7/31/2008

[&] Innovation in Digital


元気ロケッツ オフィシャルサイト



Innovation in Digital
Tetsuya Mizuguchi
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18年前、2Dのゲーム時代。
今は仕事の形態が変わってきている。
音楽のプロデュースやイベントのプロデュースが増えてきている。

エンターテインメントを作る。
デジタルのプロセスで作る。それを世界中に配信/配給する。
常に技術のイノベーションが新しい表現を生み出す。

1972年、Atari PONG / Erik Klooster
世界で初めての家庭用ゲーム。ドットで描かれ、ビープ音。
Atari 社はまだ存在する。アメリカを中心にヒット。その後アタリショック。
ソフトを乱発しすぎた? 日本の囲碁の「アタリ」から。ロゴは富士山。

メディア美学を学んでいた。

space channel 5 に出演していたマイケルジャクソンはノーギャラ。
通話視聴率。
MTV Awards の CM に出演。
ゲームから出たキャラクタが他に展開。
MTV News に出る予定だったが、アクターズギルドからの反対

Rez
作るのにはとても時間がかかった。
気持ちの良いという要素を実装するのが難しかった。
気分が高揚している時の状態を解読してプログラムのコード化。
分解していく作業。メロディや音色などの分解。
人間の体の中で何が反応するのか、理由を考えるようになった。
面白くないものにも必ず理由がある。
商業的な成功はおさめられなかったが、賞はたくさんもらった。
リマスター版をリリース。
時間が経っても強烈な体験を得たものは古くならない。
ゲームを遊んでいるとばらばらだった効果音が音楽になっていく。

Lumines
PSP/DS のためにインタラクティブウォークマン的なゲームを。
PSPで発売。アメリカを中心に売れた。
Lumines 2 では 20アーティストにミュージックビデオとともに参加
既存の音楽がゲームにはいってくる。
音楽そのものがゲームに直結するのはこれまで無かった。
rockband というゲーム。何千万本と売れている。
音楽ゲームが米国とヨーロッパでは主要ジャンル

N3
XBox 360
「戦争のゲームは作らない」というポリシー。
それを逆手にとった。
黒澤明の羅生門。911テロ
人間対、非人間。
逆の立場で物事を見られる。
映画の構造上の問題として、一本の立場でしかない。
ゲームだと、敵だと思っていた視点で Flip して見ることができる。
CNN の視点、とアフガニスタンからの視点。
羅生門。証言が物語を作っていく。
立場や視点によって表現が全く違う。
人の感覚はいろいろなものに左右されてしまう。
実現することができた、一番の力は「解像度」
ドラマとして感情移入させることがゲームとして可能になった。

Lumines 2
背後に流れているのは BECK のミュージックビデオ。
音楽と同化しながらゲームができる。

2006 Genki Rockets
どうしてもみつからない音楽と映像があった。
見るだけ、聞くだけでハッピーになれる音楽と映像が無かった。
自分たちで作ってしまった。
ゲーム用の映像を世界中のみんなに見せてしまった。YouTube に飛び火。
音楽として一人歩きしている。
YouTube から不思議なことがおこりはじめた。
シスコのバイヤーから、レコードを出したいといわれ、
2000枚が完売。クラブでかかりはじめた。
J-wave でもかかり始めた。
一番熱意があったのが AVEX.
ライブアースという地球規模でのコンサート。
Al Gore 地球温暖化防止のため世界中のアーティストが 24h コンサートをリレーしていく。
2007/7/7 に行なわれた。「何かできないか?」
設定は 30年後の 17歳。名前は LUMI ちゃん。
宇宙ステーションで出産する人が出てくると思った。
人類史上初めて、宇宙で生まれた女の子。
20歳まで地上におりることができなかった。
いろんな地上のニュースを聞きながら育っていく。
青空を見上げる経験は無い。情報として知っているが、経験は無い。
それに体するあこがれを、歌詞にこめてみた。
地球に体するラブソング。
ホログラムでライブを。Al Gore をホログラムで説明。
YouTube に載せてから、コンサートまで、たったの十ヶ月
ドラスティックに物事が動いてきたが、これほど動きが早かったことは無かった。
ステージ上にホロ用の特殊なフィルムをはって利用。
20歳のときに地上におりてくる儀式を行なう予定。
グローバルであること、世界中のオーディエンスに聞いてもらう。
各国後のカバーを予定。
YouTube の登場で世界中にスピーディーに見てもらえるようになった。
地球規模で人々に影響を与えられるようになった。
その時、メッセージは何で、何がしたいのか?
昔に比べると出来ないことが無くなってきた。
歌い手は何人か、一人の人格に置き換えている。
発想はアナログだけれども、実現はデジタル。
デジタルのおかげでクリエイティブになってきている。
クリエーターとしては楽しい時代。
凄くリアルなゲームは作れるけど、それで何を作るか。
いかにプラスに転じるか。

ブレーキを踏むことばかり広げるのはクリエイティブでは無い。
ポジティブな方向に問題をクリアしていくのがクリエイティブの力。

7/30/2008

[&] persona


Cooper Journal: Personas

『ペルソナ/シナリオ法による商品・サービス開発』
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ここちよい体験のためのデザイン ペルソナ手法とは?

IBM のデザイン
 Paul Rand
 Richard Sapper
 デザインと感性の両立

四国 Noguchi Isamu のミュージアム

自宅と会社の他、サードプレイス
スターバックス。音楽レーベルを作ってくつろげる体験。
iPhone.
soft device
90% は普通のタッチパネルの UI と変わりない。
iPhone は 10% の違いが重要。
Jobs の考えで良い体験が得られること。

デザインとは?
色やかたちのこと? もの中心のデザイン。
お客様に満足してもらう。人間中心のデザイン

お客様満足度のために
「お客様が満足するためには」は「ユーザー中心の考え方」を徹底すること

ユーザーにスポットライトを浴びさせ、いつも使う人のことを考慮しながらデザインをする。
そのデザインのやり方を「人間中心設計」と呼ぶ。

対象ユーザーの理解
  ユーザー調査を通して対象ユーザーを理解して、情報を理解しやすいように表現する
プロトタイプ
  対象ユーザーが心地良い体験をするための仮説(アイデア)を視覚化する
ユーザー評価
  仮説(アイデア)が対象ユーザーにとって心地良い体験であるか、評価する

もの作りの最後の方で評価することが多く、出来上がりが近いと
実際のところ改変が出来ない。非常に早い段階で評価すべき。

デザイン分野の日本人はあまり手法とかプロセスが好きでは無い。
4-5年前 US のデザイン会議に、日本人が誰も居ない。USの代表的企業が集結している。
(参加者は プロダクト、車会社、テレビ局、ディズニー、スターバックスまで)

ほとんどの人がペルソナ手法を知っている。企業の中で実際に使っているのは半分くらい。
US では様々な手法を知っている。自分のビジネスやデザインにどう活用するかが議論の対象。
日本では手法自身も知られていないし、手法に対して興味がもたれていない。
US ではペルソナ手法を活用してビジネスで実績をあげている。

現在は、広告や宣伝をあまり信用しないようになってきている。
友人や知人の体験を信じる。
コストの削減:無駄なものを開発しない。
購買動機になるのか。本当にその機能を使っているのか。
IBM のホームページビルダーは開発に数億円かけたが、ムダだったかもしれない。

■統合的なお客様体験を考慮した、人間中心設計手法の効果
 お客様満足の向上/ブランドイメージの向上/コストの削減/差別化の確率
 対象ユーザーを分かりやすくしているのが、ペルソナ手法。

■ペルソナとは
 Goal Directed design (Microsoft アラン・クーパー / Visual Basic )
 対象ユーザーの設定/ペルソナの目標の設定/ペルソナのシナリオの設定
 シナリオはユーザーが明確で、ゴールが明確でなければいけない。

■たった一人のためにデザイン
 100% の人をそこそこ満足させるよりも、10% の人が 100% 満足するように。
 機能を多くすれば、その機能を必要でないユーザーには障害にしかならない。
 
■シナリオの構成要素
 1. アクタ(ユーザー)
 2. 背景情報、文脈情報
 3. 目標(期待)
 4. アクションとイベントの例

■ユーザー定義の要素
 ユーザー基本情報
  名前、年齢、男女、家族、職業、環境
  特徴(身体、認知、文化、性格、興味)スキル、知識
 ユーザーの役割
 ユーザーの目標
 ユーザーの好み

ブランドを意識せずにユーザーの意見を聞いても仕方が無い。
音の良いノートパソコンが欲しいユーザーは、IBM をチョイスしない。
SONY や Apple に音の良さを求める。

■ペルソナ手法のメリットとは?
 ユーザー像理解の促進:専門家でない人にとってもユーザー像が分かりやすい。意識して企画/開発できる
 コラボレーションの促進:部門間で共通の対象ユーザーを意識することができる。
             異なる部門間で統一のユーザー像によりコラボレーションしやすくなる。
 創造的なデザイン:開発者やデザイナーがより創造的な活動ができる
          より革新的な提案をすることができ、説得力がある。
          効率的なデザイン検討ができる。
          どちらがいいものかの議論は、対象ユーザーが違うだけの場合がある。
 効果的なユーザー評価:共通のユーザー像をもとに評価することができる。
          同じ商品でも部署によってユーザー評価が違う。これは対象ユーザーが違うから。
          被験者を集めるときのガイドに活用できる。

ユーザー評価でイイ結果を出してほしいという、意味のないユーザー評価は無意味。

市場の定義
ユーザー情報と競合商品情報の理解
コンセプトデザイン
設計の洗練。

■ペルソア手法の課題
 必ずしもうまくいくわけではない。
 人間中心設計手法の導入がまず重要
 関連部署が納得できるペルソナを構築
 ペルソナを効果的に活用
  広告戦略のシナリオ、セットアップのシナリオ
 ユニバーサルデザインへの対応
  高齢者など、何人かの対処となるキャストを多く設定する。

■イノベーションとは
 あたらしい発明や技術のこと:技術イノベーション
 人間や社会にうれしい、新しい価値を提供すること:デザインイノベーション

■デザインイノベーションのための5つのアプローチ
 Human Centered Design Approach : 人間設計アプローチ
                   ユーザーとの対話の中より、発見をする
 Smile Design Approach : 統合的な満足度魅力を考慮。アートの活用
 Multidesciplinary Collaboration Approach : 異なる分野の専門家によるコラボレーション
                      参加型デザイン
 Scenario Based Design Approach: まずゴールを描く、視覚化する
                  デザインイノベーションのための図面(デザイン)
 Prototype Driven Approach:まず作ってみる。ゴールを体験できるようにつくってみる。
               ユーザーがどのように感じるか、確かめる。

http://kazkazdesign.blogspot.com/

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ペルソナ/シナリオ作成のための具体的な実践テクニック

情報構造
 情報の組織化、構造化、意味の定義
表現
 携帯/色彩/ラベリング
振る舞い
 動作速度/アニメーション/音声

情報構造
 階層/コンテンツの階層構造化、利用者の操作手順、画面内での情報のレイアウト、UI要素の特定
表現
 視覚的表現、言語的表現
振る舞い
 アニメーション/言語的表現

1. ユーザー調査
2. ワークモデル分析
3. 利用者情報の統合
4. ペルソナ/シナリオ
5. モデリング
6. プロトタイプ
7. ユーザーテスト
8. デザイン FIX 〜実装へ

■グループワークを重視する
 ヒトとモノの相互作用は可視化・ドキュメントが難しい
 みんなで手を動かしながら考えることで、利用者の経験を共有することが必要

■ユーザー調査のポイント
 1. 利用者の声を聞くのではない。
  利用者の声(意識している部分)だけを聞かず、その認識がなぜ生まれたかの背景を明らかにする。
 2. 利用者自身を知るのではない。
   利用者と利用の目的・利用対象物の関係を理解する
 3. 「当たり前」を疑う姿勢が大切
   利用者の当たり前、調査者の当たり前の背景にあるものを見る
   紋切り型のレッテルをはらない「あの人は○○タイプだよね」はダメ。

■5つのワークモデル
 1. フローモデル
  ある仕事が複数の人間で分担された場合の必要なコミュニケーションの流れを示すモデル
 2. シークエンスモデル
  特定の人の行動がどのような手順でおこなわれたかを時系列で表すモデル
 3. アーティファクトモデル
  ある仕事を行なうなかで人が利用する人工物や、ノートやメモなどを作成して利用する情報の関して記述するモデル
 4. 文化モデル
  利用者が生活や仕事を行なう環境において、利用者の行動に影響を与える人やルール、その影響範囲を書き込んだモデル
 5. 物理モデル
  利用者や生活や仕事を行なう物理的な環境について考察するモデル。

■ペルソナ基本文書を作成する際の注意点
 1. どんな項目を基本文書に含めるかは、何をデザインするかにもよる
 2. ただし「写真」「名前」「役割」「ゴール」は最低限含める
 3. ありきたりな項目ばかりを集めた典型的なユーザ像をつくらない
 4. ペルソナは実在の利用者のデータを元に作成するが、すべてが事実というわけではない。
  こうなって欲しいという部分は創造性が必要。
 5. ただし、項目間に矛盾がないよう、項目間の関係性を十分考えた上で作成すること

■ペルソナのまとめ
 ○ペルソナとは、ヒトとモノとのインタラクションをデザインする際に有効な手法
 ○インタラクションデザインには、デザインコンセプトを決め、要求仕様を抽出するまでの
  上流行程と、要求仕様を実現するために「情報構造」「表現」「振る舞い」を決める下流行程に分けられる
 ○ペルソナ/シナリオの作成を含むユーザー中心デザインは、みんなで手を動かしながら
  考えるワークショップをベースに進めていく
 ○ユーザー調査で大事なことは、当たり前を疑い、実際の利用者の行動を発見すること。
 ○利用者の行動を理解するためには、ワークモデルを使って図式化し、構造を把握することが重要。
 ○行動パターンの類似を見て、利用者のグルーピングを行う。
 ○ペルソナ/シナリオは、どんなインタラクションを実現するかを描いたデザイン・コンセプト。
 ○シナリオはユーザ視点でユーザーの要求が抽出できるように描く。シナリオに描かれた物語
  自身がインタラクションのデザイン。

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ペルソナ戦略の可能性 〜実施事例からみる活用方法例

エディズハウスの完成後、ペルソナを活用。
鈴木エドワード氏とダイワハウスの共同開発
効率的な Web 販売。顧客の顔が見えない。ペルソナ戦略の活用。

ターゲットとする人物像を明確にし、彼らが顕在的かつ潜在的に欲する製品(モノ)を企画。
興味・関心を示していただくお客様を的確におさえ、モノを確実に届けるコミュニケーション
(ヒト)を用意し、的確な届け方(プロモーション)を用いて、受注へ繋げる。
全ての基準として、仮想顧客像が存在する。これは社内のベクトルを合わすためにも
重要な要素になる可能性がある。

////

Q. 企業でペルソナ手法を採用するためのコツ
A. 会社の中で評価基準が決まっている。数字をあげて、結果を出せば、理解してもらえる。
 協力者を募って、少しづつ味方を広げていく。
 ペルソナを使って「売れる」と理解してもらえる。
 トップの人に納得してもらわないと難しい。
 トップが一回やってみようと思わないと、ボトムアップだけでは難しい。
 トップを説得しないとダメ。プライベーソセミナーに、トップが出席してもらう。
 ひたすらペルソナ手法を知ってもらう場を地味に続けていく。

Q. グローバルな製品やサービスを作るとき、海外の人のペルソナを作るときには?
A.  ある程度世界で通用するペルソナを作っていた。
  世界のいくつかの場所で地道にインタビューを行なう。
  共通項目を見いだして、グローバルに国や地域とは関係の無い、ユーザの目標、ゴールを設定する。
  実際のインタビューだけではなく、ユーザに直接接する人たち(営業、サポート)の声を世界中から集める。
  ペルソナが各国バラバラでは意味が無い。ユーザを理解する意味では、共通点を見つけて、ペルソナ自身の数は多くなくていい。
  ベースにある価値観は国によって文化の違いがあっても変わらない(経験値)
  海外のペルソナを作れる会社に依頼するととんでもない金額になる。
  現地の普通の調査会社を使い、日本側でコントロールして行なう。

Q. ペルソナ手法のコストが社内で無かった場合、自分たちで行なう方法は?
A. トップダウンで費用を使うことができた。
  「ペルソナ」という言葉を使った時点で説得が難しい。
  他の言葉で言い換えると伝わりやすい。
  定量調査に関しては既存の範囲でもできる。
  質問の設計、簡易的なサポートをしてもらいコストダウン。
  ペルソナを作る作業は専門家にごく狭い範囲のみお願いする。
  自分なりに手法を勉強すれば、それほど難しいことでは無い。
  全部外部の会社に出すのは良くない。
  自分たちが足りない部分は外部の会社にお願いするけど、
  社内に普及させないといけないし、中の人達が調査の様子を見ていたりしないと、
  ペルソナの重要さが浸透していかない。中の人が積極的に作るのが良い。
  足りない部分は外部の会社にサポートしてもらえば良い。

Q. 社内側はどういうメンバーを選定すれば良いのか。進めやすい人数と期間は?
A. 10人から 15人くらいのコアチームが理想。ワークショップのことを考えると 10人以上いると話が散漫になりがち。
  どんな人を集めれば良いか:すくなくともデザイン、企画に関わる人は1人づつでも良いので必ず参加する。
  実際が調査を行なってペルソナが出来るところまでは 二ヶ月程度。
  コアチームと、参加者は分けた方がいい。代表する部門の重要メンバーは入れる。
  ある部門を外すと、協力が得られにくい。
  調査対象のリクルーティングに時間がかかりがち。全体で三ヶ月みておいた方が安全。
  ユーザの取材、定量調査に一ヶ月。ペルソナ作成に一ヶ月。
  営業系、デザイン系、設計デザイン系、宣伝系、マーケティング系、ペルソナ専門家の参加。

Q. ペルソナ手法は今あるものや、今使っているものを観察して有効な手法。
  まだ全く存在しないものに対しても使えるのか?
  コンセプト自身を受け入れてもらえるのかといった評価はできるのか。
A. 今まで無いものを作り出すにはペルソナ手法は有効。
  今あるものの改善にも使えるけど、
  IDEO もユーザーを観察している。
  プロトタイピングし、その評価を行なうというサイクルをまわしていく。
  ユーザがペルソナの設定をどこまでするかによる。
  携帯電話でどうメールを送っているのかという細かいシナリオ設定をしてしまうと限定される。
  新しいものを作るときは、現状のサービスを含めないペルソナ、シナリオにする。
  インタラクションシナリオ、対象物が明確なシナリオ。
  アクティビティシナリオ、あえて対象物を書かないで、新しい発想を得る。
  新しいものを生み出すにはそのためのシナリオが必要。
  逆に小さな発想になってしまう心配もある。
  考慮してペルソナのシナリオを作る必要がある。
  改善の時は、現状の問題を分析したり、現状のユーザーを観察したりすることの方が重要。
  新しいものを作るときはプロトタイピングに時間と費用をかける。
  問題解決型にやっているところが多くて、勘違いされがち。
  新しいものをデザインしたり、新しいものを設計するための手法である。IDEOがとても良い例。
  

7/29/2008

[&] Yiying Lu



Yiying Lu

以前 Sir. S 卿と「なんでみんな Twitter ダウンしても離れないのかね〜」
という話しをしていて、
そりゃリアルの世界でも、たまに連絡とれなくなったり、
しばらく会ってなかったり、ご無沙汰してたりするじゃん。
という話しになって、何となく納得した。

でも Twitter はもっと違う次元で
コミュニケーションというものが設計されているような気がする。

そんな「あ〜また Twitter 落ちてる〜」という時の
浮かぶクジラを描いているイラストレータ Yiying Lu 氏。
他にもトランプのデザインとか、
アートデザイン系、情報デザイン系のセンスが素晴らしい。

そんな浮かぶクジラを見ると
「クジラを浮かばせるくらい大変なんだよな〜」と妙に納得してしまう。
世界中のみんなは、結構浮かぶクジラ君が好きみたい。

あと、このクジラ君の画像ファイルのサイズ、
実はものすごく小さくて軽いんだ。
ちゃんと Twitter の down time の事を考えたイラストなんだな。



[&] Multi-Touch Surface Sphere



Microsoft のイベント Microsoft Research Faculty Summit 2008 で
球形の Microsoft Surface がお披露目された。
マルチタッチインタフェースが実装されている。

動いているところは、YouTube で観られるのだが、
画質もあいまって、ちょっとばかり美しくない。
テーブル状の Microsoft Surface は
"crispy” と表現されるような美しさを保っていたのにな〜

球形というと当然のごとく地球儀を考えるけど、
地球・月・惑星・太陽とかを表示するのではない
「球体」表示の意義はどこにあるのだろうか。

複数の人で見られる。
全方向から観られる。
そこにモノがある実感が得られる。
丸いから、撫でる感触を得られる。
一人で一度に全部は見られない。
とかとか。要素はいろいろ。

個人的には sensisphere の巨大な水滴のような球体インタフェースがイイな。
同じようなことをやっていても、
ある要素が抜けているだけで大きく違うってことが解ったかも。

lab binaer – Projekte

7/24/2008

[&] Edwin Zwakman



Edwin Zwakman Facades

実物を撮影しているのに、ミニチュア模型っぽく見える写真として
本城直季氏の写真をよく見かけるけど、これはその逆。

虚構と現実。模型と実物。極大と極小。

現実の建物のように見えるけど、よくよく見ると「模型」
「模型」だと解って見ていても、現実の建物に見える。
Edwin Zwakman 氏はこの手法で様々な作品を撮っているらしいが、
あまり情報は無い。本を見つけたんだけど、極端にページ数少ない。

Edwin Zwakman: Facades



実写をミニチュア模型風に見せる手法は解っていて、
そういうツールもあるし、レンズもあるし、
Photoshop でもちょっとしたコツがわかれば作れる。

でも、模型が実物の模型に見える●要素●は、なんなのだろうか。
単なる被写界深度うんぬん、ライティングうんぬん、模型の素材感うんぬん
とかではない、
何かまだ僕が解っていない要素があるような気がしてならない。

それとあまり関係無いんだけど、
被写界深度つながり。
同じサイトにある Cevdet Erek 氏の写真にグッときたよ。

7/12/2008

[&] iPhone 3G


林(nobi) さん x 及川さん による iPhone 3G 対談

■歴史的ターニングポイント

及川:
どれも同じようになってきて、持つ喜びが無い。
欠点さえも愛してしまえるような、もつ喜び。
昔 Mac のサウンドレコーダがあった。わざわざタイマーのために手間をかけた。
職人のこだわりが見えると、製品を愛してしまう。
日本の携帯電話は完成しているけど、各社かわらない。
iPhone には足りないところがいっぱいあるけど、
いろいろなことを思い出して。

林:
90年代はスペックシートの文化
機能の量から機能の質の時代。体験を優先する文化へ。
2007/1 に iPhone 発表時。
Apple が電話を変える。
初めアメリカで発売されたにもかかわらず、日本のメディアで紹介された。

今までの携帯電話の概念を超えた。壊した。
一般大衆消費財になると、スペック、機能比較に陥りやすい。
デジタルカメラの画素数の競争が典型的な例。

日本のこれまでの
カメラの画素数ばかり考え、何に使うのかを考えなくなってしまった。
Apple は噛み砕いた形で作り上げた。

日本の携帯電話はサービスが便利なことによって、便利だと勘違いしている。
iPhone はベストなタイミングでやってきた。
コミュニケーションが変わってしまう。

iphone が登場しなくても、ゆるやかに変わってきたと考えている。
日本の携帯電話にもフルブラウザはあるけど、なかなか使いにくい。
ビジネスモデルとして公式サイト、いったん登録して、
キャリアとコンテンツホルダーがもうける仕組みが作られてしまった。

おかしいと思っていたところに、黒船が登場した。
日本の携帯電話業界をゆさぶっているのが iPhone.

実はパソコンにも同じことがあった。
PC-98 非常に良くできたマシン。
電源を入れると完璧に動く。日本のクオリティの高さを示している。
世界の優秀なソフトウェアがなかなか使えなかったりした。
コンパックショック。IBM 互換機が一気に入ってきた。
日本のパソコンベンダーも IBM 互換機になってきた。
それまでの技術を生かしたまま、移行してきた。

ガラパゴス化と言われる日本。

iPhone の Web ブラウジング機能が革新的。
パソコンで行なっていたことが iPhone のメールと Web でほぼ完全に代行できる。
フルブラウザ的機能が簡単にできる。
簡単に使えるようになったので、
Google の調査では iPhone が使えるようになったので 50倍のアクセス。
シェアではまだブラックベリーにかなわないけど、アクセス量は iPhone が圧倒的。

iPhone だと 1台で足りる。
フルブラウザだと機能が足りない。
iPhone は見やすい画面ということが圧倒的。
視野角が iphone は広いので、みんなで見られる。
Safari でダブルタップで広がるのが素晴らしい。
カラム幅に合わせて表示してくれるのが画期的に使いやすい。

テレビを見ながら携帯電話を使っているユーザーが多い。

インターネットは所詮、書斎や仕事場の世界だった。
ポケットから出せる世界になる。キッチンなど、その場できることが
重要な価値を生み出す。

今回 GPS機能がついている。
geoTag がデフォルト YES になっている。
GeoTag がつくことによって、大きく変わってくる。

機能がうまい具合に詰まっている。
開発者らがインスパイアされる。機能からおもいつくものがある。
デザイナや開発者が、刺激を与えている。
Apple がすごいのは、標準アプリが開発者の手本になっているもの。
一つの世界観が詰め込まれている。

地理情報の取得がライブラリ化されていたり、開発者のことが考えられている。
昔の Mac の開発の志が iPhone で再現されている。

未来永劫、電話というものが変わってしまった。
Iphone で通話+ web2.0 が使えるものに。
IM や SNS, 主要なコミュケーション要素がすべて含まれている。

アップルしか出来なかったイノベーション!
垂直統合、水平統合することによって産業が活性化する。
end-to-end
実際のユーザが使うのを考える。一つのデザインとしての完成度が重要。
クリエイティブなものはコンセンサスではなく、
優れた人がやることによって完成するものがある。

どうやって携帯つくっているかというと、
春モデル、冬モデル、数件機能を付け足すだけ。
すごく分業が進んでいて、スペックシートで実装しているだけ。
それでいい「体験」を生み出すわけがない。
すべてを監督できる誰かがいないといけない。
エグゼクティブプロデューサが必要。

■ハードウェア、ソフトウェアとしての画期的な点

画面が大きい。
加速度センサーが化けるような気がしている。
モスキート:つぶれた蚊が表示される。
ゲームデバイスとして考えると、ボタンが無いのが
かえって逆にいいチャレンジを与えてくれている。
フリック操作で十時左右の操作をさせるなど。

制約があるほどクリエイティブなことができる。

制約があった方が面白いものができる。
ゲームデベロッパが挑戦している。
日本のゲームベンダーがチャンスだと思う。

新たなゲームデバイスとして見ると、
カートリッジなしに配布。
GPS, 加速度センサー、ネットワークが使える。

iPhone だと 9.99ドル、スーパーモンキーボール DS だと19.99ドル

DSはインターネットにつながるけど、いつでもどこでもではない。
iPhoneはフリーの面白いクライアントがいっぱいある。
ゲーム機はオープンに開発に参加することができない。

iPhone 3G はゲーム業界にとって大きなターニングポイント。
iPhone は「携帯」とこだわらないほうがいい。
iphone は携帯電話を作ろうとしてのではなく、
「新しいもの」を作ろうとした。

新しいものを作るとき、
ウォークマン)いよいよ悪いものがある。
いままで無いものにマーケティングをしても仕方が無い。

完全に新しいもので、新しい業界を作るようなもの。

結構知られていないところ、
iPhone は画面の上でのユーザインタフェースがすごいと思われているが、
画面の上だけではない。

ヘッドフォンを使って一時停止ができる。
ヘッドフォンを抜くと一時停止になる。
マナーモードかどうかが物理的なスイッチで手探りでもわかる。

加速度センサーを内蔵しただけで、ゲームレベルで満足してしまう。
機能を搭載することも大切だが、
こころのそこから感心/感動できることが大切。
iPHone は、いろんなことのお手本になっていく。

持ったときの喜びまで追求できているのか?

ソフトウェア、日本語入力がすごい。
日本の携帯電話の入力に慣れた人も高速に入力できる。
ラーニングカーブに合わせてより素早いユーザインタフェースになる。

ゲームからユーザインタフェースを学ぶ。
特に学ばないでも最初からユニバーサルに使えるのがゲームのユーザインタフェース。

女子高生が「おやよう」を「ぉはよう」 とするのは、
#を押すと逆順で入力できるから。

■何からなにまで一台のコンピュータに頼る生活からの脱却。

mobileme でインターネット側にすべての情報を持つ世界。
iPhone がなぜ登場したのか。
パソコンは新しい時代に。パソコンを中心に同期することによって、
生活の中にあるデジタルデバイスが便利になる。
パソコンへの依存度が緩くなっていく。

Apple TV Take2 リビングに置くものから、新しいステージに。
ハードウェアとしてのこだわりは無くなって、
いろんなデバイスに MacOS が入って、様々につながっていく。

デジタルライフスタイルは中心がパソコン中心だったものから、
ipHone を中心にしたものへ。

携帯電話はデジタル機器のなかで唯一みんなが持っているもの。
家電やエアコン、テレビの録画まですべてをコントロール。

ライフログの考え。写真/ビデオ/駅の乗り降り。
日本の場合、個人情報保護法で、利用への歩みが遅い気がする。

個人の責任で判断し、便利になって欲しい。

Twitter 、今でどこやっている
今まで見えていなかったものが可視化されている。
イベントの時の同期性も素晴らしい。
コミュニケーション 2.0

■世界観

「世界観」重要なキーワード。
一番の違いは世界観が描けているかいないか。
機能の相対的な違いばかり競争している。
イマジネーションの部分を膨らませている。

いらないと Apple が考えているものは潔く切り離している。
赤外線もメモリカードも無い。
割り切りは必要。

日本人は高機能思考。
年に一日しか使わない機能が欲しくなってしまうのはおかしい。
統合する部分に議論が少ない。
iMode も進化はしているけれども、根本的な進化は無い。

iPhone は Flash が搭載されていないので、
Ajax を使ってがんばろうとしている。
日本の携帯電話は JavaScript が動かない。Flash Lite を使うようになっている。
Iphone は JavaScript が動くので Web スタンダードの世界。

■ソフトウェアのグローバル化

AppStore もすごい。
10MB 以下は 3G/itunes でダウンロードできる。

国ごとに無いアプリがある。
iPhoneを通して世界進出できる。
国情報。無料ダウンロードの部分に関しては、世界へ。

日本から世界へ。
世界から日本へ。
日本へチャンスを与えてくれる。
ゲームなど、言葉が要らないものもある。
日本では廃れてしまったゲームもアジアのどこかでこれから流行るかもしれない。
マーケットが広がる。
iPhone というものを通して、日本が世界進出する可能性がある。

お財布ケータイ。
felica の開発者には Jobs に世界観を説明して説得して欲しい。
iPhone に搭載して欲しい。

■ ガラパゴス化した日本

シンガポールと香港では Felica の仕組みは使われている。
QRコードも日本から広がっている。

サービスのグーバル化。
予約システムなどが、日本語でしかできない場合がある。

社会のグローバル化が進んでくる。
いままで遮断されていたサービスが世界に、海外に広がる。
ローミングにはキャリアにがんばってほしい。孫さんにがんばって欲しい。
public WiFi が少ない。
日本はセキュリティ、
まずは文句を言われないことを考えてしまう。
US はまずユーザにどう喜んでもらえるかを考える。

■通信のところをどうにかして、iPhone をきっかけとして
広がってほしい。
スターバックス = 無線 LAN がある場所(日本意外)
その場で音楽を買うことができる。
今は進化の途中でしかない。
地理情報を結びついた形でサービスが提供される。
駅というものが情報ハブになっていく。

■二台目の携帯として使うか?

お財布ケータイ以外は すべて iphone にリプレイスできる。
ポイントカードも入れられる。
着うたフルを買いまくっている人。
携帯電話だけのサービスを使いまくっている人。
一人 2台もっているのが普通の国もある(西ヨーロッパ)
日本の携帯電話にどれだけつかっているのか。

iPhone がどれだけ売れるか? 予想は? 分からない。

iPhone がいきなり市場が独占することは無い。
が、
閉塞感を打ち破るきっかけになる。
日本のベンダーから匹敵するものがでてくる?

■日本にとって厳しい?明るい?

使う人達のイメージ力しだい。
使う側の心の準備による。
iPhone の救われるのは楽しいし、ポジティブな気持ちを ON にしてくれる。
生活の中の時間を素敵なものにしてくれる。

すごい明るい未来が開けている。
「楽しい」
ユーザも楽しいし、開発者も楽しい。
これですべて。

インターネットもまだちゃんと使い物にならない頃から、
ワクワクして使ってきた。
負の部分もあるけど、もう無い世界は考えられない。

iPhone は明るい未来を考えていて、明るい未来を作っていく!

7/19 (土) 11:30 BS朝日 で放映。

[&] Design & Media


デザイン史学研究会 =シンポジウム=


Design & Media
デザイン史学研究会

■タイポグラフィにおける可読性と品位について

新聞のフォントが最近大きくなってくる。
台湾の新聞は横書き。
新聞がやってはいけないレイアウトが平然と使われている。
横書き新聞は可能か?

日本語の文字は通常正方形で形成されている。
ひらがなは縦組にふさわしいように設計されている。
国語以外の教科書は横書き。官公庁の書類も横組である。
手で書くというよりもコンピュータで入力して印刷する。
だからこそ「行間」が重要。

文字を大きくすれば読みやすいというわけではない。
小さい文字でも適切な行間があると読みやすい。
日本語と合わせるために [ y ] の下部が変わりつつある。
本当に素晴らしいタイポグラフィはその存在や美しさを感じさせてはいけない。

自然に違和感無く、そこに存在するタイポグラフィこそが本来の書体。
文字が小さくなればなるほどゴシック体的な飾りの無い文字になる。
大きな文字になればなるほど装飾される。
書体の数を少なくすれば少なくするほど意味がある。

字体による読み方の速い/遅いは正確には測定できない。
一度読んでしまった文章はさらに速く読むことができる。
分かち書きによる認識の高さ、意味の把握。
テレビはすべてのものが横長い。
文字が力を持つようになればいい。
本を単なるメディアではなく、存在として捨てられないものにしたい。

 ----- CG 45 より引用 -----------------------

■レイアウトはシンメトリーの構成を極力避け、アンシンメトリー = 非対称の即物
的成形にする。シンメトリーには、シンメトリーという形体概念と意味がすでに
備わり、ひそんでいるからだ。既成の概念や意味を利用するのではなく、与えられた
役割と機能に従ってレイアウトを薦め、新しい視覚の形成言語、文脈と意味記号
を発明するのである。字間および行間は、可視性 = レジビリティ (legibility) および
可読性 = リーダビリティ (readability) を意識して優先し、調整する。
和文の場合は、2分4分以上行間をとるのが鉄則である。
文字だけを大きくしても行間を確実に十分とらなければ可読性も可視性もよくはならない。
 
  2分4分 (2/4 + 1/4 + 3/4 = 75%)

■イラストレーションは内容を客観的に忠実に伝達する図像および即物的写真
によって構成する。ペンや筆等のフリーハンドによる記筆の残る個性的なものは
極力避ける。
写真も中立 = ニュートラルな背景のもので扱わなくてはならない。
特別な伝達として必要な場合は、その対象物が現実に使用され、
また配置される環境でなければならない。写真のレタッチは常に、より自然に行なわれる。

■グリッド・システム = ラスター・システムを採用する。そのプロポーションは、
活字のサイズを単位とした尺度によって決定されるが、用紙を主とする完成時の
被印刷物のサイズの尺度によって決定される。いずれにしても、伝達すべき内容の
理解と分析を性格に把握する必要がある。垂直と水平および傾斜や円等々の
数学的・幾何学的基準規格によるもの。

■色彩はデザイナーによる色彩の調和と調整の感覚的個性が最大限に表現される。
写真等のグラデーションによる自然の必然の濃淡は存在するが、その他の
グリッドを基盤とした、数学的、幾何学的な方法により、生成される造形の各々の
エレメントは、特別な場合を除き、同一の色で表現される。色彩の調和の方法や、
理論的な思考、たとえば補色や同時対比等を基調に配置しながら、あくまで
個人の色彩感覚が優先される。

■いくら万全なグリッド・システムが完成しても、最終的に客観的にも主観的にも、
それを活用する人 = デザイナーのセンスによる。十分な伝達価値の存在する
作品にならなければいけない。それには、均整のとれた、すぐれた知性と感覚の
グリッドの選択、タイポグラフィと色彩、およびイラストレーションの展開によって
形成される。また独立して生成する「余白」などの空間と感覚の意味 = シンタックス
syntax を獲得しなければならないだろう。

 --- 引用終わり --------------

------
■メディアデザインがつくるもの -「ライフ」の写真をたどって

もの+情報+環境。もの+情報 がデザインの領域。
車も一つのメディアとして考えられる。
体験や気分を購入する。
日本でも欧米でも単一のすごい流行は無くなりつつある。
8P-16P の freepaper の LIFEが存在している。
誰にでも興味があるものから、人々の興味が多様化している。
メディアは人々の暮らしを変えていく。

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■ディスプレイ表示を前提としたビジュアルデザインの手法

歴史には残らない、あるデザイナーとディスプレイ表示との格闘の日々。
イスラエル/サイテックス社 トータルスキャナシステム
紙というところから文字が飛び出したらどうなるのだろう?
立体視できる文字のデザイン。
マスメディアではなく、自分のメディアが持てたのがインターネット(WWW)
紙には無いスクロールという概念。紙メディアとのシンクロ。
本棚をメタファーとして Webページを作る。
動くフォント、動くロゴマーク。
流行のポータルサイトのメニューではなく、空間性や触ってみたくなる要素を含める。
画面に向かってデザイン作業をしていると、周りが何をしているかわからない。
ワープロソフトやイラストレータではなく、大きなフォントをじっくりと見比べる仕組み。
コンピュータの中で、写植の切り貼りを体験する。フリーハンドで文字組。
苦労して一度は文字組の難しさを知る。
文字をばらばらにして扱わないと新しい発見が無い。
手話の手の形は自分が見るものと相手がみるもの。声も同時に発するのがいい。
語源、気づくことでより記憶に定着する。
斬新すぎる、進みすぎるのもいけない。
実体験をベースに体験デザインする。
その場のメタファーだけでなく、人の振る舞いを考える。
普通の人が普通にやっている行為の中に新しさや面白さを含めるというこだわり。
「歴史にタッチ」博物館の展示用デザイン。歴史民族博物館。
「誘う」触らなくても情報が動くことがポイント。
「ヘルプ」をコンテンツそのものに組み込む。
ヘルプが別メニューなのではなく、コンテンツの中で使い方を説明する。
触ることを促すような「誘う」仕組み。
紙じゃないグラフィックデザインを追求。

携帯電話のためのフォント
 Lim Uni-Type
読み間違わない文字。濁点と半濁点。点の片方だけを大きくする。
ひらがなは丸みを持たせ、漢字はヘンよりツクリを大きく見せる。
間違えにくい書体。難読症の論文参考に。
預金通帳や駅の表示板などに採用される。
動的図解表現 (DIG: Dramatic InfoGraphics)

// テロップなど横に動く文字。大型テレビのような巨大な表示装置用の文字が知りたい。

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■メディアアートの最前線(森山さん)

次世代のメディアアートとは何か。
何がメディアアートの次のステージなのか。
メディアアートで言うときの「メディア」とは何か。

70年代より。5つの要素。
イメージ、動き、奥行き、拡大、記録。
メディアを使って伝えることをメディアアート。
古典的なメディアではなく、複製可能芸術時代以降のメディア。
身体や知覚を拡張させる仕組みを使ったもの。
メディアアートのダイアグラムあり。
ZKMでも日本へのアート&テクノロジーへの興味が高まっている。

ART , ANTI-ART, NON-ART
従来はデザインとメディアアートは密接に関係している。
デザインの領域からも、メディアアートからもアプローチする。
入場者数で評価されてしまう。
メディアアートは学問として体系化されていない。
メディアアートが作られるプロセスを知ることによる広がり。
海外で活躍しているメディアアーティストが日本で紹介する場所が無い。
the next idea 部門。1,2,3位が日本の学生。
water bubble
メディアアートの次世代。表現するプラットフォーム自体を作る。
宇宙技術、深海。身体。最後のフロンティアをアート化する。
無重量表現下でアート表現する。0grabity
お茶の儀式を無重力で。

三つの可能性:
ITプロダクト、複製可能芸術として作る。TENORI-ON など。インタリアデザインへの展開。
映像メディア教育の教材。コンピュータが無くでも映像教育はできる。
デジタルパブリックアートの可能性。

紙のアンケートをワイヤレスペンで入力。
携帯電話で、どこから来たかを入力。Google Earth にマッピング。
デジタルでありながら、ハプティック。
決められたアートではなく、クロスしないと思われている分野から新しいものを生み出す。

三つの課題:
違う領域として進んできた 建築+アート、ファッション+アート
自己生成モデルを建築に展開。
研究成果発表としてのアート展示が効果的。

showing the result of research by media art 研究成果発表としてのアート展示が効果的。
Hybrid art area, as "Synesthesis" アートとアート以外ものもを結びつける
Exhibition supporting system どの作品でも巡回できる、隣り合わせの作品を設計する自動システム。

7/10/2008

[&] EON Human


EON Human

たった一枚の写真から、三次元モデルを再構成。
約300人の計測モデルデータに当てはめて再構成するので、
情報量の少ない写真 1枚からでも形状をあてはめることができる。

三次元化した後は、やせた顔にしたり、太らせたり、
マッチョなヒゲ面にしたり。
太ったベッカムとか、男顔のアンジェリーナ・ジョリーが微笑ましい。
フェルメールの「牛乳を注ぐ女」など名画の人物の口元を動かしてしゃべらせたり。

ning.com をベースにサービス提供しているのも興味深い。
これからは、自分が登場する映画とか、
好きな俳優を自由に登場させることができる映画ができるのかも。
あと、数人の顔を自然に合成させることができるので、
美容整形のシミュレーションとかにも使われそう。

研究室で眠っていた技術を EON がうまいことサービス化したらしい。
研究とサービス化の差はわずかなんだけど、なかなか超えられない壁がある。
......とかいろいろ考えていたけど、そのうち Google に買収されたりして。

[&] Dog Tracking System


Astro 220

犬用 GPS.
勝手にどっかに行ってもみつけられる。

なんかこれなら、僕の首にもつけれそう。
ちょっとゴツいチョーカーだって言い張ればなんとかなりそう(なりません)。
そんな僕は戌年。

一方、約20ドルで安価に手作り GPS って道もあるのか〜
[Adafruit GPS logger shield kit ]

7/08/2008

[&] Color Blast




Color Kinetics Color Blast

ありがたいことにご招待いただいて、
ダムタイプの照明家、藤本隆行氏 のトークセッションに行ってきた。

[ true (dumbtype 2007) ] で用いた 3色の LEDライトの仕組みがとても納得のいく形で解った。
現在の Color Blast (Color Kinetics) は RGB 8bit Color だけど、
必要な表現にはまだまだビット数が少ないこととか、
絵画で描かれる「光」を例えにした説明が印象的だった。

反応スピードが 0.02 秒なので、1フレームごとに変化が可能だとか。
音と光を連動させた時、音が数秒無かった時のことを考えておくとか。

照明と映像は同じ光でも全く異質のものであること、
光量のあるプロジェクタを使っても照明にはなり得ないこととか。

僕が観ている色は、違うだれかの観ている色と違うのかもしれないこととか。

僕は RGB の扱いで CG の世界で行われていることを想像したけど、
とっくに考え得る様々なことを試していたんだってこと。

円形の舞台の近傍で、ミニマムな音楽を大音量で聞きながら、
ものすごいスピードで変化する LED照明の色彩に圧倒されていた。

テクノロジーが表現の幅や可能性を広げる。
その表現に後押しされてテクノロジーがさらに進化する。いいね。

(無理矢理にでも dug さんを招待枠にねじ込んでもらえば良かった。ゴメンなさい)

[&] Kinetic sculpture




↑ YouTube にあるものよりも高画質。

Kinetic sculpture, BMW Museum - My Photo Gallery


ああ、これを観てしまうと、BMW Museum に益々行ってみたくなるよ。

風洞実験している時なんかは、
まさにこれと同じ風景を感じているハズなのだが、
それを「展示」として昇華させたところがイイ。

何も無いところを脳が補完するから、美しく感じるのだろうか?

決してアートからのアプローチではなく、
エンジニアリングからのアプローチで「美しい」と感じられる展示。
一度だけじゃなくて、何度でも観たくなる展示。展示とは何だろう。

7/04/2008

[&] DRY IN MOTION


DRY IN MOTION

あれだけ広告賞を総ナメにしても、まだまだ止まらない UNIQLO.
[ DRY ] という戦略を伝えている。

何かに似てるとか、昔の何かと同じとか、
前例が無いとか、そんな事は無理とか、
もうどうでも良くなってきた。

常に前に向かって進むこと。

全体にしてみれば、ほんのちょっとなんだけど、
とても新しいことが含まれていること。
心が動くのは、そういう時なんだ。

7/01/2008

[&] Wooberry Dolls


Wooberry Dolls

子供が描いた、へなちょこな絵を、
なんとかしてぬいぐるみ化。

バランスもへったくれも無くって、
へにゃへにゃなぬいぐるみなんだけど、
とても愛着がわくんだろうな〜

というか、画一化したキャラクタのぬいぐるみよりも、
ずっとずっと可愛いよ。