーディネーションの仕事の可能性はあまり無い。
 受注作品だと、価格の叩き合いになってしまいます。
 OLM はポケモンがあるので、かなり基幹がしっかりしていて、
 様々な作品を手がけていたので、良い意味で我が無いので、良いフォーメーションです。

10/17/2013

[&] Innovative City Forum * Tim Brown

Innovative City Forum #ICFTYO
「革新が描く未来の美学」
http://icf.academyhills.com/program.html

■Tim Brown(IDEO社長兼CEO)
http://www.ideo.com/people/tim-brown

デザインというのは、ヒーローでもあり、悪役でもあります。
歴史の中で語られてきました。
私たちの生活の中で能力を提供してきたともに、社会の周辺におしやったりもしました。
私がなぜデザインによって、21世紀が変わって行くのかを話していきます。
環境、状況によるものです。
デザインの定義は、Harbert Simon が定義したもので、
デザインは、既存の状況をより良くするものだ。
世界を良くするためにデザインするのです。
人間は数万年にかけてやってきました。
デザインのアプローチです。
数世紀にわたって単一のことで、エリート集団がやることだと思われてきました。
何らかの形で将来のビジョンを作る事で、ビジョンを存在されるということが言われてきました。
シンプルな状況ではうまくいきました。
街の広場、この状況ではビジョンが成り立ち、実現していくことができます。
何年にもわたって、この場合は 100年以上続く広場になってきます。
より複雑なもの、都市の場合は、必ずしも機能しません。
都市をこうしたいというデザインアプローチは失敗してしまいます。
大規模なものは、あまりにも複雑だからです。
そして、もっと21世紀になってわかったのは、
システムが大規模で複雑である。社会のシステムも、変動性、
複雑であるとともに、非常に早く変化しています。

ニュートン的な変化と呼びます。
私たちは、非常にシンプルなシステムが予測できれば、将来が予測できます。
ニュートンの法則は機能しました。
複雑になると機能しません。
すべてが予測されるのではなく、進化するもの、変化するものとかんがえなければいけません。
ダーウィンの進化論的なものです。

二つデザインの活動があります。
ブループリント、青写真は、ニュートン的なものです。
デザインの決断をフリーズしてしまうものです。
一方、ソフトウェアのコードは変化するもので、結果が定義されるものではありません。
考え方が変わってきました。

一つ重要な考え方の変化は、
デザインはエリートが行うものでは無いということです。
プロだけではなく、全ての文化に組み込まれているものです。
才能のあるデザイナーはいますが、
デザインのツールは皆に提供しなければいけない。
使っていかなれば、人生はうまくいかないのです。



DESIGN THINKING

思考のスキルなどを生活の中で使っています。
クリスアンダーソンが、
「皆がデザイナーにならざるを得ない、であれば、上達しなければいけない」
デザインするだけでなく、他の人にもおしえなければいけない。

そのやり方も変わってきています。
「教える」ということ、かつては師匠がいて、弟子がいましたが、
新しい技術で新しい教え方があります。

https://www.ideo.org/
IDEO.org Human Centerd Design
全部遠隔で参画しました。
デザイン思考をどうやっていくのか、社会にどう定着させるのか?
進化論的アプローチは、いろいろでてきています。
社会のなかでどうやりとりしていくのか



Future Perfect という本で書かれています。
共有型の経済になってきています。
社会の中で、一人の人が生産者でもあり、消費者でもある、
レンタルカービジネス WHipcar の例です。
近所の人の車を借りるサービスです。
レンタカーの新たな形がでてきています。

コミュニケーションの形、ネットワークが変わってきています。
中心的な、少しだけ分散して、力が集中しているネットワークでした。
現在は伽藍型とよばれ、全てが他の要素とつながる余地があり、
あたらしい可能性が生まれており、

http://www.pinterest.com/
Pinterest
デザインのやり方も新しい例がでてきています。
デザイナースキルを使って、インスピレーションを与える、
視覚的なインスピレーションが誰でもえられます。

http://www.kickstarter.com/
Kickstarter 伝統的な銀行にたよることなく、
それぞれのクリエイティブな人が大きな資金を集まられるようになり、
直接大企業と対決できるようになっている。

http://www.etsy.com/
Etsy クリエイティブな生産物を売り、配布できるもの、
世界全体を相手に、作ったものを売ることができます。

http://codeforamerica.org/
Code for America
オープンデータにアクセスでき、社会の中でどうインタラクション
できるのか、政府のあり方がオープンデザインプラットフォームになるのです。

http://www.openideo.com/
OPENIDEO は
世界中のデザイナーがデザインチャレンジに参加しています。
いろいろな洞察力をもった人たちが、さまざまな違うところに
かかわるようにnあってきています。

ものの作りかたもかわってきています。
3Dプリンタも良い例でしょう。

20世紀はデザインと生産は切り離されていました。
それが今では、設計、デザインと物の造りが密に、
おおしろいソリューションが展開し、社会に戻ってきます。

http://localmotors.com/
メーカーも変わってきています。
Local Motors はクラウドで車を開発しています。
地元の小さな企業が参加しています。車工場など。

設計、デザインが、都市の進化と同じようになっています。
都市インフラあるいは、都市のプランニングにいかにデザインが関わっていくのか?
西海岸ではじまったPlace Making という、都市計画を自分たちのものとして、
ローカルコミュニティで価値のあるものになっていく。
新しい、都市のファブリックが生まれていて、計画的にではなく自然発生的にです。

ボトムアップ、生物学的、進化論的なものに変わっていて、
経済が 200年の間に変わってきたのに似ています。
マスメディアによって消費者経済がやってきました。
デザインのツール、ネットワークが広がっているのです。

Paul Saffo の言ってきたようにクリエータ経済がやってきます。

10/15/2013

[&] takram academy * Instant Inkjet Printing

takram academy * Instant Inkjet Printing



東京大学 浅見、川原研究室
川原圭博(Yoshihiro Kawahara)氏http://kawahara.akg.t.u-tokyo.ac.jp/
Instant Inkjet Printing
http://www.akg.t.u-tokyo.ac.jp/publications
http://www.thinkinc.com/blog/ubicompiswc-2013-instant-inkjet-circuits/

「科学焼結可能な銀ナノインクの登場により、家庭用インクジェットプリンタを使って
電子回路や高周波のアンテナ、そして各種センサを高速かつ廉価に実装することができるようになりました。
3Dプリンタやレーザー加工機に次ぐ、第三のラピッドプロトタイピングツールとするための技術を研究しています」

何をしたいか?これから世の中どうなるか?
電子回路はストレッチャブルになってきました。
今まで集積回路はどれだけ小さくするかになってましたが、限界がきています。
逆に大きい事、薄くして、折り曲げられるようにするのが新しいことでは無いかと。

折り曲げられるディスプレイ、世界最速、最軽量のセンサーとかを作っています。
FlexAura UIST 2012 他、
最先端の研究だけど、実際には使えないものもあるが、
研究者でも、ユーザインタフェースの研究者まで技術が降りてきている。


PyzoFlex UIST 2012

ピエゾの素子をコンピュータで扱えるとか。
IRセンサーをマトリックスにして、棒の先に巻き付けられるものを作って、
握りかたとか、誰が握ったかとかが解るように。


Midas: Fabricating Custom Capacitive Touch Sensors to Prototype Interactive Objects

A4のシートを自由にカットしてもタッチセンサーとして動き続けるようなものを作ってました。
もっと DIY に近いところまで降りてきています。

ただ、プロの研究者だと、Dry process, Wet process など、
金属を薄膜蒸着させて作り、量が多い時は、その方が効率が良いのですが、
研究目的で1点ものの場合は効率が良くないです。
エッチングも産業廃棄物が出るので難しい。
フレキシブル基板のアウトソースの会社ができてきて、1-2週間待てば作ってもらえます。
失敗した時に、また 1-2 週間待つのは辛いのです。

PCB Milling machine で、要らない銅板部分を削ってくれます。
10分か20分まつのと粉末がとびちります。

Vinyl Cutter (Midas) で無理矢理銅板を切って使う
これも 1mm くらい精度がなく、
周りの要らないところを手作業でとりさらなければいけません。

家庭用のインクジェットプリンタを使えないか!?
初期投資が数万円ですむ。インクも含めて数万円ですむ。
印刷ボタンを押してから、数分で使えるのもポイントです。

よく誤解されるのですが、インクは三菱製紙の市販されているものです。
それを特性解析して、論文で紹介したのが私たちの成果です。
買っているものを組み合わせるだけで、これから話すものは再現できます。

透明な基板、RFID ロゴの模様がアンテナになっています。

広い範囲で使えるタッチセンサーです。
ナノ秒単位の遅延を計ることで、大規模なタッチセンサーを作ることができます。

Moisture Sensor 水分量のセンサー
Capacitive Sensor ぬいぐむrみのような柔らかいものにセンサーを入れられます。

銀のナノサイズのインクがインクの中に漂っていて、
ブラザーのプリンタを買ってきて、カラータンクに詰め込みます。
プリンタドライバを変更せずに、インクを入れ替えるだけで使えます。

銀ナノインクは、導電性があって、サラサラです。
印刷した後にすぐに導電性が出るのが特長です。
今までののインクは、焼結させなければいけませんでした。

インクはお高いです。
100ml で、2万円くらいします。
普通のインクも全色買うと、結構な値段しますよね。

1平米完全に塗りつぶすのに 5万円分くらいです。
紙はインクジェット写真用紙に特殊なコートがしているものです。

いつも研究で使っているプリンタ Brother DCP-J140w 7000円くらいの
プリンター、ノズルが太いのが良いのと、中国製のインクタンクを使ってます。
最新機種は ICチップつきになってきていますが.....

ドライバーは何も変える必要は無いです。
写真印刷モードで、なるべくゆっくり印刷して精彩度を求め、
ゆっくり印刷すると導電性が良くなります。
どれくらい細い線がかけるかというと、250ミクロンが限界。
細いと抵抗が高くなる。できれば太いくらいがよい。
250ミクロンで印刷すると、310ミクロンくらいの太さになる。

回路を考える上で考えなければいけないのは、
印刷してからどれくらいで導電するか。
三菱の写真用紙だと、2オームくらいの導体になります。
ブレットボードに比べるとちょっと高いです。
重ね塗りすると、導電数が高くなります。
二回目で 40%, 三回目で 12% と、安いプリンタなので、同じところに印刷できないため。

RFID の例;
アンテナとして動くような回路を描けます。
一番おすすめなのは、導電性
MG Chemicals 8331 が一番いいです!数千円します。使う量は少ないです。
オーブンの中に入れるとカチカチになります。
強固に、なかなかはがれなくなります。



導電性両面テープは普通なんですが、
3M 9703 は、表面と裏面とに導通するが、
IC の足のところだけに電流が流れるので、便利に使えます。

こういうものを駆使すると、電子回路がプリンタだけで作れるようになります。
CAD ツールでデザインした回路などもつくれます。

どれぐらい曲げられるの?
楊枝の先に巻き付けないかぎりつかえます。
くしゃくしゃにしても使えます。
水に弱い?
ラミネート加工のコーティングでも使えます。

いろいろ組み合わせて、SenSprout というコンセプトを提唱しています。
アメリカの大規模農業とかの水あげがいいかげんですが、
使い捨てできるセンサー、電池を載せないで土壌汚染もしない。

http://www.akg.t.u-tokyo.ac.jp/sensprout.pdf


葉っぱの部分は、正直オマケです。
無線チップの部分は印刷ではなく、売っているものを組わせたものですが、
トランジスタも印刷でできるようになってきているので、
将来的には全部印刷で作りたいです。

ペンで書いて回路が作れるだけでも作れるよ!ということで
教育効果があります。
皆さん、思い思いの回路を作ります。
LED を組み合わせて、スイッチも作れるようになっています。

Future Work
今フレキシブルものができているので、
布で出来ないのかな?と、今はまだイイ材料が思いつかない。
太陽電池とかは、実験室レベルでは出来ているので、
伸びるディスプレイとかも設計中です。
レーザーカッターで切り込みを入れると伸びる構造が作れるので。

インクが欲しければ、ここから買ってください!
http://www.mitsubishiimaging.com/digital-imaging-diamond-jet-NANOINK.html

----- ワークショップの時間 -------

銀ナノインクを使って、電池ボックス?スイッチ、光るキーボードを作りました!
僕は爪にLED貼付けて、電極を触ったら、光る人差し指を作りました!




10/09/2013

[&] takram academy * shusaku



takram academy
 インサイトとソーシャルリスニング、エスノグラフィーのお話
 ●リア充大学生のための LINE 改善案(素晴らしいアイデア!)
 ●大学生の LINE と Path と mixi の使い分け
 ●エンジニア主導の速度や品質重視のツールではなく、
  マーケッターが「使える情報」が得られるビッグデータツールの必要性
などなど!


takram academy
廣田周作 (@shusaku) 氏講義「インサイトはどこにある?」
モダンコミュニケーションラボ所属
ソーシャルリスニングを中心とした業務

情報環境がめまぐるしく変わっている中で、広告会社も従来の「広告枠から考える」発想から、
「生活者を理解する」発想へと、プランニングのあり方を変えてきています。
そこで重要な役割を果たすのがインサイトです。
コミュニケーションデザイン、コミュニティデザインを実践していく上で、
インサイトをどのように得ているのか、ソーシャルリスニングやエスノグラフィなどの実例を通して紹介します。

自己紹介:
電通と紹介されましたが、広告の仕事は全くやっていません。
入社した時に、広告のビジネスの次のビジネスを作りなさいと言われて
広告をやったことが無い人間です。

もともとエンジニアを志望していて、メーカーで働きたかったのですが、
ジャーナリストになって、電通に入社した時はリサーチャーですが、
現在はプランナーです。

学生時代は、田川さんに憧れて
東大工学部産業機械工学科田中研に所属していました。
そこの研究室に潜り込みました。
ぼくも勢いで、プロダクトデザインをやりたいなと思いましたが、
二ヶ月ぐらいで挫折して、CAM/CADでは、いまいちなデザインしかできないと、
センス無いと気づいて、tagtype の論文は伝説になっていて、
僕は蟻の研究をすることになりました。
当時ナノマシンとか、小さい機械を設計するのはブームになって、
ミクロやナノの世界を設計をするのがホットな研究でした。

それで、昆虫を研究したら、面白いとおもって、
虫がなぜ天井から落ちないか。
蟻の足は 10ミクロンくらいで、
電子顕微鏡はガチガチに冷やしてみなければいけないので、
それを蟻にやってしまうと、死んだ状態になってしまいます。
今までは、蟻には爪があるから... という論文しかありませんでした。

そこで、先生に植物を観察する顕微鏡を買ってもらって、
蟻を生きたまま歩く様子を観察しました。
足の先から油を出し入れして、抵抗などを調整して歩くのです。
それを初めてカメラでとらえることができました。

昆虫学会の方が、熱海に5人くらい居るのすが、
「来ないか」とオファーがきました。
卒論の時期、蟻が冬になって死んでいってしまった時に、
熱海にはまだ蟻がいて助けてもらいました。

その後、NHK に入社、
テレビの番組は
「自分自身が働き蟻」になることを決意しました。
ドキュメンタリーやニュース、レポートを作る仕事をしていました。

2009年、電通にはいりました。
CMを作るのかと思っていたのですが、
人事にとにかく「ビッグデータを研究する仕事をしなさい」と言われ、
Hadoop を一人でコツコツやっている先輩の下について、
大規模なデータ
電通ではWebのデータや、検索履歴から、動線を調べるとか
やっていました。
Twitter が人気になっていくフェーズになりましたが、
当時人気がありませんでした。一人で APIを使っていました。
視聴率とか、既存のデータと違うことができるのではないかと、
どんどん、ソーシャルリスニングにのめり込んできました。



SHARED VISION
コミュニティデザインということをやっています。
コミュニケーションデザイン、広告を使って商品を売っていく、
一方的ではなく、生活者やファンとコミュニティを作って、
持続的な関係を作って、一緒にもりあげていこうということを
していかないと、TVCMで焼き畑にするのではなく、
ソーシャルメディアが重要な役目になってきています。

コミュニティの運営みたいなことも仕事になっていて、
専門領域です。
イノベーションプロジェクト、既存の広告の手法以外の
新しいプランニングの仕方が注目されています。
次世代型のメソッドを研究するラボを主催しています。
ソーシャルリスニングの手法を開発しています。
Twitter のホワイトリスト、高速で検索できるソリューションの開発、

エスノグラフィー
単純にWeb調査やアンケート調査ではなく、
ブランドのファンがどうやって楽しんでいるのか
現場の観察、現場にノウハウや気づきがあるので、
もっと生身の人の近くで、
某大学と共同でやっています。



ソーシャルリスニングを、
電通の中で一人でやっていましたが、
アメリカの調査協会が、リッスンファーストを翻訳したり、
エスノグラフィーは某大学の商学部
大学生のスマホの利用を徹底的に調査するなど、
アプリやUXのデザインに使ってもらうことに活用しています。

■インサイトはどこにある?
洞察とか気づき
プロダクトデザインをする時に「誰のためのデザイン」を読んでいると思うのですが、
プロダクトアウトよりも、ユーザーの気づき、
インターフェースをデザインしていく上で、どうやって気持ちよく使ってもらうのかを
広告会社で「インサイト」と言って、
CMでどう言えば気持ちよく使ってもらえるのか、
プロダクトになる場合も、CMの場合もあります。

広告会社でなぜインサイト?
ライフスタイルの変化。
皆でお茶の間に集まってテレビを見ている時代から、
部屋にこもってアニメを見ながらTwitterで実況している。
一見孤独そうにみえますが、仲間がいる。
ライフスタイルが変わってきてる。

広告業界での M1, F1 とかいるビデオリサーチ社の分類。
世代で大雑把にまとめて、広告をまとめて作っていた。
同じ M1 といえども、歳が近くてもまったく生活が違う。
まとめて広告しても効果が無くなってきている。

サービスの流行廃りがスピードが速く、
あれだけ勢いのあった mixi が facebook, twitter にやられて、
いきなり LINE がでてきて、もう何が起こるかわからない。
マイナーチェンジを続けていれば良かったのに、
連続性が無くなってきた。

競合調査をやらなくなってきた。
今、誰もガム噛まなくなってきましたね。
若者のガム離れが目立ってきて、
今までは、他のガム会社の調査をしていたのですが、
お菓子のカテゴリの中で調査していたのですが、
ガム同士戦っているのではなくて、スマホとかソーシャルゲームの方に
時間をお金が使われている。
暇つぶしのガム、ストレス解消で使われていたのが、
ソーシャルゲームに変わってきていて、
無意識に生活が変わってきてることが既存の調査では追いつけなくなってきている。

プロダクトデザイン
新しい商品が出たので、広告してください。
出来上がってしまった状態で、「売ってください!」と言われるのですが、
実際のところ「絶対売れない」と思うものもあります。
...........オフレコ...........
成熟市場の中で、少しづつ改善していても、イノベーションでは無く、
ユーザーの視点からしてもイノベーションではなく、
プロダクトデザインや、サービスデザインに示唆を与えられるのではないか。

IDEOほどのことはできないが、こうやったら売れるのではないか?
ということができるのでは?
今は全然広告効果が氏ミュレーションできなくなってきている。

広告代理店の働き方も変わってきて、
四半期ごとに大きなCMを打つとかも限界があって、
クリエイティブやメディアががんばって、世の中に投下するのですが、
準備しているうちに世の中が変わってしまっているので、
小さな改善、PDCA をまわしながら、瀑速で仕事していくのが大事。

既存の調査も大事なのですが、マーケットの変化に対応できなくなっています。
今の商品の健康状態を知るために、指標を毎回診断書みたいのを
持っていますが、それだけ持っていても、次に何をしたら解らないのです。

広告・コミュニケーション設計フローの変化
AE:営業担当の人
マーケティング
クリエイティブ
メディア

昔は大雑把なターゲットに対して訴求するクリエイティブで良かったのですが、
ライフスタイル、コミュニケーションが複雑に変わってきているので、

コミュニケーションデザイナーと、営業とが組んでソリューションを提供していくようになっています。
コミュニケーションプランナーは誰にメッセージを与えたいのか?
一人の人のストーリーをきちんと考えて、明確に描いていきます。
その人がどういう時に気持ちが動くのか、
気持ちのボタンを押せば買ってくれるね!好きになってくれるね!

コンタクトポイントを考えます。
テレビは見ないけど、映画は観に行くね!となれば、
屋外広告とか、どうやれば、メッセージが到達するのか考えます。

クリエーターが考えてテレビに出るとかでしたが、
そもそもテレビを見ていないという前提になれば、
PDCA を回して、一貫したストーリーデザインが必要になってきます。

この人に伝えたいから、こういうストーリーにしようと、
それではじめています。
広告業界も、新しい部署がどんどんできていて、変革期の中にあります。

重要なのは、
インサイトをもとにコミュニケーションのストーリーを作る。

例えば、エビアンは誰のためにあるのか、どこにだれに伝えれば
浸透していくのか、一人のストーリーから、コミュニケーションを考えていくことをやっています。

インサイトはどうやれば?
観察や調査から、アイデアは夢の中で思いつくかもしれませんが、
インサイトは調べることからしか生まれません。



今までは、仮説が間違っていないことを調査するのが、
アンケートするなどといったのが、市場規模を知ることなど、
ある種わかっていることや、顕在化した問題点を確認するためにやっていました。

何が問題になっているのかさえも解らなくなっている。
敵が誰なのか、仮説すら立てられなくなっている。
その潜在的な問題点を知るためにソーシャルリスニングやエスノグラフィー、
デプスインタビューがあります。
新しい手法が求められています。
インサイトを得るには、
課題解決の手法として重要性が高まっている。

その上で PRのデザインを考えています。
クリエイティブな調査、
調査自体も面白くやらないと、何も得られなくなっています。
調査は科学的アプローチが重要と思いがちですが、
それであれば、知見を引き出すことができなく、
いかにインサイトを調査から導き出すのかが重要になってきています。

●ソーシャルリスニング
ソーシャルメディア上の生活者の耳を傾け、
彼らの本音を見いだす手法。
エゴサーチなどで、自分たちが今どう思われているのか?を知る。



グランズウェル
すごく読みにくいのですが、
うまくやれば、調査はどんな答えも得られますが、
考えてもみなかった質問への答えは得られない。

そしてビジネスの世界では、
考えてもみなかった問いが、
最も重要な質問かもしれない。

まずは、実際にリスニングしていましょう!
"takram" でエゴサーチ!
ブランド担当者も知らないことが見つかる。

「ブランド名」で検索。
想定を越えた例で、事業やビジネスのチャンスになるかもしれないことが解る。

お客さんの声に耳を傾ける手法は、従来から行われてきたこと。
アンケートで編成が変わってきます。
あたらしいことでは無いのですが、
アンケートに答えてくださいと言うと、答える側も意識してしまい、
本音が出てこない場合もありますが、
ソーシャルだと本音に近いところ。
ソーシャルだと直接、リアルタイムに回答、会話をするチャンスがあります。

ビジネスにうまく使っている例
マイスターバックス。
https://www.mystarbucksvisit.com/
スタバに関するアイデアを募集していて、実現していくというプロジェクト。
無印良品も
くらしの良品研究所
http://www.muji.net/lab/
商品開発に活かし、コミュニケーションに変えていっている。

いきなりやろうとしても難しいところがあって、
段階をおってビジネスにしていく。

Listening (research)
まずはリサーチをかける。知ることから始める。
Talking
しゃべりかけてみたくなるフェーズになる。
ファンとファンの中で広めていく。
お客さんからアイデアをもらって実現していく。

そういうとメリットばっかりと思うが、完璧ではない。

本音が把握できる。
想定しなかった答え。
過去の反応を見る
リアルタイムに測定できる。

iPhone だと沢山書かれていますが、
Android の特定機種は書かれていない。
会話量がすくなくて、分析に耐えない

仮説に対する直接的な答えが得られない。

一昔前は Twitter はオタクだけでしたが、
今は一般化しているので、参考になります。

------------- オフレコ -------------------

一般の人が友達についそれをネタに話しかけたくなる文脈を考えること
インフルエンサーよりも、ファンのグループを大事にすること
グループインサイトを持つことが重要

ソーシャルリスニング
リアルタイム化
社内に部署横断のコマンドセンター



オレオクッキーの事例
スーパーボールの時に停電になってしまいました。
http://www.360i.com/work/oreo-super-bowl/
真っ暗闇でもダンク(オレオを牛乳に浸して食べられる)できるよとツイートした。
ものすごいバズっていって、一個のツイートが、
525,000,000 のインプレッションを稼ぎました。
これが広告の賞を総なめしました。
クライアントがこういうことをしたい!と言われて、
今、クライアントに毎朝レポートしています。
広告のスピードではなく、リアルタイムにしなければいけなくなりました。

いろんな企業がソーシャルメディア監視センサーみたいなのが
トレンドになり始めています。
細かく見て行って、反応していく例が増えています。

--------- ここだけの話 -----------------

リアルタイムPR, どんな発信をしていかば良いか?
毎日 4時に起きて、プライニングに反映するという仕事をしています。

ソーシャルリスニングのまとめ

ゲーリークーパはなぜモテたのか

「まさか」「ほんとかい」「そんな話、初めて聞くよ」
クーパーはそう相づちを売って、女の話に耳を傾けたこと。

■エスノグラフィーに関して

もともと文化人類学からでてきた分野、
プゴニスワフ・マリノフスキが確立した手法。
トロブリアンド諸島の貝殻の儀式を調査。贈与論
それまでは、間接的に聴くだけだったが、実際に現地で調査するようになった。
観察を通じたマーケティング企画立案や商品開発のための手法。

日本語では「民族誌」と訳されるので、納品物としてとらえられがちだが、
海外ではプロセス&手法も含めて定義だれる。

「結果」そのもの以上い対象者と過ごすことが重要

バイフォーカル:二つのレンズを同時にもつ
二つの視点を行き来すること、単純な視点ではダメ
自分の視点だけでなく、全く違う相手の視点も「同時に」持つ事。
観察対象者と同じ生活を「ともにする」ことで初めて得られる視点。
その差が大きければ大きいほどアイデアが生まれてくる。

学生スマホ利用
大学生には LINE だけが一人ガチしているのでしょうか?
他のアプリが入り込む余地は無いのでしょうか?

アンケート調査をしても、なんで LINE なのかわからない。
どうしたら LINEを越えられるのかも全然わからない。

結果、LINEが好かれている。
その文脈は?
因果律が無い。カオスになっている。
大学生と一緒に過ごして「だから LINE」だよね?ということを共有し、
夕方から4時、半年通って、その学生のバイトとか、サークルのこととか、
行ける時は一緒にいって、「なんで LINE」なのか?を

facebook でも普段から聞けるグループを作った。
調査そのものもアジャイル的に変えていこうと考え、
気になるポイントを更新して、作り直していった。

利用しているアプリのこと、
所属しているコミュニティーのこと。
就活でどんなことしているのかとか。

某大学の商学部はリア充
24:1 で iPhone : Android
なんで女子と男子ではアイコンの配置が違うのか。
男子は片手、女子は、両手で。
カメラアプリは、皆入れているが、
Instagram と、無音シャッターのカメラを入れている。
理由は、授業中に板書を撮るために無音カメラ。

LINEに対して不満もある。
日程調整のメッセージが流れてしまうので、その時だけメールを使うとか。
キドク待ちがイヤ。

Path 彼氏のやりとりに特化。
mixi は地元の友達の付き合い。方言でしゃべれる場所を残していきたい。

LINEの改善案:
直近連絡とった人からではなく、良くつかう人から表示するとか。
連絡とる人からとか。
「お疲れさま」の文字予測から、「スタンプの予測変換」
端末変えたら、ログが無くなるので、そういうサービス、
お財布携帯連動で、スタンプが得られるとか。
スケジュールアプリと連携するとか、
半年間で、驚くほどアイデアが出てくる

仮説を捨てる勇気
時間をともにする覚悟
ただ見るのと観察するのは違う
小さな気づきの積み重ね。
観察対象者と関係を作ると深いことが聞き出せる

BIG DATA < BIGDISCOVERY(INSIGHT)
ソーシャルリスニングも、エスノグラフィーも
「インサイト」を得るための手法

潜在的な課題を把握して、何かの手につなげること。

インサイトは、プロダクト改善にも、サービスアイデアにも
コミュニケーション戦略にも、全て生きるもの

手法は様々だが、常にトレーニングをしていくこと。

コンビニのレシートを読み取るのが好き!!

Q. 投資対効果は?
A. KPI, KGI を分けている。
ログやフォロアー数、好感が上がったのか、経験が変わっていったのかを
ロジカルに証明していった。
Twitter からホワイトリストにもらえるようになって、
世界でそれやっているのはスイス人の誰かと自分だけ。
拡散を見ると、マスメディアに匹敵するような、広告代理店っぽい説得の仕方をしています。

Q. インサイトの失敗という状況、どういう時が失敗か?気づきが間違えている時の修正をかける
A. だめだったら軌道修正する勇気を持つ。高速で PDCA を回す。

Q. 製品開発の時は小出しができない。調査ができない。
A. 死ぬほどたくさんプロトタイプをつくって早めにたくさん失敗する。

Q. ビッグデータのどう落とし込むかの難しさ
A. 課題に思っているのは、エンジニアとデザイナーとマーケッターの言葉が違いすぎる。
マーケッターは正確さとか素早しさとかではなく、本当に欲しいものが作れていない。
エンジニアの言葉と他の業種との言葉をつなげられる人が入れば強い。
ビックデータから、ビックディスカバリーをどう作るか?

Q. 気づきに対する知見
A. ストーリーとして理解して、ぬるい場合も、片寄った場合も、
きちっと分析するのではなく、雑に一つのストーリーとして理解している。

Q. ネット上でバズらせたい時。不確定な要素が多いか。どうしているのか?
A. 筋トレとカルチャーだと思っていて。Twitter を見まくる。
Twitter のトレンドワードやまとめサイトを見まくる。リテラシーを高め。
その二つがうまくはまる。意思決定の速度をどれくらい速くし、
ちゃんとクライアントに納得してもらい、どれだけ権限委譲してもらうか、
変な修行みたいなことです。

Q. 最近見ているサイトは?
A. ひじき速報とかですかね。らばQ とかです。普通に日経新聞とか。

Q. 海外の事例とか、トレンドとか。
A. カンヌ広告賞を見ています。あんまり広告の事例を集めることに興味は無くて。
クリエイティブの賞を逆算してトレーニングしたり、
自然に耳に入ってきたことは調べます。
自分がやろうと思っていて、出来なかったことが、海外の事例で先に成功されると悔しい。
マーケティングのフレームワークとかも海外のものが時差をもって日本にやってくる。

Q. ビッグデータとか、インサイトを考える、属人的なものがでてくる。
そこが面白かった。突き詰めると、人の心に響くもの、入っていくもの、
生っぽい解釈をして、創発的、ただデータをあつかって最適化をかけていくという、
単なる PDCAではなく、非線形なプロセスなのか?
そのプロセスがきくパターンときかないパターン
インサイトは問題の切り口、インサイトが効果を発揮する解決法を同時に開発しているのではないかと思った。
担当が分離していれば、こういうことが出来ないのでは無いかと思う。
かなりタイトな中でやらないと。
A. クリエイティブが待ってられないので、クリエイティブ案を書いて、デザイナーに後から
お願いするという、左脳と右脳の両方の仕事を爆速でやる。
インサイトが大事だと、思いついた人がやりたい。どこまで分業できるのか、
どこまで一人でできるのかといったことは難しい。
いかにジャンプしていけるか?クリエイティブなスキルをもった人と組むか。

Q. 1,2,3人?何人のチームが最適か?
コピーライターとディレクターで、どちらかがプログラミングできると最強。
営業的な動きをしている人がいたり、複数スキルの人たち。

10/04/2013

[&] PARC * ethnography



ゼロックスから独立した PARC 研究所の概要とエスノグラフィーのお話を聞いてきました!

●CCN コンテンツにナンバリングし、セキュリティ機構ももったネット配信の仕組み。CDNの代替
●組むパートナーは、お互い補い合う関係、お互いに無い価値を提供できる組み合わせの場合に成功する
●一人一人が使うスマホ、パーソナルコンピュータになったから、やっとウェアラブルの時代になる。
●ウァラブルとともに、モノへ組み込まれたコンピュータの形をしていないコンピュータが重要

エスノグラフィーの役割はプロジェクトに関する全員が共感できるアイデアが出た時に成功したと言える。
企業でのエスノの役割は、ユーザーが、知る、買う、使う、捨てる というインサイトがあり、
インサイトを見つけるのがエスノグラフィーの役目。

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■PARCにおけるテクノロジー・イノベーションの仕組み(PARC CEO スティーブ フーバー)

みなさまようこそおこしくださいました。
今日は、10年間 PARCが行って来たオープンイノベーション、ケーススタディをご紹介します。
みなさまの多くがご存知かと思いますが、1970年、ゼロックスの研究所として
創設されました。顧客はゼロックス1社で、目的は明確で、将来のオフィスを作るということでした。

いろいろなものからわかります。
基礎となるもの、GUI, イーサネット、などの開発をしてきました。
ゼロックスが全てを活かせたわけではありませんでした。
他の研究所でも同様でしょう。
2002年に、子会社として独立しました。
ゼロックスのみならず、他の企業の研究もできるようになったのです。
今日では、さまざまなイノベーション、
クリーンテクノロジーなど様々な技術に関わっています。

そのような中で、ただ単にハード面の変更だけではなく、
オープンイノベーションでどう改革していくのかという
ビジネスモデルも確立していかなければなりませんでした。

そしてその中核にあるのは、どこで技術的変化がしていくのか、
技術分野を特定し、その部分を扱うパートナーをみつけ、
そのパートナーと市場に製品を出していくのです。

オープンイノベーションの意味から
まずは、Henry Chesbrough の定義です。
ここで特に中心になってくるアイデアは、世界は非常に広く、
様々な知識があります。その世界の中で変化が速くなってきて、
企業は社内だけでなく外にアイデアを見いだすことが必要になってきています。

ここで何をしないかというのにも意味があります。
コントロールを諦めるわけでもなく、
社内の努力を辞めるわけではなく、
協力相手をみつけ、より速いスピードで変化していくのです。

この図もやはり Henry Chesbrough の「穴の情報の図」と呼ばれています。
外部からの協力をえて、社内のアイデアを加えて、パートナーと市場に出して行く
という仕組みを説明したものです。
アウトソースするという意味ではありません。

PARCは他の企業と組むことで、一緒に研究を進めていきます。
アイデアや成果を一社では不可能なものになります。
重要なのはコラボレーションです。
アウトソースするという意味ではありません。
大学の研究に資金を提供することではありません。

PARCがオープンイノベーションのエコシステムをどうやって作っているのか説明しましょう。
まず一番最初に重要なのは、社内にイノベーションに対する投資を行っていきます。
まずは自らのリソースを投じていきます。
そして、その課程でパートナーを見つけていくことになります。
政府もパートナーのひとつです。
政府の資金は、長期的でリスクの伴うものを扱うのに重要な役目を果たします。

政府からの資金を得るといっても、それだけでは全く足りません。
商品化するためのパートナーを求め、みつけていくのですが、
その場合、対象となるのは、我々が持っていないものを持っているパートナーを見つけ
市場に商品を出すための協力をするのです。

ここできわめて重要なのは Win-Win のように、
パズルのピースのように、お互いのスキルが補足的な関係になるパートナーと
組むのです。
そして、その結果として、大変協力なものとなります。
投資に対しても力を得て、能力を強化し、市場への影響力を持つことができます。

いくつか具体的な例をあげましょう。
政府と小さなスタートアップとの組み合わせです。
POWER ASSUREはデータセンターの省エネルギーの企業です。
彼らが持っていなかったのは、仮想化の技術です。
そこで、POWER ASSUREは PARC に問い合わせしてきました。

PARC は最適化や、制御の技術にたけていました。
PARC としては、新しいアイデアを持っていましたが、リスクが高いものでした。
政府に対して、初期段階の研究に対する資金援助を申請しました。
PARC と組むことによって、非常に協力なタッグを組むことができました。
非常に協力なチームとなりました。
POWER ASSUREは市場に対するチャネルと知識を持っていました。
実際に提案を行い、政府に認められ 500万ドルの資金を得ることができました。
実際に研究成果がサービスに組み込まれています。
結果として、新たな製品が提供できることになり、
PARC も開発によって、資金を得ることができ、
政府にとっても省エネという効果があることになりました。
お互いの組み合わせが良かったので、このような成功をおさめることができました。

もう少し内容が深い例
コンテンツセントリックネットワークです。
この例は、PARC から始まったもので、
ネットワーク技術に問題を気づいたところからはじまります。
最初にあった問題のところからお話します。

その問題の確信は、ネットワークの構造が、ベルの時代の 19世紀と変わらないところにあります。
ある一つのデバイスがもう一つのデバイスとコミュニケーションするだけというものです。
人と人が会話するとか、インターネットの初期であれば、一対一で十分でした。
今はそうではありません。コンテンツの時代です。
Amazon とお話したいわけではありません。
どうやって手に入れるとか、どこにあるかではなく、情報そのものが大切なのです。

それでこのようなソリューションが生まれることになりました。
コンテンツセントリックネットワーキング。
お互いやりとりするものではなく、より広く情報を配布する仕組みになっているものです。
CCN の考え方の中心になっているのはコンテンツです。コンテンツに名前がついているわけではなく、
コンテンツそのものに、IPアドレスのような名前がついています。
もう一つの重要な要素は、セキュリティの仕組みがコンテンツレイヤーに組み込まれているということです。

現在のインターネットはそのレベルでは組み込まれてはいません。
インターネットというはパイプの役目でしかありません。
コンテンツレベルでのセキュリティの仕組みがはいっています。
プロトコルはきわめてシンプルです。
情報に対する要求はその情報に関心を持っている人から発せられます。
その情報は、コンテンツオブジェクトという形で返されます。
誰かが情報を欲しいとおもったら、INTEREST というのを示します。

赤丸になっているのは、どこかのインターネット上から得られる情報です。
この要求(インタレスト)がノードに対してわたされ、
ノードからノードに渡され、そのコンテンツを持っているところまで広がります。
きわめて重要なのは、コンテンツはオブジェクトなので、
それぞれのノードでキャッシュとして保存することができます。
このコンテンツには一つ一つ名前がついていますので、
名前を頼りにその内容を再利用することができます。
他のユーザーが同じ要求を出した時には、同じコンテンツを素早く返すことができます。

コンテンツというのは今日の世界では、非常に高く、
ネットワークが過剰な負荷になっています。
なぜこれが重要かというと、ネットワークにセキュリティが入っている状態になっていて、
コンテンツレベルでセキュリティが入っているので、
コンテンツの配信自体をネットワークのサービスとしてそのまま提供することができます。
そしてコンテンツそのものにセキュリティがかかっているので、
高いレベルでのセキュリティ保護が可能です。
シンプルなプロトコルでこのような形になっているので、
帯域幅を劇的に減らすことができます。

それでは、オープンイノベーションに話をもどし、なぜそれが重要なのかを話します。
非常にラディカルな 1億ドルの TCP/IP の世界に関わる話になります。
ここではあきらかにパートナーが必要でした。
長期的なリサーチをしなければいけないので、政府が適切でした。
いくつかの政府組織がサポートを表明してくれました。
国際的な協力も得られました。韓国政府の協力も得ています。

まず最初に政府と組んだわけですが、民間のパートナーが必要となりました。
どういう足がかりが必要なのか考えなければいけませんでした。
この生態系、エコシステムを作っていくにおいて、民間のパートナーを
選ぶにあたって、解決すべき問題があるのか、どこに機会があるのか?
どうやって足がかりをつくれば良いのか?
一晩でインターネットに変わるものなど作れないのですから。

CCN のオープンソース実証を始めました。
開発者のコミュニティ
民間企業のコンソーシアム、自らのビジネスとして押し進めたい企業が入ります。
シスコ、日立データシステム、富士通、サムソン、BT, Orange, NOkia, Intel, Ericsson など。
そして、これらの企業に対して、新しい技術を学び始めるための
リスクの低い方法を提供しているわけです。
今技術としては、これで生き残っていけるという感じを得たので、
CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)に変わるアプリケーションを開発する段階です。
そして、クラウドコンピューティングへの活用、
モノのインターネットを活用する技術にもなります。

別のハードウェアベンダーと組みまして、ハイスピードのルーターが実現できています。
なぜエコシステムを作るが重要なのか、
さまざまな能力を持つ企業と組むのが重要なのか、
お互い協力することで、良い結果を生む。
様々な相手によって、4つの異なるタイプ、協力の仕方のモデルを考えました。

●Instructing
顧客企業が、イノベーションの能力を身につける方法を教えることです。
顧客からの要求があり、日本の顧客からの要求が多く、日本オフィスを開設しました。

●Creating
これまで満たされていないニーズを特定して、それに対する新しい能力をつけていく、
より探求型のものです。

●Co-developing
より協力、協業によるものです。CCNの例のような、既存のものをベースにして、
企業のマーケットに沿ったものを発展させていくものです。
それを共同に行うものです。

●Enabling
Instructing の反対にあるのが、顧客企業のロードマップの穴を埋め、
すぐにインテグレーションできる技術を提供するものです。

多くの方々が、イノベーションとはすでに持っている技術の穴埋めだと思ってしまっている。
しかしオープンイノベーションに関して認識してもらい、協力し、パートナーシップが重要です。
エコシステムそのものを立ち上げるという協力の仕方もあります。

日本ではイノベーションのやり方を学びたいというニーズが強く、
ワークショップを経験してもらうのが適切です。
エスノグラフィーの講座をご用意しています。

どういうところに協業の可能性があるのか?という質問に応えると...
CCN、高性能なビッグデータ解析、バッテリーの技術、条件に基づく保守技術。
モノのインターネットでも触れましたが、多くのメイカーが関心を向けており、
補修を適切なタイミングで行うことによって製品の寿命をのばすことができます。

PARC の協力企業に感謝します。

CCN
Content-Centric Networking(CCN)
@PARCinc

Q. 最初はパートナーが居ない状態で、PARC技術開発を進めていく場合は、どうやって新しいテクノロジーを決めているのか?
A. 2,3観点があります。
これから5年,10年の間に大きな技術変革をもたらすものかどうか?
その問題に取り組む能力を自分たちが持っているか?
そして、その問題が解決できた時に、その分の費用をまかなうだけの、大きな儲けが得られるか?

Q. オープンイノベーションのワークショップなどで、面白いアイデアが出ても、
実際には、知的財産権がどうとか、壁が出来てくる場合が多いが?
A. まず大きいのは一番最初のところです。組み合わせで上手くいくかどうか、お互いの利益がかみ合うところかどうかを
良く考えることが重要です。パートナーシップを考える時に重要なのは、相手が何を求めているのか、
自分たちは何を提供できるのか。でも相手側にとっては、相手の成功には何がなければいけないのか。
双方がそう考え、かみ合えば、うまくいきます。
それをしないと、お金を出して買えばいいや!となります。最初の段階で深く考えておく必要があります。
最後にもうひとつ、パートナーに対して何を提供できるかどうか、恐れてしまうことがあります。
恐れてしまうのは、他のところが作ってしまうのではないかと心配することです。

Q. IT業界でウェアラブルが注目されていますが、この流れ、ポストスマートフォンの流れはどうなりますか?
次世代のウェアラブルコンピューティングはどうなりますか?
A. I, agree. 私達も作っています。
ひとつ強く感じているのは、本当にパーソナルなレベルのコンピュータはこの5年くらいのこと。
10年前のPCは家族で共有しているものでした、スマートフォンやタブレットが登場して、真にパーソナルな
コンピュータになりました。
だからこそウェアラブルができるようになったんだと考えています。
個人のPCから情報をとってきたり、個人の役にたつ情報を提示したり。
そして、もう一つセンサーというのが非常に重要になってきています。モニタリングや計算したりするのに、
身の付けていること。その他にもモノのインターネット、色々なものにセンサーがついていく状態になります。
ひとつ重要なのはウェアラブルで、もう一つ重要なのは組み込まれているエンベッドコンピュータです。
ここ5年10年で大きく変わってくることでしょう。
そして鍵になるのが3つの要素、ローコストの組み込み機器、ユビキタスネットワーク、ビッグデータ解析です。

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■エスノグラフィーを利用したテクノロジーイノベーション(PARC 佐々)

今日のプレゼンテーション、PARC R&Dのアプローチ、
エスノグラフィーとは、事例紹介(モバイル・レジャーガイド)
事例紹介(人型ロボットについて)

●PARCのアプローチ
昨年 PARC にjoin し、ユニークな研究所だなと考えています。
Xerox の一研究所としてスタートしましたが、2002年に独立した企業として、
独立採算の企業となりました。
コマーシャルイノベーションへのシフトとなりました。
2002年までは、何やってもOKという風潮がありました。
2002年以降は、コマーシャルということを考えなければいけなくなりました。
テクノロジーの視点だけではなく、ユーザーの視点が必要になりました。
テクノノロジー視点の研究者と、ユーザー視点の研究者、
文化人類学者など。

色々なアイデアから研究のテーマを絞ります。
いろいろな研究を一回止めて、開発や、商業展開につなげていきます。
本当にその研究が価値があるのか、パートナーが見つかるのかという観点で判断することもあります。
ライセンスできて、大きなお金が入ってくるかという観点もあります。
パートナーが見つからない研究であれば、ストップするしかない場合もある。
いったん研究を止めて、価値があるものだけを続ける。

ポイントポイントで、エスノグラフィーを使っています。
ユーザーを深く理解するために使っています。
その研究が本当にユーザーにフィットするのかを重要視しています。

●エスノグラフィーとは?
人間の生活に寄り添うイノベーションこそが、価値がある。
万能ナイフがあれば、便利に使える
巨大な万能ナイフは、価値があるのか?

エスノグラフィーとは、民族誌学
ethonos 民俗 graphia 記述されたもの
非ギリシャ人とか、他者という意味が含まれています。

調査手法、民俗や風習を観察して記述するもの。
現実(リアリティ)を深く理解する。
自然に生じる行動を理解する。

エスノグラファーのフィールドノート

マーガレット・ミード Margaret Mead 1901-1978
人々が言うことと
人々が行うことと
人々が行っていると言うことは同じではない

初期のエスノグラフィー(1900〜)
異国文化の研究、都市/サブカルチャーの研究
異国文化 1900
都市/サブカルチャー 1930
テクノロジーの利用 1970-
ワークプレイス 1980
製品・システム・サービス 1990-

ルーシーサッチマン博士が初めての文化人類学者
コピー機の前で、PARCの研究者が両面コピーを取るのに困惑していることを観察しました。

最近ビデオが発掘されましたので youtube にもあるでしょう。

エスノグラファーが職場に入り込み、文化を学び、新しい働き方を考えます。
病院、コールセンターなどのワークプレイスも
短期間ではあるまでも、深く観察して、その結果を製品やサービスの改善につなげる活動です。

↓体系的観察
↓データ分析
↓共同分析・共同デザイン 観察された側も分析に参加
↓プロトタイプ作成 プロトタイプ評価
↓製品、サービス、システム
↓状況の理解

●事例紹介(モバイルレジャーガイド)
PARC x DNP
PARC 高度なリコメンドエンジンを持っていました。
DNPは、豊富な情報コンテンツを持っていました。

DNPの課題は、紙が将来無くなっていくのではないか?
若い層は、紙を読まなくなるのではないか?どうデジタルで情報提供すれば良いのか?
PARCは R&D のアプローチに関してもコラボレーションしました。

20代は、毎回、同じことをするのは、イヤ、
新しいスポットを探索、発見したい。
利用するうちに、個人の好みを学習して、リコメンドする仕組みを作った。
2004年のプロジェクト。ガラケーの時代。今のスマホ市場を予感させるアイデア。

●事例紹介(ホンダのアシモのインタラクションプロジェクト)
ロボットと子供が神経衰弱をやります。
子供は全然楽しそうでありません。
子供同士がどうやって神経衰弱をやっているのか、エスノで観察しました。

神経衰弱で勝った場合はうれしそうな顔をし、取られた方は残念な顔をする

人間というのは、関係性を維持しつつ、調整することで機能している。
今のロボットでは、まだそれができない。
必要な振る舞いがどういうものであうのかを発見していきロボットに活かす。

エスノグラフィーの役割はプロジェクトに関する全員が共感できるアイデアが出た時に成功したと言える。
企業でのエスノの役割は、ユーザーが、知る、買う、使う、捨てる というインサイトがあり、
インサイトを見つけるのがエスノグラフィーの役目。