12/31/2009

[&] Happy New Year (2010)



Happy New Year (2010)

あけましておめでとうございます。
今年も素敵な年になりますように。
皆にとって素晴らしい一年でありますように!

12/19/2009

[&] SIGGRAPH Asia 2009 (Joe Rohde)



Story structure and the Design of Narrative Environments
Joe Rohde / Walt Disney Imagineering
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ディズニー
入社して 30年ほど。
物語の構造を語る環境のデザイン。
ディズニーの場所は非常にこの場所がどうして成功しているのか
普遍的なのはミステリー
ブランドアイデンティーや、キャラクタだけが原因ではない。
さまざまな要因がこの空間にあるから。

空間デザインの話をする。
もちろん事例としてディズニーを参照するが、世界中の例を提示する。
ものを語るスペースの硬化性を話したい。

物理的な設計、建築を行なうことは手がけていないかもしれせん。
仮想空間や、デジタルインタフェース、CAD、コンピュータを使ったデザインの参考になるはず。

私の経験は、ディズニーのアニマルキングダム。私の経験の中心となるもの。
この他のパークとは非常に違っている。
本質的に何かが違う。主役は動物であること。
本質的には不可能なもの。テーマパークはあるべきものを構築していくもの。
最も根本的な側面を評価していかなければいけない。
動物を扱う困難をどう解決していくか。

テーマパーク 600エーカー以上もある
自然がシンボルである。
人工的なものもあるが、自然に見えるものでしめられている。
意図的に、瞬時にデザインをこの中で示している。
奥深く、自然という世界の中で、木が単なる木ではなく、自然であると認識して欲しい。
パークはバイオロジーの世界、生物学的たとえが非常にたくさんつかわれている。

動物由来の経験、いろいろな要素を入れている。
ファンタジーは外している。
このテーマパークはできるだけ本物志向、動物たちのための環境を作っていった。

動物の周りは動物と一体化している。
調和をとるために、動物達と共存する。
意図しない事柄がおこった場合、
普通のテーマパークならば、全て理想的な問題の無い、普遍的な環境。

動物が居る環境では違う。
動物の営みの前を車で通っていくことになる。
どういう行程を?
新しい考えが必要になった。
アニマルキングダム、世界60ヶ国からの、世界の動物の保護に貢献している。
動物保護の考え方も組み込まれている。
この場所がどういう風に動いていくのかストーリーを考えた。

「分類」「語る」ということは
人の考え方の根本にある。
データをもとにモノを語っている世界の中にいる。
環境というのはモノを語ると脳は消化しやすい。
何をもってストーリーとするのか?
ストーリーはフラクタル構造になっている。
なんどもなんども繰り返しになっている。
どんどん小さく小さな段階になって、詳細部分が繋がっている。
ストーリーを経験している。
ランダムでは無い、一貫性がある。

シダを使った例。
CGのシダ、数学的に非常に完璧なフラクタル。
天然のシダは不完全だからこそ、興味深い。
現実には言語の制限、形の制限がある。
だからこそストーリーは興味深いものになる。
虫に食べられたり、病気になったりする。
不規則性があることによって、興味深いものになる。

フラクタル、
根本的なものはテーマ。
まず先にくるのがテーマ。非常に重要。
それを行なってからストーリーを作る。
この環境の中にいる。プレッシャーやゴールに囲まれている。
物理的な成果を生み出していかなければいけない。
簡単なのはチャレンジに取り込むこと、
ストーリーワークをその前に。
物理的なマテリアルがなぜそこにあるのか。
テーマを決めるとパターンが決まる。

例。
主題「日本」ここに多くの人がいる。
この日本のイメージは無限にいろいろある。
テーマが無ければ、日本と言っただけではいろんな意味になってしまう。

テーマがあることによって、普遍的なものになる。
自然の力は否定することができないのもひとつのテーマ。
これを「日本」という主題にあてはめてみると、日本の解釈に繋がる。

日本の自然の力は、小さな漁村に代表される。など。
まずテーマがあって、ストーリーが作られる。

根本的なテーマとして「動物が自然の中になる内在的な価値」を表現。
自然の中にある価値は、動物の価値と矛盾をきたしてはいけない。
選択において、
例えば自然の価値を得るためには何をしたらいいのか?
建造物の良さ、ランドスケープの良さをとりこまなければいけない。

ランドスケープの要素とは?
これに自然の価値が無いとしたとしても、
人間がコントロールする要素がある。
ランドスケープの良さ「季節的」直線的なものも。

自然の価値をいれたかったら、ランドスケープの要素は、
季節が無いのか?季節があるのか?
手入れされていない風なのか?手入れされているように見えるのか?
直線的なのか、曲線的なのか?
デザインも自然でなければいけない。
ランドスケープ、風景は偶然として生まれたように見えること。
たくさんの人が関わっていく。難しい作業。

建造物も、ランドスケープとマッチしていなければいけない。
建造物が自然に従う形でなければいけない。
非常に小さなところから始まる。
例えばドア
木で作るべきなのか?磨くべきなのか?ドアノブは?
ドアノブはスチールなのか、ブロンズなのか? ブロンズの方が自然にあっている。
細かいディテールから調整していかなければいけない。
すべてが調和を持って基本的なフラクタルなプログラムに戻っていく。それがテーマ。

一つの物語的空間にもどっていく。
自分たちが信じる空間。
存在、概念、真理としての想像。現実としておこっていないかもしれないものとの間にある。

この物語の中のコンテキストでは、実在するもの。
物型知的空間としてストーリーの中に存在する空間。
例えば天国を表す、自分たちが知っている機能だけではない。
物語的空間は、全てを必要とするとは限らない。

蘇州にある中国の傑作の芸園。Humble Administrators Garden, plan
メンテナンス用に使う通路、ゲスト用の通路。
物理的なリアリティそのものは重要ではない。イリュージョンとして。
庭園はどうあるのか、物型知的空間として表される。

ジオメトリとして組織として作られるのではなく、
アイデアを集めてつくられる。
つまり、主観的な見方をしてもらう。
我々のキングダムの「アフリカ」エリア。
メンテナンス用のエリアもあれば、配管もある。現実がある。
物語的空間には存在しない。
物語的空間は、永遠に続きそうな自然のランドスケープ。

物語的空間が何であるか考えると、
空間の中心にあるものではない。
われわれの中にある、内部の世界。
我々の精神と、外側にある現象との間に人間が存在する。
物語的空間は、我々が中心にいるような間隔がえられる。

非常に強い機能的なものが入っている。
本質的なデザインがある。
物語はコミュニケーションが必要。アイデアを伝えていかなければいけない。
様々な意味がある。
それが空間にもある。空間の言語を作っていく。
それを組み合わせていく。
物理的空間に行くときに、空間が何かを話しかけていることがすぐにわかる。

パリの庭園。
同じような環境にある2つの庭園。
空間の中で訴えている。
プランが必要。
まず、物語的提案から始まる。
詩のようなアイデア。
それが基礎となって、建造物となっていく。
1990 年の時につくった、アニマルキングダムの概念図。
カードを何枚もつくって、何ヶ月もかけて、キングダムを作り上げた。

イメージをつくりあげるにあたって、
モトになるものが何かをつきつめた。

「詩」のようなもの。
感情の浸透、避けてはいけないもの。
ディズニーのあにめーた、眠り姫を作った人。
お城が雰囲気にとけこんでいる。
何か違うものを作ろうという意図がとけこんでいる。
機能的な教会としての空間をかんがえてみるとする。
空間は「比喩」、生死の比喩でもある。
物語空間を作ろうといもの。教会としての用は比喩の後にくるもの。

強大なステートメント。
主に文化の強さ、民族に属するということ。
現代の瞬間から、遠いかこにつながりまでの物語的空間。

キングダムの中に山がある。
巨大な空間の中で大きな意味がある。
皆の間隔に訴える。
物理的空間ではなく、物語的空間にある。
人は物語の一部、間隔も物語の一部。
外側からみることはない。

劇場で仕事をしたことがある人。
一貫性。
何かアクシデントがあってはいけない。
目的があって、すべて小さい事柄まですべて意図的におこなわれる。
観客がストーリーの一部でないといけない。

視覚的な環境のアピール、匂い、香り、空気の動き、触覚、すべてが仮想の設計以上。
たがいにぶつかりあっている、現実世界などデジタルテクノロジーでも。
触覚的間隔にも対応できるようになる。
空間体験、完納性がこの物語の中にある。

巨大なシミュレータ、19フィートくらいの長さのある蒸気で動くもの。
パリで作られたもの。
Mare-Orama
地中海クルーズのシミュレーション。
クルーズに出かける。蒸気がつかわれており、海に乗り出す。背景にはスクリーンロールが表示される。
別のドアからでると、トルコ風のもてなしが待っている。
これも物語的環境の一つ。
感覚に訴える。

この結合、物と、行動と、意味が結合すると、ストーリーが意味をもつ。

子供の頃から、映画において、
なぜこのショットを残しておくのか、捨ててしまうのか考えた。
監督がダメだしをするアクションの違いはほんのすこししかない。
髪を動かしたとか小さなディテールを重要視する。

空間を進んでいくのは、文章を読みすすんでいることにつながる。
Humble Administrators Gard, Souchou ストーリーボードの考え方がある。
魅力的になるように、足を止めてしまうように設計されている。

動くとまた別な景色があり、動くとまた別な景色がある。
庭園の中にはステートメントがある。

ローマの Pantheon の例;
このパンテオンは、当時は非常にコントロールされていた。
魔法の世界のように統制されていた。
皆がローマにきたら観に行くもの。

ドアをとおった入っていくと、何か大切なものがあるという雰囲気を醸し出している。
門が中央にあることによって、その先の建物を見ることができない。
アーチの門を通ると、実際はどこにでもあるような典型的な建物しかない。

中に入ると、空間の現実に気がつく。
空間は設定されてた、コントロールされていたもの。
建築物に含まれているもの、自分はそこに居るんだという圧倒的な経験をあたえている。

フラクタルには中身がある。
物語環境がうまくいくためには、
直感的にナビゲーションできる力が必要。
認知の状態は別なもの。
フィクションのパラドックスでもある。

映画を観に行く、映像を見ていく。
非常にドラマティックな瞬間には、感覚が詰め込まれている。
我々の認知の能力は、そこで何が起こっているのか分析してしまうが、
物語として認識しなくてはいけない。
ロジックは動いているが、現実には触れない。

建物のファザード。
窓も不定形につくられている。

「意味」を考える。
自然とどうよう複雑である。
ここには反復性が無い。
概念的なフラクタルの関係性がある。

すべて直感的なナビゲーションにつながる。
練習しなくてもいいもの。
脳の中の直感的は働きが機能してくれる。
重要な要素。
テーマパークでも、直感的に分かることが重要。

地図は
直感的なナビゲーションをさらに細かくしたもの。

シンボルや比喩が使われて方向性を示してくれる。

パリは非常に多くのテーマがある。
建物ごとに、多くのパターンがある。
例えば、自分が街のどこにいるかわからなくても建物を見れば居る場所がわかる。

空間と活動には「比喩」がある。
あるものの印象を他のものに対しても持つ。

たくさんの入り口がある。
これら全てが「非優」になっている。
多くの遺跡の入り口は「口」が比喩として使われる。
ビジネス的にみれは否定される。
異質な考え方。

比喩は人の原始的なもの。
自分で体験しなくてもいいもの。
体験しなくても見ているだけでも感じることができる。
感じることができる遺伝子は共通。差別や区別がなければ。
感情を移入することができる。

これらが全て比喩になる。
自分の体での感覚、感情移入できる。
木が悲しそうだな。とか。
本当に感情的な方程式を生み出すことができる。
自分たちとの間との感情移入。

物語的感覚、
作者がいかに上手でもパワーは読者の側にある。
まず、膨大な情報、リッチに書かれたテキスト情報。
これらの情報は意味をもっていなければいけない。
さらに読みやすいこと。

情報の密度によって非常に広範囲な人々に伝える。
個人が物語を作り出すこともできる。
物語に命を吹き込むのは、読者。
読者が何を感じつのかは分からない。

色々な場所、オリジナルの物語
環境は新しい意味がある。
重要で無い情報は中央に残って、あらたな意味をもたらすことができる。

オーナメント:装飾の話。
近代のアーキテクチャの中では装飾は見過ごされている。
やりすぎ、道徳的でないと言われることがある。
建造物とは関係ない。
キャパシティから物語的情報が得られる。

ギリシャ、建造物
すべて当たらし意味をもって、わし達に語りかけてくれる。
イメージとして復号した人はいない。
意味がもうあまり関係ない
他のアイデアをもたらすことができる。
存在の意味が眠っている。

装飾を使うことによって、非常に役立つ、直感的なナビゲーションができる。
自然に考えること無しに、空間を動き回ること。
エッジの部分を見たり、開口部を見たり。
空間を物理的に歩いて、さまざまなところに気がつく。
同時にあるアイデア、ある物語のナビゲーションを行なっている。
これがオーナメント装飾の一つの作り方。

もう一度、モダンなスペースを学びださないといけないかもしれない。

複数の意味の例に繋がっている。
深さ、ストーリーの分解性に繋がる。

この中でどれが、当時の意味そのままなのだろうか?
場所としてディテールとして全く新しい役割を持っている。
様々な解釈のレベルがある。
これは新しい投資といえるもの。将来の設計。
意味の解釈。
何かを作る、長期に保存したい。50年は持たせたいと考えて作る。
この時間の中で個人としてのパーソナリティ、社会の成長はわかない。

環境の中に複数の層を作り出すことで将来も生き残るようにする。
チケットのファザード、キングダムのもの。
これはローラーコースタ。自然の価値が入っている。
チベットの伝統、雪男が聖なる土地を守っているというコンセプトが入っている。
土地の中に根付くもの、なんらかの儀式やレセモニー、伝説的なもの、
色々なものがビルの中に層として組み込まれる。

アトラクションを作るにあたって、山とバランスをとるものである。
さまざまなレイヤーでのバランスを考える。
例えばその時代、過去を意味をもたらす、たくさんのレイヤーの情報を持ったもの。

象のブロンズ像。この何回も繰り返す牧草のアイデアを組み込んでいる。
シンボリックな表現が様々なところで見られる。
解釈ができない人もいる。
文字で伝えるようにもする。別の観点からも理解できるようにすうる。

物理的なコードと、本来の自然の価値の間の矛盾をもたらしたもの。
物質世界と自然の本来間にある矛盾。

この環境の背景を示す。これはファンタジーではなく、
ドキュメンタリーのようなことが現実世界で起こっていることを示す。
アトラクションの中で、他のものを無視することもある。

物語的環境というのは、俳優のような存在になる。
動機があって、意味があって、意図がある。
いいパフォーマンスをするには、背景が必要になる。
ステージにあがって、自分の役を演じる。
俳優としては、全てを理解をしなければいけない。
なぜお茶を持っていくのか、すべて背景を知らないといけない。
最終的な幻想としては、演じているのではなく、役の「執事」である。
悪いパフォーマンスであれば、理解していないことが見てわかる。

高校、大学で舞台に載ることがあるが、本格的な俳優の経験は無い。
いい俳優として何かステージの上でしようとすれば。
その時、相手が居て、相手がいい俳優であれば、自分の演技も良くなるのがあきらか。
現実性を受け取ることができるから。
物語的ストーリーは、相手の良い演技をする俳優であるべき。
パフォーマンスがなじまないことが無いよう。
そのストーリーの中でより豊かに想像することができる。

パリンプセスト。という言葉。中性の言葉。
羊皮紙上に文字を書いていた。
新しいテキストを書くために、羊皮紙を削り取って書いていた。
古代文字の上に文字を書いた。
過去の記述が残っている。足跡が残っているようなもの。
これは動かないもの。過去がどうだったのか?
過去の行動の足跡として残っている。これは素晴らしい俳優と同じ。
物語を意図した空間には、過去の行動の足跡が残っている。

そこに唯一の話が存在する。過去の活動がアクションとしてある。
キンダムの一部。レストランなのだが、古ぼけている。
古い郵便ポストが設営されている。
着いたときに、古いアクションは起こっていないが、自分がともに存在することに意味がある。

UHURU 1961
何かの勢いでかかれている。

ぶつかり合いを示している。
観光産業でお金を作っていく。
伝統的な建物、伝統的な使われ方をする。

あるアフリカの海岸のビーチの例
人の存在を示している。
自然の本質的な価値を擁護している。
社会的なメッセージも含まれている。
ドラマチックな要素。

もうひとつストーリーについて考える。
ストーリーは脆弱なもの。
寒すぎるとか、椅子が座りにくいとか、
自分の目前で1億5000万ドルかけた映画が上映されていたとしても、
物語的環境に入り込むことができない。
脆弱なもの。
心の状態は全てストーリーであると認識してしまう。
記憶、感覚の中に貢献しないと、ストーリーが破綻してしまう。

よく見られるのは映画の中で録音用のマイクがあり、
画面の中にそのマイクが見えてしまうと、矛盾。全く関係の無いもの。
仕事の中で成果物、制限、コスト、スピード、意図、の中で
矛盾を管理するのが重要。

アプコットセンター。
幻想の物語。自分を想像してフランスにいることを考える。
似合わないホテルを建ててしまうと、まったく違う物語になってしまう。

その一方、成功とは?
成功すると感情的に大きなインパクトがある。
意味の幅、フラクタルの中の小さな変化。

我々は物語を脳の中でつくった。
われわれはストーリーの中を生きている。
瞬間のことを物語として記憶する。
自分たちにたいして物語を語る。
この場所というのは、物語を作る脳の中の習慣、
そとの世界と繋げる。

アイデアと場所を繋げる。非常に強力な調和。
空間そのものと繋げる。
すべての感覚、認知は記憶によるもの。
この場所でおこったこの全ては記憶に残る。
記憶としての力の方が経験としての力よりも強い。
この記憶の中に自分がいるものとして覚えることができる。

技術は進化している。
環境を作るのは物理的なものばかりでは無いかもしれにい。
物語がインプレッション、幻想をつくってくれる。それがパワーがある。
将来へのチャンスを拡げてくれる。
技術/デザインによって非常にパワフルな空間ができる。
そして通常我々の人生の経験、感情的な経験のように
将来につながっていく。
将来的には可能性の爆発として、
イリュージョンとこの非常なデザインのやりかた。
2000年は昔のもの、知識がつながって、その積み重ねによって、
皆さんの世界にあるものが、その側の世界になって展開していく。

12/18/2009

[&] SIGGRAPH Asia 2009 (Back to the Tradition from the Future)

Back to the Tradition from the Future
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CGアーティストの教育方法
Clone Monitoring と Animation Template の手法の紹介

Clone Monitoring を採用した理由。
通常は講師と受講者が対面して、講師の操作する画面を前面に投影していることが多い。
そうではなく、新人の画面が常に講師の方から見えるようにして教育している。

スクリーンは細かいものが見づらいので、
講師の操作画面モニターを、受講者のセカンダリモニタに表示するようにしている。
メニューの位置などの細かい説明がわかりやすい。
理解度が高くなるので、同じ時間あたりに教えられる事柄が多くなる。

新人研修の後、現場で鍛えられるが、だんだんと成長曲線が低下していく。
理想的な成長曲線は、常に伸びて行くタイプ。
成長を妨げるものを打破する手法が必要になる。

なぜこのような成長限界があるのか?
他人の仕事やテクニックを見る十分な機会が無いことが要因。
ゲーム制作は PC 上で行なう作業。PCでの作業を外から見ても良くわからない。
もし自分が普段おこなっている作業と違うテクニックを見ることができれば、
成長限界を突破できるかもしれない。

似たような分野である、アートと工芸を参考にした。
アートは素晴らしい作品を見ることによって学ぶことができる。
毎日の作業からいろいろ試せる環境を作ることで実践できる。

もう一つのアイデアはエクストリームプログラミングの手法、
ペアプログラミング手法からアイデアを得た。
クローンモニターという名前をつけた。
講師と受講者のお互いのモニターがお互いに見られるようにした。
お互いにやっていることを見られるような環境を用意した。

クローンモニタリングの成果;
ペアプログラミングと同様の成果を得ることができた。
お互いに作業をなんとなく見るだけでも、作業の違いがわかり、
「見て盗む」ことが可能になった。
自分とは違う制作手法を知るだけではなく、
それによって物が作られる過程を見ることができるので、
学ぶ意欲が向上する。
一度そういう体験をすると、自ら学ぶという姿勢が形作られる。
相手のところで何か問題がおこっても、すぐに反応すること、対応することができる。
命名規則の間違いや、無駄なデータがあるかどうか、アニメーションの間違いなども
すぐに指摘することができる。
不謹慎にも YouTube をみてさぼっているのも、見られてしまう(笑)
YouTube を見ていることがばれるようになれば、いつもの2倍のスピードで仕事できます(笑)

似ている仕事をしている同士を見ることだけではなく、
違う仕事をしている同士の画面をみつことでも、あらたな発見ができる。
例えば 3Dアーティストと 2Dアーティストの画面をつなぐことによって、
お互い、新しいツールの使い方を覚えることができる。
普通、新人に作業のスピードアップする方法を教えても、継続して実践してもらえない。
そのコツを実際に実践してスピーディに作業しているところを見せると、
説得力があり、真似するようになってきた。

クローンモニタリング独特の面白い結果を得ることもできた。
お互いの画面を見ることで、会話の量が増える。
より潤滑にコミュニケーションをとることができるようになった。

どのように人材育成するかを考えることで、机の配置を調整する。

問題点:
一度クローンモニタリングに慣れてしまうと、
スクリーンセーバーのように感じてしまい、見ることが無くなってしまう。
クローンモニターは半年から1年をめどに実施するのが適していると思われる。
まだ事例が少ないので、全般的にあてはまるかどうかわからない。

◆Animation Template
ゲームアニメーターは不足しがち。常に育てる必要がある。
アニメーションはモデリングなどに比べ、学ぶことが難しい分野である。
アニメーションの善し悪しをセンスの問題として評価されることもある。
どうして 3DCG のアニメーションはモデリングより難しいのか?
モデリングは目で見える概念だが、
アニメーションは「時間」という目に見えない概念なので難しい。

ポーズ、キーフレーム、タイミング、リズムに別れる。
伝統的な手法を調べた。2D,3D の違いはどこにある?
原画と動画の違いはどこにあるのか。
キーフレームと中割りには師弟関係がある。
原画が重要なポーズとタイミングを押さえる。
動画の実力がついてくると、原画の修正、原画を描く作業にステップアップすることができる。

3D には原画、動画という関係が無い。
たいてい一人で作業することが多い。そしてリードアニメーターにチェックしてもらうことになる
そこでこの原画と動画の関係、
うまい人のアニメーションに触れる機会をつくることを考えた、

この手法に「アニメーションテンプレート」という名前をつけた。
具体的にはすでにアニメーションがつけられているデータをいながら、
同じシーンに、新しいキャラクタで同じアニメーションをつける作業をしてみる。
これは原画をトレースするのと同じ作業。
いままでもそっくりの動きを作る教育は行なわれてきた。
今回は可能な限り作業の単純化を考えた。

アニメーションにデッサン力を適用する方法を考えた。
アニメーションの要素である、ポーズとタイミングを学ぶようにした。
テンプレートにしているアニメーションのキメとなるポーズをまねるようにした。
(この段階では、タイミングは無視)
ひととおりポーズをつけた後で、その後動きのみをみてキーフレームを調整する。
 キーフレームのみを調整すれば良いので初心者も戸惑わない。

要素を分解して教えることで、アニメーションづくりを迷わないようになる。
おかしいアニメーションの時に何がおかしいのか気づけるようになる。

スクワッチ/ストレッチなど基本的なことを学んだだけの人の場合。
制作当時は 80%のできだと思っていたが、今みるとヒドイ。
うごきがメチャクチャ。やりたいことはあるが表現できていない。
ポーズそこそこきまっているが、タイミングやリズムが悪い。
その後、アニメーションテンプレートに挑戦。
本当に力がついたのかどうかをチェックした。
標準的な教育用サンプルである、くい打ちアニメーション。

まねをすることで良いセンスを身につけることができる。
見落としがちなディテールに気づいてまねることができる。
既存のアニメーションを読み込んで使うだけなので、非常に手軽にできる。

問題点:
ゲーム特有の瞬間的なアニメーション、待機アニメーションなどを例にすると作業が苦痛。
まだ実験的な段階。効果は感じている。
アニメーション学校で同じことをしているかもしれない。

ロトスコープに似ているかもしれないが、実写は情報が多すぎて、参考にするのは難しい。
アニメーションの復習は難しい。虫食い問題は役に立たない。

今回マインドマップを利用した。
効果の復習方法として役立った。
アニメーションに重要な要素、動きの喚起やコントラストなど気づいたことを記入していく。
確認する側もすぐに分かる(学習度合いが)すぐにわかるのが良い。
復習のために問題を用意しなくてもいい。

トレーニングには cable, LCD, Video Splitter と「勇気」が必要。
教育現場ではアニメーションを教える講師の確保が難しい。
2-3年の在学中では、ポートフォリオに載せる作品を作るだけで精一杯で
アニメーションを学ぶところまでは難しい。

Q&A
Q. アニメーションテンプレートをまねる場合、強引にキーをつけるような場合はなかったか?
A. 単純にシーンを使うとそういう例もある。なので、厳密にアニメーションを再生しながら
なるべく単純化して学ぶようにした。機械的な感じがするが、それぐらい単純な方が学びやすい。

Q. クローンモニタリングの実施規模は?
A. 非常に少ない。試しに 3,4人。でも皆で同様の効果を得ることができた。
モニターをつなぐケーブルが 5m ほどしか無いので、机が離れすぎると繋げない問題があった。
どうしても小規模から行なう必要があるかもしれない。

Q. クローンモニタリングを長く続けていると慣れてしまって見なくなるのはどれくらいの期間?
A. 最短で 1-2 ヶ月、最長で一年くらい。
効果は三ヶ月くらいでピーク。あとは外すの面倒だからつないだままの人もいる。

Q. 見せたくないページを見ているときにはどうする?
A. 実際にはもう一枚モニターを用意して、人から見えないモニターも用意している。
実際はトリプルスクリーンで運用している。

Q. この手法を受ける人材の選出はどのようにしておこなったのか?
A. 隣にいた人と後ろにいた人を選びました(笑)
だいたい1年目の人、2−3年目の人を対処とした。
それ以上の年数の人は、ものすごく拒否する。

Q. アニメーションテンプレートの手本は?適切ないいお手本の選出方法は?
A. まずは手付けのアニメーションであることが重要。
すでにあるものを移すので手間がかからない。
まずは色々やってみるのがいい。
アニメーションをつけていくうちに、本人がいいものを分かってくるようになる。
それも効果のひとつ

Q. アニメーションテンプレート、アニメートごとの動きの個性は?
A. 大規模にやっていないので、そうなるかもしれない。
基本は昔ながらのテクニックを使う(アートや工芸などの)こと。
皆でデッサンをやっても、それぞれ違うものになる。
ちゃんとしたアニメーターになれば、それぞれの個性は生かせると考えている。

Q. テクニカルアーティストの仕事。スクリプトの作成はどの範囲?
A. 基本はアーティストが必要なツールを用意する。
ゲーム本体に関わるようなものは作らない。
一部、全体でつかうコンバータを作る場合もある。
たとえ一人しか使わないものでも作る。

Q. 勉強会について。任意参加?必須参加?全然参加しない人は?
A. 基本的には任意参加。参加しない人もいる。
 どうしてもついていけない人は、どんどんついていなくなる。
 強制的に参加してもついていけないので、マンツーマンで指導する。仕方ないこと。
 皆がみんなそうなってしまうと困るが、プロとして仕事しているので、各自でがんばってもらう。

[&] SIGGRAPH Asia 2009 (Try Realtime Shader for artist)

Try Realtime Shader for artist
アーティスト(デザイナー)もリアルタイムシェーダーをやってみよう
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数年たったアーティスト用
アーティストが Shader を学ぶことの利点など。

グラフィックツールの開発や、R&Dを行なっている。
Softimage をメインにツール開発やサポートを行なっている。
テクニカルアーティストという立場。

デザイナーがシェーダーが書けることの利点;
 プログラマの時間を拘束しないで、表現の調整にこだわることができる。
 現在制作上のデータがゲーム上でどういう表現がなされるのかを試すことができる。
 シェーダーで何ができるのかが分かり、表現の幅が広がる。
 もしもアーティストが書けなかったとしても、可能な表現をしることで表現の幅が広がることが重要

明るいところで肌が透き通る現象。サブサーフェーススキャッタリング。
使い古された技術ではある。フェイクのシェーダーを書けるようになるまでの道のり。
最初にイメージベーストライティングの例から始める。

◆最初のハードル。内積 (dot)
シェーダーの基本は normal vector と light vector の組み合わせ。
法線ベクトルとライトベクトルが 60度の場合、Brightness は 0.5 になる。
Cg shader で表現すると 1行。
float dif1 = dot(normal, light)
softimage に Cg シェーダーを適用する方法の説明。
スペキュラーの意味や効果を試したりすることができる。
オブジェクトの輪郭が光ったような表現も可能になる。

◆次のハードル。Normal Map、環境マップ
Normal はオブジェクトそのものデータが平坦だとしても、でこぼこを表現することができる。
頂点数を増やすこと無く、質感表現を豊かにすることができる。
Object space normal map は
法線データを RGB の色で表現したもので、見ただけでどの方向かが分かるようになっている。

c.f. こんなやつ
http://www.surlybird.com/tutorials/TangentSpace/images/gargoyle-uv_world_space.jpg

tangent space normal map の説明
法線をどちらに倒したらよいのかを把握。

環境マップ。ゲームでは環境(風景)をテクスチャに焼き込んでいく表現が多く使われる。
Simple Environment mapping (sphere) オブジェクト方向によって、移り込みが変化しないもの
Dual Paraborid maping
cube mapping GPU サポートによりハードウェアサポートしている。6方向の絵で表現する。

Dual Paraborid maping
テクスチャや半球の移り込みを前後を表現した1枚の素材から生成する。
softimage の環境マップでも Dual Paraborid maping が採用されている

◆最後のハードル、Shader Blending
今まで使ったシェーダーを足したりかけたりして、最終的なシェーダーをつくる
フェイクのフルネルと環境マップを合わせたものを作る
一番の難関はテクスチャをぼかすこと。
シャドーマップをぼかすのに使っている数式をあてはめて実現する。
プログラムを1から考えるのは難しいので GPU Gems を参考に作る。

ぼかしのパラメータを softimage のカスタムパラメータにすることによって調整が可能になる。
softimage ではシェーダーの動的な変化をコントロールすることができる。
指の動きによって、浮き出す血管などの表現ができるようになる。
一枚のポリゴンなのに、水際のような表現ができる。

シェーダーの細かいパラメータを調整することのできる CgFx は Dxfx を使う
ある程度なれたら、FX 形式に切り替えるのが良い。

情報をイントラネット上に載せておき、
時間があるときにオンラインで学べるような素材を用意している。

[&] SIGGRAPH Asia 2009 (SEGA Corporation’s Training Programs)

SEGAの新人研修について
SEGA Corporation’s Training Programs
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セガが最近出しているゲーム :
ビヨネッタ、End of Eternity, 初音ミク、PHANTASY portable、みんなのプヨ顔

カリキュラムやトレーニングについて(ゲームに関係するところのみ)
セガはAMゲーム部署と、CSコンソール部署に別れる。今回は CSの説明
新人とは新卒者のみ。中途採用は研修の対象では無い。

新人研修は二種類。グループトレーニングと
Game Design ,Visual Arts, Programming の3分野に分かれ、二ヶ月
ゲーム制作の基礎知識などを職種に関係なく受講する。
社内のスタジオでアフレコの体験なども。
新人などもある程度の知識を身につけている人もいるが、
常にベーシックレベルに合わせた研修を行なっている。

Gme Graphics 研修に関して。
CGに詳しくないことを前提に基礎的なことを教える。

デザイナーの場合、必ずしも CG に詳しいことが重要ではなく絵が描けることが重要なので、
CG のことを詳しく知らない人も居る。
一般的な説明以外に、リアルタイム描画、
 アルファチャンネルに関する説明ではゲームならではのポイントも教えている。
 (あまり重要ではないオブジェクトは白黒の 1bit で表現するなど)

3D に関する概要、基礎的な内容だが、ゲームに特化した内容が含まれる
例えばモデリングの場合、多角形ポリゴンに関して説明する。
(三角形、四角形ポリンゴンが主流。それ以上のポリゴンだとゲーム機で表示できない場合があり、
 かならず確認するように教育している)
(四角形に見えてもエッジがあって、実際は六角形の場合もあり)
(口角の部分など、六角形になりがち、多角形が発生しがちなところを教えている)
(車の車輪など、普通にモデリングすると、ピザのような形状になるが、
 縦に分割することによって、ポリゴン削減することができる)
見た目を保ちつつ、できるだけモデルデータを削減するテクニックを教えている。

ZBuffer の説明。Z-Sorting の説明。
画面上のピクセルごとに前後判定する。カメラからの奥行きを保存するバッファ。
間違えると表示に影響を及ぼすこと。
ZBuffer では後ろの物体が透けるような半透明な表現ができない。
透明度を含む場合は Z-Sorting で描画する。
半透明は色をブレンドする処理もあり、負荷がかかる描画であること。
負荷が高いので本当に必要なところだけ使うように。

カメラからの距離に応じてモデルの詳細度を変更する LOD (Level of Detail) について。
複数段階の詳細度をもったオブジェクトモデルを用意し、
カメラとオブジェクトの距離に応じてモデルを切り替えて表示する。
例えば車のモデルの場合、遠景用は形がだいたいわかるくらいにポリゴンを削減している。
近景は 12000ポリゴン。遠景は 50〜100ポリゴン

テクスチャの LOD. テクスチャのミップマップ手法に関して。
元のサイズの 1/8, 1/4, 1/2 などのサイズを用意しておく。描画の高速化にも貢献する。
ギザギザになる現象を避けることができる。
デザイナーが小さいテクスチャを用意する場合と、
プログラムで自動生成して用意する方法を使い分けている。

カリングの説明。視線、カメラの範囲外を表示しない手法の説明。
カメラから見えない、オブジェクトの裏側にあるオブジェクトなどをレンダリングしない。
同じシーン内のオブジェクトでもカリング用にいくつかのオブジェクトに分割しておく。

集合研修では、ゲームの企画を作る。
研修中の試作ゲームの企画として使われる。
デザイナーは 3DCG ツールを使い簡単なキャラクタを作る。
一昔前はパソコンさえ触ったことが無い人もいた。
プログラマは、環境構築、デバッグまで教える。

3DS MAX を教えている。
海外のゲームでは一般的に使われているが、SEGAではそれほど多くない。
sega の中では主に背景制作に使われている。
キャラクタスタジオデータ情報をゲームで生かすのが難しい。
ゲーム業界でアニメーションで活躍したい人は Softimage を覚えることをおすすめする。

vertex color の説明。頂点カラーの説明。
ライトの位置が変わった場合、あとから修正するのが大変な場合。
テクスチャの枚数を減らし、修正も容易になる。
影付け用に、あえてエッジのあるポリゴンを増やす場合もある。

Notmal map の説明。
球体のような比較的簡単なオブジェクトで説明している。
制作は思った以上にデザイナーに負荷をかける。
必要なオブジェクトにしぼって作業するようにしている。
この段階ではオブジェクトスペース、タンジェントスペースの概念は説明していない。

職種別にどのような目的を持って欲しいかを説明している。

◆企画
企画を立てるためには、ゲーム機でできること、できないことを知る必要がある。
描画に関わるグラフィックスは開発の大きな部分を占める。
 詳しく知らないとトライ&エラーが生じ、コストが跳ね上がることになる

一画面に数百人の登場するといった企画は、無駄な時間になってしまう。
できないことをプログラマのせいにしないためにも限界を知っておくことが必要。

◆アーティスト
デザイナーに必要なのは、ゲーム描画に必要な素材、データを用意すること、
デザイナーは画面で表現されるものに責任を持つ。品質に責任を持つ。
画面上の見た目が同じであれば、より高速に表示できる表現ができれば、
より全体の品質をあげることができる。

◆プログラマ
ハードやソフトの仕組みを詳しくしる。
新しい表現が必要になった場合は、ネットや書籍で自分で探して解決する必要がある。
ただ単に絵を出すということだけではなく、データサイズの削減を考える。
高速に動かすことも重要だが、
同じように見えるが、データが少ないといったことをデザイナーと協議して進める必要がある。

◆テクニカルアーティスト
ゲーム機の高機能化にともない、プログラマとデザイナーとの間に位置する職種。
プログラマの意識をもって、デザイナーの支援ができる。
パイプラインやワークフローを構築し、
必要があればスクリプトプログラムなどを描いて、デザイナーの補助をする。
映画業界であれば、テカニカルディレクターに相当する。
プロシージャル(手続き型)に映像を作る必要が高まってきている。

デザイナーを目指している人で、スクリプト作成できる人、
プログラマで絵が描ける人は、現在需要の高いテクニカルアーティストを目指すと良い。

知的財産関係も研修中に学ぶ。
ネットから容易く手に入れられる素材が多いので、フリー素材でも商用利用の際には
問題が生じるので、使用許諾を確認すること。
情報取得の重要性として、英語の大切さ。最新情報や、最新機能のドキュメントは英語であること。
教育6年間の英語教育は800時間、ネイティブであれば、たったの50日間でしかない。

研修の最後には社内見学。モーションキャプチャスタジオの見学。
一ヶ月間の研修中はスーツを着るように決まっている。社会人としての自覚を持つように。
通常の開発部署はカジュアルな服装で仕事している。
アーケードゲームの開発部門も見学する。

Q&A
Q. 二年目以降、ベテランに対する研修は?
A. 全社的に研修は無いが、勉強会は実施している。イントラネット上に情報を載せている。
不定期でシェーダー研修をおこなったりはしている。

Q. 新人研修の中でキャラクタセットアップ、モーションデータの扱いなどは研修に含まれている?
A. 一気にそこまで教えると難しすぎてついてこれなくなるので、おいおい教えていく。

Q. 中途採用者に対してのフォロー研修は?
A. 厳しくて、できていることを前提に採用するケースがほとんど。

12/17/2009

[&] SIGGRAPH Asia 2009 (Sketch Interface)





Sketch Interface

Teddy で有名な東大の五十嵐さんの講演。
五十嵐さんの研究自身も素晴らしいのももちろんのこと、
リファレンスの調査、研究の物量がはんぱない。
論文のことを「巨人の肩に乗る」と比喩することが多いが、
ものすごいたくさん調べて、巨人の上に乗っているんだなと。
あと、Teddy のすごくいいところは、アクションに音がつくところだと再認識した

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◆イントロダクション

スケッチはシンプル、入力される情報量が少ない
補うことが必要
アルゴリズム:特定の対象に特化した知識を利用(特定用途)
インタフェース:アイアイ性を解消するための手段を提供

Pegasus のデモ
http://www-ui.is.s.u-tokyo.ac.jp/~takeo/java/pegasus/pegasus.html

コンピュータは間違える。もともとの問題があいまい。
複数の選択肢を用意することによってあいまいなものを正確なものにできる。
予測インタフェースのようなものも実現。
予測なので外れることもある。予測は色々なことに使える。

SKETCH [ Zeleznik 96 ]
http://www.cs.brown.edu/~bcz/sketch/sig.html

全てのオブジェクトは外のオブジェクトの上に乗っているというルールを作った。
ジェスチャー操作で3本線をかけば直方体がかける
空中にものを置きたいときはどうする?
影を描くと空中に浮いていることにする。

Suggestive Interfaces [ Igarashi 01]
http://www-ui.is.s.u-tokyo.ac.jp/~takeo/chateau/chateau.htm
やりたい操作に対応するところを選択すると、コンピュータが3種類操作を提案してくれる。
コマンドやメニューを使わないで図形的な入力だけでコンピュータを操作する。

Teddy
http://www-ui.is.s.u-tokyo.ac.jp/~takeo/teddy/teddy-j.htm
まるっこいものに限定したことで実現したインタフェース。
二次元の線をくるくる書いていくだけで三次元形状がつくれる。
このスケッチシステムで大切なことは、Maya に取って代わるものではない。
子供用のゲーム、落書き、ホビーユース。
プロがデザインする時にも使える。
コミュニケーションの道具として使える。
絵を描いて具体的なコミュニケーションをとるとき。
コミュニケーションの最中に立体的な概念を伝えるときに優れている。
(お医者さんが歯の説明をするとき。高校の地理の授業、理科の授業など)
海溝が穴ではなくて、溝であることがわかってもらえる。
等高線の説明にも優れている。山を見せておいて、高さを示す線を見せると納得する。

応用例
Vteddy [ Owada 2003 ]
Smooth Teddy [ Igarashi 2003 ]
ShapeShop [ Schmidt 2005 ] 後から位置を変えられるもの

FiberMesh [ Nealen et. al . 07 ]
http://www-ui.is.s.u-tokyo.ac.jp/~takeo/research/fibermesh/index-j.html
描いた線が残っていて、ユーザが引っ張って、あとから調整することができる。
メッシュの曲率の変化が最小限になるものをみつけて、きれいなサーフェスを生成するようになっている。
コントロールカーブを追加することができる。

Plushie [ Mori and Igarashi 07 ]
http://www.den.rcast.u-tokyo.ac.jp/~yuki/plushie/index-j.html
ぬいぐるみを作るための布の型紙モデルを作る。

Structured Annotations for 2D-to-3D Modeling
http://www.cs.nyu.edu/~gingold/annotations/
新しい論文発表。
回転しなくても三次元モデルができる研究。
絵本の中のキャラクタを三次元化できる。
二次元の参照画像が与えられたら、同じ長さの部分、左右対称の部分、繋がっている部分など、
二次元状で幾何学的な条件を指定すると、コンピュータが計算して三次元モデルを作れる。

Analytic Drawing of 3D Scaffolds
http://www.dgp.toronto.edu/~rms/pubs/DrawingSGA09.html
始めにガイドとなるような直線から構成される消失点のある直線的な形状を描いて、
それから曲線を描いていくことで正確な形状を描くことができる。

◆形状変形手法

Sketching Skeleton [ Kho 05 ]
自由にポーズがつけられる
スケルトン、軸を中心にした変形。

Silhouette Sketching [ Nealen 05 ]
外観を調整することによる変形。ユーザーの指定はなんとなくで良い。
ディテールプリザービング(形状を保ったまま、なんとなく変形してくれる)

◆アニメーション

Articulated Animations [ Davis 2003 ]
http://graphics.stanford.edu/papers/sketch_interface/Davis_149_SketchingAnimation_SCA2003.pdf
人間の体の知識(関節はこれいじょう曲がらないなど)から動きをつくる
アニメーション用の棒人間の動きを作る。
二次元で見ると複数の候補がありえる。人間として不自然なものは取り除くが、ユーザーに選択決定してもらう。
そのままだと、ギクシャクしてしまう。物理的に整合性がとれた動きを計算してスムースにする。

Motion Doodles [ Thorne 04 ]
http://people.cs.ubc.ca/~van/papers/doodle.pdf
描いたキャラクタの動線をスケッチ入力できる。
ゆっくり描くと、ゆっくり動いてくれる。

Animations by Performance [ Igarashi 05 ]
空間的キーフレーム法によるキャラクターアニメーション
http://www-ui.is.s.u-tokyo.ac.jp/~takeo/research/squirrel/index-j.html
今までは動きを一枚一枚描かなければいけなかったが、
これはモゾモゾ動かすだけでアニメーションがつくれる。
マルチタッチに対応。絵を手でつかんで利用できる。
一つ一つはそれほど凄いポーズではないが、
マウス一個で複雑なアニメーションもあやつれる。

◆モデリング

Trees Modeling [ Okabe 2003 ]
http://www-ui.is.s.u-tokyo.ac.jp/~takeo/papers/siggraph2003-okabe.pdf
二次元の木を描くと、三次元化してくれる。
閉じた線だと葉っぱ、閉じた線だと幹。幅や大きさを指定できる。

Flower Modeling [ Ijiri 2005 ]
http://www.riken.jp/brict/Ijiri/papers/ijiri_EG06_seamlessIntegration.pdf
花の知識を盛り込んだ専用のエディタを使う。部品をスケッチで作り、構造を作る。
普通の三次元 CGソフトだと制作が困難なものも、慣れていない人でも使えるツール。

Garment Design [ Turquin 04 ]
http://sketch.inesc-id.pt/sbm04/papers/20.pdf
二次元の人の画像の上に二次元でスケッチすると、服のモデリングできる。
服は人の表面を覆うものというルールのもとに生成する。

Clothing Mannipulation [ Igarashi 03 ]
http://www-ui.is.s.u-tokyo.ac.jp/~takeo/papers/cloth.pdf
すでにある服のモデルをどうキャラクタに着せるかというインタフェース。
着せた後にも回転させたり、ずらしたりもできる。

◆まとめ

スケッチによってインタフェースを簡略化
 初心者でも簡単に使うことができる。
 デザインの初期段階にも使える
効果的なデザインのために重要な点
 対象に特化した知識を利用して不足する情報を推測
 曖昧性を解消するためのインタフェースを提供

デザイナーとモデラーが別々なのではなく、
デザイナーが本来使えるようなものが理想。

12/16/2009

[&] SIGGRAPH Asia 2009 (SIGGRAPH ASIA 2009 paper fast forward)


SIGGRAPH Asia 2009

SIGGRAPH ASIA 2009 paper fast forward

色々間違えていそうだけど、一応......

論文のリンク集
[ http://kesen.huang.googlepages.com/siga2009Papers.htm ]

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◆Texturing

Layered Shape Synthesis: Automatic Generation of Control Maps for Non-Stationary Textures
最初の発表で気をぬいていた。わからん。

Feature-Aligned Shape Texturing
ハイライト付きのテクスチャ表現に関して。

Continuity Mapping for Multi-chart Textures
padding に考慮したマルチテクスチャ

Motion Field Texture Synthesis
煙などの質感を物理計算無しで素材を作る方法

◆Urban Modeling

Interactive Design of Urban Spaces using Geometrical and Behavioral Modeling
プロシージャルモデリング手法。地図上の道を書き換えるだけで都市の建物が変化する。

Procedural Modeling of Structurally-Sound Masonry Buildings
モンスターの格好をそしたふざけた発表。構造をもった建物が怪物に壊されるときの映像化。

Symmetric Architecture Modeling with a Single Image
一枚の画像から、三次元物体のテクスチャイメージを取得する手法

Image-Based Street-Side City Modeling
もし横浜の建築物の三次元モデルを手作りしたらどうなるか?車から撮影した映像で再モデル化。

◆Vectorization/Editing

Patch-Based Image Vectorization with Automatic Curvilinear Feature Alignment
パッチベースの画像のベクター化手法。写真から線画を全自動で取得できる。

A GPU Laplacian Solver for Diffusion Curves and Poisson Image Editing
はてな? わからなかった?

Rendering Surface Details with Diffusion Curves
??

Efficient Affinity-based Edit Propagation using K-D Tree
ビデオ映像の色合いを丸ごと大胆に変更する。その色合いや雰囲気を保ったままで。

◆Physically Based Animation

Harmonic Shells: A Practical Nonlinear Sound Model for Near-Rigid Thin Shells
音を発する金属質の金属音を物理的に生成。

Stretching and Wiggling Liquids
何が新しいのかわからなかった。

Synthetic Turbulence using Artificial Boundary Layers
ラップ風の排気ガスのリアルに描く。

Aggregate Dynamics for Dense Crowd Simulation
群衆シミュレーション。インドのリアル群衆、日本の群衆との比較。むちゃくちゃ人がいる時の振舞い

Skipping Steps in Deformable Simulation with Online Model Reduction
複雑な顔モデルのリダクションに関して。

◆Resizing/Montage

Sketch2Photo: Internet Image Montage
ラフスケッチした絵から、写真を探す技術。今年のベストペーパーかもしれない!!

Optimized image resizing using seam carving and scaling
最近流行のシームカービング技術。大きな画像をから、オブジェクトを保持したまま縮小する

A System for Retargeting Streaming Video
動画のクロップ、スクイーズをアーティスティックなコントロールできる仕組み。

Motion-Aware Temporal Coherence for Video Resizing
動くオブジェクトをリサイズした時の不自然さをなくす。

◆Lighting & Materials

Printing Spatially-Varying Reflectance
印刷されているマテリアルは豊かな質感を持っている。そのインクをシミュレーションして再現。

Interactive Reflection Editing
インタラクティブに鏡に写っているものや車体の反射をコントロールできるツール。GPU利用

User-Assisted Intrinsic Images
ユーザーの手作業による Illumination の編集。

Webcam Clip Art: Appearance and Illuminant Transfer from Time-lapse Sequences
写真に写っているオブジェクトを丸ごとコピー&ペースト

◆Real-Time Rendering

Micro-Rendering for Scalable, Parallel Final Gathering
ファイナルギャザリングを並列化した仕組み

All-Frequency Rendering of Dynamic, Spatially-Varying Reflectance
BRDF オブジェクトをリアルタイムにペイントできる仕組み。

Depth-of-Field Rendering with Multiview Synthesis
DOF被写界深度を考慮したレンダリング。

Amortized Supersampling
動画像のスーパーサンプリングの効率化手法。論文を拡大すると自分の家族写真がはいっていますとな。

◆Shape Analysis

Relief Analysis and Extraction
??

Abstraction of Man-Made Shapes
手作り形状に関しての何か?わからん

Partial Intrinsic Reflectional Symmetry of 3D Shapes
画像の中から似たものをみつけ、分離する技術

Packing circles and spheres on surfaces
蜂の巣のような数式的に繰り返す、新しい構造体に関して。建築物に活用できる。個人的にはツボ。

◆Global Illumination

Adaptive Wavelet Rendering
wavelet 手法を使った GI 。ノイズが少ないなど。ウケを狙いすぎたか?

Stochastic Progressive Photon Mapping
フォトンマッピングのノイズ軽減手法。すごい難しい数式を提示!?

Automatic Bounding of Programmable Shaders for Efficient Global Illumination
アニメ的 CGと物理シミュレーション的 CG のギャップを埋める手法。

Virtual Spherical Lights for Many-Light Rendering of Glossy Scenes
キッチンの輝く質感。VPL virtual point light を使うのがおすすめ。VSLs の売り込み。

◆Imaging Enhancement

Removing Image Artifacts Due to Dirty Camera Lenses and Thin Occluders
カメラのレンズがとても汚れていた時に、動画から補完してゴミをとりのぞいた映像を作る技術。実用的!

Fast Motion Deblurring
モーションブラー(手ぶれ)を取り除く技術を超高速化。

Noise Brush: Interactive High Quality Image-Noise Separation
ノイズ除去は正しい回答なのか? 味のあるノイズを画像に載せる方法

Edge-preserving Multiscale Image Decompostion based on Local Extrema
エッジ検出手法。縮小率によらない手法

◆Geometry: Interaction & Subdivision

Structured Annotations for 2D-to-3D Modeling
二次元の絵の動く部分を指定すると、三次元オブジェクトとして動かせるように?

Analytic Drawing of 3D Scaffolds
CAD的オブジェクトを紙で定規を使って描くものと同様にコンピュータ上で描けるツール。どこまで実用?

DiagSplit: Parallel, Crack-Free, Adaptive Tessellation for Micropolygon Rendering
オブジェクトのクラック(傷や欠け)を直す手法

Approximating Subdivision Surfaces with Gregory Patches for Hardware Tessellation
ハードウェアを活用したテセレーション。

◆GPU Algorithms & Systems

Ray casting of multiple volumetric datasets with polyhedral boundaries on manycore GPUs
GPU に対して新しいレンダリングパイプラインを実装。

Debugging GPU Stream Programs Through Automatic Dataflow Recording and Visualization
GPU プログラムのデバッグツール、

Real-Time Parallel Hashing on the GPU
ハッシュテーブルへの GPU活用

RenderAnts: Interactive REYES Rendering on GPUs
GPU でRenderMan 的レンダリングをリアルタイムで描く手法。PixarのPRMan とほとんと同じ。

◆3D is Fun

Shadow Art
影を使ったアート。見た目なんだかわからなくても影の形がアートになっているもの。自動生成する技術。個人的にはツボ。

3D Polyomino Puzzle
三次元の組み立てパズルを生成する手法

The Graph Camera
グラフカメラという新しいカメラ撮影を提案

BiDi Screen: A Thin, Depth-Sensing LCD for 3D Interaction Using Lights Fields
三次元ディスプレイのタッチ、グラブ、操作の新しい手法の提案。パイ無げ

◆Perception

Evaluation of Reverse Tone Mapping through Varying Exposure Conditions
様々な明るさで撮影した画像のトーンマッピング活用。

Robust Color-to-Gray via Nonlinear Global Mapping
カラー画像を適切にグレースケールにする手法。

Structure-Aware Error Diffusion
印刷物のトーンパターン手法。漫画のパターンのようにつぶつぶで写真画像を表現する方法

Emerging Images
動画の中に単なる粒が混ざっているだけなのだが、オブジェクトとして認識できる。佐藤雅彦さんの手法?

◆Hair & Collaborative Modeling

Exploratory Modeling with Collaborative Design Spaces
髪の毛を三次元ジオメトリとしてスキャンし、レンダリングで再構成。

Capturing Hair Assemblies Fiber by Fiber
写真の人物の髪の毛を CG キャラクタのヘヤカラーとして使える手法。色合いや風合いをまねることができる。実用度たかい!

A Practical Approach for Photometric Acquisition of Hair Color
人物モデルはポリゴン、髪の毛のスタイルを編集するは難しい。ヘアスプレーのような編集可能な髪。

Hair Meshes
手書きから生まれるメッシュモデル。

◆Character Animation

Optimizing walking controllers
人の歩きを自然に見せるのは難しい。様々な偏った人体モデルでも自然な歩き方を。

Compact Character Controllers
発表者が居ない。

Robust Task-based Control Policies for Physics-based Characters
周囲の環境や重力を考慮した歩行アニメーション。

Modeling Spatial and Temporal Variation in Motion Data
群衆アニメーションのうち、周期的な動きに関するもの

Real-Time Prosody-Driven Synthesis of Body Language
ネットワークゲームにおけるキャラクタの自動的な動きづけ。自然なジェスチャ。

◆Reconstruction & Modeling

Out-of-Core Multigrid Solver for Streaming Meshes
メッシュ形状向けの効率の良いソルバー

Dynamic Shape Capture using Multi-View Photometric Stereo
複数方向からの動画により、モデル形状の取得

Robust Single View Geometry And Motion Reconstruction
サウスパーク風の発表。笑える。

Consolidation of Unorganized Point Clouds for Surface Reconstruction
スキャンしたノイジーな三次元形状の扱い。

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以上。明日も楽しみ!