12/31/2014

[&] 1000 books #17 - HOLO Magazine




「安藤日記の千冊紹介」17冊目は『HOLO Magazine』
僕も Kickstarter で支援したメディアアートの雑誌です。
$35,000 の予定で開始して、倍の $71,494 を集めました。

メディアアートや、それ系の広告プロジェクトの紹介サイトである
CreativeApplications.Net の企画。約200ページのボリュームです。
取材に基づいた、深い記事が読めるのが良いところ。
一般的に、アート作品の完成版の展示や、映像を見ることは多いが、
実際はそれまでにいろいろな失敗や検討、調査、試作をした上でやっと完成しているもの。
その軌跡や考え方を知ることで、作品群がどうやってそのクオリティを出せるのかがわかってくる。

https://www.kickstarter.com/projects/holo/holo-magazine

http://holo-magazine.com/

残念ながら、日本の書店で置いているところはないけれど、
オンラインで購入できます。$35+送料。
こういう、本当に読みたい人が、ライターや編集者、出版社を支援して本や雑誌を出すということが、容易になってきたともいえる。こういう本や雑誌がもっともっと増えてくるといいな。

HOLO Magazine – Kickstarter campaign video from CreativeApplications.Net on Vimeo.


[&] Best entry of 2014



今年1年を振り返る的なことを。
今年は「ユーザー(利用者)」よりも「ピープル(人)」が重要視された年であり、
来年はさらに強くその傾向が出てくると考えています。

2014年に書いたブログの中から、人気の高かった記事10選(順不同)

●メディアアート系の作品を展示する際の注意事項集:展示のUX
http://www.andoh.org/2014/03/ux-of-exhibition.html

●職場の人間科学(People Analytics : Ben Waber)
http://www.andoh.org/2014/06/people-analytics-ben-waber.html

●2014年に入ってから{Google/Apple/Microsoft/Facebook/Yahoo!/Oracle/Twitter}に買収された企業リスト
http://www.andoh.org/2014/05/list-of-mergers-and-acquisitions-by-x.html
→あわせて 2014年後半はこちらを参照(ただし10月分まで、Google は 11月12月にも数社買収)
http://www.andoh.org/2014/10/list-of-mergers-and-acquisitions-by-x2.html

●Android マテリアルデザイン対応のためのチェックリスト
http://www.andoh.org/2014/10/material-design-on-android-checklist.html

●ZEP NIGHT「利他的UX ”がつくる未来 ~これからのUXDとは?~」千葉工大の安藤昌也先生の講演
http://www.andoh.org/2014/09/zep-night-masaya-ando.html

●Pinterest Design Night Tokyo (Fireside Chat) ピンタレストのデザインイベント
http://www.andoh.org/2014/08/pinterest-design-night-tokyo-fireside.html

●SIGGRAPH 2014 (Papers Fast Forward) day1 : CGの学会SIGGRAPHの論文紹介
http://www.andoh.org/2014/08/siggraph-2014-papers-fast-forward-day1.html
→あわせて SIGGRAPH ASIA 2014 の論文はこちらを参照
http://www.andoh.org/2014/12/siggraph-asia-2014-papers.html

●Android Wear のデザイン原則
http://www.andoh.org/2014/03/design-principles-of-android-wear.html

●Super Flying Tokyo 2014 * Aaron Koblin : 他にも Super Flying Tokyo のセッションは全部記録しました。
http://www.andoh.org/2014/02/super-flying-tokyo-2014-aaron-koblin.html

●Eliot Bergman / Infographics Design
http://www.andoh.org/2014/01/eliot-bergman-infographics-design.html

12/30/2014

[&] 1000 books #16 - ALICE'S ADVENTURES in WONDERLAND with artwork by YAYOI KUSAMA




「安藤日記の千冊紹介」16冊目は『ALICE'S ADVENTURES in WONDERLAND with artwork by YAYOI KUSAMA』

不思議の国のアリスの本なのですが、全ページ草間彌生の水玉三昧。
それこそ不思議な世界に引き込まれます。
見終わると、世界が全部水玉にみえてくるくらい。
何ににも似ていない色使いも素晴らしいです。
クロス張りの表紙も本棚映えします。本棚に置いてないけど。

紹介ビデオも素敵な編集です。



12/29/2014

[&] 1000 books #15 - Helvetica Forever: Story of a Typeface




「安藤日記の千冊紹介」15冊目は『Helvetica forever ヘルベチカ・フォーエバー タイプフェイスをこえて』

2009年に出版された Lars Mueller 本の翻訳です。
1957年に Max Miedinger と Eduard Hoffmann が作り上げて以来、
スイスデザインを表現するシンプルでありながら力強いフォント。
「ヘルベチカ」とは、ラテン語で「スイスの」という意味。

この本では印刷物に限らず、ロゴやポスターなど、様々なところに使われている、
生きた Helvetica の使い方を示した本。
本の中に印刷された本があって、読んでいて不思議な気分になります。
Helvetica をロゴに使っているのは BMW, ルフトハンザ、インテル、トヨタ、など多数。
変形した派生フォントのロゴも合わせると数限りないくらい。

40 EXCELLENT LOGOS CREATED WITH HELVETICA
http://www.webdesignerdepot.com/2009/03/40-excellent-logos-created-with-helvetica/

改訂版となる Neue Helvetica シリーズや、ビットマップ用に加工された Geneva や、
Windows 用のライセンス回避?のための Arial や、代替フォントの Swiss721 とか。

iOS にも Helveticaシリーズ、Helvetica Neue シリーズが入っている一方、
Windows Phone は Segoe UI, Android は Roboto と独自フォント。
Helvetica は活字による活版印刷で、インクの滲みなどを考慮したであろうフォントデザインだから、
デジタルの今となってはもっと最適なフォントがありそうだけど、まだまだ現役。

そういえば Helvetica の映画もありました。



12/28/2014

[&] 1000 books #14 - Louder Than Words: An Introduction to Nonverbal Communication




「安藤日記の千冊紹介」14冊目は『非言語(ノンバーバル)コミュニケーション』マジョリー・F・ヴァーガス

言葉以外のコミュニケーション要素として「9つの非言語メディア」
人体・動作・目・周辺言語・沈黙・身体接触・対人的空間・時間・色彩
が説明されている。一般的に言うボディランゲージとして理解することもできる。
電話やビデオ通話で、情報が欠落してしまい、コミュニケーションしづらいのもこれが理由。
言葉によるコミュニケーションは、コミュニケーション全体の 35% にしか及ばないとのこと。
言葉で噓をついても、その立ち振る舞いで、噓がバレてしまうことからもわかる。

1987年(原書は1986年)のこの本は、人と人との非言語(ノンバーバル)コミュニケーションが主体だが、
実は、デジタルデバイスとそれを使う人のコミュニケーションもこのノンバーバル的な要素があてはまる。
例えば、Apple 製品で、パスワードの入力を間違えたら、ブルブル震えて間違いを示唆するのも、
こういうノンバーバルな考え方から生まれたものだと思う(真意はわからないですが)。
ノンバーバルな「時間」一つとっても、タイミング、間、早め、遅め、朝と昼と夜、過去と未来、
あらゆる要素が、コミュニケーションの質に影響を与える。
文字や言語だけでは伝えきらない要素を、シンプルにそして強力に伝えなければいけない、
デジタルデバイスの時代にこそ、必要なノンバーバルという考え方。
ノンバーバル関連、他にもいろいろ本がありますが、最初の一冊としてもオススメ。
ちょっと文体が古く感じてしまうのは否めませんが。


12/27/2014

[&] 1000 books #13 - TECHTILE




「安藤日記の千冊紹介」13冊目は『触感をつくる――《テクタイル》という考え方』

触覚というのは、五感の中で割合は少ないながらも、とても大切で敏感な感覚。
単に触覚といっても、手や指の肌から感じられる情報はとても多い。
形状、温度、質感、特性、硬度、これらの全部が触覚に依存する。
もし触覚が無くなったとしたら、人はモノに触っても自分自身を感じ取ることができなくなる。

触覚に関する情報は少なくて、この本とあと数冊くらい。
最近は超音波アレイを使った研究も進んでいるようなので、期待される分野だと思う。

●Rendering Volumetric Haptic Shapes in Mid-air Using Ultrasound
●HORN:The Hapt-Optic Reconstruction
●Traxion
●MagicPot
●REVEL
●AIREAL
●Botanicus Interacticus




12/26/2014

[&] 1000 books #12 - Winkreative Design Stories




「安藤日記の千冊紹介」12冊目は『Winkreative Design Stories』
タイラー・ブリュレが率いる Winkreative のデザインストーリー本。
絶妙なレイアウトで虜になる雑誌 Wallpaper* に続き、渋い Monocle もヒットさせ、
「今時、紙の雑誌?」と後ろ指さされつつも、大成功躍進中。
編集長といいつつも、基本は記者であり編集者。何かを伝えることを熟知しているのだと思う。

そんなブリュレ氏が CEO を務めるのがブランド構築、出版、デジタルデザイン、
パッケージデザイン、広告などを手がける Winkreative.
"crafted" と呼ばれる昔ならではのスタイルを踏襲する、世界各国を又にかけるエージェンシー。

そんな Winkreative が、数々のクライアント仕事を、どのようなマテリアルを用意し、
どのようなブランディングをしていったのか、百社百様の仕事履歴を見ることができる本。
企画に困った時にインスピレーションの源になるような、とてもカラフルな本です。


[&] Visual Web Analytics



ビジュアルWeb解析  
UX流Web設計&分析でアクションにつなげる方法/清水誠さん

2000年ごろIAをやっていて、UI設計もやっていて、
限界を感じて、
UIはいくらがんばっても上手に作るだけで、それ以上は難しい、
ビジネスにコミットしているわけではない、
いいものを提案しても社内で進まないとか、
もどかしい想いをしたので、そこから試行錯誤しました。

自分が事業会社側にはいって、CMS導入とか、
楽天とか。前よりも手応えを感じましたが、
それでも UXというのは成果にコミットしづらい。
マーケティングの法はデータの活用が進んでいて、
同じことを UXでも、貢献度を数字で表現できるのではないか?
ユーザー視点でサービスを作っていくのもマーケティングでも活用できるのではないか?

私がやっているアナリティクスは、マーケというよりも、UX的アナリティクスです。

ビジュアルWeb解析の特徴。
UXアナリティクスとかとも言います。
特徴としては、ユーザーの視点で考える。
大事なことだけをざっくり分析
数字や文字よりもビジュアルを重視。
ユーザーにとってみれば細かい分析は要らない。
エクセルの大きなシートよりも、パッと見で見えるように、
そこからアクションにつなげていく。

サンクトガーデンという会社を手伝っています。
ビンで、冷蔵しなければいけない。知名度が低い。
オンラインもあるが、お店で飲んだ方が美味しい
物理的に足を運ぶと、週間づけができる。繋がりを維持したい。

バレンタイン、お歳暮、リンゴの季節など、季節性が高いので、
一年に一回ではなく、いつもつながっていたい、エンゲージしたい。
それを受けて、作ったのが、コンセプトダイアグラム

コンセプトダイアグラムは想いが入っています。
ビジネスとしてはこうなって欲しい。
その想いのマッピングです。地図ではありません。
こう動いて欲しいという矢印が大事になります。

二種類のペルソナに分けてあり、
飲んだ事が無い人、飲んだ事がある人に分けています。
人によっては長い期間をかけて、また飲んでみようという良い体験をして、
ビールのうんちくを語れるようになって、レベルアップしてもらう。
地ビールにハマって、レベルアップしてもらうのをビジネスゴールにする。

ネット上の資料請求とか、会員登録とかをゴールにしがちなのを、
流れで考えて、思い出してもらうなど、流れの方が自然でかつ視野が広がる。
短期的なゴールを考えてしまうと、広告で集めてきて、
いったん使っても、二度と飲まないとか。
視点を変えることをした。
登場人物とステップと最終ゴールを矢印でつなぎます。
誰にどうなって欲しいので、どういうマーケティング施策をするのか考えていく。

知ってしまうには、話題作り、ギフト用、特徴、歴史、ラインナップ、商品詳細
知ってもらうきっかけを増やす。
初めて飲むときに、どれが一番自分に合うのかチャートを作りました。
自分の好きな銘柄を見つけられるようなコンテンツを追加。
思い出すためのきっかけ、オクトーバーフェスト、定期試飲会、
広報ブログでマニアックな情報を発信しています。
泡立て方の解説とか、周りに語り出す。また新しい人が知ってくれる循環が回る。

いろんなコンテンツ施策の位置づけが明確になってくる。
流れを考えていくと、必要なコンテンツが明確になってくる。
これらは全部指標化できます。
軸が見えてきます。
プレゼント用ビールが必要だとなってくれば、
どちらの商品が買ってもらえるのか?
自分で買うのとギフトとして買うのと、どちらの割合が多いのか?評価軸が見えてくる。

結果的には、オンラインの売り上げが2倍に、来年には3倍に向けて。

コンセプトダイアログとは
サイトのコンセプト、つまりユーザーの意味
図・行動と運営者による取り組み
見ると気付く。ディスカッションが進む。
意思統一ができる、俯瞰できる。必要な施策を洗い出せる。

会員性のコミュニティサービスの場合、
仕事で解析ツールが難しくてわからない。成果を出したいというニーズ。
検索で調べる。サイトのコンテンツを読んでもらって、
何回か読んでもらって、会員になってもらって、イベントに集まってもらって、
人とつながってもらう方が良い場合もある。
それによって、その人がエンパワーされることをゴールと置きます。

モデルはビジネスによって色々です。
コンテンツを読むようなサイトの場合は、訪問、表示、読了、満足という流れ。

B2B の場合は、
選び方を理解し、必要なブランドを知り、機種を選んで、アクションする。
発注主がWebを使って、販売会社に問い合わせる場合もあれば、
大手の取り引き先の場合は、取り引きチャネルがある場合もある。
発注主が必要な部分を考えた上で資料請求する。
さまざまなコンタクト方法がある。

コンセプトとしては、既存の営業方法の方がボリュームが大きい。
Webでの問い合わせは件数が少ない、でも絞り込んでいるので、
理解して自覚した状態になっているので、ゴールが近い。
Web経由の問い合わせは対応が楽で、成約率も高い。
量から質にゴールを変更した。
大きな図を書くと、Webの役目が絞り込まれていく。

書いていくと、いろんなことが見えてくる。指標化。

話題作り
PR
SEO
イベント出店

どのようなステップを経てきたのか。
どれが効いたのか、理解した上で、判断をしたい。
効果の濃淡を観たい。
クリック率、コンバージョン率をみてしまいがちですが、
いろんなアクションからスコアリングして判定しています。
重み付けして、点数をつける。意思表示など。
経験値みたいなもの。
長い目で経験を可視化していく。

いろんな取り組みも、そういう視点で見ていくことができる。
ブログを見ている人と、見ていない人で、
流れがどれぐらい違うのか比較できるようになる。
単純な訪問数ではなく、理解できる。

3つの切り口で見る
1. 全体の流れ
図解したおおきな流れの現状や達成感の確認
数値の少ないところ、総合的にあたりがつけられる。
全体のバランスを確認することが重要。

2. きっかけ/要りグリ
集客の直接、間接効果を把握
オンライン購入とお店の地図を見た人の両方を。
飲んでみたくなったというのを指標にしている。
バナーの評価も同様。掲載開始の最初の7日間のクリック回数を見ている。

3. コンテンツの効果
コンテンツの場合は、沢山の状況が掛け合わされるので、難しいですが、
知ってもらいたいための特徴コンテンツを見た事がある人と、
見た事が無い人と、セグメントを切って分析する。
よりエンゲージしてくれるのに違いないということが数字に表される。
これで違いが出ない場合は、コンテンツが役割を成していないことがわかる。

特徴を伝えるコンテンツが大事だということがわかったので、
グローバルナビゲーションを二つ使って、コンテンツを追加。
直接リンクはっているわけではないのに、より商品を見てくれるようになった。
どのページから見られると、その後の動きに違いがでてくることが多いのか。
「ビールの特徴」コンテンツから見始めた人は、商品を見る確立が高く、購入者も多い。
ブログの位置づけは、レベルアップのためのマニアックな記事と、思い出してもらうためのブログ記事、

それを評価する時、記事タイトルと、その後の動きを確かめる。
ブログは購入を直接的に狙っているわけではない。
商品への到達。記事の中にさりげなくリンクを張っている。
書いた人は、記事の話題、改善につながっていく。

Web人材募集の人は、回遊につながっている。
数字で見れるとブログを書いている方も楽しい。

Web やコンテンツの目的を明確にし
目的に応じて評価すること

記事を見て、下までスクロールしたらとか。
マウスポインタが 3秒以上載せていたらとか、
メルマガ経由で訪問したらとか、
JavaScript やクッキーで工夫すると、気持ちが見えてくるので、
コンバージョンとして数値化される。

狙いどおりになったのかを数字で評価できる。

■ビジュアルWeb解析とは
顧客をビジュアライズ:ゴールをステップに分解
施策をビジュアライズ:施策をマッピング
効果をビジュアライズ:効果を見える化する

レポートの作り方も、パッと見でわかるように工夫します。

ワークショップをやっています。
1. ゴールを決めます。 モノを買うだけでなく、使う、使ってどうなりたいのか?まで考える
企業視点ではなく、顧客視点で。
「シェア拡大」とかではなく「いつも使いたい」とか

2. ゴールまでのステップを決める
ユーザーを主語とした動詞で表す。
記事を読む。会員になるとか。
消費者行動モデルも参考に
違いを知り→買う方法を調べ→お店にいって→食べる
納得する→飲んでみる→思い出す→又飲む→レベルアップ

3. 流れをパターン化する。
分岐したり、入り口をわけたり
軸を作ると効果的です。縦軸、横軸。
高めて導く、モノを買うとかは、だんだん納得して最後に買うパターンも。
お試しでまずは購入して、続けるうちにだんだんハマっていくパターンと。
大きくわけて2つになる。

●制作会社の例
発注者
ゴールとしては、単発の依頼ではなく、もっと広い、戦略的な相談をされて、大きな仕事をしたい。
発注者からくる問い合わせをわけて、作業依頼と、
戦略的な相談と二つにわけて、その割合を見ていく。
その依頼を受けてコンペで勝って、プロジェクトを成功させる。

件数と割合を表現し、数字をぱっと見で全体像で見えるように。

●B2Cの場合。車や携帯電話メーカー
乗り換えるまでにいかに維持し、活用レベルを上げていくか?
単純に2年間維持するだけでなく、上手に活用してもらえないと、
別のものに変更してしまうので、活用向けのコンテンツを提示していくのを設計する。

図がどうなるのかはビジネス次第です。
同じ業界でも会社によっても変わります。
サイトの位置づけを明確にして、改善していきます。
一見、Web解析っぽいのですが、ユーザー視点でいかに Web そのものを評価していくのか、
ビジネスそのものもユーザー視点を入れていく。
モデルがユーザー視点になっていけば。

ワークショップやるだけでも視点が変わる人も多い。
UX で声高に言うよりも、図を書くだけで、ユーザー視点がジワジワ広がっていう。
UX のことを別の言葉でやっていくだけ。
実際、いくつかの制作会社と、一緒にやっていて、
もっとバリューをだしていきたい。
アドバイスしたり、社内もお客様側も講評で、
マーケティングとは?サービスが変わっていったり、手応えがあるので、
やってみる価値はあるのではないかと。

12/25/2014

[&] 1000 books #11 - The Last of the Really Great Whangdoodles



「安藤日記の千冊紹介」11冊目は、
『偉大なワンドゥードル最後の一匹』ジュリー・アンドリュース

メリーポピンズや、サウンドオブミュージックで知られるジュリー・アンドリュースの書いた子供向け空想小説。
いしたにさんがインタビューで取り上げていたのを見て思い出しました。

想像力を触発するためか、挿絵がいっさい無い本。
2008年に新訳で再販されました。
新訳の方は、ちょっと翻訳っぽさが残っているので、好みが分かれるかもしれません。
なんといっても初版本の方が、最後のセリフが小粋で、読後感が素晴らしい。

読んだ年代によって、登場人物の誰に自分を投射するのかが変わってくるので、
読んだ人それぞれで、とらえ方が異なる本かもしれません。
読む前と、読んだ後では、確実に世界観が変わります。

文字だけなんだけど、絵本みたいな本。


[&] 1000 books #10 - Fika





「安藤日記の千冊紹介」10冊目は、
『Fika』IKEAのスイーツレシピ本です。

Fikaとはスウェーデン語で、コーヒーブレイクの時間のこと。
この Fika は、基本はスイーツのレシピ本なのだが、
その材料の見せ方が、展開図的で、とてもいい感じ。
こんなにバターと砂糖を使っていたのか! とかが良くわかる。

ものすごい手間がかかるけど、こういう風に分解して見せるのは、
定番の手法でありながら、絶妙で瞬時に伝える手法だと思う。

残念ながら、一般の書店ではあつかっておらず、
日本の IKEA でももう品切れになってしまったようなので、
どこかで見かけたら入手が吉。定価は 799円。
http://www.ikea.com/jp/ja/catalog/products/70251599/

12/23/2014

[&] 1000 books #9 - Guillermo-del-Toro-Cabinet-Curiosities



「安藤日記の千冊紹介」9冊目は、
『ギレルモ・デル・トロ創作ノート 驚異の部屋』

独特のおどろおどろしい世界観を描き出すデル・トロ監督の、創作ノートに解説をつけたもの。
帯には「パシフィック・リム」が描かれているが、これは最後に数ページ申し訳程度に追加されたものなので、そこにはあまり期待せずに、その他の魅力あるスケッチに酔いしれるのがおすすめの本。

洋書の方がハードカバーで装丁が良いですが、通常の画集とは大きく異なり、解説文の文量が極端に多かったり、メモもスペイン語が混じっていたりするので、コレクション用途で無いかぎり、日本語版がいいと思います。

とりあげられている映画は
『クロノス』
『パンズ・ラビリンス』
『ヘルボーイ』
など。

日頃から、常にアイデアや思いつきを書き留めていることが読み取れる。
本のタイトルにもあるように Cabinet Curiosities 秘密のお宝部屋を持っていて、
映画のセットで使われた小道具や模型を保管しているそう。
この本を見るたびに Codex Seraphinianus を思い出すのだが、
その話しはいずれまた...



12/22/2014

[&] 1000 books #8 - GIONGO GITAIGO JISHO



「安藤日記の千冊紹介」8冊目は、
『ぎおんごぎたいごじしょ 新装版』牧田智之

本のサイズも手頃で、装丁デザインもとても素敵な存在感のある、本棚映えのする本。

ユーザインタフェースまわりの仕事をしていると、
そこ、もっと「シュッと」動いて!とか、
もっとこう「スカッと」動かないかな〜とか、
オノマトペ (onomatopee) と呼ばれる擬声語、
擬態語、擬音語で表現しがちである。

一般的な言葉であれば、まだ良いのだが、
そのうちディレクション?が加熱してくると、
そこ「シュルっぴた」で動いてよ〜などと訳の分からない造語になったりもする。

擬態語、擬音語には微妙なニュアンスがあって、同じ言葉でも
生活してきた環境や世代によっても、少しづつ感じ方が異なる。
たぶん、アニメーションカーブやコマ割りなど数値的に表せるものもあるとは思うのだが、
なかなかそうもいかない。まずは、語彙を増やすところから。

今度僕に会って、妙にスカポコ変な言葉遣いをしていたら、擬音語擬態語の練習中だと思って見逃して欲しい。


[&] 1000 books #7 - Origins of Form (Christopher Williams)



「安藤日記の千冊紹介」7冊目は、
『かたちの理由:自然のもの、人工のもの。何がかたちを決め、変えるのか』Christopher Williams

1995年初版の本が、2013年に再版され、その再版本の日本語翻訳版。
自然のものから形を学び、人工物がなぜそのような形になっているのか理解できる。

第1章 形と物質
第2章 支柱と結び目―構造の要素
第3章 大きさ
第4章 形と機能
第5章 世代―過去からの影響
第6章 環境の影響による変化―環境の中での形
第7章 目的論―世界を統べる法則
第8章 偶然と非合理

モノを見ただけで華奢なものか、丈夫そうなのか、だいたいわかるのはなぜだろう。
誰がデザインしたのかわからないけれど、脈々と使われているモノの形がある。

自然の中から読み取った法則もある、
フィボナッチ数列、黄金比、対称、流線型、空間分割、最密充填。

道具を進化させ、長く生きながらえるためには何が標準化され、
何が変化していけば良いのか、様々な事象から最適解を読み取る本です。


12/21/2014

[&] 1000 books #6 - Snow Crash (Neal Stephenson)



「安藤日記の千冊紹介」6冊目は、
『スノウ・クラッシュ』ニール・スティーヴンスン

1992年のSF小説で、近未来のアメリカには、
ハードウェア用のマイクロコードを書くプログラマと、
ピザの配達人と、エンターテインメント産業しか残っていないというお話し。
「メタヴァース」と呼ばれるバーチャルな世界の描画とか、
ネット時代の社会構造とかをことこまかに描いている傑作。
調度この頃 Webブラウザ上で3DCGを表現する VRML が盛り上がりつつあって、
Snow Crash を読んでいないと、比喩やたとえ話しに着いて行けなかったりした。

それから12年経った今では、小説に描かれていた近未来が、2014年の現実が追い越していることもあるかもしれないけど、
VR/MR/SR といった仮想現実系に関係の有る人は、発想が広がるので、一度読んでおいても損は無いと思う。

なんで今、スノウ・クラッシュをとりあげたかというと、
Neal Stephenson が、巨額の投資を得ている Magic Leap という
謎の拡張現実を手がける企業に、Chief Futurist として加わったからだ。

Sci-Fi Author Neal Stephenson Joins Mystery Startup Magic Leap as ‘Chief Futurist’
http://www.wired.com/2014/12/neal-stephenson-magic-leap/

謎が多すぎる Magic Leap だが、600億円を超える資金を集めているということは、
すでにかなりのレベルのデモがプロトタイプ機で動いていているということを示唆している。

特許情報と、従業員名など公知の情報から、いろいろと予想されている。

655億円の巨額投資が動いてるのに内情一切不明。Magic Leap のARとは?
http://www.gizmodo.jp/2014/12/655magicleapar.html

はてさて、いったい何が出てくるのか?
Google Glass や Magic Leap みたいなものが世の中一般に広がるためには、
技術的なクオリティ云々や、キラーアプリがうんぬんよりも、
実は社会性や、思想、哲学的なことの方が重要で、
常に 10年くらい先の未来を思い描いている Neal Stephenson みたいな頭脳を
召還するのは、とても気が利いた人事だと思った。
今の技術で出来ることと、今はまだ出来ないけど、その先の目指すところが必要だと思うから。

2001年に出た文庫版の表紙も気に入っている。小説の世界観をとても鮮やかに表現してるから。




12/20/2014

[&] 1000 books #5 - The Laws of Simplicity (John Maeda)




「安藤日記の千冊紹介」5冊目は、
『シンプリシティの法則』ジョン前田

ユーザーインタフェースの考えや、流行として、
「Minimal」、「Minimalism」があるが、これは本来建築やアートの世界から来た考え。
デジタルデバイスやデジタルコンテンツ向けのシンプルな考え、思想としては、
「シンプリシティ」がとてもしっくりくる。

法則1:削減 シンプリシティの実現は考え抜かれた削減を通して
法則2:組織化 システムを構成する多くの要素を少なく見せる
法則3:時間 時間を節約することでシンプリシティを感じられる
法則4:学習 知識はすべてをシンプルにする
法則5:相違 シンプリシティとコンプレクシティはたがいを必要とする
法則6:コンテクスト 周辺にあるものは決して周辺的ではない
法則7:感情 感情は乏しいより豊かなほうがいい
法則8:信頼 シンプリシティを信じる、信じられる
法則9:失敗 決してシンプルにできない種類のものもある
法則10:1 明白なものを取り除き、有意義なものを加える

アウェイ:遠く引き離すだけで多いものが少なく見える
オープン:オープンにすればコンプレクシティはシンプルになる
パワー:使うものは少なく、得るものは多く

この本自身がシンプルで、わかりやすい例で説明されており、
どういうものが使いやすいのかだけでなく、
それがなぜ使いやすいのか、
どういう思想のもとで作られているから使いやすいのか、
とても明確に、そしてシンプルに明示した本です。
例えば、iPod のホイール操作がどういった考えで、
どう進化してきたのか、考察とともに、原理原則が理解できます。
こういった根源的で普遍的な本は少ないので、とても貴重な一冊。

TEDでの講演も素晴らしいです。
http://www.ted.com/talks/john_maeda_on_the_simple_life?language=ja

そして、本人のサイン入り!
現在は RISD を辞めて、ベンチャーキャピタル KPCB で活躍中とのこと。



12/19/2014

[&] 1000 books #4 - Proportional Harmonies in Nature, Art & Architecture (Gyorgy Doczi)



「安藤日記の千冊紹介」4冊目は、
『デザインの自然学 自然・芸術・建築におけるプロポーション』ジョージ・ドーチ

自然界の様々な生き物の美しい形状、比率、プロポーションを観察し、
アートや、建築物に対比して解説してある本。

しばらく絶版だったのですが、最近再版されました。
つまりは、それぐらい、永続的で普遍的で素晴らしい内容の本ということ。

身の回りのデジタルデザインや、デジタルデバイスを見ても、
本当に美しいと感じられるものは、何かしら生物や自然など、
世の中にあるものを深淵的にはヒントにしたものが多いように思う。

ケヴィン・ケリー氏が
「テクノロジーを整理するには、生物学と関連付けるのが良い」と言ったり、
IDEO のティム・ブラウン氏が
「未来のデザイナーは生物学を学べ」と言うこととはまた少し違う感じではあるが。

印刷のデザインでも、デジタルデザインでも黄金比とか、白銀比とかがとりあげられている。
確かに美しい比率になるけど、世の中にある大抵のものは黄金比か白銀比に当てはめられるような気もしていて、
ではデジタルコンテンツの美しいプロポーションとは何なのか?

蝶が美しいのは、あるところの比率が云々ではなく、
全ての箇所の比率と調和が美しいのだということ。
アプリのユーザインタフェースなどにこれらの美しさが取り入れればいいな!と思いつつ眺めている本。

と、またもやまとまってないけど、書評じゃなくて、紹介だからいいのだ。
この調子で続けられるといいな〜

12/18/2014

[&] 1000 books #3 - Inspiration and Process in Architecture (Zaha Hadid)




「安藤日記の千冊紹介」3冊目は、
Moleskine Inspiration and Process in Architecture - Zaha Hadid (Design and Architecture Books)
モレスキンのノートブックなのですが、中身は全部印刷された書籍です。
実際に Zaha Hadid がモレスキンを使っているのかどうかは解りませんが、
スケッチや、図面など、素材的なものがつまった本です。

ちょうど、初台オペラシティギャラリーでの展示もあと数日、12月23日まで。
展示点数や、ビデオ解説が結構たくさんあるので、さらっと見る感じだけでも 2時間ぐらいかかると思います。
http://www.operacity.jp/ag/exh169/

完成した建築の写真やパース画はよく見る機会がありますが、
実際の建築模型とか、構想中のスケッチ画、
ソファやハイヒール、照明、カトラリーなどはなかなか見られないもの。

沢山素材を見て感じたのは、Zaha は奥行き感覚をハックするような感じで、
直線や、曲線を使っているということ。
Zaha の建築は一瞬で大きさが把握できないのも、そのせいかもしれない。
2.5次元で作りたい建築を考えて、それを無理矢理三次元の建築物にしているような気がしてならない。





12/17/2014

[&] 1000 books #2 - Putting finger




「安藤日記の千冊紹介」2冊目は、
『指を置く』 佐藤雅彦, 齋藤達也

2014年2月に銀座グラフィックギャラリーで開催された展覧会の図録。
http://www.dnp.co.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=1&seq=00000613

印刷された図柄に自分の指を置くことによって、不思議な感覚が呼び起こされる展示会でした。
そこでの展示が収録されている図録的な書籍です。
見に行った会場で欲しかったのですが、その時はまだ出版されていませんでした。

スマートフォンや、タブレット端末、テレビやパソコンまで、タッチパネル全盛時代になって、
指で何かを操作することには慣れつつも、意外と根源なこと、心理的なところまで追求できていないのが、
この本で明らかに、そして明確に浮き上がってくる。

タッチパネルで操作しているその瞬間は、指の影になって、そこに表示されているものが見えていないこと、
指の腹で操作していると思っているけど、実際は少し右下にズレたところを触っていること(右手の場合)
指で触る領域が小さすぎると、わざわざそこを狙って注意深く操作するため、遅くなるし、間違えやすくなるし、
不要な注意力がストレスにもなる。

「指を置く」ではそんな根源的なことに気づかせてくれる本。
実際に展覧されていた画像を見て、自分の指を置いて、どんな感情が巻き起こるのか試してみることができる。

人間や霊長類にはミラーニューロンというのがあって、
他の人が行動しているのを見たり、映像や画像の中に違う人が行動していることが描かれていても
なぜか自分が行動しているのと同じような脳の働きをする場合があるそう。
他人の行動を理解したり類推できるのも、このミラーニューロンのおかげ。
行動を真似することで、共感を得たりすることもある。

と、なんかまとまってないけど、書評じゃなくて、紹介だからいいのだ。
お昼休みに10分くらいで書くほうが、続く気がする。
いしたにさん、堀さん、以外にも1000冊紹介始めた方は居るのかな?
とりあえず、いしたにさんが、めんどくさい女性が好みらしいことは解った。


[&] 1000 books #1 - Mr. Penumbra's 24-Hour Bookstore by Robin Sloan



「安藤日記の千冊紹介」始めます!一冊目です!

いしたにまさきさんが、「いしたにまさきの1000冊紹介するシリーズ」を始めたとのことで、
それも、なんと最初の一冊が「フライターグ 物語をつむぐバッグ」とのこと。
1冊目 『フライターグ 物語をつむぐバッグ』チューリッヒ・デザイン・ミュージアム

松岡正剛の千夜千冊は、ずっと読んでいて、
2005年のダン・ギルモア本の時に「安藤日記」がとりあげられていて、
超びっくりしたり.....
http://1000ya.isis.ne.jp/1075.html

ということで、僕も千冊めざして気に入った本の紹介を始めることにしました!
まずは最近、いしたにさんに「安藤さんは絶対読むべき」と言われた、
『ペナンブラ氏の24時間書店』を紹介します。余談ですが読み終わってます。

登場人物は.....
Google に勤めるいつも同じTシャツを着ている美人プログラマと、
胸の揺れを正確にプログラミングして億万長者になったゲームプログラマ、
ちょっとだけプログラムできる書店の店番の主人公、
謎の蔵書のある24時間営業の不思議な書店のオーナー
同居人の特殊効果アーティスト
Google の巨大ブックスキャナ担当エンジニア
伝説のフォントデザイナー グリフォ・ゲリッツズーン

作者は Google+Amazon で Googlezon という 2014年を予想した
EPIC2014(2004年制作)のロビン・スローン氏。これで面白く無いはずが無い。
この本を楽しむには、建築とか印刷とかテクノロジーとか、相当な前提知識が居るハズです。
そして島村浩子さん ( @rhiroko ) の翻訳も素晴らしい。
SNS担当者のことを、ちゃんと「中の人」と訳してあるから。

よし、一冊目の紹介書けた。書評でなくて、紹介だから、こんなんでいいのだ。




12/15/2014

[&] craigmod x numabooks



「ぼくらの時代の本」クレイグ・モド @craigmod x @numabooks

内沼晋太郎氏:
全員が本を持っているというトークショーは珍しいです。

クレイグモド氏:
今まで10回ぐらい出版記念のトークショーを経験しているのですが、
普通だれも本を買ってくれないんですよね(笑)
皆が本を頭に上げてください!(写真撮影)

内:
最初にページをめくってもらって、最後に種明かしをしようと思うのですが、
引用があって、しばらく謎めいたイラストが続いています。
ちょっと考えると分かる人は分かるのですが.... これをちょっと眺めて頂いて、
分かった人は黙っていて頂いて、最後に種明かしします。

ク:
秘密があって、5000年前からの秘密のイラストとか、
楽しんだりしているところがあって、
電子版、こういうエッセイ達はいろんなところで出版されているが、
その時よりもいろいろ遊んでいる本。

内:
今朝ドットプレイスという Web マガジンに書いたのですが、
テキストは Web 上で読んでいるわけですね。
クレイグのサイトで公開されているものの翻訳なので。
この本の中で具体的に書いてあるが、Web に公開してしまった方が本も売れると。
こういう本だよねといっていることを、この本で完全に体現している。

ク:
そういう風に考えてもらえるとうれしい

内:
凄いこだわりの想定じゃないですか。箔の感じとか。

ク:
日本で本を作り始めたのが 11年前から、本は電子ではなく、紙だけで、
日本大好きなのは紙を大切にしている。綺麗な本を作るのは、
アメリカで作るより日本で作るのが簡単。この本には哲学があって、
表紙はラッピングされていない。カバーがかかっていない。
読者にどうやって一番きもちよく伝えるのか?
カバーが無いと、一つのものに感じる。
カバーが引っかかったりすると、一つの物体じゃなくて、
ユーザーエクスペリエンスのためにカバーをつけないほうがいいと思っている。
帯が面白いのは、キャッチコピーを見て、買ってから捨ててくださいというふうに
帯を考えています。この本もカバーがなくて、
表紙を丈夫にしてあります。

ク:
青色の紙を使っているから、真っ白を出すために箔押しするしかない。
中身の紙は真っ白ではなくて、目に優しい黄色がはいっていて、
インクは真っ黒じゃなくて、青色インクで、一色でどうやったら
独特の色が出来るのか?考えて。
イラストや写真も独特な。印刷物の良さを感じます。

内:
手にとったときに、表紙の紙が青い紙で、端末が光っている、
周りを黒で塗ることで、白で光っているのが、かなりカッコいい。

ク:
ナナスエさんというデザイナーと、ルイスさんが、こういうデザインを
非常に力を入れて、表紙とかだけで、数週間かけてずっと作り直したり
作り直したりしていました。

内:
最初タイトルも違ったですよね。

ク:
「本をハックせよ」となっていました。
ハックしようとはしていないよなとなって。
この全部のエッセイを、3月に作りましょうという話しになって、
その時には、この中のエッセイはけっこう前に書いたので、
疲れていて、自分では読みたくなかった。

ク:
昔のものをまとめて編集されて、デザインされて、
イラストいれて、前書きをいれると、全然あたらしいものがうまれた。
びっくりした。今の時代に対して、
5年前から考えが続いていることが、
どうやって本がかわっているのか?
すごく近くで見て来た。
電子が絶対勝つわけでもないし、紙が死ぬわけでもないし。
それぞれの良さがすごくあって、
5年前なら、紙が終わりとかも言っていた人がいたけれど、
iPad が登場して。2003 年で、電子本の売り上げがあがっていないのです。

内:
横ばい。

ク:
やっぱり紙の良さ、紙の良さ、みんな忘れていないと思って、
こういう時代は、今って紙の本を作ろうとすると、
10年毎よりも100倍簡単に作れる。
明日作ろうと思えば、だれでも作れる。
電子だけじゃなくて、紙の本も作れる。
電子の本もだれてもつくれる。
自由さがあがってきた。

ク:
エッセイでは、印刷の良さ、電子のよさ、
両方バランスをとって考えている。
本をハックせよ!よりも、ぼくらの時代でも、2000年頃と、
本への感謝はそんなに変わっていないんじゃないかと。

内:
本の当然変わってきた、本の歴史も長い間に変わって来た。
最初は手書きだったり、印刷になって、それまでは写植があって、
今はなくなって、デジタルの本がでてきて、今のぼくらの時代はこれが本だよ。
ということが書いてある。
出し方も、紙の本は美しく、電子の本は機能的。
Webにもあるが、お金を出して本が欲しい人がいる。
大きな出版社から出すのではなく、考え方を理解している出版社から。
届けたい人に届く本。
本のたたずまい自信が僕ら感があって、とってもいい本になった

ク:
しかも、これを紙版を買うと、電子版も手に入るように設定されているので、
紙と電子の使い方はちがって、
検索は電子のほうがよくって、結構楽しい。
紙の本があると忘れなくくなる。
電子は画面に出ていないと忘れる。

内:
電子の時代になったら、場所をとらないといいけど。
実は場所をとるからいいんです。
この空間のこの感じは、本が場所をとっているからいい感じがする。
こんな雑誌!と気付いたりする感じがいい。
Flipborad の本を作る P202-203 を開いてください。
そうすると、203ページにある写真が、調度そこに置いてある本です。

ク:
4年前に Flipboard に入ったんですよね。4年前から、ずっと iPhone 版のアプリを
作っていました。出来上がった頃には、非常に寂しくなっていた。
非常に苦労したし、アプリを作るのに非常に時間を使ったし、徹夜したし、
力がかかった。電子のものを作っていると、残るものが何にも無いじゃないですか。
フォルダには 2000万のファイルがあっても、同じもの。
どうやって、皆ががんばって苦労した大変さを
心で理解できるものにできるのかな?と
こっそり、この本を作ったんです。

ク:
全部のデザインのデータを撮ったりオフィスのデータを
git のコミットのメッセージを 1万メッセージくらいかかったのを印刷して、
この本ができあがったんです。最後の日に、これを2冊しか作っていなくて、
2冊を会社に持っていって、2週間で作って、
お礼として会社にあげて、これを見ただけで泣き始めた人が至り。
5kg ぐらいの重み、やっとちょっと何をやったのか、やっとわかってきて、
それがすごく素晴らしかった。作ってよかったな〜
俺もやっとわかった。
この一年間なにを苦労したのがわかった。
AppStore に出しても 1.0 を出しても、それを守ることはなく、
2.0 になったら 1.0 をもう触れない。
地球が終わるまで触れるように、本を作った。

内:
7章はハイライトだとおもう。本はだれでも作れる。僕らの本の時代。
本棚にならばない寂しさ。フォルダに一個ファイルが入っているものと、
万単位のファイルが入っているものが同じものに言える。
本はうれしい感じもするし、本でしか体験できないことがある。

ク:
本にはいっていない話しになるのですが、
なんでここでイベントをやりたかったとなると。
本屋は大好きで、週に3−4回きていて、
執筆していたりしますが、
3年前にできて、アメリカではボーダーズが潰れて、
日本でこんな素敵が立ち上げたとは衝撃で、
こんな本屋をアメリカで作ろうといったら変に思われる。

ク:
出来てから、ものすごくうまくいっている。湘南店も。
そのギャップが面白い
本は文化とつながっている。
全国の本屋を見ていて?

内:
アメリカと日本のギャップで言うと、
来月でる &プレミアム 1月号が、本屋特集で、
代官山、函館にも、湘南にもいきました。
ここがなんで特別か?なんで出来たのか?
本がある空間をつくって、その空間が売り。
本の売り上げだけじゃなくて、カフェや、他にテナントが入っていたり、
高級な本屋を作るということは、本を売る、利益を得ることだけを考えていたら、
成り立たないのですが、
本のある空間は素敵だね。
カッコ良く作った本が好きで、素敵だね!と思うという気持ちを商売にしている。
どこかテナントとか、湘南に行くと、30ぐらいテナントが入っていて、
高い家賃をだしても入りたいのは、人があつまって、別のものも買いたくなる。
全体をデザインしている。

ク:
伝統的というか、文化の繋がりが深いと思う。
アメリカだと、本を起きっぱなしだと、盗まれたりします。
こういうことができるアメリカ人はいないんじゃないかと。

内:
日本においても、さっき言った、本を売る以外のことを考えるところは
そんなに多くないんですよ。
下北沢で B&Bという本屋をやっていますが、本自体は売れなくなっていて、
本が好きという気持ちは、皆のなかでむしろ高まっていて。
そういうことがある空間にはいってみたい。
それをビジネスとして成り立たせるように、もりあがってきた。
全国をまわっていて、大阪にあるスタンダードブックストアとかも、
雑貨を売っていますし、
ビレッバンガードも本の魅力で雑貨を売っているし、

ク:
ある意味印刷物は、全部の本は Facebook と戦っている。
本だけじゃなく、空間も、
インターネットで時間をつぶしたり、本があると....
デジタル時代に入りすぎて、ここ3年くらい、ものすごく入り込んでいるのも
一つの原因じゃないかなと。

内:
そうだよね。
そろそろ時間....
続きはまたご歓談で...

ク:
こころから感謝を伝えたいのですが、
この本が出来上がるおかげて、僕の力は少しで、
ボイジャーの高山さんが編集のために
力を入れてくれたし、翻訳者のヒグチさん、
エッセイを読んで、勝手に翻訳していた人が、
デザイナー、ボイジャーを立ち上げたハギノさん、
4年前 SFで出会って、ヤクザの人だと思って、
親しくなるにしたがって、やさしい人だと思って、
いろんなコラボレーションが出来て良かったと思って、
この本を作っている間、なにも言わずに、やっと二ヶ月前ぐらいに
皆に紹介できて、社長がそういうことを許してくれたのがうれしい。
ボイジャーの他のスタッフ皆さんのおかげで作れました。

ク:
じゃあ、本が出来上がる直前で出て来たアイデアだったんだけど、
印刷のために 8月9月、アメリカのライブラリー、コーネル大学と
いろんなやりとりしていたんですよ。
昔のイラストとか、ハーパーズの 1865年の雑誌から、
どうやって作られているのか? 100年以上前からいろんなイラストを手に入れた。
やりつつ、いろんなことを調べつつ、
1万年前の本の作りとか考えると、
本の作りの歴史を入れようか!というんのがデザインのポイントです。
石から、木から、皮からも作られていて。
シルクでも作られていて、ワックスも使っていて、
そして、僕らの時代にはいってくる。Kindle と紙の本。
本の歴史がここに入っている。

内:
歴史をリスペクトしながら、これが僕らの本

ク:
ここで見るとやっぱり。本ていろんな素材で作られているし、
現代で、紙でも電子でもおかしくないんじゃないかと思ってくる。
昔は石が一番だと思っていた時もあったけど。
P14-15 で、iPad でスクロールができた!と言っている人が多いんだけれども、
言っているんだけれども、大昔のバイブルも現代でもスクロールで使われている。
ペーパーバックだけじゃなくて、これでも普通だし、木でも普通だし。

内:ク:
皆さんどうもありがとうございました!


※伝説の Flipboard 本。全部の github の checkin コメントが載っている!



[&] SIGGRAPH Asia 2014 Papers

■ SIGGRAPH Asia 2014 Papers
SIGGRAPH ASIA 2014 の全論文ダイジェスト! via. 五十嵐研


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■ Capturing Everything

●Automatic Acquisition of High-fidelity Facial Performance Using Monocular videos
動画から顔の3Dモデルを作成。ネット上にある比較的画質の低い動画からでも特徴を補完。
顔に勝手にヒゲを付け足したり、しわを見えにくくしたり加工できる。
最適化する時に、光と影の当たり具合から、3Dモデルを生成する。

●High-Quality Capture of Eyes
眼球をCGで表現するため。角膜、白目、虹彩の3つのモデルを別々に表現することで、
3Dスキャンと、LED光源で明暗を撮影したものなどを元にモデルを作成。実際の虹彩のようにアニメーションさせられる。

●Dynamic Hair Capture using Spacetime Optimization Paper Abstract Author Preprint Paper Video
http://lvdiwang.com/publications/haircap/index.html
髪の毛のモデルを作る方法。各フレームごとのモーションパスを分析して、髪の毛をリボン状に表現しモデル生成。
動画の最初から最後まで、動画中で髪の毛の長さは変わらない、最適化を加えて、最適な表現に。
風の影響や障害物の影響も。風が強い時とかは適応しきれない。オブジェクトが髪で全部隠れてしまうと異常な結果。

●Capturing Braided Hairstyles
http://www.cs.ubc.ca/~chyma/publications/cb/index.html
編み込んである髪の CG表現。カメラで撮影したものと、Kinect で撮影した 3Dメッシュを活用。
髪の毛の編み込みの中心となるようなものを選別し、データベースにある編み込み形状から類推。
複雑な編み込みの場合、中心がわからなくなって、再現が難しい。

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■ Paintings, Sketches and Buildings

●Autocomplete Painting Repetitions Paper Abstract Paper Video
http://www.liyiwei.org/papers/workflow-siga14/
ハッチング、斜線をたくさん書く場合。一個斜線を書くと、その先を類推して、自動的に斜線が描かれる。
コピーペーストも有効。ペースト先では変形してくれる。
直前のストロークを繰り返すか、周囲の状況に応じて、ストロークを変形。

●BiggerPicture: Data-Driven Image Extrapolation Using Graph Matching Paper Abstract Author Preprint Paper Data
http://cg.cs.tsinghua.edu.cn/biggerpicture/
写真があった時に、その外側を補完して描く。データドリブン手法。高速にデータ探索できる手法。
データベースにある類似風景画像を探してきて、つなげる画像として利用する。

●Sketch Classification and Classification-Driven Analysis using Fisher Vectors
Bag of Words による手書きスケッチ識別の手法。人間だと73% とほぼ同等の結果。
絵が下手すぎる? 人が間違えたサンプルを除去した時に、正しい結果を。
ベンチマーク手法の善し悪しがわかる?

●Data-driven Segmentation and Labeling of Freehand Sketches Paper Abstract Author Preprint Paper Data
http://sweb.cityu.edu.hk/hongbofu/projects/SketchSegmentationLabeling_SA14/#.VFSWLMk3Hio
スケッチを識別するのではなく、識別したスケッチののなかの部品を識別。
データドリブン手法。椅子のデータ解析の場合は、各パーツの対比、配置、ストロークの構成の対応づけで候補を計算。
全てのストロークにパーツを割り当てることで、最適化。

●ConstructAide: Analyzing and Visualizing Construction Sites through Photographs and Building Models Paper Abstract Author Preprint Paper Video
http://kevinkarsch.com/?portfolio=constructaide-analyzing-and-visualizing-construction-sites-through-photographs-and-building-models-2
建物の建築途中の写真があった場合、それから、完成形の3Dモデルと位置合わせを行い。
建築の進行状況を把握することができる。一致する対応点を指定するのは人間。
人や車などの動いている遮蔽物は複数の写真からの平均で検出。静止している遮蔽物は、深度データとの比較で検出。

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■ Meshing Surfaces, and Meshing

●Anisotropic Simplicial Meshing Using Local Convex Functions Author Preprint
http://research.microsoft.com/en-us/um/people/yangliu/
異方性のあるメッシュを作るアルゴリズム。既存のアルゴリズムよりもパフォーマンスが良い。
Optimal Delaunay Triangulation (Chen 2004) を改良。

●Dual Strip Weaving: Interactive Design of Quad Layouts using Elastica Strips Paper Abstract Author Preprint Paper Video
http://www.graphics.rwth-aachen.de/publication/247/
レイアウトアウェアな四角形メッシュ。綺麗なレイアウトができる。
ユーザーがインタラクティブに調整できるように。ユーザーがマウス操作で、四角メッシュを可視化してくれる。
方向の制約を与えたり、制約点を与えることができる。ループを計算するところが肝。

●Level-of-Detail Quad Meshing Paper Abstract Author Preprint
http://www.graphics.rwth-aachen.de/publication/248/
parameterization based quad meshing 四方向をサーフェス上に作り、それに沿った UV マッピングを作る。

●Field-Aligned Mesh Joinery ACM DOI Paper Abstract Author Preprint Paper Video (TOG Paper)
http://vcg.isti.cnr.it/Publications/2014/CPMS14/
木工ファブリケーション用。板を切って、三次元形状を作る。3次元形状に方向場を与えてスライスするのが特徴。

●Strict Minimizers for Geometric Optimization Paper Abstract Author Preprint Demo Program or Source Code
http://www.cs.technion.ac.il/~zoharl/
形をエネルギー最少化で表現。Mバーテックス、N三角で要素を数え、そのエネルギーの最少化、
エラーがある一カ所に集中してしまうのを回避する。
各要素の中で一番ゆがみが大きいものを大きなエネルギーと定義する。解の為に順序(事象順序)を与える。
二次元変形や三次元変形に使える。

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■ Light In, Light Out

●A Framework for Transient Rendering Paper Abstract Author Preprint Paper Video
http://giga.cps.unizar.es/~ajarabo/pubs/transientSIGA14/
従来のオフラインレンダリング、光は有限の速さをもった物体として、光が空間を伝搬するとしてレンダリングする。
プログレッシブに時間方向の次元を考えることで、良い結果を高速で得られる。新しいサンプリング方法。
時間方向を考慮することで、蛍光なども表現しやすい。時空間方向に沢山サンプリングすることで解決。

●Improved Sampling for Gradient-Domain Metropolis Light Transport Paper Abstract Author Preprint
http://www.cgg.unibe.ch/publications/improved-sampling-for-gradient-domain-metropolis-light-transport/
Gradient-Domain Metropolis Light Transport 従来法よりも、エッジなどの場所に集中してサンプリング。
さらに結果を良くする手法。単一の空間ではなく、いくつかの空間に分けて、分散が大きくなる場所を除去しノイズを軽減。
5x5 ぐらいの単位で、法線も考えて、より結果を良くしている。

●Residual Ratio Tracking for Estimating Attenuation in Heterogeneous Volumes Paper Abstract Author Preprint Paper Presentation
http://cs.dartmouth.edu/~wjarosz/publications/novak14residual.html
ボリュームレンダリング。雲のような一律では無いものの表現。
フォトンがどうインタラクションするか?光源から各点に到達するときにどれぐらい減衰するか。
Regular Tracking も Ray Marching, Delta Tracking もそれぞれ欠点がある。Ratio Tracking というアルゴリズム。
Residual Tracking という手法も提唱。分散の少ない部分、ある部分に分けることで、全体の分散を最適化。ノイズが減る。

●A Framework for the Experimental Comparison of Solar and Skydome Illumination Paper Abstract Author Preprint Paper Data Demo Program or Source Code
http://www.graphics.cornell.edu/resources/clearsky/
スカイモデルの検証。空の色のシミュレーション。それが現実の撮影したものとどれぐらい合っているのかを検証。
放射輝度系、自動で全方向をサンプリングする機器。各時間における変化も測定。
魚眼レンズで HDR 撮影し、画像イメージとも比較。表現モデルによって、いろいろと異なる。

★Rendering Volumetric Haptic Shapes in Mid-air Using Ultrasound
音波が出る機械、最適化手法でより良くなった。二つのフィールドを出すことで、
局所的なエネルギーの量を増やすことができる。
実際には手のトラッキングを行い、その場所に音波を集中させている。
リアルタイムで計算できる。空間上で操作できるデバイスができる?

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■ Smash and Stretch

●Fast and Exact Continuous Collision Detection with Bernstein Sign Classification Paper Abstract Author Preprint Paper Video
http://gamma.cs.unc.edu/BSC/
衝突検知の話し。布や髪の毛が貫通してしまうので、正確な CCD (continuous collision detection) を用いる。
三角形メッシュに限って考える (Provot 1997, Bridson 2002) はエラーが多すぎる。改良案もコストがかかりすぎる。
条件分岐だけで判定できる手法。一桁早くなる手法。

●Co-Constrained Handles for Deformation in Shape Collections Paper Video Author Preprint
http://meyumer.com/co-constraints.html
車のデザインのためのインタフェース。もともとあったものを変形したりして作る場合、
あまり多くの要素がありすぎて、調整が難しい課題がある。
だいたい 10〜20のサンプルのモデルを用意して、それを要約モデルに変換し、
変数を取り出して、全部のモデルの共通の変数を持たせる。パラメータ同士が相関関係を持っている。
トポロジーの変更はできない。サンプルが荒すぎるとうまくいかない。

●Local Barycentric Coordinates Paper Abstract Author Preprint Paper Video
http://staff.ustc.edu.cn/~juyong/LBC.html
重心座標系。これによってモデリングすると、全ての点が動いてしまうので、局所的に動かす手法。

●Robust Iso-Surface Tracking for Interactive Character Skinning Paper Abstract Paper Video
http://rodolphe-vaillant.fr/permalinks/elastic_implicit_skinning_project.php
リアルな肌のモデリングについて。従来方法Geometric skining は筒のようなものを変形して肌を表現。リアルタイム性は良かった。
弾力、皮膚がふれあう変形シミュレーションが表現できなかった。
Implicit skining method [Vaillant 2013] 骨格と照らし合わせて、最終的な結果をモデリングする。
最初の形状から、大きく変化すると狂ってしまう。膝の部分を大きく曲げた時など。

●Skinning Cubic Bezier Splines and Catmull-Clark Subdivision Surfaces Paper Abstract Author Preprint Paper Video
http://cs.gmu.edu/~ygingold/splineskin/
ベジェ曲線、サブディビジョンサーフェースをリニアにデフォーミングする方法。
制御点が増えすぎず、安定して編集できる。

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■ Displays, Reflectance and Texture

●Toward BxDF Display using Multilayer Diffraction Paper Abstract Author Preprint Paper Video
http://media.au.tsinghua.edu.cn/yegenzhi/BxDFDisplay.htm
BxDF ディスプレイ。光のあたる角度によって見え方が変わる、そのパラメーターを指定できるディスプレイ。
反射や透過の割合を表現。BRDF, BTDF, BSDF.
光の回折を利用する。光を遮蔽するドットを描いたら、好きな光の反射をコントロールできる。
光が入ってくるスリットを長くすると、一方向からしか見えないので、与えられた BRDF を表現できる。
層を重ねて、光がどう透過するのかモデル化して、逆向きの問題を解いて、それを実現する層を考える。
モデル化した上でどういう BRDF が表現できるか?層の数?ドットのパターン?

●Improving Visual Quality of View Transitions in Automultiscopic Displays Paper Abstract Author Preprint Paper Video
http://people.csail.mit.edu/pdidyk/projects/MultiviewTransitions/
眼鏡無しの 3Dディスプレイに関して。左右の目のためにパララックス方式。
左右の目に入る画像が逆向きになる場合がある。映像がジャンプする不連続な表現になる。
ヘッドトッラッキングやアイトラッキングする方法があるが、
そもそも表示する画像を修正して、違和感を除去する方法。剪断で無理矢理合わせる。
最適な場所から見ないと、斜めに線が入ってしまう事も解消している。

●Appearance-from-Motion: Recovering Spatially Varying Surface Reflectance under Unknown Lighting
物体の表面の反射率を、物体を手で持って回転している画像を撮影して類推する方法。
適当なところで、普通のビデオカメラで撮影しても、うまくいく方法。
RGB が均一な光の状況を想定している。ホワイトバランスをいじって、そういう状態にする。
充分に遠い点からのライティングで行う。

★AppIm: Linear Spaces for Image-based Appearance Editing
法線や、テクスチャを編集する手法。法線をRGBで表現してPhotoshop で編集するなどが行われている。
得られる結果が推測できない。あまりいい方法では無い。
スケールとか、ガウシアンフィルターなどが用意されている。

●Local random-phase noise for procedural texturing Paper Abstract Author Preprint Paper Video
http://icube-publis.unistra.fr/4-GSVD14
ランダムフェーズノイズをテクスチャーに応用する手法。人工的な繰り返しパターンはイヤで、
でも連続で、GPUで高速で、ピクセルごとに計算したい、パラメーターでコントロールしたい。
ノイズを作る方法と、ノイズを使ってテクスチャを作る方法の両方を紹介。

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■ Data In, Surface Out

●Real-time Shading-based Refinement for Consumer Depth Cameras Paper Abstract Author Preprint Paper Video
http://gvv.mpi-inf.mpg.de/projects/RealTimeSFS/
RGBカメラ、Kinect の入力。深さ情報は凸凹しているので、RGB情報を活用してリファインしてあげる。
並列化アルゴリズムで GPU 実装し、30fps リアルタイムで計算できるようなものにした。

●Robust Surface Reconstruction via Dictionary Learning Paper Abstract Author Preprint Paper Video
http://staff.ustc.edu.cn/~juyong/DictionaryRecon.html
Dictionary Learning をポイントクラウドで活用する方法。ノイズに強く、シャープなエッジを残せる。
スムージングしすぎないようにする。

●Morfit: Interactive Surface Reconstruction from Incomplete Point Clouds with Curve-Driven Topology and Geometry Control (Paper Abstract Paper Video) (Paper Abstract Author Preprint Paper Video)
http://vcc.siat.ac.cn/index/getInfo?title_id=453&id=625&to_path=project
入力が欠けた部分の多いポイントクラウドの補正。ユーザーが意図しないトポロジーにならないように。

●Quality-driven Poisson-guided Autoscanning Paper Abstract Author Preprint
http://www.informatik.uni-konstanz.de/en/deussen/publications/
スキャンの回数は任意回できる代わりにクオリティを上げる手法。
3Dスキャナを持ったロボットアームが入っていかないところはうまく取得できない。

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■ Moving Pictures

●Temporally Coherent Local Tone Mapping of HDR Video
論文がまだ公開されていない。

●Interactive Intrinsic Video Editing Author Preprint Paper Video Paper Data
https://liris.cnrs.fr/~nbonneel/publications.html
ビデオ映像から、リフレクタンスの要素をイルミネーションの要素を分離する。ビデオ編集のための技術。
高速にできるのが本論文のポイント。

●TrackCam: 3D-aware Tracking Shots from Consumer Video Paper Abstract Author Preprint Paper Video
http://www.liushuaicheng.org/trackcam/
トラッキングショット、車が止まっているように見え、背景が流れているような映像。
撮影時のカメラの軌跡を計算し、ブラーをかけれるようになる。
Pseudo 3D method により、奥のものほど動かず、手前のものほど動くので、奥行きを計算し、ブラー効果を実現する。

★Slippage-free Background Replacement for Hand-held Video Paper Abstract Author Preprint Paper Video Paper Data Demo Program or Source Code
http://vr.sdu.edu.cn/~zf/projects/slippage/
あらかじめセグメンテーションされた動画の背景を差し替える。普通にやると足がスリップしているようになるが、
それが起きないようにしている。
各入力フレームから良さそうなフレームを一対一で見つけてきて、それに適した変形をかけて利用する。

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■ Newton's Garden

●Windy Trees: Computing Stress Response for Developmental Tree Models Paper Abstract Author Preprint Paper Video
http://graphics.uni-konstanz.de/publikationen/2014/windy_trees/website/
風と木の枝のインタラクションについて。
枝を構成する部分は円柱で表現される。代表点が一つのパーティクルに。
実証は似た感じの木を探してくるとか(笑

●SPGrid: A Sparse Paged Grid Structure Applied to Adaptive Smoke Simulation Author Preprint
http://pages.cs.wisc.edu/~rajasekh/
ブラー流体シミュレーションの表現。効率的キャッシングで一部分ごとロードして物理メモリを効率化。
OCTree 的だが、SPGrid が効率が良い。

●Particle-particle Particle-mesh (PPPM) Fast Summation For Fluids and beyond (N-body Dynamics) Paper Abstract Author Preprint Paper Video
http://www.cs.ubc.ca/~zhxx/
オープンスペースの流体。沢山のパーティクルがある時の計算。

●Multiple-Fluid SPH Simulation Using a Mixture Model Paper Abstract Author Preprint Paper Video (TOG Paper)
http://gamma.cs.unc.edu/SPH_MULTI_FLUIDS/
複数の物性が持つ物体、沈殿していたりする流体の表現。

●Yarn-Level Simulation of Woven Cloth
縦糸と横糸の交差点を計算し、伸縮と曲げを受けるモデルとして比較的楽に計算できる。

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■ Scenes, Syntax, Statistics and Semantics

●Automatic Semantic Modeling of Indoor Scenes from Low-quality RGB-D Data using Contextual Information Paper Abstract Author Preprint Paper Data
http://cg.cs.tsinghua.edu.cn/people/~kang/semanticmodeling.htm
低いクオリティの RGB-D から室内シーンを再構成。ラベル付きのデータベースを持っておいて、
データベース内を検索し、要素間の接続情報を考慮する。
点群にフィットするオブジェクトを検索。RGBを重視する場合もあり。

●Imagining the Unseen: Stability-based Cuboid Arrangements for Scene Understanding Paper Abstract Author Preprint Paper Video
http://geometry.cs.ucl.ac.uk/projects/2014/imagining-the-unseen/
一枚のRGB-D画像が入力、シーンを要約するのが目的。シーンを直方体群で要約する。
画像内のオブジェクトに直方体を当てはめる。見えない部分もうまく配置する。
RANSAC アルゴリズムで、平面が抽出できる。

●Structure Completion for Facade Layouts Paper Abstract Author Preprint Paper Video Paper Data
https://sites.google.com/site/lubinfan/publications/2014-facade-completion/
遮蔽の多い画像から、物体を再構成する。セグメンテーョンとラベリングは手作業で。

●Creating Consistent Scene Graphs Using a Probabilistic Grammar Paper Abstract Author Preprint Paper Video Paper Data Demo Program or Source Code
http://www.cs.princeton.edu/~tianqian/projects/hierarchy/
与えられたシーン内のオブジェクトをパースしたい。意味のあるオブジェクトに分割。ラベル付け、階層構造化。
見えてるところから局所的なコピーを繰り返す。

●SceneGrok: Inferring Action Maps in 3D Environments Paper Abstract Author Preprint Paper Video
http://graphics.stanford.edu/projects/scenegrok/
アクションマップの推定。行動をタグ付けし、人が行動しやすい部分を機械学習で見つけ出す。
視線と物体のコリジョンから抽出する。
ホワイトボードが書きやすい場所や、テレビが見やすい場所などが分かる。

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■ 3D Printing

★Approximate Pyramidal Shape Decomposition Paper Abstract Author Preprint
http://www.math.zju.edu.cn/ruizhenhu/projects/pym/
3Dモデル全てを出力するのではなく、視点を考慮し、見た目が3Dモデルに見えるものを出力する。
類似度を高めるのではなく、安定性を重視した計算。Bas-Relief 浮き彫りのようなもの。
計算量が膨大になるので、見えている部分だけ、見えない部分はあまり計算しないよう重みづけ。
光の当たり方で、うまく見えないという問題はある。

●Assembling Self-Supporting Structures Author Preprint Paper Video Paper Data
http://www.inf.ethz.ch/personal/dpanozzo/#publications
アーチ橋のような形状を、ブロックでカーブを空間的に作りたい場合。

●Topology-constrained Synthesis of Vector Patterns Paper Abstract Paper Video
http://staff.ustc.edu.cn/~szhou/projects/SIGA2014/
デコレーション的な模様を、小さなインプット模様から、カーブをつけたり、
インタラクティブなデザインをして、最終的には 3Dプリンタで出力。
いったん分割して、部品を再構成して利用。3Dプリンタ出力しなければいけないので、
どこにもつながっていない箇所を無くしたり、変な穴が無いようにといった考慮。

★Appearance-Mimicking Surfaces Author Preprint Paper Video
http://www.inf.ethz.ch/personal/dpanozzo/#publications
そもそも 3Dプリントで一気に全部作らないで、分割したもので作ろうというアプローチ。
サポート材を無くして作れるように。Pyramidal Shape という考え。どこかに平面があれば作れるという方法。
問題として、最適分割かどうかはわからないこと。

★Creating Works-Like Prototypes of Mechanical Objects Paper Abstract Author Preprint Paper Video
http://www0.cs.ucl.ac.uk/staff/b.koo/publications/works-like_prototypes/works-like_prototypes.html
家具のような、インタラクティブに作る研究。機能を紹介している論文。
4つのジョイントを形状を与えることで、いろいろ作ることができる。
四角形をどんどん作っていって、ツール側で可動し、折り畳めるモデルが作られる。
折りたたみ、スライド、その両方か、ビボット式。
現状版は、四角形でしか使えないのが課題。

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■ Character Animation

●Locomotion Control for Many-Muscle Humanoids Author Preprint Author Preprint Paper Video
http://mrl.snu.ac.kr/research/ProjectManyMuscle/index.html
筋肉のシミュレーション。生物学的に正しい動きの生成をおこなう。
従来手法、物理は、関節にかかるトルクを考えていたが、理想的すぎるので、
最近は筋肉を考慮するモデルが流行。[ Wang 2002 ]
多くの筋肉を考慮している。簡略化しないで計算している。歩くサイクルを考慮した最適化をしている。
ある筋肉の痛みを避けるような歩き方がシミュレーションできたりする。

●Generating and Ranking Diverse Multi-Character Interactions Paper Abstract Author Preprint Paper Video
http://mrl.snu.ac.kr/research/ProjectPrevis/preVis.htm
アーティスト支援のためのツール。抽象的な記述から、マルチキャラクタがインタラクションする
キャラクタの動きを生成したい。入力は GUIでユーザーが指定する。ビジュアルプログラミング言語的なもの。
制約を満たすようなモーションをたくさん生成して、データベースと組あわせて当てはまるものを見つける。
たくさん候補が出てくるので、多様性がある。制約を満たす条件でまんべん無くみつけてくれる。
Google 検索のページランクと同じようなアルゴリズムを使っている。

★MoSh: Motion and Shape Capture from Sparse Markers Paper Abstract Author Preprint Paper Video Paper Data
http://ps.is.tuebingen.mpg.de/project/MoSh
モーションとシェイプのキャプチャ。数の少ないマーカーからモーションキャプチャしたい。
普通は 47のマーカー。+20 すると精度があがる。
これだとセットアップが簡単になり、既存のデータベースも活用できる。
通常のモーションキャプチャだと、スケルトンのポーズを推定するが、この研究では、
人間のシェイプも一緒に推定する。より精度があがり、情報量が多いという利点があり。
SCAPE ( SIGGRAPH2005) を活用。肉が揺れるモーションも対処としている。

●Leveraging Depth Cameras and Wearbale Pressure Sensors for Full-body Kinematics and dynamics Capture Paper Abstract Author Preprint Paper Video
http://students.cse.tamu.edu/stzpz/SA14/index.html
モーションキャプチャなのだが、Kinect 3台。靴に圧力センサーを仕込んだものを履いて使う。
10万円以下で用意できるし、セットアップが簡単。体に沢山マーカーをつけなくてもいい。
ポイントクラウドと、足にかかった圧力から。圧力は、つま先と、床と接触していたタイミングが分かる。

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■ Vectors and Shaders

●Automatic Shader Simplification Using Surface Signal Approximation Paper Abstract Author Preprint Paper Video
http://www.cad.zju.edu.cn/home/rwang/projects/shaderopt/shaderopt.html
GPUのシェーダーはいくつかのステージで使われるが、一部、重い場合がある。
重いシェーダーをシンプル化して、軽くしながら同じクオリティの絵を導く方法。
シェーダー全体のステージの相関を活かした形で、最適化する方法。
依存関係を分解し、変形していく。ほとんど差が無い画像が 3倍速で描かれるように。

●Deep Shading Buffers on Commodity GPUs
decoupled sampling を 一般的な GPUで実現。
[ Ragon-Kelly 2011 ] ラスタライズを分離して計算する。

●Whippletree: Task-based Scheduling of Dynamic Workloads on the GPU Author Preprint Demo Program or Source Code
http://www.icg.tugraz.at/Members/steinber
GPU の応用例があるのだが、グラフィックスパイプラインをダイナミックスケジューリングで最適化する。
ジオメトリの生成など、複雑な依存関係が存在するパイプラインを最適化する。

●Massively-parallel vector graphics Paper Abstract Author Preprint Paper Data Demo Program or Source Code
http://w3.impa.br/~diego/projects/GanEtAl14/
GPUにベクターグラフィックスを扱わせるために、より効率のよい、新しいアクセラレーション方法を考えたもの。
ベクターデータをプリプロセスする段階と、レンダリングする段階がある。QuadTree を使う。

●Hierarchical Diffusion Curves for Accurate Automatic Image Vectorization
ラスターイメージから diffusion カーブを使ったベクター画像を扱う。
元のイメージから、いくつかのフィルタをかけたものから、抽出したデータで、元画像を再構築する。

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■ Digital Photography

FlexISP: A Flexible Camera Image Processing Framework Paper Abstract Author Preprint Paper Video
https://research.nvidia.com/publication/flexisp-flexible-camera-image-processing-framework
カメラで撮影の RAW画像から、モジュール化された作業を経て最終的な画像を得ている。
最後の JPEG の時には、エラーが蓄積している。
モジュールを適用する順番に根拠は無いという問題点がある。

Fast Burst Images Denoising Paper Abstract Author Preprint Paper Video Paper Data Demo Program or Source Code
http://personal.ie.cuhk.edu.hk/~lz013/projects/BurstDenoising.html
連写して、その連続画像を利用して、綺麗な写真を得る方法。
実用的で高速なノイズ除去の方法を考える。

Spatial-spectral Encoded Compressive Hyperspectral Imaging Paper Abstract Author Preprint Paper Video
http://media.au.tsinghua.edu.cn/XingLin/SSCSI/sscsi.jsp
デジタルカメラは3つのセンサーで撮影しているのだが、周波数方向にもっと広いスペクトラル撮影、
多重露光的撮影をするので、時間軸方向に止まっているものしか扱えない。
カメラのフィルターに周波数が違うセンサーを使ったものを使う。

Mirror Mirror: Crowdsourcing Better Portraits Author Preprint
http://www.juew.org/publication/publications.htm
魅力的な表情をしているポートレートを抽出するために、
沢山撮影した中から、良い表情をしたものをクラウドソーシングでピックアップする方法。
ビデオクリップを見ながら 12分間のビデオを撮影し代表的な表情を 100個程度取り出す。
Amazon メカニカルタークで2択でスコアリングをしてもらい、魅力度を計測する。
シリアスから、カジュアルまで 25段階の表情。
冷静な顔で、魅力的な顔と、笑っていて魅力的な顔があるから。

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url links via. http://kesen.realtimerendering.com/siga2014Papers.htm

12/11/2014

[&] UX books 2014

UX Tokyo Advent Calendar 2014 の担当日です。
今年出版された UX 関連書籍を振り返ります!

僕的には 2014年を象徴するのは、
「マイクロインタラクション」と「ユーザーエクスペリエンスの測定」の2冊です!

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2014年出版から10選(特に良かった本!)

●ユーザーエクスペリエンスの測定 (情報デザインシリーズ)
●人間中心設計の国内事例 (HCDライブラリー)
●プロトタイピング実践ガイド スマホアプリの効率的なデザイン手法
●マイクロインタラクション ―UI/UXデザインの神が宿る細部
●メンタルモデル ユーザーへの共感から生まれるUXデザイン戦略2
●Lean UX ―リーン思考によるユーザエクスペリエンス・デザイン
●ほんとに使える「ユーザビリティ」 -より良いデザインへのシンプルなアプローチ
●人間中心設計の海外事例 (HCDライブラリー)
●THIS IS SERVICE DESIGN THINKING. Basics - Tools - Cases ー 領域横断的アプローチによるビジネスモデルの設計
●人間中心設計の基礎 (HCDライブラリー (第1巻))








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2014年の手前味噌(監訳を手がけました)
●SF映画で学ぶインタフェースデザイン アイデアと想像力を鍛え上げるための141のレッスン

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2015年期待の冊(何時出るのかな〜)
●デザイニング・マルチデバイス・エクスペリエンス ―デバイスの枠を超えるUXデザインの探求
●すべては体験に収束する。(仮)-デザインはどこにあるのか?

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2014年 UX の観点で買って良かった本(最新刊とは限りません。古い本もあり)
●Winkreative Design Stories: A Global View on Branding, Design and Publishing
●Designing the Internet of things
●五感刺激のブランド戦略
●錯覚の科学
●ゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるか
●CEOからDEOへ - 「デザインするリーダー」になる方法
●指を置く
●サウンド・ビジネス ~「音」から価値を生み出す新手法~
●デイヴィッド・オグルヴィ 広告を変えた男
●使うための心理学
●世界20カ国ノンバーバル事典
●フロッグデザイン創設者 ハルトムット・エスリンガー 形態は感情にしたがう
●脳と視覚―グレゴリーの視覚心理学
●ゆかいな心理学 無用の雑学知識―なぜ“美女は3日で飽きる”のか?
●円形 - ブルーノ・ムナーリ かたちの不思議2
●色彩の学校 -色彩論とデザイン原理を探り、表現するための50の実験-
●形は語る―視覚言語の構造と分析 (1979年)
●ブレイン・ルール
●ウラからのぞけばオモテが見える (佐藤オオキ/nendo・10の思考法と行動術)
●ひらめきスイッチ大全
●習慣の力

2014年の UX 本だけど、選外の本
サービスデザイン ユーザーエクスペリエンスから事業戦略をデザインする
デザイン人間工学 ―魅力ある製品・UX・サービス構築のために―
ユーザビリティエンジニアリング(第2版)―ユーザエクスペリエンスのための調査、設計、評価手法―
スマートデバイスのUXデザイン 事例から学ぶ失敗しないアプリ設計術
デザイナー、エンジニアのためのUX・画面インターフェースデザイン入門
スマートフォンサイトUI/UXデザイン実践テクニック ~理想的なユーザーエクスペリエンス実現のために~
デザイナーのためのiPhoneアプリUI/UX設計 (アスキー書籍)

[&] Microsoft Ventures - home automation demo day



Microsoft Ventures - home automation demo day
#hadd @MSFTVentures

マイクロソフトベンチャーズが支援する、
ホームオートメーション関連スタートアップのデモデイ

注:マイクロソフトは投資行為を斡旋しているわけではありません。
各自の判断でスタートアップを支援するように..... とのこと。

40人ぐらいメンターがいて、数ヶ月ごとに交代。
双方の希望で、マッチングさせているとのこと。

感想:
デモピッチの中で、メンバーの紹介(経歴)や、サポート企業のアピール
数多くのメディアでとりあげられたことをアピール。
クラウドファウンディングで調達は、定番。
既存の家電やホームオートメーションを置き換える動き。
エコや節約も一つのテーマ。
米国と日本、国によって DIY の考えや法制度の違いなどもある。
ガジェット好きにアピールするものではなく、
市場の大きな普通の家庭に浸透するようなものがウケている感じ。
まだ実体が無くてもメール登録だけでもプリオーダーを受け付けているものあり。

アイデアは簡単、実装は難しい ---- ガイカワサキ(元Appleエバンジェリスト)

●Microsoft のスタートアップ支援のステップ

Discover
BizSpark
Microsoft Innvation Centers
Partnerships with Leading Acceleratos & Innovators

Build
Microsoft Ventures Accelerators
Bangalore Beijin Tel aviv Seattle
Berlin London Paris

Grow

272の会社。16のスタートアップ。80%のフォローアップ
aka.ms/mvsea でアプライ。

●Chai Energy: リアルタイムでエネルギー消費をチェックする
https://chaienergy.com/
1年間で平均 300ドルの電気代の節約。
スマート電力メーターが Wifi 経由で、iPhone 上でグラフ化。メンション通知も。
毎日の電力消費を分析し、何にどれくらいコストがかかっているのかが分かる。
NEST など他のものは高額だが、Chai はたったの10ドル。
アプリは 2000ダウンロード、275のパイロット運用。100,000個のリリース準備中。

●ISI Technology / Heatworks MODEL1 湯沸かし器のIT化
http://myheatworks.com/
475ドル、事前オーダー受付中。
無駄な湯沸かし器をリプレースして 40% の電気代の節約、10% の水道の節約。
市場がすごく大きな領域。

●Neura: IoT のプラットフォーム。フィットネス、人の IoT 化
http://www.theneura.com/
第一世代の IoT はコントロールするだけ、第二世代は、インテリジェントに。
各種センサー、状況、コンテキストアウェアネスを理解。
朝起きたら、その人の情報提示。生活データを提示することでナレッジを得ることができる。
HP と Sigtel との連携

●Novi Security 家の中の活動をシームレスにトラックできるポータブルセキュリティシステム
http://www.novisecurity.com/
Kickstarter でスタート。成功。
天井に取り付けるタイプの、セキュリティ装置。
$199でプリオーダー中。来年くらいに発売予定
天井にとりつけるセンサーモジュールはバッテリー駆動。アプリでコントロール。
最初の機材ではなく、追加センサーの購入で儲けるビジネスモデル。
クラウドでデータを保存する、プレミアムサービスも。

●Reemo 家電をジェスチャコントロールするリストバンド型デバイス
http://www.getreemo.com/
家庭内に様々なデバイスがあふれている。リストバンド型の統合リモコンとして動作。
レシーバーを置いて、認識精度を上げているのが特徴。
様々な企業とパートナーシップを進めている。$1.5シードラウンド
$249ドル。開発キットが $299 で Q2 2015 予定。

●Plum スマホで家の各部屋の照明を操作
http://plum.equipment/
$89ドルから。
電源プラグ型、ダンパーと呼ばれる壁スイッチ型、壁コンセント型
照明コントロール市場は大きい。
壁スイッチを、タッチパネル式で操作。壁スイッチが光って状態把握。
スマホアプリで、パーティモードなど、単なる ON/OFF じゃないコントロールが可能。
キックスターター、Amazon でもプリオーダをたくさん受注している。

●Red Balloon Security: 組み込み機器向けセキュリティシステム
http://www.redballoonsecurity.com/
コンピュータウィルスが凄い勢いで増えてきており、
感染の危険性も高くなってきている。デバイス攻撃されないように。
SYMBIOTE は、様々なデバイス向けプロテクト環境。
組み込みのファームウェアへの保護システム。

●Scanalytics センサーを活用した現実世界の解析
http://www.scanalyticsinc.com/
小売店などで、センサーを活用した物理世界の解析システム。床センサーを活用したもの。
訪問したこと、混雑時などを解析し、物理世界のエンゲージメントを算出する。
人々は、入り口に入る時に40%パーセントの人が 4秒間躊躇するとかいったユースケース
マーケットは $3B から $14B に拡大している。

●SENTRI 室内の状況などを一つのデバイスでモニタリング
http://sentri.me/
$299でプリオーダー中。台湾のチーム。
62%がホームセキュリティを持ちたいと思っているが、実際に持っているのは 18%
天井に設置した、カメラ/センサーで検知。アプリでリアルタイムでモニタリング可能。
家電の ON/OFF、鍵の解錠、ペットのパートナーとしても。
ハードウェアを提供。サブルクリプションサービス、アプリ内課金のビジネスモデル。

●Wallflowr 火事のリスクを抑えるためのトータルソリューション
http://www.wallflower.com/
損害保険企業がサポートする、防災系のスタートアップ
ガスコンロが Wifi 経由で、アプリとつながれば、火災のリスクモデルが変化する。
大きな市場であるし、これによって不要な火災が避けられると良い...

12/10/2014

[&] WirePrinter - Stefanie Mueller


Stefanie Mueller
advisor: Patrick Baudisch
http://stefaniemueller.org/

WIREPRINT:
http://stefaniemueller.org/WirePrint/


大昔、写本は手で書くのが難しく、配布が限定されている。
手で作ったツールも、配布が限定されている。
グーテンベルグの活字時代になって、広く配布できるようになった。
印刷は特定の巨大な機械が必要であった。
ゼロックスコピーの情報で、それも変化した。

パーソナルファブリケーションで、物理的なものも作れるようになったが...

issues
#1 designing physical objects is still diffcult

constructable UIST12
LasterOrigami

何かをするにはまだ遅すぎる。
3D眼鏡を作るのに 14:30 時間もかかる。

not a big deal?
試作を短いサイクルで出来ないだろうか?

●faBrickator :fast 3d printing of functional objects
http://stefaniemueller.org/faBrickation/


大枠をレゴブロックで、肝となるところだけを 3Dプリンタで。
レゴの部品を少しづつ 3Dプリンタ出力したオブジェクトに置き換えていく。
でもおでこに跡がつくので、どうにかしないと!(笑
5時間で作れるようになった。

●WIREPRINT: fast wireframe prints
http://stefaniemueller.org/WirePrint/


三次元モデルをワイヤーフレームで 3Dプリントするように。
形状を把握するには良い方法。
XY以外にup/downできる 3Dプリンターで実現
ボトル形状が 14分で。8倍の速度
3D形状を入力すると、ワイヤーフレーム形状を自動生成

挑戦:

#1 raster printing を vector printing にしなければ。
layerwise printing をまず試した。
一つの角から、次の角までヘッドが移動するのdで、
実際はそれほど速くならなかった。
vector にすると 11倍のスピードで3D形状を作れるように。

#2 standard 3d printers as vector machines
普通の3Dプリンタはベクターに対応していない。
通常の XY 方向の 3Dプリンタに up/down 方向のロボットアームをつけた。

3Dプリンタをコントロールする GCode に Z方向の表現を加えた。
最初の試作プリンタが動いた時はすごくうれしかった!

#3 vector printing on 3 axis
表現する角度によって、エッジに限界がでてくる。
原因は、プリンタヘッドの大きさが大きすぎるため。
ジグザグで、描いて、そのあとに縁を描けば解決する?
sturdier エッジパターン。

#4 tweaking
最初のテストはけっこうグチャグチャ。
素早くプリントしたいのだが、
プリントスピードがどれぐらいまで上げられるのか不明であった。
ノズルの口径を 0.7mm と小さくしたら、速く固まるようになった。

3Dプリント用の樹脂の素材によって、自重でたわんできたり、
冷却が間に合わなくて、暖かい状態で、歪んでしまう。
それで、強制的にファンで空冷する仕組みを作った。
それらをソフトウェアでコントロールできるように。

ゆっくり動くときと、
高速に動いて、ポーズ、一端止まるように。

insight::
テンション
線は素早く動き、角で一端止まり、また素早く動くと、
目的の角形状がうまく作ることができる。

●ある特定の部分のディテールを細かく見たい時は....
1.55h のものが WirePrint だと 37分で。

次の挑戦は、面を表現する方法。
WirePrint はとても速いプリントができるが...
レーザーカッターと3Dプリンタの両方を活用して、ハイブリッド化する方法。
まずはレーザーカッターで必要な部品を用意、
ヒートガンで適切に曲げて利用。
ヒートガンでは作成が難しい部品のみを 3Dプリンタで。

●Lo-Fi Fablication という試み。
http://stefaniemueller.org/low-fi-fabrication/


3Dモデルの高精細なものから、ダウンコンバートし、
レゴで作ったローファイモデルから、レーザーカッターと3Dプリントで作ったモデルまで。

大量生産のものから、個人が作るものまで、
これらをつなぐような試みを続けている。